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NO140 2004年7月号
○・・・稲の航空散布が始まった。ヘリコプター会社との契約なので、なかなか簡単には止められない。前号で書き忘れたが、一面の散布では殺菌、殺虫の二種農薬とその展着剤が撒かれる。
○・・・先に島の北端で77ミリの豪雨があったあと、報じられたが、50キロ離れたわが家の当たりは多くはなかった。総じて近年小雨カラ梅雨である。
○・・・ニュースによれば関東は猛暑とか。さぞかし大変でしょう。連日の30度の熱帯夜−お見舞いの言葉もありません。島は上旬に一日だけ35度になり、クーラーのない家もあるでしょう。熱中症で重傷というのもわかります。そんな中、申し訳ないのですが島は25度止まりがもう十日以上続きます。
村からの告発12−林道の開削
林道の振興開発−杉や松、檜と言った苗を植える植林事業、材木を切り出しての製材事業、ならの木などを搬出してキノコ類を養殖する加工事業を進めるためには山地の奥深くまで、林道を造る必要がある。
 国や県の補助金を貰って町村で、少しづつ林道の開削は行われてきたが昭和40年代以降、佐渡でもそれまでにない大規模な林道開発が県営で実施されてきた。
 佐渡は、大佐渡山系と小佐渡山系という南北二つの山脈があり、その間に平野部がある。北側の山脈の中腹を走る基幹林道の33キロの全線と南側山脈の尾根づたいに走る基幹林道の約50キロの一部を走ってみた。高度経済成長時代に開発された大規模林道10本の内の4ほん分に当たる。
 わが家は林道に縁がないので、林道に分け入ることは少なかったのだが、巾6〜10メートル、全線舗装の立派なものだった。私有地を避け国有林地や町村有地をふんだんに使い贅沢な道で国道にも勝る部分も多い。先頃、ほっかいどうで「熊の道」と話題になったことがあるが、佐渡では狸でさえ里に下りて、海抜300〜400メートルの林道には姿を見せないのではないか。人気はもとより、すれ違う車もない。こんな山中で車が事故でもしたら、大変である。もの悲しくかつ恐ろしい道でもあった。
 山腹は落水のため様々な起伏となり、大小の入江を造っている。そこで、林道は当然曲がりくねってくる。どれくらいの経費を使ったのであろうか?よくぞ、設計しよくぞ造ったものよ。と言いたくなる。ほどの林道である。
 道が出来ると言うことは悪いことではない。ましてや林業の振興のためとあらば、大変結構なことなのだが、残念ながらげんざいのところもくろみ通りに事はすすんでいない。佐渡では、海岸から山に向けて118本もの従来からの林道が延び。これを10本の基幹林道が横につながっている。この林道の先々に20カ所の県営の造林地と63カ所の公社が育成管理する造林団地がある事になっている。何しろ、山の中のことではっきりしたことはわかりませんが、ひと頃のような植林ニュースは聞きません。
無駄な投資をしないためにはどうしたらいいか?
 意外と造林事業はすすんではいないのではないでしょうか。新潟県も赤字借金県で、たいがいの公共事業はカット、林業などは後回しでしょう。植林という仕事は30−40年という長い時間を掛けての仕事で、地滑りなどの緊急対策以外は、テンポの速い現代では、なかなか出来る仕事ではありません。
加えて住宅事情も様変わりをして、外材により合板住宅ばかりになったほか、第一日本住宅を造れる大工さんが少なくなりました。用材としての植林事業に対する意欲がなくなるのも仕方がありません。
 それに林業をする労働力の不足です。村では今田畑の耕作するのが、やっとの状態で、とても山の手入れをする余裕などありません。わが家の柿園の周りの身近な民有林さえ荒れるに任せ、立ち枯れた木が林道をふさいだりするなど、それはひどいものです。ましてや、椎茸栽培をするなど加工農家などは激減しています。林業は水田の何倍も重労働で、おもしろくない仕事です。効率の悪い仕事です。
 経済情勢の急変とは良いながら、林業振興という高慢なり理想事業は、ものの見事に的はずれとなり、多額な投資がイカされていない、と言えます。これは佐渡ばかりではなく、全国的なものだと言います。金余りの時代に将来を正確に観測することもなく、あらゆる分野で開発に走ったーなれの果て、と思います。
 県営で造られた林道は完成後は市町村に移管されるが、佐渡の広域基幹林道10本、120キロの管理だけでも容易なものではありません。私の縦走中も何カ所で鉄砲水による決壊箇所があった、そのたびに路肩の修理とパトロールが必要になるのです。
時とも佐渡では、土建業者に仕事を与えただけーと言う批判があるが、それを認めてきた住民、国民の問題でもある。せっかくの林道をどう活用するかー温暖化を前にして森林の保護が必要であって、大事な課題がここにもあるのです。

田んぼの区画を大きくする問題について指摘していらした通信も大変興味深く読みました。何にもほどよい大きさというものがある、と言うことですよねテレビでアメリカ式の大規模な田畑を見せられると、ついついああいうのが効率でよいのかなあと素人は思ってました。  東京 山下さん
農園便りの後書きを読んで貴重な米を分けて頂いているのだと感謝しています。島の農家の現状を知り、悲しい気持ちになりました。親思いで、農家を次いだ子どもほど切ない暮らしをしているようで・・・私は意志を持ってスーパーの10円タマゴを買わずに近くの養鶏場の8個で200円のを買っています。蛙は害虫を食べてくれる良いやつだとはじめて知りました。矢田さんの新聞は勉強になります。お体には気をつけてくださいね。 富山 金田さん
▼我が家族の健康を気遣ってくださった声が届きました。ありがとうございます。病院通いをしてみて、特に老人の健康管理がいかに難しいかを感じました。
▼佐渡の天候はさして異常とは思えないのですが、野菜類の育ちが良くありません。わが家も同じで、茄子はすくんでしまって大きくなりませんし、トマトは熟さないし、ジャガイモに至ってはテントウムシに食われて、全くの不作。タマネギも畑で腐り、納屋の中で腐り・・・
▼順調だった柿も中旬の雨天続きで、少し生理落下したようです。柿は自分で落下させて調整するのです。
▼9月に新米をお届けする予定です。発送日が遅れるかもしれません。予約を例によってお願いします。先着順になるかもしれません。がんばって造りますけど〜〜
NO139 2004年6月号
○・・・この春の佐渡はずっと低温続きだった。越後に比べて2〜3度は低かった。不思議なことに害虫が少ない。柿の生育がすこぶる良い。イネミズゾウムシの発生は相変わらずで、苗を踏み倒して二重植えでしのいだ田もあるが、全体的に被害は少なく、順調な滑り出しだ。
○・・・私毎ではご心配をおかけしました。家の猫(ダイスケ)が連れてきた雌猫を懲らしめようとした時に噛まれ、専門医にかかるのが遅れた。主治医を過信しすぎた。抗生物質の過信でもあった。自分に博愛の心が足りなかったのか、ペットの扱いも考えさせられる。猫にもストレスがあるのか、短い間に4人もの猫被害者に外科外来であった。増えているという。気をつけていても事故はある。不慮の事故には速やかな、適切な処置がいる。
村からの告発11・・・・稲の農薬
 「一般に米を作る場合、どれくらいの農薬が使われるものなのでしょうか?」と言う宿題を愛読者?のおぜきさんから受けている。この号ではこの問題を。
 一昔までは農薬は余計に使うほどよいとされた。今でも変わってはいない。村の役場では制限はない。「良いものは消毒するほど、たくさん穫れる」事になっている。タダ、現在ではやりたくても出来ない。老齢化による、または一人家族のため人手不足から農薬散布が出来ないのだ。
 また、これまでも報告してきたように、大区画の田んぼに変わったため、個人では難しくなってきている。刻々と農薬散布のやり方が変わってきている。航空散布・共同防除、粒状化・ひりょうとの混同化がそれだ。個々で行政並びに指導機関や農協などがすすめる農薬散布のマニュアルを紹介する。(佐渡地方)
@イネミズゾウムシ・ドロオイ虫(6月)  トレボン剤3kg
Aニカメイ中(6月)             パダン・スミチオン
B葉いもち病(6〜7月)          ビーム剤3〜4kg
Cモンガレ病(7〜8月)          バリダシン剤4kg
D穂首いもち病(8月)           コラトップ粒剤4kg
E枝梗いもち病(8月)           ブラシン剤4kg
Fウンカ・ヨコバイ類(8月)        ジョーカー剤4kg
Gカメムシ類(8月)             スミチオン剤4kg
Hコブノメイガ(8月)            パダン粒剤4kg
 ひところまではA.B.C.F.Hなどの防除に農家は苦労した。8袋入り一箱25キロの農薬が農協から配達されてきて、これを散布しなければならないと思うとため息が出たものだ。わが家にも10箱以上が作業上に山積みされた。昭和40〜50年代のことである。
 長年の空中散布のせいか、AとFの発生は少なくなり、品種改良のせいでCの被害も目立たなくなったが、現在では@とGは絶対に欠かせないもので、いもち病は昔も今も変わらない、欠かせない稲の最大の病気である。そこで、2〜3回の航空散布が始まった。
 佐渡では、7月の下旬と8月の上旬に2回、いもち病とカメムシ対策として濃度30倍という高濃度散布が続いている。航空散布は料金がかなり高いので、元気の良い農家はグループで大型散布を買い、共同で薬液散布や無人のラジコンヘリコプター散布をはじめている。
一方で、農薬も変わってきている。粉剤が圧倒的に多かったのが、粒剤に逆転しそうである。二人で作業しなければならない粉剤に比べて、粒剤は一人で散布できるほか、肥料に混合して同時使用が出来るのである。しかし、これらの粒剤の大部分は、稲にいったん吸収されてのち毒性化、あるいは有効化されるもので、人間に与える毒性に不安を私は感じている。
 肥料との混同は省力にはなるけれども、その分農家は高いものを買わされているが、少し熱心な人は、空散のほかに自分でも適切な時期に粉剤などいもち病除をしている者も多い。航空散布の仲間から離脱する勇気がもてないからだ。
 このほかにも、除草剤や倒伏軽減剤などの農薬があります。除草剤の有効期間はおよそ、20日くらいのため、1回では無理で、初期と中期の2回、または多年草雑草の除草では後期の3回も使用することがあります。農家は最近では田の畦にも除草剤を使い草退治をしています。わが家でも農薬を使っていますが、こんなに使っても良いのでしょうか?心が痛みます。
 少しでも農薬を使わないですむ農法=栄養周期説農法では、Aのニカメイ中発生は少なく、なぜかいもち病の被害もカメムシも出ず、間接的にはモンガレ病も少ないので大馬力で普及させたい。そして、農薬と大機械に依存の大規模経営農家作りの農業政策を止めさせる運動を進めたい。消費者の皆さんもそういう、農薬使用農家の産物を買わないように少しでも農薬を減らすと努力している農家を支持して貰いたい。
ちなみにわが家の低農薬のコシヒカリは除草剤(2回)のほかは、イネミズゾウムシ対策(アドマイヤ剤)だけ。減農薬のコシヒカリは除草剤1回(ザーク剤)のほかは無農薬を同じ。いすれも栄養周期説農法です。
おたより:以前一度だけ注文した吉田です。玄米を食べるのは初めてで、それが矢田さんの玄米でした。とっても美味しくて、その上ずっと困っていた便秘が改善したのはビックリ。一人で食べていたので、5kgが結構持ってしまったのですが−次に注文しようとしたら無い!しょうがなく、玄米なら一緒かと思い、別のおうちの玄米を頼んでみたのですが、正直美味しくないし、また便秘。私自身には矢田さんちの玄米しか合わないの?かも。なので、いつかまた矢田さんの玄米にお会いできる日を首を長くして待っています。
▼・・・40日ぶりに包帯をを解き、抜糸。来週からリハビリに。どうにかこれだけの字が書けるようになりました。人間には無理のない範囲で動き動かさないと行けないものですね。
▼・・・柿の葉茶の新茶がそろそろ出来ます。一袋400円。黒米3キロほど見つかりました。赤米が残ってます。古代米4種ミックスが3キロ弱あり
NO135 2004年3月号
○・・・動物も植物も生きること繁殖することに一生懸命である。一人人間だけが遊びを求めて贅を尽くしているように思えてならない。生命の命を無神経に扱いすぎてはいないか?
○・・・飼育とは栽培とかの言葉は人間の都合から産まれたもの。その生産物の利用するにしても動物の扱い方、作物の育て方は、少々乱暴すぎる。今月の告発は、鶏を散りあげる。
○・・・兼ねて紹介済みの栄養周期農法の普及活動をはじめた。研究会を立ち上げては見たものの、農家の反応は今ひとつである。ここでも、いかに作物の整理をないがしろにした栽培法を続けてきたことと気づき、けなげな作物達に対してたことが、はなはだ申し訳ない気持ちになった。せめて生きるだけでも幸せな育て方をしてやりたい。
養鶏 鶏インフルエンザで考えることは
 人のo-127と言い、サーズと言い、免疫力の落ち込みをねらわれた悲劇でした。かろうじて抑えたがこのあとも同じような不幸は指定できない。鶏インフルエンザ問題も鶏の免疫力低下につながる飼い方が問題である。
 ニワトリは文字通り庭鳥で、戦後ポツポツとの以下の庭先で飼われていた。風邪でもひかなければ卵は食べさせて貰えなかったものだ。昭和30年代に入って食生活の向上から、100羽200羽くらいの養鶏農家が出てきた。花形産業でもあったのだ。私の友人2.3がそんな養鶏をはじめた。わが家でも5〜6羽を自家用に飼った。
 当時からも養鶏様式はバタリーというか金網かご飼いでした。狭い面積で大羽数を飼うにはこれが優れていたわけだ。しかし、10年もしないうちに1千羽養鶏になり、1万羽養鶏へと変わっていったのだ。私の友人達は皆転業し、後輩の一人が共同で1万羽に挑んだものの、つい先年、これも廃業したものだ。
 一万羽養鶏に取って代わったのは、インテグレーションという資本による10数万羽以上の大規模養鶏である。飼料会社直営のものが多く、ここで養鶏は完全に農業、農家の手を離れたのである。
不健康な虐待飼料
 一日一羽1円の利益−と言う養鶏に業は企業的な経営能力が要求されるのだが、しかし、鶏は工業製品とちがって生命を扱うもので、工業的に処理すれば健康を損ね、病気が発生する。次第に薬漬け養鶏となり、鶏は免疫力を失い、今回のような非常事態も誘発する。人間社会とまったく同じだ。
 土から離され、ウインドウレスと言われる密室(太陽光線無し)で、365日ほとんど同じ餌漬け、と言う虐待飼育が今日の養鶏の主流なのである。
 ここで生産される10円タマゴは安い、と評判だが味も薄ければ栄養も高いとは言えまい。もっと警戒しなければならないのは、抗生物質被害である。これが乱用のタマゴが、人間の治療薬の無効化に影響を与えることだ。抗生物質薬が効かず命を落とす人が増えているのがこれだ。
 自然界には病原菌はうようよしている。昔も今も変わってはいない。感染のチャンスはあっても、こちら側に免疫力があれば感染は抑えられる、するのが正しいのだ。
健康卵の自然養鶏のすすめ ヤマギシズと中島養鶏
 では、亜流の養鶏とはどんなものかと言えばわが家でもやっているような平飼い自然養鶏。昔の飼い方である。
日光が当たる土間付きの鶏舎に坪10羽のゆとりのスペースで雄鳥と一緒。餌は地元産の残飯や農業副産物(クズ米や野菜くず)で飼うやり方である。
 わが家の鶏は、「ゴミ処理」役を果たしてくれる。雑草も竹の葉っぱも鶏舎に投げ入れる。同居しているウサギたち、土を掘り返しながら鶏糞堆肥を作ってくれる。餌はクズ米とこぬか、おからに魚屋から貰ってくる魚のアラを煮たものなどを在来菌で発酵させたもの、市販の飼料はゼロ。外から病原菌がやってきても大丈夫。消毒行為は一切せず、老死以外に事故はないから、もう15年くらいのやつもいる。3歳くらいで廃鶏(肉)にする現代養鶏とは大きく違う。気も優しくてウサギたちとも私の孫達とも遊んでくれた。彼女らのタマゴは味にコクがあって生卵で飯を食うとよくわかる。只今一個40円で皆さんが買ってくれる。何年来かの固定客だ。
 しかし、もうこのような農家は無くなった。
私の地区は約72件の農家だが、わが家のほか2件くらいしか鶏を飼っていない。その二軒も5.6はづつで近所の注文に応じられたものではない。自家製よりもスーパーの一個10円の不健康卵の方がよいのだ。広い屋敷があり、残飯があり、野菜くずがあるというのに。スーパーのタマゴがどういうタマゴか少しも考えようとしない。ほとんど誰もが教えようとともしない。また味覚が麻痺してしまっていてまずいとも感じない。
砂上の養鶏業
かくして、消費者達が10円タマゴを支持して買い求め、現在の虐待養鶏を繁盛させ、そのあげくに一挙に25万羽も50万羽もの鶏を税金を使って処分しなければならなくなったわけです。たかが、一粒のタマゴの選択が日本の農業を狂わせ、危険きわまりない事態までに発展する。
 もう一つの問題は、大規模養鶏はその飼料のほとんどが海外依存であること。国産とはいえ、実態はアメリカ養鶏なのだ。ポストハーベスト(輸入中の消毒)や遺伝子組み換えの危険もはらむ。砂上の養鶏産業だ。戦後いち早く山岸というひとが「養鶏と稲作の循環農法」を提唱。三重県に理想郷を拓き今も各地でヤマギシズム運動は続いている。その後、昭和50年代に中島正氏(岐阜県)が今日の自然養鶏の理論と実際をうちたてたが、残念ながら右のように消費者に指示されなかっやのである。

佐渡全島一市がスタートとのこと。隅々まで住みよい島になるように願っています。  川島さん

柿茶のお陰か、今月は風邪を引かずにすみそう。続けていると良いみたいです。 工藤さん
お味噌たくさんありがとうございました。3年ものは発酵臭にすごいパワーを感じます。黒豆味噌も間違いなく美味しかった。矢田さんの蔵には良い菌が住んでいるようです。行き過ぎた品種改良は私も反対。種がアメリカ産だったりするとゾッとします。
月初めに、貯蔵していておいた籾を全部玄米にしました。やはり量不足で無農薬・減低農薬共に、これまでの予約で一杯で、新規のご注文および追加のご注文には応じられません。大変申し訳ありません。新年の生産に馬力を掛けます。余るのも困りますが、足りないのも苦しいです。
 玄米は、気温上昇を見て冷蔵庫で貯蔵します。10月新米の予定です。
NO134 2004年2月号
○・・・3月1日をもって、佐渡は一島一市に変身、わが家の住所も「佐渡市長江1109」となります。一島一郡の平安?時代に舞い戻り。
○・・・一市七町二村が一市7万人余りの行政区。多くの島民が市という名称を求めた、言える。全国三千の行政区を三分の一に減らしたいという合併政策は、国の支出削減がねらい。
○・・・促進補助金(一時)を餌に全国でこれに走り込む。新規事業の七割を助成−の政策によっても新・自治体はさらなる借金を増やすことになるだろう。自粛したいものだ。
○・・・佐渡の場合、中央の隣町に新庁舎を建設、山の下を縦貫するトンネルの計画やジェット機空港化なども話題に上っている。
今年のわが家の栽培計画
取り立てて、新しい計画はありません。
▼米作りでは、@無農薬A減農薬(除草剤1回のみ)B低農薬(除草剤2回、有機50%肥料、農薬1~2回)の三つの種類です。方法としては、栄養周期説農法と植物波農法で、健康と生命維持のための抗酸化米作りは目標です。一番の課題は、イネミズゾウ虫の対策。秘策もありますが、果たして・・・
▼柿作りでも@無農薬A減農薬(殺菌剤のみ2回)B低農薬(混合剤3回)の3種類を続けます。方法は米の場合と同じ。一番のカイガラムシ。これは手強い。打つ手がない。願ってみようかな・・・
▼いずれやってみたいのだが、産物の直売所と健康食の食堂兼飲み屋。最もこれは会員制。
▼懸案のものが、納豆と豆腐と米粉のパン作り、果たして?
品種改良
私たちの目が届かないところで、「タネ戦争」が起きているだそうだ。その成果最近作物の品種改良が活発で、カラフルな野菜や東西の珍種と種苗会社のカタログが賑やかだ。
米の品種改良も休まるところを知らない。遺伝子組み換え稲の向こうを張って、近年の動きは病気に強い品種の開発が主流。コシヒカリやササニシキなどのスーパー性が揺るやがないためでもある。すでに、宮城県では「ササロマン」とい耐病性ができたとか・・・
 新潟では来年度完全切り替えで、いもち病に強いコシヒカリを開発中である。耐病性のトドロキワセとか新潟早生をコシヒカリに組み入れるために、繰り返しコシヒカリを交配し選抜するために最低でも10年以上を掛けて、やっと選抜安定させた、そうだ。厳密にはコシヒカリではないが交配でより近づけてコシヒカリを名乗るわけで、無理をしている。
時間と経費を掛けて・・・
コシヒカリはいもち病に弱い。新生コシヒカリなら、農薬を減らせて増収できる、と言うねらいだがその限界は見えていない。天候不良の問題もありセールスポイントになるかどうか疑わしい。それにカメムシという害虫対策はないだろうから、航空防除カットとはならず妙味とは少ないのでは。つまり、開発費用効果は少ないと言うこと。
 この点、わが家が兼ねて主張している「栄養周期説稲作」を普及させれば、病害虫の発生を同時にクリアし、倒伏も防ぎ、稔実を高め増収、さらに美味しいコシヒカリが穫れ、省エネかつ安全というセールスポイントがつく。作物の病害虫は、まず窒素肥料の多投(多施用)から発生する。この農法が、2〜3割の窒素を減少させ得る方法であることは、これまでに述べてきたところです。  
改良で失うものがある。
 品種改良は、その時代の人の味覚に合わせて行われる。地方人も志向にも合わせる。美味しい品種は確かに美味しい。だが、改良によって失うものもあるようだ。
 まずは波動とパワー。古代米の持つ波動はストレス、治癒力共に桁外れに高い。生命維持力が高いと言うべきだろう。波動数値はしらなっくてもキロ1500〜2500円という値段にもかまわず古代米人気の高まりがその証拠では?原種に近い品種ほどエネルギーがあるようだ。
 次が栄養価とそのバランスを失う。多くのデータを持っているわけではないが、原種に近い品種ほど米が持つNa:K比が人体のそれに近いと、東京薬科大学の吉原博士が言う。栽培法法にもよるようだが、なるほど市販のコシカリの数値がなんと150なのに対して、古代米の数値は人体のそれにほとんど近い15くらいだと聞いている。(ちなみにわが家の無農薬のコシヒカリの数値は最大で40.4しか接近できなかった)つまり、改良されるほど人体が必要とする米でなくなるわけで、品種改良は食味や経済性の追求で行われていると言える。
味覚の回復
 我田引水のようだがわが家の作る柿(平たねなし)は、昭和の初め当然変異種として発見されたもの。種がないから改良されていない。コシヒカリより美味しいというミルキークイーンもコシヒカリの突然変異種です。私がここで力説したいのは、品種 改良はほどほどにして狂った味覚を玄米食をすることで取り戻して、古い品種の作物を美味しくたばられるようにすることです。

ポーランド在住の娘一家に合流してしばらく静養してきました。孫ふたりがしっかりと育ち、なついてくれてここをみたされました。お便り1月号の正論、卓見に敬服しました。それにしても政治家が目覚めないと、国民も!    
                横浜 かわむらさん
荷を開けたとたん思わず、あっと声を出してしまいました。真っ赤な実をよく付けた南天、そして松の緑、紅葉と青だけの筒までありがとうございました。早速、筒に水を入れて卓上に飾り一足早く正月が来たようでとても明るく顔もほころびました。       埼玉 かとうさん
青だけの小物達はありがとうございました。実家の父と冷酒でも飲みますかね〜干し柿を送ったいとことkさん、あまりのおいしさに感激、来年は注文するといってました        神奈川 いちおかさん
生柿は、一寸薄味でしたが干し柿は美味しいですね。あればもう少し欲しいくらい。お餅はやっぱり餅らしくて充実した味で良かった。スーパーの餅は水っぽくてすぐぺろーんってしてしまう。竹細工。だんだん名人になって切り口はすべすべで良い具合、ありがとうございます。      東京 くどうさん
このたび農園の「こだわり干し柿」を口にする機械がありました。まさに絶品です。干し柿、お米その他、も購入したく問い合わせします               北海道  たむらさん
しょうがっこう時代の恩師に玄米をお分けしたら、まあなんて香りの良いお米です事!一寸のお米では買えないものですね。 と本当に驚いていらっしゃいました。私もうれしかったです。「圃場整備」大変興味深く読みました。
                            東京 おおのさん
目の覚めるような竹の青に自然の力があふれてきます。見れば見るほど立派な干し柿であまくって甘くって美味しいといったらありません。人類益=地球ファミリーのはっそうですね。まさしく私たちは地球という「座」に一連託生しています。私は知りませんでしたが、昌益に学び農業が見直され、農業人口が増えることを祈ります。日本の農政は何を学んだ人が何を軸にどんな役割を果たしているのですか?また、米作りではどれくらいの農薬が一般的に使われているものなのでしょうか?       東京 おぜきさん
竹細工お上手ですね。リモコン立てに使わせて頂きます。お正月の飾りセット、まだ飾ってあるのですよ!きれいなので捨てるのはもったいなくって・・・  東京 いしやまさん
▼紹介し損なったお便りをまとめました。毎回熱心で心温まるお便りをありがとうございます。プライベートな部分を外して、紹介させて貰っています。ご承知くださいませ。これからも楽しみにお待ちしています。
▼ご質問についても、いずれ勉強してお応えし、また、村からの告発など中心に冊子にしてみたいなと考えています。ご質問をどうぞ
 
NO134 2004年1月号
○・・・年が改まりました。今年もどうぞよろしくお願いします。誠意あふれる賀状をありがとうございました。普通、業者からの年賀には返信しないものです。わが家は皆さんにすれば単に米屋にすぎないのに、一杯頂けるというのは取引業者を超えていると、ありがたくうれしく思っています。
○・・・今年のわが家の年賀は120通ばかり。例年通りすべて手書きです。印刷は一度もありません。一年の自戒や決意を延べ、近況を添え書く。三種類の内、「社会は変わらない。変わるのは自分自身だけ。」が気に入っている。自分の変身は容易であり、自分が変われば社会も変わってゆく。社会のせいにするなら、と言う戒めである。
国益から人類益へ
 国益を巡り世は大きく揺れている。身近にも私益、村益そして県益と、争いは皆損得勘定だ。同じ勘定でも「人類益」と言うのは、まだ無い。人留の恐怖はすぐそこまで来ているというのに。
地球温暖化と環境汚染。人口爆発も確実なら食糧不足やエネルギーの有限もたしか。いずれも時間との戦争で一刻を争う、並みの努力では防ぎがたい重い問題である。
 なのに、現実は問題提起にとどまるばかりである。新しい価値観「人類益」に照らせば、今人々は何を辞め、何をしなければならないか、自ずとわかってくる。国益で迷うことはないのだ。全世界の推進した京都議定書は人類の願いだが、離脱した超二大国こそ悪の枢軸でなくて何か?また議長国に抑えた、この国は世界から試されたこと知らず漫画のスネ夫君を決め込んで、防止協定の発効を6年も遅らせている。世界の期待を裏切ったわけだ。
人類益の視点で見れば、いかにこの世は浪費と悪事に見ていることか!このときに至っても近眼と盲目者であふれている。つぎつぎと火薬暴力を働くジャイアン君を説伏させずに派兵する非戦宣言国はここでも世界の信頼を失墜するに違いない。国連の機能を麻痺させることにも及んだのである。
ジャイアン君の脅しをきっぱり断り、唯一の9条旗を高く掲げて、「人類益」を主張してこそ、この国の存在価値があるというものだ。損得勘定を戒め、理想を目指す品位と良識の国民でありたい。これが為に一人一人の自戒とあたらな行動が問われ、自らを変革しなければ新生日本は実現しない。現実にはウルトラマンはいないのだから。
 私は農家だから、生態系を壊さず、メタンガスを出さない循環型農業をやり続ける。君も何かしてください、必ず。
田んぼの値段
一反歩150万円も掛けても作り直す田んぼの値段はいくらですか?と言う質問があった。その答えは、「平坦部で一反歩100万でも買い手がない」です。そうです。今、田んぼを買ってまで米を作る農家は少ないのです。ひと頃までは、平坦部では300万というのが相場でした。売る人も少なかったからです。なぜかと言えば、米の値段が安くて儲からないからです。なぜ安くなったか、と言えば消費が減った上に安い外米が入ってきて食堂で使われ、コンビニで売られるから。なぜ消費がへっtかと言えば、輸入の小麦荷のパンが食べられるから。
要するに田んぼは値下がりしているのです。条件の悪い山間地では耕作放棄地が増え、全国では7%、21万町歩がヤブになっている。我が村でも20カ所5町歩もある。
安いから、遊んでいるからと言って誰でも田畑を買えるかというとこれはできない。農地法によって、農家を増やさないように、農地を分散させないように制限している。農業を一つの企業とすれば、この保護も意味はあった。村々が久しく安定して存続できた理由である。だから土地に対するありがたさ、執着心も強かった。米価と十もに。田んぼのありがたさを見失った農家かパワーのある米を望むのは難しい。
 安藤昌益(江戸時代の思想家)は、国民皆農を説いた。産業開発と共に分業化し、人々は村を離れ、今ではわずかに10%の農家人口に国民の食料を託しているのです。あるいは、中国やアメリカの農家に。一人でも多くの人が農業に携わるべき、と言う思想は不変な真実だと思う。食は命ー自然への敬虔な考えは芽生えはしないと思う。
 食の自給ー大事なものを人様にゆだねる無かれ。省益を学ぶ時に来ている。農家にとって 土地価格は安くとも高くともかまわない。騰貴の対象ではないからだ。伝来の土地を先祖に感謝しながら堂々と耕してきた農家です。
 その土地を改良することは、大事業であり、名誉なことであった。私の父も42歳の時、14枚あった田を4枚にする人力工事で胃潰瘍を患い、吐血した。その苦労を換算すれば一枚500万でも安いかもしれない。
 しかし、今では金さえ出せば、腕組みだけで、美田はできてしまう。美田ではあるが、難なく作れる分だけ、値打ちを失ったかもしれない。
 前号で告発したかったのは、税金からの補助金を餌にして土木業者と農機具メーカにとってとても美味しい事業が行われている点である。(ちなみに数年前4反歩を改良した叔父の工事単価も1/3の30万だったという)
 加藤登紀子(歌手)さんの夫君、藤本敏夫氏(昨夏没)が千葉県鴨川の山中に土地をお求め。町の人と耕す仕事を始めていた。あの年の早春、「佐渡でトークライブをやりたい」と私に言ったのは、その試みを全国に広めたかった、のだと没後の本で知った。刈れもまた省益に共感したのだろう。「帰農」を説いているから。
□おめでとうございます。正月に弟夫婦と初孫が帰ってきたので賑やかでした。弟はご飯が大好きで矢田さんのお米を喜んでたくさん食べて帰りました。炊きたてのご飯は一番のごちそうですね   新潟 山谷さん
□謹賀新田。この正月は、矢田農園さんのお餅を食べられて幸せでした。いやあ、あの味と言いあのノビと言い、とっても美味しかった最高でした。地元農協のもち・スーパーのもちも食べ比べたのですが矢田農園さんの圧勝でした。賞細井娘が磯部蒔きを積極的に食べたのは驚きました。  群馬 佐藤さん
▼柿の剪定作業はまだこれからと言うところですが、田んぼの方は順調な滑りだしです。
▽ただ、干し柿の完成は、やはり寒くならないと無理なことがはっきりしました。暖冬のために年内は雨天が多くて乾かないのでした。ご承知ください。
▽延び延びになっている手作りの味噌、一人当たり、2〜3キロになろうかと思いますが、改めて声を掛けてください。相場から、キロ1500円+送料でお願いできますか?黒豆もの3年もの。