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NO133 2003年12月号

○・・・「朱鷺の島から」が北の国からにちなんだことは話しました。五夜連続の放送で改めて感動しました。

○・・・15時間の物語ならば当然と言えば当然かもしれないが、ここには青春もあれば老いもあり、悲劇もあれば喜びもある。美しい言葉と厳しい現実と・・・何よりも村の、農業が舞台なのがうれしい。村々は文学とは無縁だったように思えた。これだけ人間がいるのに。

○・・・村方の告発を書いてきたが、この物語はとてつもなく大きな告発をしている。農業ばかりでなく、人の生き方についても強烈な発言をしている。それはおそらく現代に置いて最も価値のある生々しい主張ではないでしょうか?文学の威力、舞台、映像芸術のすばらしさに見せられた年末だった。

圃場整備
田んぼを作り替えることを圃場整備と呼んでいる。時代時代に政府の奨励、助成でもって、この事情が行われたが、昨今のような大規模、高率補助うな事業は類を見ない。稲を作る田んぼは当然のように水をたたえることが大事である。畑と違い水路(灌漑と排水)が必要となる。稲や籾をを運び出す道路もいる。このセット整備は村の最大の関心事である。
 中でも、区画(田んぼの大きさ)整備は大きな問題になる。大正・昭和期は一反(10アール300坪)が目標であったものが昭和30年代(近代化所得倍増時代)には、2〜3反分区画になり、昨今では5反〜1町歩(100アール3000坪)区画が奨励されてるようになったのだ。
 果たして、大きいことは良いことだろうか−大区画の田んぼは確かに労働効率はよい、機械の能率も高い。かつては一面に20〜60センチ巾しか耕せなかった耕耘機が今では、3〜4メートルの巾を耕す大型トラクターに取って代わった。単位面積コスト(生産費)は激減した。
 安い輸入米に対抗するために低コスト稲作が必要というのだ。経営が5反分または1町歩に満たない端数の農家を切り捨てて、さらに大規模専業農家を作っていくというのだ。一町歩という大きな田んぼにかつてのような小さなトラクターでは心理的にやっては行けない。とてつもなく大きな田んぼなのだから。

今、そういうイワク付きの田んぼが島国佐渡にも作られはじめているのだ。甘い餌につられて・・・

甘い餌−それは補助金だ。きわめて高率な補助金だ。区域内に後継者のいるプロ農家がたくさんあれば、事業費の何と98%の国県補償が認められている。公共の道路にでも当てれば農家負担はゼロ。つまり、国は何としても推し進めたいのだ。

 農家は、自分の負担率だけを判断し、工事単価も知らない。単価の妥協性も考えない。補助金だより、役場任せ土建業者任せ。ちょっと苦労して調べてみたら一反分の工事単価は、約150万円だった。わが家が15年間に作った時は、たったの30万円だった。土建業者があまい甘い汁を吸っている。ここにも税金の無駄遣いがあり、公共事業に群がる業者の構図がある。

 事業が始まると農機具業者が忙しくなる。中小農機具を大農器具に買い換えなければならないからだ。数百万〜1千万級の機械償却年数はわずか10年だ。年間使用日数は15日間だけ。大型格納庫も必要で建築業者も忙しくなる。これらを共同で行えば、ここにも大幅な補助金が出るのだ。

 輸入米は、国産米の20分の一の値段である。輸入先の物価・人件費のアップしても機械化も進むだろう。コスト落差が大きく圧縮されるとも考えにくい。自由化が進めば、国産米は安心とは言い難い。コスト競争は所詮おもしろくないものなのだ。

コスト競争の果てに
 政策通りに行けば、農家は少なくなり、集落はつぶされ、さらなる低コストかで、農薬と化学肥料に依存する農家になり、ヘリコプターによる空中農業となるのではないか。広い田んぼに長靴を履いて農業するなんておかしくて、とうそぶく御仁もいるようにおもう。アメリカ流の農業を夢見て。

どういう米を作ろうとするのか?
 だが、アメリカは方向転換をはじめた。いち早く、化学機械化農業の誤りを悟り、有機農業を目指し始めて、もうかなりになる。この事実をまだ島の農民達は知らない。行政もメディアも宣伝していない。

 米は商品にあらず。食べ物は生命そのもの−この鉄則は今だ死語化のままだ。山間の小さな棚田の米は美味しい、と言われる。波動が高い。エネルギーのあるものは高波動だ。波動とは愛情だ。一歩も足を踏み入れることもなく、愛でることもなく作られた米は人間にパワーを与えることも、病の克服させる、事もできないのではないか。

 日本の農政は、商品化に向けていまだにいや、ハードル化に向かっている。きわめて強引に。過去最大の借金!-この借金の原因の一つにこの圃場整備事業があったことを告発しておきたい。やがて、石油が枯渇した時、この一町歩の水田はどうなるんだろう。古い教えに「子孫に美田を残さず」ともある。
 わが家は、父と私で圃場整備をしたが、それでも2.3町歩で43枚もある。3枚ですむところを。波動が高いのはこの性もあるのだろう。隅々まで愛情を注ぐこともできるというものだ。先祖の汗に感謝しながら、親子で微生物の力を借り耕し続ける43枚だ


 
無農薬の柿がどういうものか、大変なことがよくわかりました。稲穂と色すいてきた歯が一枚なにげに添えられていて一本取られました                       東京 マツシタさん

うーん、最高でした。あの独特な果肉の感じが溜まりません。特に矢田農園産の柿は以前に食べた柿よりも味が濃いような気がします。やはり栽培方法によってずいぶん違うのでしょうか?    群馬 サトウさん

無事に柿が届き早速頂いたのですが、美味しい!期待を裏切らないというかそれ以上に美味しかったです!箱を開けると稲穂が佐渡の秋を大阪にいながら感じることができて、とても暖かい気持ちになりました。
                                      大阪 シマダさん

箱を開けると美しい木の実の枝と稲穂!そしてきれいな柿。いつも箱を開けた時にあふれてくるなんだか不思議な空気。これは私だけでないと思います。柿やお米、それから矢田農園のエネルギーが箱から飛び出すんでしょうか?                                   横浜 イチハシさん

▼皆さま、この一年ご支援ありがとうございました。お陰をもちまして矢田農園も全員無事で新年を迎えられます。秋口まではさして不作とは思えませんでした。実りの悪い年で昨年と比べて一転して米不足になり、皆さまに不自由をおかけした部分もございます。また無農薬の柿の味にバラツキを生じ、不愉快な思いをおかけしたはずでお詫びします。

▼来年も同じ姿勢で頑張りたいと思っておりますが、円主の私は65歳になり、やはり別の仕事もあるような気になっています人生は二度と同じところを通らない螺旋階段の塔をゆくようなものだと。
 北の国から第四話を見ていた五代目が「ジジ、これホントにあった話か?」と・7歳の孫にも強く訴えるものがあったらしい。

NO132 2003年11月号

○・・・天高い秋の空が続いています。やっぱり、温暖化です。3℃も6℃もときには10℃も気温が昨年よりも高い。背後の金北山には昨年は初冠雪があったのに、今年はまだ無いばかりか麓は紅葉が美しい。珍しく水ならの木が燃えるように紅い。そんな日に、のんびりともみ殻で勳炭を作った。来春の苗作りに使うのだ。

○・・・急ぎの秋の仕事はおおかた済ませ、干し柿作りをはじめた。生柿の宅配ではご支援ありがとうございました。無農薬の柿の味にバラツキがあり、今ひとつの方もあったかもしれません。お詫び致します。感想をお持ちしています。静岡の市岡さんから「矢田農園の柿の味ではない」と評価されました。素直なご意見もまた励みになります。東京の工藤さんからは通風不足ではないかと心配頂きました。ありがとうございました。

甘さを計る糖度計信頼できるか?
 この時期果物の甘さを訴えるために糖度計の度数で表現するのを良く聞くことでしょう。15〜17度・・・と。さて、この糖度計は頼りになるのでしょうか?今月はこの問題について。

 昔は、よく果物の品評会があったものだ。形が大きく、色が美しくて、傷のないもの、そして最後の決め手は糖度計により甘さで一等賞が決まるのだ。柿(平たねなし)では、19度くらいのものもあった。相当な数字である。果物としては王様である。

 わが家の柿はせいぜい17度止まりで、高くない。食べてみては甘いのに数字があがらない。どうしたら糖度を上げることができるのか、しばらく研究した事があった。畑の種類栽培方法産地別にサンプルを集めて糖度を測定して比べてみたのだがどうもはっきりしなかった。当時は、まだ有機栽培は、始まったばかりでその効果は鮮明ではなかった。傾向として確認できたのは日照の良い畑の柿は糖度が高く、耕土が深く肥沃な畑の柿は低く、傾斜地で石ころの大い畑の柿は糖度が高い、事なのであった。後にこの岩石の効能は、ミネラルであることがわかった。

 ミネラルが果物をの甘さに関係するとわかって、岩石から抽出したミネラル液を使っているが、他かに岩石を集めては柿の木の根本に集め海水や塩をまいたりしています。

果糖の量が決め手
 しかし、糖度計への不信感をぬぐえなかったため、関心を持っていると「糖度計で測定できるのは全糖値である」ことがわかった、のだ。甘さの元は、単糖類から多糖類まで何種類かがある。グルコースからでんぷんまで。この広い範囲の糖全部を昔からの屈折糖度計、最近開発されたデジタル糖度計も測定する。だが、デンプンのように甘さがかなり薄いものから最も甘さの強い果糖(フルクトース)まで含まれるため、糖度数値が高いからと言って、手放しでは喜べない。

 全糖値に果糖値が余計に含まれていればベスト。ブドウ糖やショ糖麦芽糖が多ければあまり甘さの戦力になりにくい。果糖だけを測定できる器械がまだ開発されていないので、決定的な甘さを調べることができないのだ。従って、今のところ糖に対する研究は進められていないと思われる。

 そこで素人の推測だが、化学肥料で作ると果糖が作れにくく、精製されても何らかの作用でショ糖化してしまうのではないか?ショ糖は白砂糖の味で人間の舌先で感じる甘さ。コクのある甘さというのはのどに近い下の奥で覚える味で食後に「満足感」を覚えるのが果糖ではないかと。くろ砂糖の味だ。

人は淡泊な味では満足しない。お菓子と違い、果物ではのど越しに覚える甘さが欠かせない、と思うのが、さてそれを計量しようとしても理屈では難しいというわけだ。だから、糖度計による甘さの宣伝には惑わされないように、と言いたい。柿で言えば、せっかく果糖一杯の柿を作っても脱渋をガスで行えば、甘柿のようにカリカリで、味の薄いものになってしまう。収穫のあとでも処理の仕方によってC6H15O6の甘み成分、美味さ成分が変形してゆくわけである。宇宙時代だが、残念ながら身近な甘さの分析機械はできていないのだ。

 どうしたら、うまい柿が出来るか?コクと甘さはどう違うのか?謎であるところがおもしろいかもしれない。現在わが家では、前述のミネラルの他樽崎理論による植物波農法の炭素、栄養周期説農法のカルシウムと燐酸肥料を施すことでうまい柿作りを続けています。ただ、これらの農法の前に柿の木を健康に育てることが肝心で害虫やウイルス、細菌からどう守るか、無農薬栽培との兼ね合いがあります。外観の美しさを争うばかりの品評会が少なくなったことは好ましいことです。あまり頼りにならない糖度計の出番が少なくなったことは結構なことです。

お客様の声
青森 今さん
毎年季節のお便りのように届く柿に感動しています。今年の柿はまた一段と美味しく感じました。箱を開けた瞬間とてもユニークな形の柿に孫達は飛びつき、一番下の子どもがとがったところをかじりました一日何個でも食べる様とするので大切な柿なので、一日一個だけと制限しています。本当に矢田さんの苦労が伺える柿です。

小平市 オゼキさん
柿は矢田さんものはじめて頂きます。おいしいですが、もう少し味が載ると良かったのにともいました。涼夏のせいでしょうか?たねなし柿はどのようにつくられたのですか?
 先月号の稲の倒伏軽減剤には驚かされました。そんなところにまでも、薬が作られ使われていることに業界や行政の隠ぺい体質の一反を見るようでそら恐ろしさを感じました。そんな中にあって矢田さんのお仕事ぶりは貴重でご苦労も多いでしょうが頑張って欲しいと思います。

市川市 ヒロサワさん
柿とても美味しかったです。みんなに大人気でした。また来年も楽しみです。

中野区 クドウさん
世の中、正しいことがなかなか広まらないものです。今まで通りの方法だと楽だから?自分の子や孫のことを持ったら正しいことを実践して欲しいものです。日本の全農家に
 冷凍したまま忘れていたお餅、昨日見つけて食べたのですが、全然変わらずすごーく美味しかったです。お餅も待ち遠しい。もち米どうしても欲しいです。

新潟 ヨシダさん
 柏崎地方も稲の99%が倒伏状態で私ども農家には厳しい秋でした。とくに暗きょのない地域では手刈り作業で苦闘でした。矢田さんの農園便り、重ねて感心しております。大農の方々にはまねができないでしょう。あらゆる面で勉強され、誠心誠意商品について世消費者に説明され、安心して利用されておると思います。こういう時こそ消費者に信頼される米作りに努力しなければと思います

府中市 オオノさん
お米届きました。感激です。もう予約が一杯とのこと。来年の豊作を祈って大事に頂きます。古代米・お餅は絶対に予約したいです。

▼冬ギフトの案内チラシの発送が遅れておりますしびれを切らせて注文が相次いでおります。やむなくミルキークイーンなどは予約済みになってしまい無農薬も量不足で例年より心寂しいチラシになってしまいました。

▼干し柿も原材料不足でご注文の応じきれないかもしれず、30パックのものは中止させて貰いました。少しでづつ皆さんに食べて貰いたいと思っています。

▼赤米は余計に穫れました今年は黒米が、害虫のために減収です。古代米の値段が最近高騰しておりわが家としても少し値上げさせて貰いました。チラシにそってご注文いただけたらうれしいです。


NO131 2003年10月号

○・・・一週間遅れで稲刈りをすませ、柿の収穫をはじめています。作況は98と発表されたけれど、二割減収が普通。全国的に、需給バランスは悪く米不足になるのでは。わが家の無農薬米は、3〜7俵。低農薬でも8俵弱という不振ぶり。農家は一様に秋晴れ続きで稲刈り作業は順調に済ませたところです。

○・・・柿は一時ストップしていた肥大がこのところ再び肥りはじめたものの、着色が大幅に遅れ今日23日頃からやっと収穫できそう。わが家の主力である無農薬の柿は10日頃から突如落葉病が発生、枯れ木に近い状況になった。近年にない発生ぶりでロスが多いもよう。作物にとって最悪の年であった。

農薬添加剤 展着剤
圃場整備問題を予定していましたが、季節柄変更して農薬散布上の問題点を特集します。幾人からこのシリーズのお便りを頂きましたのでご紹介しながら・・・

食品に添加剤があるように農薬の散布にも危険な添加剤があります。使用する薬液に効果が出るようにするためです。展着剤と呼ばれるものですが、字のとおり良く伸ばして良く付着するようにと言う目的です。「良く附着する」為には広く分布して進展する必要があります。しかし、さらに「浸透」させるという要素が加わったのです。それは界面活性剤が開発されたことによるのです。

農薬を浸透させる
奥様方よくご存じのように界面活性剤は合成洗剤の主成分です。洗濯の仕事でこの界面活性剤はある意味では大発明品であったわけですが、他方その毒性は皆さまご承知の通りです。人間の健康機能を破壊します。自然界に分解されずに長く残留します。微生物を殺します。ある菌類(うどんこ病菌など)にはこの界面活性剤だけで殺菌できることが認められています。合成洗剤が体内にはいることにより腸内微生物に悪影響があり、消化器官を荒らすほか、皮膚でさえ犯すのも実証済みです。

これまで、おびただしい洗剤(界面活性剤)が下水として川から海へ田んぼへ流れていったのです。そして微生物を殺してしまい、自然の浄化能力を減退させてきたのです。これからもこれは続くでしょう。お宅は合成洗剤を使ってはいませんよね?

ここにも界面活性剤が・・・
水滴を落とすと界面張力の働きで半円形の玉となるが界面活性剤を加えると、張力が消えて玉がつぶれて流れる、そのままへばりつく。なかなかの作用だ。スプレッガーと呼ばれる。親油性や親水性がでてくるのだ。その一つアジュバンドと呼ばれるものへの浸透力を高める作用もある。水滴を微細な粒子にしてしまい、浸み混ませるという。電気を帯びているものは納得もゆくが大部分は非イオン系と言うから百姓にはわからない。
 代表的なものにポリオキシンエチレンアルキルエーテルなという長い名の化学物質でおよそ現在50種類の商品名で市販されている。すべて、浸透生があるわけではないがサプライ・プラチン・レナテン・アプローチb1・スカッシュ・サットカット・ニーズ・テビデン3sと言った展着剤を使って作った作物には農薬の浸透残留が案じられる。果物にはもちろん、野菜類や米にも使われていて、りんごや梨、ブドウなど高級果実には農薬の浸透を用心したい。
 農薬の残効は、およそ一週間だが浸透すれば残効は長くなり、散布回数も節約できるだろう。経済てきに有利となる。稲の航空散布にはアロンという展着剤が使われるが、水分蒸散防止の作用があるという。驚くべき威力である。

わが家では石けん液で
 界面活性剤は開発される前の添加剤は、石けん液やパラフィンでした。石けん液にも親油・親水性があり、展着力はやや劣るが、それでも役割は果たせる。普通栽培で成分回数20回の消毒に対して石けん展着剤使用の成分回数6回のわが家の柿栽培はそれでも可能なのである。石けん液なら分解は早く毒性はむろん無い。経済効率を高めるが為に、化学物質をいたずらに増やし、自然環境を悪化させている実例がここにもある。

 記憶が正しければ、チョコレートなどの食品の製造のときにも界面活性剤が使われていると、聞いた。食材に今後にも有効なのであろう。化粧品の製造には確実に使われている。化粧荒れは、まさしくポリオキシンの薬害なのであろう。安物化粧品使う無かれ!である。台所洗剤としても、学校給食の食器洗いは大丈夫であろうか?ポリ秋心を子どもに食べさせないために給食センターを点検する必要がある。至る所に危険が転がっているのだ。

小平市尾関さん
7月号のむらの事情も読ませて頂きました。国の減反政策に私も憤りを感じています。戦後アメリカの余剰小麦を学校へ導入させて事も減反につながる一歩だったのでしょう。米飯による粘り強い日本人さえ変えてしまいました。
 9月号にありました。ホルモン剤は人口のものが、果菜から果実まで相当使われているようです。男の子の女性化はこれと無縁ではなさそうです。農家がトマトに女性ホルモンを使っているのを見ました(尋ねて見ました)

江戸川区タマキさん
8月号読ませて頂きました。すごく心が痛みました。航空散布の現状や県の農林部の認識遅れなど悲しく思いました。でも、負けないで頑張って欲しいです。応援しています

東京ヤマシタさん
通信拝見しています。「作物も成人病」とは驚きました。自然に反して人は作物まで自分たちの仲間にしてしまったと言うことですね。味って、幼児の頃から大事に育てないと味音痴の大人になるでしょうから。安価で手頃なものに手が伸びやすいけど・・・

お便り
◎今年の正月、会社の新年会で佐渡のコシヒカリを貰って、美味しく食べました農園名までは憶えておらず夏にネットで佐渡のコシヒカリと検索して出ていたのが、矢田農園さんでああ、ここだとお付き合いが始まりました。しかし、これが美しき誤解で正月の米と無関係のことが最近わかりました。出も、矢田さんの米は食べてみて元気の出るお米であることがわかり、そのままお付き合いをさせて貰っている次第です。   板橋 スガワラさま

◎聞いておりましたが、チラシをもませて頂き矢田さんの農業に対す得る情熱が伝わってきます。これからもお体に木を漬け菜がエア素晴らしい農法を普及させてください。        酒田市 コバヤシさん

◎先日送って頂いて赤いタマネギあんまり美味しかったので、八百屋さんで買って、そしてがっくり来ました。あの甘さはかけらもありません。近くのお店の中では新鮮で有名なのに、産地直送で作り手のわかる野菜のありがたみがつくづく感じました。          横浜 イチハシさん

◎アケビでもマンゴーのようなトローンとした甘く香りの強いあの果実は何?ジャガイモのおいしさにも感激。矢田さんのものはなんでも美味しい         新潟市 コイデさん

 

▼無農薬のコシヒカリの予約を打ち切らせて頂きました。オーバー気味で3月に古いご支援者優先で調整し2ヶ月前にご連絡させて貰います。一番他収でも反当たり7俵しか無くって、わが家としては痛手です。

▼この夏、2件ばかり米の変質したと届けられました。届いた米はすぐに出して紙袋や米びつに移し。保管グッヅで対応してください。ビニールの袋は湿気を呼び変質いやすいです。風通しの良いところに置いてください。

 

 

NO130 2003年9月号    

○・・・西日本や関東の皆さま、残暑見舞い申し上げます。連日の夏日と熱帯夜でさぞ大変なこと、と。佐渡は涼しいです。皆さまから、農作物の心配を頂きますが、これしきの冷夏では。無農薬栽培が主力の、わが家にとっての脅威はなんといっても害虫です。冷夏には、冷夏好きの害虫がいるのです。

○・・・稲刈りが遅れています。10日〜2週間の遅れです。24日現在、早生が終ったくらいで、全体の1くらい。わが家も、もち種を刈っただけ。これもまたイネミズゾウムシの喰害を受けました。ミルキークイーンも重症です。

○・・・そこで、今年も、稲の被害保険(共済というのですが)に申告しました。15万円くらいの保険金が出るでしょう。これから、被害を受けて、小さい稲を刈らなくてはなりません。不愉快なことです。

 

 柿にとって、今年の天候は理想的だと思うのですが、9月に入ってからピタッと肥大が止まりました。このような肥大カーブはあることなので、まだまだ期待はしています。

 無農薬農園でも、落葉病の気配はないので、望みはありますし、大型台風にもまぬがれました。いたるところで、渋抜きがアルコールからガスに切り替って、わが家のような本来の美味しい柿は、珍しくなりました。

アルコール脱渋は、ロスが多く、時間がかかるからです。

 

稲の倒伏軽減剤
  45年ぶりに日光へツアーで旅行してきた。途中3県の、刈取り前の稲を見た。9月中旬のことだ。やはり、倒伏した稲姿が多かった。稲が倒伏するということは、肥料が多すぎて、成長しすぎ、ということで、実りが悪くなり、収量が少なくなるので、農家は倒伏するのを嫌う。稲刈り作業も極端にむつかしくなるのだ。

特に、コシヒカリという品種は、倒れ易い欠点がある。少し肥料が過ぎると、110センチ以上になって倒伏する。田んぼが肥沃な新潟の越後平野では、昔、「畳を敷いたような」表現そのものの倒伏が見られた。農家も指導機関も、倒伏防止の技術開発にやっきになったものだ。

  そこでV字稲作

   やや技術的なことになるが、稲はまず、 げつ といって、茎の数を増やすことから始め、その茎に養分を貯え、モミの数を増やす準備をする。この時期が穂が出る1ヶ月前で、7月の中旬に当る。この時期に貯蔵養分が多ければ大きな穂が出るが、また同時に、稲の背丈がぐんぐん伸びる時期であり、倒伏の危険が増大する。

 そこで、肥料を施すのをさらに10日ほど遅らせて、穂が出る20日前まで延期する「V字理論稲作」が見直しされたのでした。

 言葉で言えば、これだけのことですが、実際の現場では、なかなか難しくて、毎年かなりの面積が、倒伏していたのです。近年の、温暖化によって、稲が以上に成長してしまうこともあり、「新潟でコシヒカリが作れなくなる」とも、言われる理由です。

  新薬の登場

 ここに、新しく倒伏を防止する農薬が開発(?)されたのです。今回の告発は、この農薬の毒性についてです。

 今回の施行でも倒伏が多かった中に、全く倒れていない田んぼが、3~4割も見られました。それらのすべてが、この新薬と断定できないが、私は、かなりの割合で「倒伏軽減剤」が使用されている、とみています。

新薬の成分は@パクロブトラゾエル(スマレクト)Aウニコナゾール(ロミカ)Bプロキサジオン(ヒビフル)Cイナベンフィド(セリヌード)などで、成長ホルモン(ジベレリン)の合成を阻害する薬剤を言う。

 出穂の7~20日前に水田に散布すると、根から吸われて生長点に運ばれ、茎の節の間が短くなり、倒伏に強くなるという。メーカー(住友化学、武田製薬など)は、普通物、A類で毒性はないといっているが、果たしてどうか?メーカー側発表の「防除指針」を鵜呑みにして、指導機関は「問題ない」と、最近特に力を入れて普及に努めているようだ。量と時期を正しく使用すれば、確かに倒伏は軽減する。注目の商品だが、少々値段が高い。小規模農家は関心が薄いが、省力を狙いたい大規模経営農家ではすでに相当量使用している。

  ホルモン剤

  倒伏軽減剤のほかにも、野菜や果物栽培で、同類の植物成長調整剤がすでに使用されていて、もしかすると皆さん、口に入れていられるかもしれない。植物ホルモンとはっきり表示してあるものもある。ホルモン剤でないにしても、一体、なにものなのか、その作用の仕方などについて、明らかにされていない。

 知らないところで、私たちはいろんなモノを食べさせられているようですね。素性がはっきりとしたものを直に買うようにした方が良いし、私たちも追求心を高めたい、と思います。

 今年は冷夏でしたが、夏に猛暑ともなれば、稲の管理調整がむつかしくなり、倒伏する田んぼが増え、これら化学物質に依存する傾向が高まるのではないのでしょうか?

  栄養周期なら大丈夫

   上野2枚の写真をごらん下さい。息子が立っている右の写真は、わが家の低農薬コシヒカリ。例の栄養周期理論によるものです。左の倒伏した稲は、今どきのV字理論稲作のコシヒカリです。降雨が続いたりすれば、相当の被害を受けます。地面も乾かず、機械による稲刈りも困難を極めます。コメの質も悪くなるでしょう。

倒伏軽減剤を使わなくとも、この作り方なら奇妙に倒伏しません。120センチくらいまで大丈夫。V字稲作では最も危険な、出穂前30日に肥料を施してもOKです。人の妊娠中に、栄養を与えるのに似た、この栽培法を普及させれば、安全で省力的なコメ作りが可能だと思うのですが、これまでにも報告したとおり指導機関では、全く興味を示しません。食べる側のことも作る側のことも考えず、もっぱら、肥料や農薬を作る側の利益・支援しか考えていない、ように思えてきます。

 いま全国で普及しているコメ作りは、V字稲作といわれる方法で、苗の時代から栄養成長を盛んにする。このことが稲を狂わせてしまうのですね。後半、大事な時(繁殖成長)に、悪影響が出てくる。害虫を呼び込み、病気にもみまわれる。弱い体質の稲を作ってしまうことになるらしい。人間も同じことで、子供のころには、肉食など極力食べさせないことが大切ではないか、な。

  お便り届きました!!

       矢田さんの所の黒米がいろんな所で活躍中です。友達の中3の男の子は毎日食べて水泳の自由形、県代表  を目指しています。余命3ヶ月といわれたガンの方にも多めに、この前送りました。同じクラスの別のお母さんに「スタミナUPのために食べてね」と渡しました。

                                 府中市  大野さん

       先日送っていただいたコシヒカリ、むちゃくちゃ美味しかったです。ダンナも子供も喜んでます。「お変わり!」なんて、食べる量が増えてるんですよ。1才と4才なんですけど、米の味なんてわかるんでしょうか?あなどれませんね。

(別便で)うちの会社の、一寸としたイベントの、抽選会の、目玉商品の一つを矢田農園さんのお米にさせて頂きましたので・・・・・                    名古屋市  竹地さ

     西瓜と野菜が届きました。東京は2、3日西瓜日和が続いていて、今冷やしています。楽しみです。矢田さんところの作物は何でも生き生きとしていて美味しいです。

                                 港区  鈴木さん

       以前に、ご心配頂いた孫の優里香(3年生)の、右額の青いアザがとれました。長岡市の病院で、レーザー治療を2回ほど受けたのです。薄い色のあざは取れにくいそうだけど、今のところ、副作用もなさそうで、OK。ヘアーをアップにして、この夏休みは、ヘチマやヒョータン作りを楽しみました。上手にできたら、皆さんにもお届けするつもりかな!

       柿と米のチラシ、少し遅れてお届けしました。古代米や餅の案内は11月にお届けしたいと思ってます。

       今年は低農薬コシヒカリが残りました。入用の方おいででしたらご紹介下さい。無農薬コシヒカリは、被害を受けましたので、少し、値下げさせて貰いました。

       よけいに作った黒米も虫害で、かなり減収、赤米よりも少ないです。予約の申込み、歓迎します。

       もち米を欲しい方、少しなら。

NO129 2003年8月号

○・・・近くに住む叔父が、家の稲を見ていう。
「あの稲はどうしたんだ!」
「イネミズにやられたんだよ」と私。
「予防せんかったのか?トレボンやれば一発だろ」
「その予防ができないんだよ」
「こっそりやればわからんだろ!ばかだねおめえは。穂を出す力もないよほれ!」

○・・・苗のうちに農薬を吸収させて田植をすればまったく寄りつかないイネミズゾウムシだが、それができない、それをしないところに無農薬栽培の苦しみがある。もし、農薬を投与すればいつまでも胸がチクチクするだろう。いつまでも、である。プライドにも傷が付く。投与せずに大減収になってもその痛みはその時だけで終わる。彼らは今畦の稲化の雑草を食っている。

○・・・叔父のような農家は少なくないと、思う。

往復書簡

▽通信は今回も興味深く読みました。80年代のアメリカにいたことがありますが、日本の農産物が車の犠牲になったことはアメリカの道路の爽快に走る約4.5台に一台の日本車を見れば明らかでした。山村を捨て、工業製品を生産し輸出した日本の若者はその代償に輸入されたアメリカ産農産物により、彼らの故郷を台無しにしました。国策とはいえ、彼らの故郷の衰退に手を貸したのは彼ら自身だったとは残酷話です。

ポストハーベストにまみれた小麦を食べさせられ、日本人本来の主食である米を疎かにするような食管行政には本当に怒りを感じます。自給率4割を切って久しいこの国の将来は本当に危ういと心底思います。減反など姑息なことをせず各各の農地に相当しい反収の米作りに徹するべきでしょう。欲望の限界を知るのが、農業と聞いたことがあります。感動しました。長野県浅科村が減反政策離脱、と新聞にありました。後に続く自治体がきっとあることを祈りながら。                                        静岡 市岡さん

▼私たち農民の洞察力が欠けていました。自主性も自立心も欠けていました。「日本の若者」と言われましたが、実はその若者とは、私など昭和10.20年代生まれの人間なのです。私の親しい友人の一人も当時トヨタの工場のラインに着いていました。彼は単独でいったわけではありません。私たちはもう引退ですが、息子達は街から追われかけています。歴史がそうであったようにこのあと私たち親が衰退させた村に帰らざるを得ないと思います。責任を感じます。そしてまたこの教訓を横にも縦にも伝えていく必要があります。      矢田農園 園主

 

改題 村からの告発U 航空散布
ヘリコプターによる広域一斉防除はもう40年も続いている。都市近郊から閉め出されつつあるが、地方山間地では労働力不足も加わって、この空散は根強く続くられている。実施するのは、農業共済組合という一種保険組合で佐渡でも中心部の平坦部を主に年2回、今年も先頃実施された。
 目的はカメムシの防除である。穂が出て稔り始める頃からカメムシが加害する。加害されると黒い斑点米となり食べると苦い。2.3粒の斑点米があれば、2等米に格下げられ売上が落ちる。
だが、実際のところ精米工場では完全に機械で除去できるので斑点米が大きく格下げの理由にはならない。なのに、農家はカメムシをおそれるのだ。農協も共済組合も県の指導機関もなぜか空散を奨励する。空散をしていれば安心という安易性があり、共済組合の業務取り上げを損失とそれているとも考えられる。

空散の問題に二つある。一つは高濃度による危険性ともう一つは無差別消毒による弊害。普通果樹の消毒の場合、農薬は1000倍から2000倍に薄めて300lくらいを散布するが、空散では何と30倍というほとんど原液に近い非常に高い濃度のものを80L(反当たり)散布する。車のメタリックとしょうを損傷させるほどである。小鳥が死んだ例もあるらしい。ヘリに大量の液量が詰めないからだ。また、害虫の皆殺しかをねらうかのために一晩に100〜300ha位の広い水田を一斉に防除する。農家や組合職員が現場に出て、いちいち散布状況を空を見上げて確認して無線で報告する。皆殺しは当然益虫にも行われ、一時的に生態系を遮断するところに二つ目の問題がある。

無差別な殺虫戦争
 ひと頃までは3回実施されていた。ニカメイ虫という稲の茎の随を食う虫を殺すためだったが幸か不幸か、この虫は近年めっきり少なくなったために防除がはずされた。しかし、いつか免疫力を持った強力なニカメイ中が発生しないという保証はない。イナゴなどの例で、これまでに幾度と無く新しいタイプの害虫が異常発生した事実がある。無差別の殺虫が害虫とのイタチごっとを引き起こす。と言われている。

 わが家の無農薬の柿園ではこれまで、害虫の多発があったが、2年と大被害が連続したことがない。3年後には発生さえ見られなくなる。わが家の宿敵にイネミズゾウムシでさえかつて異常派生下田んぼでは昨年当たりからおさまって反10俵のた収穫が得られたので来年当たりは下火になるのではと期待しているです。自然のサイクルとはそういうもので毎年連続して多収をしたい、そのために空散をするというのは、人間のわがままというもの。勝ったつもりでいて、いずれ人間は農薬そのものの害に滅びるのではないか?どこまでも『人間様』と言う自然観をもつうちは、生態系農業はできない。動植物のしたたかさ自然界の掟というものを悟る世界が農業というものであろう。  

それにしても、毒性の強い農薬を40年も多量に使って良いものであろうか?数年前の数字だがドラム缶1200本文の農薬の原液が新潟県下の水田に空散された。一年にである。農薬の分解はほとんどゼロに近い。それらは土中に湖水に海底に残留し魚貝類の体内に濃縮されて、いずれ人間が食う。健康な県土を国土を守るためにまずは航空散布を止めたい。

害虫の発生はたぶんに窒素肥料の多量使用に原因がある。現行の農法(V字稲作)は、多量の窒素を投入する。生態系農法では、投入したくても労力的に限界がある。また、栄養周期理論稲作をすれば、窒素は少なくてすむ。その証拠にわが家の米にはほとんど斑点米が見られないばかりか実りは良く一等米だ(昨年も検査した。)栄周稲作は実の入りが良くなるし。味も良くなる。だが、この農法は普及のめどがない。

農家ここの希望によって空散は行われるため、わが家はもちろん参加していない。拒否しなければいつまでも経ってもやむことはない。村人の抗議があるが実力行使しか方法がない。最も、私は栄修理論稲作を周りにすすめてはいる。

佐渡は、朱鷺の島でもある。自然放鳥と言うときに全島で空散続行はないだろう。朱鷺保護の上でも佐渡で栄周理論稲作の普及をと言う私の進言に県の農林部は何も堪えては来ない。

一歩秋に近づきました。冷害の色合いも濃くなっています。古代米をのぞき今月23日には全部の稲が穂を出しました。10〜15日遅れです。

柿の実もぐんと大きくなりました。無農薬の柿が霜害もなく好調ですがこのあと落葉病も心配も・・・

NO128 2003年7月号

○・・・寒い夏の日が続いている。日記で見ると(農業日記は33年になる)昨年より2〜3度低い気温である。温暖化は?まさか!野菜類は生気が無く、ジャガイモも不作だと騒いでいる。近年珍しいことだ。

○・・・今年も反10俵級の無農薬田があるかと思えば、かのイネミズゾウムシの田は収量皆無というのが3反ばかり。(屑米1俵かな)2俵級が3反分、後は4〜6俵クラスが各2反くらいでおしまい。ものすごい加害ぶりである。地上部がまあまあでも根がさっぱり無い。稲の元気がないとわかると雑草がワッッとあたりを埋め尽くす。もう手の施しようがない。

○・・・救いの手もあるもので、一カ所だけ無農薬の柿が大粒でがらがら。摘果に悲鳴!

むらの事情 その1 減反
 皆さんのお宅で徐々にとはいえ、収入が3割も制限されたらどうされますか?会社に月に20日しか来てはいけない、月給は20日プラス二日分だけと命令されたらどうされますか?
 減反≠ニ言う名の、米の生産調整・制限が農家に押しつけられてから30年になります。当時、私は農協の青年部と言うところで憤慨しデモを指揮したり機関誌で特集したりして活躍?していました。

 米作りを止して、他の作物を作れというものだったが、新潟のような湿田地帯では作れる作物は少なく収益の見込めないのだった。その場合は、青刈りと称して収穫前の稲を刈り取って家畜の餌にすれば補助金を出すという。佐渡の農家の多くは、この青刈りをして対応したが、牛馬が少ないのだから青刈り稲は結局無駄になった。国も米さえ作らなければいい加減であった。

 あの当時、抵抗して政策に応じなければ良かったともうのだが、私も青刈りした。それからズルズルと今日まで来て、ここ数年30%以上の減反政策が続いている。しかも、昨年からは国県からの補助金。保証金はほとんどカットされ、村単位の連帯責任制を採用し始めてきた。戸当たり1万円程度のわずかな金で村ごと縛り付けようとするつもりだ。

 数年前から、減反に協力しない農家の米は3〜4割も安くしか買わないと、農協も国県に同調し始めたからたまらない。自分で販売できない農家はどうにもたまらない事になった。

犠牲になった農業と消費者国民
 減反が始まった昭和45年は米の余剰在庫が650万トンにふくれた年で、食管会計がパンクすると言われた。農協のトップもこれには参ったのかもしれない。不勉強な農協青年部も自給自足∴ネ上の知恵はなかった。食糧管理に無駄遣いがなかったのか、大事な食管に国費の補填の必要があったのではないか、少なくても半年分の備蓄の認めさせるべきだったのではないか。
 これは表向きの話で、政府は根底のところで日本の工業製品(車電気製品)を輸出させる見返りに農産物(特に小麦などの雑穀)輸入するねらいがあったことを知ったのは、10年あまり後のことだ。
 農民の代表であると同時に政府に近い政党の顔役でもあった農協のトップもこへんの事情を知らないわけはないと気づいたとき私の農協不信が始まった。「自立すべき」と自覚し、その時から減反を止めた。

 車の輸出は順調に進んだのだろう。小麦の輸入は年間1千万トンをくだらない。米の安全性を問題にしても小麦の安全性を問うのを聞いたこともない。目の敵にするのは、米ばかりだった。量においても質においても。敵は本能寺にあり!のたとえ通り米の熱中のあまりまんまと日本人の主食は米から小麦にすり替えられていたのである。これでいいのか?

国土を守りながら安全なものを
 『自主自立自給』を目標にし始めた頃から私は、生態系農業(有機農業)を始めた。無農薬米作りは反収8.7.6俵と下がり始め、減反どころではなくなった。「俺は、これで生産調整している」と。以来、減反をしていない。今年のわが家の生産調整は相当なものだ。

農協に依存せず、直販によって安全で健康に役立つ米を作ろうと黙々と20年やってきて、ついに10俵取りを実現した矢先にイネミズゾウムシの襲来を受けている。

しかし。よしんば普通の米作りであろうと、いずれパン食に押され外米に押されては米価は下がっていくのであれば、減反せず全耕地を耕せば収益は同じ線に並び、農土を守り安い値段の米作りで消費者にも喜ばれるはず。米価維持のために意地悪く減反するのは善人にやることではない。耕作に自信のある農家ならいざ知らず一番得意な米作りで勝負するのは将来を見越した一方法でもある。

 一つ覚えで、減反方式ではなく農民らしく耕しきること、米であくまで勝負する構えが欠落していないか?前号で述べた栄養周期稲作をやればある程度の低米価でも耐え得り、消費者にも喜ばれ、農協には活路を開く可能性もある。

国民の抵抗・減反差し止め裁判
 農協以外で減反に対して反対運動がなかったわけではない。政策が発表になると程なくして、ある米供給グループの呼びかけで国に対して減反差し止めの訴えが農家消費者1300人の原告でなされた。日本有機農業研究会所属の私にも呼びかけがあったが、前後して始まった佐渡のダム反対訴訟の準備のため忙しかった。

ダム裁判は国側検事7名で7年争い3年前に減反裁判は検事5名で8年の後昨年、いずれも敗訴で終わった。意欲がなかったとは言わないがやや的はずれでなかったか?減反反対はどちらかというと農民の問題だし、国民的合意を得るには無理があるテーマだと思ったものだ。

 計らずとも、つい先頃新潟で減反裁判の提案者の一人であった橋本女史に一年ぶりにあった。その橋本さんらから、小麦以上に栄養価の高い米からパンを作る話を聞いた。すでに開発のめどがあるという。右に書いた「米で勝負」と言うのは、かような試みを指すのであろう。

お便り
先日送って頂いたコシヒカリ、食べさせて頂きました。むちゃくちゃ美味しかったです!以前佐渡で食べて感動ぢたあのアジ再び!って感じです。旦那も子どもも喜んでます。子どもなんてほんとにおかわりなんて食べる量も増えているんですよ1歳と4歳なんですけど米の味なんてわかるんでしょうか?あなどれませんね。って事で近いうちにまたお願いします。  名古屋 竹地さま

 

NO127 2003年6月号

○・・・温暖化と言うべきだろう。柿の開花が平年より4.5日、稲は一週間早く分げつ(茎数)が進んで草丈も伸びた。過繁茂で収量はのぞめないというこえもある。夜温も高いせいだろう。雨がとにかく少ない。降雨による低温がない。成長を追いかけて仕事が忙しい。二つの台風が着ての降雨で、初めての休日が取れた。

○・・・先月号を発行した翌日、遅霜があって先日畑に行ってみて驚いた。柿の芽が出ていないのだ。霜のために芽が枯れてしまった。わが家の柿園は9カ所あるが、四ヶ所は6割上が収穫皆無という状態だ。毛虫どころじゃあない。青ざめる!私の栽培歴史上で最大の災害だ。「摘果作業が楽で良いわ」とつぶやいてみたが、胸のあたりのざわめきが止まらない。

 作物も成人病だ!
世の中、正しいことばかりが行われてはいない。英語で言えば、ベストであると認めながらもベターな事がまことしやかに強行されることがある。私は、40年余り稲作をしてきたが、ただ一つ、この間違いを発見したことが農業人生の集約と言える。現行の間違い農業を修正したいと思っている。

 野生の植物には、もちろん肥料というものはない。
人間の都合で、作る作物は元肥、追肥、実肥、礼肥と言った目的で施す。これはたぶんに化学肥料が出回ったときからの話で、それ以前は堆肥や菜種油魚かすであったから、少しずつ分解しては根が吸収していたと思う。

 元肥というのは、収穫の後次の作付けのために施す肥料のことで、濃度の濃い肥料なら、人間でいうなら幼年期の子どもに高タンパクの食事を与えるようなものなのである。健康優良児作りが今の子どもの成人病を作ったのと同じ。

化学肥料による元肥主義の栽培は、昭和35年頃から盛んに行われるようになった。V字理論稲作である。当初は、確かに収量も多く、華々しいデビューであった。農薬との併用と相まって、施せば施すほど穫れた時代もあったが、やがて化学肥料の弊害が農薬でも抑えきれないようになる。多量の肥料、農薬を施し、そのほかの資材をも使うようになる。高度成長経済を支えた農業であった。

 この栽培法が、間違いであることをまだ多くの農家は気が付いていない。ちなみに。昨秋、新潟県の農林部に質問してみた。その回答が左図である(省略)
 これまでも、幾度か紹介した栽培法に「栄養周期説農法」というのがり、これはV字理論に対局をなすもので、元肥をまったく施さない方法である。県農林部は、失礼ながら「栄養周期説」を識っていた。しかも、これを高く評価しているのである。とはいっても、県の研究期間で一度も試験研究しているわけではないので、それを要望し続けているわけです。良い栽培法だと良いながら、普及はおろか研究にも着手しないということはどういう事か?

 すでに、皆さんはお気づきのことと思うが、元肥主義稲作は、農家にたくさんの肥料と農薬と機械を売りつけたい業者達の圧力で採用されているらしい、と言うことだ。成人病にさせる稲自体にも農家のためにもましてや食べる人たちのためにもならない栽培法が今全国で推し進められており、栄周農法に切り替える気運がさらさら無いのである。

 今年、わが家の低農薬コシヒカリは、天候のせいもあって、通常の三分の一の窒素肥料でよいかもしれない。そうすれば、当然害虫や病気も少ないわけで、農薬も少なくすんで収量は増えるだろう。

 栄周農法は、こういう優れた方法なのです。今方法が全国的に実施されたらどれだけの合理化がされるだろうか?また、美味しい安全なコメができるはずです。
と言うのは、コメの味は栄周稲作ではリン酸肥料とカルシウムで決まる。とされているのですが、現行では窒素と加リンの混合肥料が施用されているからです。無農薬のコメ作りも大事ですが、とりあえずはV字稲作を中止して栄周稲作に切り替えることが日本の時代的要請だと思うのです。

しかし、現実は厳しい

 昨秋から、私は約百人の農家にこれを呼びかけてみたがおそらく2〜3人しか実践してくれなかったに違いない。県の出先の農業試験場でも採用されなかった。それはなぜか?

慣習である。40年の普及の恐ろしさ。教育の恐ろしさ。環境負荷の意識の欠如。向上心の欠如。

 栄養周期理論は、稲作に限らない。あらゆる作物に適用される。わが家の柿も春3月から施用が始まり、9月初旬のリン酸とカルシウムの施用で終わる。その後の野菜類も同じ方法で行われる。

イネミズゾウムシその後

 7カ所ある内のわが家の二カ所の田んぼで被害が甚大だ。約三反分は4俵くらいの収量に終わるだろう。今頃は、地下で稲の根を幼虫が食害しているだろう。かじられて白くなった葉のまま、みすぼらしい稲株が並ぶ。少しでも余計肥料をすって貰うために鶏糞を蒔くだけ。

 あの小さな虫がどれだけいるのか、広い田んぼの隅から隅まで一株残らず全部の株を食害してある。以前は、こんな事はなかった。見逃し株もあったものだ。被害田に限って雑草がひどい。泣きっ面に蜂だ。
 オタマジャクシがものすごかった。水の中で黒い天の川を作りながら泳ぐ。そのオタマがカエルになって近づくと豆を転がすように畦から田に流れ込む。このカエルが食ってくれにかな〜と願うほど。。。天敵はいまだにいない。あの蛙たちは何を食べて生きるつもりなのだろう?並みの数ではない。

メール
イネミズムシには驚きました。無農薬での対応はあるのでしょうか?お役に立つ知識もなく心配しています。 川村さん

イネミズゾウムシが毎年パワーアップして、のさばってくるようで心配です。毛虫もそうですが、いやなやつほど生命力が強いみたい・・・   工藤さん

無農薬と言うだけでありがたいのにその上美味しいくて元気にまでしてくれる矢田さんのお米は感謝に気持ち無くしては頂けません  市岡さん

今年は雨が多くて野菜の生長も心配です。ジャガイモタマネギ美味しいスイカ今から楽しみです。 長谷川さん

大型冷蔵庫効果が期待できそうですね 阪田さん

 

NO126 2003年5月号

○・・・降雨の少ない春で、仕事の能率が進み、昨年より二日早く、23日に田植えを終えた。これでも途中、イネミズゾウムシの大発生にとまどい、田植えを休んでのこと。しかし、降雨がないと作物の生育は今ひとつで生気がさえない。

○・・・新緑は豊で美しい!山道の手入れをする人が少なく柿畑へ行く道は緑のトンネルで気持ちがよい。田んぼでは日に日に緑を増して青い海原となる。緑の目にも心にも良い、健康な色だ。

○・・・この時期、わが家の最初のストレスが待っている。イネミズゾウムシと柿の毛虫の発生だ。ものすごい被害に胸が締め付けられる。今年は、この時期二位の具合が良くない。どうも胃痛がひどいようだ。アメリカ産のこの虫に手を焼く。イチョウや春菊のエキス液も効かず、唐辛子もだめ、大きな苗の遅植にも肥料不足の苗にも効果がない。

SOS
サーズの話ではない。稲の苗を食い荒らす害虫、イネミズゾウムシが今年もわが家の無農薬の稲に大発生しているのだ。以前はゆっくりと畦際から食がいしてたが、ことしはちがう。田植えして1時間もすると苗に取り付き、いきなり中へ中へと進撃する。体長3ミリのコクゾウムシとそっくりの黒いムシ。どうやら水を泳いでいるらしい。空も飛ぶ、水中土中にも強い。食害もすごい。二日もすると苗を真っ白く枯らせてします。田んぼ全体を寂しくしてしまう。それから地中に入り根をくい、卵を産み付ける。

 

新潟の伊藤さんからのお便り
始めましてて!矢田さん。美味しいお米をありがとうございます。私は昨年の今頃一気に体調を崩しました。自分で気が付かなかったところでなかったり無理を背負い込みキャリーオーバーになったのでしょう。県外で一人暮らしをしていましたが、秋なると実家に連れてこられむつう整体へ通ったことが矢田さんのお米を頂けるようなったきっかけです。
 始めて矢田さんのお米を炊いたとき、炊きあがってふたを開けたとき、ビックリしたんです。お米はまっすぐに立ってるんですから!味わってもお米がものすごくしっかりしていて、噛んでも噛んでも元気でどんどん豊潤な風味を増していく、とても豊かな味ですね。
 お便りの中、『米は商品にあらず、生命の糧です』と書かれていましたが、私もそう思います。生命そのもの≠ナすよね。私は、矢田さんのお米に生命を分けて頂いていて、むつう整体の涌井先生に生命を働かせられる身体へと導いて頂いて、体調はかなり良くなりました。

 でも、大学は休学したんです。この機にわたしは自分の生き方を見つけたい、と思うようになったのです。今まで「常識」「当たり前」と思っていたことがすべて疑問に変わりました。放送などによって刷り込まれてきた価値観、思想、観念で、違和感を便りに模索し悩む日々の途中です。情報が氾濫している今の時代、食べ物についても私はこの一年で食するものの大切さや健康の尊さを知ることができました。安全・安心を求める風潮もわかります。健康であれば何でもできる。
 でも、この国での「当たり前」の日常がどこかの国の暮らしを追いつめる。環境を破壊していけばいずれその環境に人間が害させる。自分だけが健康になればいい、と言う気持ちも頂けない。考えれば考えるほど、私なんかのちっぽけな頭でわかるほど世界は単純にはできていない。結局、自然にはかなわない・・・・と思ったりしています。

 私は、農業のこと、まったくと言っていいほど知りません。文系の大学へ進学しただけのタダの娘です。それでも、矢田さんの手書きの毎月のお便りを読んでいると、なんとも胸をかき回されるような重いと、「本当そうだ!」と思う気持ちに湧き、教えて頂いてハッとさせられたり、私も最近何でだろう?と考えることの何か神髄が隠されているようななんとも考えさせられる奥深いお便りだなあ、と思いながら拝見しています。何年か前ので余りがあるようでしたら是非ください。このお便りも楽しみなんです。

 わが家は皆、餅好きなのでミルキークイーンもすっかりお気に入り。お餅もそうです。お正月に一度頂いてから、もう他のお餅では物足りなくなってしまいました。餅は餅と思っていたけれど、こんなにしっかりお米の味が感じられる餅って初めてで、やっぱり「お米(原料)」なんだなあ〜〜と再確認しました。それから頂いた玄米のもち米でちまきや草餅を手作りします。

矢田さんのお便りを読んで私が感じたことです。
これをお伝えしたくて。矢田さんのお米に出会わせてくれた「むつう整体」に大大大感謝です。これからも陰ながら応援させてください。−中略・後略


矢田農園からの返事
長いお便りありがとう。具体的で心のこもったお便りでした。お若いのによく観察していられてお褒め頂いたこと、またこのニュースが少しでもお役に立ってくれたことをうれしく思います
世の中、既成の「常識」の積み重ねの結果が、ご存じ通りの矛盾だらけの、殺伐たる風潮の社会を招きました。「常識」や「既成の価値観」を点検する必要があります。それがなしには良い時代は迎えられません。良い疑問を持ってくれました。一部の人の利益のために正しい政治や経済・文化までもねじ曲げられ、御しゃられる事がおこった時代でした。農業の世界ももちろんありました。その一つを6月号で書きます。
 それと、「常識」破りの新しい道は、困難が伴います。厳しい批評と反対と抵抗と・・・生態系農業の場合ァもそうでした。わが家も『変人』視され笑われたものでした。農協のトップからも笑われたものでした。この道20年のわが家も7.8年前にその農協との取引も切り上げ、単に安心な米から力のある米作りを意識したことは前号に書きました。新しい道への挑戦には、たゆまぬ「研究」と「実績」となによりも「勇気」が必要です。
 健康であれば、何でもできるとはいえ、意識がなければならず、決意まで固めなければできません。大いに、模索し信念まで高めてください。最も卓上だけではなく、身体を張って行動しながら。大学も行動なら職場も行動、手紙を書くことも行動。タダ、始めに大学ありき”はどうでしょうか?私は時々高校の生物科学の教科書をめくります。
 一つの世界、一つの仕事から一人のつとめを果たすことはできるのではないでしょうか?単なる一人の母親としても。

 

声・・・生椎茸美味しかったです。椎茸の苦手の主人が「これは美味しい」と食べました。 大野様

声・・・医食同源−食に注意して免疫力を高めておくことが大切ですね。矢田玄米に野菜をたっぷり。整体と磁気シャワーに運動を心がけ治癒力が充分働くように前向きに生きる姿勢が大切と考えています。   川村様

声・・・先日、お餅をごちそうしたお客様が絶賛していました    鈴木さん

△・・・わが家の米用の冷蔵庫が16日から稼働しています。土蔵の中に大型クーラーをセット。最大で60俵が冷蔵できる。常温15度に温度セットされています。果たして良い結果が出るかどうか???

NO125 2003年4月号

○・・・昨年より一種間遅れで桜が12.13日頃から咲いた。桜と言えば、4/20過ぎに決まっていた時代があった。これだけ温暖化が進んでいるのだ。

○・・・桜の開花ともに米作りも本格化する。我が家も3回に分けて種まきを終えた。水中ボカシ(水田の中で微生物を増殖)の為に水はり作業も完了、これから柿園の草刈り作業や代掻きと続きます。

○・・・温暖化を確認しようとミカンの苗を2本植えてみた。果たして甘いミカンができるかどうか?それからブルーベリーを3本、黒柿の苗を1本を。キノコでは椎茸に加えて、ナメコ・ブナシメジそれからクリタケと菌の接種を予定しています。何事も種まきから。

わが家の米の評価は?
上手いかまずいか?ー食べ物はいつの場合でも問われる。これが決定的な評価にさえなっているが、ひと頃までは消費者のエゴ(身勝手さ)だとさえ思えていた。正しい作り方をすれば、上手いものができると思えるようになった。

美味さーーーの表現は一通りしかないと言われれる。そこで米のおいしさを計る機械を作った。『食味計』と言われるものだ。玄米の淡泊質含有量を調べる機械だが、測定値の評価は今ひとつである。味は、タンパク質だけ決まるものではなく、どうやら栄周農法で言うカルシウムとリンそれからミネラルによる要素が大きいらしい、と言われれている。これらの総合値を簡単に測定することは難しい。
 ましてや、果物などのおいしさで言うコクとなると言ったものを測定することはできないのではないか思う。果物の測定には糖度計が使われるが、わが家の柿は17度前後と必ずしも高くはない。しかし、食べてみると『ひと味違う!』と言われる。これがしたが覚える甘さはショ糖や加糖であって果糖だけを測定できないのである。全糖度が高くても意味をなさないのだ。

 10年くらい昔、玄米食をしていられた栗原さんらの紹介で、東京薬科大の吉原教授にナトリウム・カリウム比測定から『病気を治すコメ』 と言われたのがわが家の米のほとんど最初の評価である。(NO110参照)この評価は何回も書いたので省略するが要するに人間のミネラルバランスに近い米であるー良いと事だそうだ。市販の米のミネラルバランスが非常に悪い(わが家の米の3倍近くも)と言うことは。生産者としても大きな課題を提供してくれて、私をミネラルに対する関心を深めさせて頂いた。

 それから3年ぐらいして、『大地を守る会』の紹介で川田薫先生(川田研究所)に出会い『病気にならない米』と褒めて頂いた。吉原教授の言葉に似ていたので、いささかビックリしある意味で納得したものだ。健康作りに役立つ米らしいことを知ったわけでです。川田研究所が開発したミネラル水や海水などを積極的に使用するになったのです。微量とはいえミネラルが人間にとって植物にとっていかに大事で、それを微生物がその多くを生み出すこと、その微生物の活動に炭素がいかに役立っていたか、知ることになりました。

 炭素は抗酸化物質の代表で、活性酸素の抑制力があり、人間の免疫力を高め、米や柿を長持ちさせることもわかりました。柿を無農薬で沖縄まで届けること、古米が常温保管で、いつまでも甘みを増して充分食べられること、這っていた私の椎間板ヘルニアが4回のむつう整体(波動療法)で完治することーなどが、そのことの証拠でしょう。

 『むつう整体』と言えば、その治療法を編み出した木村仁先生が、私のコシヒカリを手にとって並みの良さではない・すばらしい米と言われた。重量感があり、私の波動感知力は機械以上だともおっしゃる。波動への開眼はほとんどこのときに始まる。

 QRSと言う測定器で波動を測定し、健康チェックもしていられる片岡さんは、わが家の産物の波動を測定され絶品の米と評価して頂いた。食べ物としての米のエネルギーは、目値気力。ストレス抑制力、アレルギー抑制力、治癒力などの波動情報で表現される。(NO110〜111参照)わが家の米は同氏をして『不思議だ信じられない』くらいの高い波動を測定したそうだ。

 これより4ヶ月前の平成11年の秋、MRA測定者の宿南氏に国産では最高級の米と褒めて頂いている。中国の米には及ばないが、波動は高く、エネルギーも強かったという。

この年の正月、川田研究所でもMARで免疫力の測定他周波数やエネルギー測定をして貰っているが、このときもエネルギーは高かった。と言うことは、周波数は低く(8.4ヘルツ)農薬の残留は少ない(12ヘルツ以上あると)言われていたので、相通じるものがある。

 波動は未来の科学だと言われています。測定器ももっと優れたものが発明されるでしょう。電波や磁波の存在を思えば、波動の存在も信じないわけにはいきません。時代は確実に進んでいます。今や米の評価は味だけにとどまりません。食味計の時代は既に過ぎていると思わざる得ません。

米は、商品にあらず。生命の糧です。

いかにコストをさえて作るかーの競争の中から良いものはできないでしょう。最高の波動は、愛だそうです。愛を持って作るーこれが正しい作り方です。正しい作り方をすれば美味しい米もできるのではない、と皆さんの評価から思えるようになりました。

声・・・先日は通信をありがとうございました。こんな丁寧な自らの農業を語ってもらえたら消費者は安心と納得の上で農産物を口にすることができます。有機認証などの制度もいらなくなります。消費者には安全を自然には共存を、これからの農業の姿だと思います。                 静岡  いちおかさん

 

涼しい春ながら山の木の芽もほころび山肌に山桜がぽかりぽかり。キジの夫婦は庭先まで来て、狸が納屋の米袋を破ったり・・・

新種の病気、肺炎が入国を伺っています。なにわともわれ、矢田農園のご飯を食べて免疫力を付けておいてください!!

矢田農園産はなんでも美味しいと皆さんの弁。味噌の人気は以外だった。黒豆の味噌の完成は来春。容器のアイディアを教えて〜〜古代米の人気も増えましたが、大豆と共に収穫が柿と競合してわが家としてはギブアップなのです。柿の葉茶もこの号到着の頃に売り切れでしょう・・・


NO124 2003年3月号

○・・・十日ぐらいの周期で、寒暖を繰り返しています。今月半ばから良い天気になりましたものの、思わぬ雑用が入り、ゆずれぬ仕事をこなしている内に、結局は柿の選定作業が後回しになって芽が吹き出した。急がなくては

○・・・発送予定日の25日頃から、我が家の梅の花が咲き出してきた。ジャガイモ撒きの準備、稲の種まきの準備、剪定枝の始末・・・と続きました。

○・・・やはり油断があったのか、そのころに孫娘が学校からインフルエンザを持ち帰り、孫達は十日ばかり入浴無しの日が続いた。市民病院の外来は、孫の学校の患者で一杯になったという。

新潟の安部さんから、子ども達に農業を学ばせたい−と言う声を同じく新潟の山谷さん方は我が家の訪ねたいというお便りがありました。新しい方も増えましたので改めて我が家の農業を紹介することにします。今年の取り組みも。

『ミルキークイーンは本当に美味しかった。これを食べると身体の調子も良くなりました。古代米も送って頂き、たくさんの種類のお米があって驚きます。私は農業のことは何もわかりませんが子ども達には学校の勉強以上に農業から何かを学んで欲しいと考えています。』  新発田 安部さん

今年の我が家の目指すもの=最新の二つの農法で
 我が家は稲を2.3ヘクタール、柿を2ヘクタール栽培しています。20年ほど前から転進した生態系農業を徐々に拡大して、無農薬・減農薬・低農薬三種類づつ、低農薬でも通常の四分の一から三分の一の農薬に抑えた農業をしています。その労力は、6〜7ヘクタール分の相当するだろうと思います。それを息子と二人だけでやっています。栽培の基本は、【微生物利用】と【天然資材の利用】です。また、栽培法は「栄養周期説農法」と「植物波農法」の組み合わせです。いずれも最新の農法です。

微生物
 この五〇年、化学肥料の農業でした。水に溶けた肥料が直接根に吸われると信じられていたのですが、実は化学肥料といえども微生物の分解してもらって後に吸収されることがわかってきました。ましてや、有機物からの分解による有益な養分の生成には、まったく別の力持った微生物が必要なことがわかったのです。「わかった」と言っても長い間、否定されていた「微生物理論」の為、日本ではこの研究が大変遅れていたのです。だから現場(農家)では、今でも知らない、信じない指導者、農家が多いのです。

 小さな、まさに微生物だがその働きは大変大きい。彼らがいるからこそ、我々人間も始めて生きられる。積極的に働いて貰えば、逆に人間は豊かに健康に生きられる。我が家は、微生物に肥料と農薬(この場合、天然の除草・殺虫という意味)を作ってもらい、耕して貰っている。

栄養周期説農法
 と同時に、この五〇年は有り余るほどの化学肥料を使って、人間で言えば成人病をすすめるような農業が普及されたのです。産まれるとすぐに「呑めや食え」の肥料付け農業で始まり、肝心の妊娠したら絶食させられ産後はまた「食べなさい」と。この農業を根本的に改善した方法が『栄養周期説農法』です。しかし、これはほんの一握りの農家しか実践されていません。なぜでしょうか?疑問にお答えする特集は号を追って書くことにします。
 この農法は。肥料が少なくて良いだけでなく、農家に忙しくさせないし、楽々と楽しく作業ができ(倒伏したりしないため)さらに、とても味を良くすることができるのです。素晴らしい農法でしょう!肥料をたくさん使いますと、亜硝酸という毒物を作りますが、これもなくなります。我が家の産物が味が良く、安全なことはこのことだけでも証明できます。

植物波農法
 人間と同じように植物も生きる上にはストレスを受けます。紫外線の害こそ、克服した植物だが、大地電位・大気電位・プラスイオン・輻射圧など諸影響から免れない。そこに炭素(陰イオン)の施肥が必要となる。我が家は20年来、この炭素を連続投入してきたのです。その結果、抗酸化力が高まり、固くて柔らかな百回噛める米となり、病気にならない米・無農薬ながら沖縄まで送れる柿を作ることができるようになったわけです。地下からは、炭素による陰イオン・空中には避雷針風の陰イオン発生装置を設置すると、害虫や病害を抑えることもできるという技術である。だが、イネミズゾウムシだけは防ぎ切れていない。

今年の挑戦
 水中ボカシ=作物では必ず完熟堆肥でなければ行けないことになっていたが、昨年の実験で未熟堆肥でもよいことがわかった。前述のイネミズゾウムシに打ち勝ち、始めて無農薬で10アール10俵を収穫した。もちろん、雑草にも負けてはいない。我が家は、相当な量のボカシ(培養した菌の固まり)を作り施用するが、水田の中で急速に完熟堆肥を作っていたのだ。柿園でも現場で肥料作りを微生物たちにやって貰うことにする。植物波農法の中には地中堆肥≠ニ言うのがあるが、これは経費がかかりすぎる。水中なり地表で作って良いのではと考える。

太鼓の水=これまた人間と同様、水は植物にとって大事である。ご存じのように炭素は水の浄化をするが、別の価値で水(特に海水)は、生命の源でもある。千野さん(東京)の紹介のこの水は太鼓の動植物を通して湧き出た深海水という、その能力を試してみたい。とりあえず、稲の稲に使って実験する。ミネラルは植物にとっても大事な微量要素であって、これまで海水を利用していたが重いのと機械を錆びさせるため、柿には川田研究所のミネラル水を使い、高ミネラル含有の柿を作ってきた。太古の水は、別の生命を苗に与えるかもしれない。

その他=栄養周期法では、カルシウムとリン酸が味を左右するという。貝化石や蠣殻のカルシウムと野鳥の糞から作ったグァノリン酸という天然資材を使います。魚のアラから作るアミノ酸は即効性の肥料として同じく光合成細菌はメタンガス毒性の消去として使います(次号では、我が家の産物の評価について)

 

今年の冬は霜焼けにならずに過ごせて本当に驚きです。身体の中から改善されてきたのかともいます。食を大事にしていると自然と身体も良くなって。矢田さんの作り出すものにはすべて注目です。
                                      大田区 中川さん

地球と人類の共生が可能なら生き方を実行しなければならぬ事は明白なのに、超大国が無反省に力で我意を通そうとするのは困ったものです。投稿が是非紙面に載って欲しいものです。矢田さんの言われるように各各の立場で可能なことを実行してゆきたいものです。
                                        横浜 川村さん

 88歳になる叔母が一ヶ月前から瀕死の床にある。この十日間はさらに重く、病院のべっとでいかされている。他方、今イラクでは、健康な人たちがいとも簡単に殺されている。家を焼かれ、石油が無駄に燃やされ、二酸化炭素を排出している。何という矛盾だろう?同じガスマスクをイラクと島の叔母が両方で使っている。何が起きているかを知らないイラクの子ども達の瞳をテレビで見るたびに声にならないため息となる。人間−この罪深きもの!

 コクゾウ虫の発生でご迷惑をおかけしてきましたが、今度冷蔵庫を導入することにしました。米の味も良くなるともいます。ご期待ください。

 月初めに味噌の仕込みをしました。ポリフェノール満点の『黒豆味噌』も20キロほど。楽しみです。味噌希望の方!改めて申し込みを!

NO123 2003年2月号

○・・・温暖化を案じる身ながら、暖冬はありがたい。柿の剪定作業のために。晴耕雨読(?)の
この仕事も半分をすませました。例年より少し早い。剪定後のクズ枝の始末が終わらなければ
OKとはならないけど。

○・・・南の国から梅便りがあったが、我が家にも春が。雪消えの柿の畑で、フキノトウがみつかり、嫁の由美子が早速揚げてくれた。柿とフキは相性が良い。良く育つのだ。

○・・・前号の、温暖化対策の意見に対して、皆さんから強い支持と掲載への声援を頂いたが、めざす紙上には載らず(朝日)、それをとり下げ、三回目の改文加筆で、再度の投書をめざしています。

 

◆子供の頃、ひどいアトピー性皮膚炎で、最近は、化粧かぶれや光化アレルギーで悩んでます。食べるものにも気を使ったり、漢方の病院にも通ったりしましたが、よくならずやめています。

 そこで、インターネットで柿の葉茶を探しているうちに、一番安心して呑めそうで、信用できそうだった矢田農園さんをみつけました。 

                        坂恵さん
40代に突入してから、あれよあれよという間に、立派な高血圧になってしまいました。病院で降圧剤を呑めばいいのでしょうが、お医者様のお世話になるまえに、矢田農園の柿の葉茶を呑んで様子をみたいと思います。血圧にいいことは祖母か母から聞いたことがあります。効いてくれるといいな!                                           藤田さん

 

特集 柿の葉茶

偶然かどうか、このところ、わが家の柿の葉茶が売れています。近くの人でも、血圧が下がって医者に不思議がられたとか、降圧剤が要らなくなった、例がありました。

 「柿が赤くなると・・・」という故事の通り、昔から注目された果実であったらしい。現代では薬がたくさんあって、一時は柿の存在も忘れたが、いままた、見直されたといえようか。

  柿の葉茶の栄養成分はビタミンではCE

 生柿にはカロチン。この三つが殆んど同時に摂れるところに柿のすばらしさがある。特にビタミンCは、プロビタミンC(前駆体)のかたちで摂取し、体内でビタミンに変化するために、珍しく安定して、効率良くとることができるという。(渡辺 正・西医学研究所長=医博)この三つは、抗酸化力があり、有色野菜が少なかった昔は、病気防止、治療に柿が重宝されたのだろう。

  ビタミンC欠乏

  ひところビタミンCのブームがあった。(20年位前だ)風邪やガンに効く、というポーリング博士(ノーベル賞)の研究がきっかけだったそうだ。それによって、合成ビタミンC が日本でも盛んに発売された。にわかに研究が進み @細菌に対する抵抗力 A細胞の代謝 Bある種の免疫性 C皮膚科の治療 D血管病の治療、などに有効なことが新たにわかった、という。ビタミン中の王者とも言われる存在になった。民間療法上からも納得できる効能があることがわかる。

  タバコとか、医薬品の乱用とかストレス、また働き過ぎによる発汗などによって、ビタミンCは消耗し現代人に欠乏の人が多い。

 欠乏の人は、全身の毛細血管のぜい弱化と皮下出血をひき起こす。風邪、結核、脳出血、胃かいよう、ガンなど万病のもとになると渡辺医博は言う。

 歯みがきで出血する人、リンゴを噛んで血の出る人は特に注意、壊血病の初期症状である。ビタミンCは歯の発育にも大いに関係する。

 ビタミンC単独でもこのような効果があるが、加えてEと一緒に摂取すると、さらに血流が改善されるために、血圧を降下させる効果が期待される。動脈硬化も防ぐという。

 

合成ビタミンC警告
 だが、製薬会社が作っているビタミンC剤は非常に問題が多い。清涼飲料水やインスタント食品などを沢山服用すると、体内で蓚酸となり、これがカルシウムと結合して蓚酸石灰ができて腎臓結石などをつくり、血液中にたまれば動脈硬化に、関節にたまれば、リウマチになる。また蓚酸が体内で分解して参加炭素を生みガンのもとを作り、肝機能も低下させる。このことは、珍しい事にS60年、厚生省が警告している。

 

▲物語をひとつ。古代食料理研究家の平井小糸さんは、昔、158cm体重は80キロで、成人病の見本市みたいな人、と医者に言われたとか。そこで柿の新芽、葉を生のまま食べる食餌療法で、みごと改善、克服できたとのことである。現在の体重は定かではない。生野菜や果実などの自然食品からビタミンCを摂ることだが、

非常に不安定なもので、‘‘生’’であることが要求される。冬場では、やはりミカン類が、晩秋では、矢田農園の柿かなあ!(笑)ハマナスの実は最高商品だが、夏の間だけ。野バラの実は一日一粒に。

 

◇血圧の方は劇的な変化はないようですが、精神的にはずいぶん楽になりました。効果かな?と思われることがひとつ---月に一度、女性ホルモンが不安定になる時期に、いつも顔にポツポツ出来ていた吹き出物がピタリと出なくなったこと。おかげで洗顔のあとは化粧水だけつけて、唇に少しリップクリームを塗るだけで外出できます。気のせいか、シミもごく薄く目立たなくなったようで、化粧品の節約できてマス。

                                        富山・藤田さん

  ◇柿の葉茶の感想ですが、妻が喜んでます。それは目の下のシミが薄くなってきたことです。呑みはじめて一ヶ月ぐらいだったと思います。これには驚きです。血圧の方は、今のところ安定しています。

                               愛媛・武田さん

  ◇秋ごろ、新聞に出ていた記事「柿が赤くなると・・・」を夫が持ち帰り「柿の葉茶はビタミンが豊富で良いそうだ」と、慣れないものに抵抗する夫も、すんなりでした。

                             東京・工藤さん

  ▼毎号を隅々まで読んで貰えている様子が伝わってきます。書き甲斐を覚えています。皆さんと一緒に作ってゆきたいと思い、原稿募集します。『農業のここがわからない』『こだわり栽培のここがわからない』の二つ。

  ▼コメの発送は毎月25日です。できるだけ定期発送にご協力下さい。1個でも業者への搬入せねばならず、時間的に切り替え精米にもロスが出ます。毎月増減の調整をしますので遠慮なく申しつけ下さい。

 

▼冬季ギフトも終わりです。味噌や干し柿は激賞(?)受け、困りました。切りもち、玄米茶、じゃが、古代米、ミルキークイーン、古米はまだどうぞ。柿の葉茶は、残り少なし。熱風邪はCが消耗、絶対に必要。

  3/73/10、島の全ホテルで夕食なし一泊3,100円のサービス。いかが?両津港に客船「おおさど」がつきました。一緒に夕食いかがですか?

NO122 2003年1月号

 新しい年になりました。皆さま、新年の計画など出来ましたか?そして出足はいかがですか?
新年もお世話になります。さすがに、64歳という数字は重い数字ですね。『老境』と『まだまだ』
の間にあって、少々とまどいましたが、ようよう計画。決意も固まり、落ち着きました。

 年末までの20日間は、餅つきと干し柿の仕上げ作業と発送に暮れ、元旦から賀状書きをはじめました。
過ぎた年の総括と新年の決意を模索、今年は『蒔く』と書きました。すべては蒔くところから始まる。
単に農家であるだけでなく、蒔くことを怠ってはならないと思ったから。換言すれば、『実行』です。

 

 秋の号でも一部申し上げたように、昨年の我が家の農業経営は大過なく、まずまずの成績で閉じました。
と言っても、会計はどんぶり勘定だし、米の売れ残っていても、それはそれで良し、鶏の餌になり肥料にすれば良し、だから、おかしいかもしれない。我が家の経営は、ひとえに皆さまの支援によるもので、重ねて感謝を申し上げたいと思います。皆さまの厚い声援によって、ここにいっこののうかがらいかなく、存在できている事実を報告申し上げます。

 そればかりではなく、昨年は我が家にとって転機になるような、一つの発見がありました。技術的なことなので
(常識をくつがえすような)また、確認できていないので、紹介することは避けますが、今年の作柄に期待し、楽しみにしています。無農薬のコシヒカリが10俵も穫れた方法です。また、何人かの方が、親しく我が家をお尋ねくださったことも私たちを元気にしてくれました。今年もお招きしたいものです。

 私事ですが、息子も35歳になることだし。そろそろ経営を交代しようと思います。もちろん、これからも鍬を持つ暮らしは続けますが、新たに、筆を持って『農からの発言』をしてみようかな、と思い始めました。私自身不勉強ですが。、周りを眺めてみると『とても危なくて!』と言う気がします。老婆心ながら、と言う気が高じてきました。

 そこで、発言の一弾。暮れ頃から、茶の間は珍しい話題、恐い話題で一杯だが、一つ大事なことを忘れてはいまいかと、との新聞投書の下書きです。

 

皆さまに支えられた一戸の農家がここにある。
 
年頭に考える。今、人類にとって最大の課題は、なんと言っても地球温暖化対策であろう。人類自らが拓いたこの緩やかな危いは、確実に近づいているというのに、人々の関心は、今ひとつである。メディアもさっぱり関心を示さない。これでいいのか?

 昨夏、『冷房しないと死にそう』という、悲壮な東京便りが相次いだ。気温の上昇は、私自身この地でもちろん体感しているし、内外からの異常気象のニュースも多い。南極に次いで北極上空のオゾンホール確認からも10年余。80年代以降この恐怖は加速して接近していると言われる。日本の上空に恐怖のホールが開かないと誰が断言できよう。並みの努力では避けがたい、世紀末恐怖だ。

 景気も、拉致もかくもおろそかでいいとは言わないが、温暖化現象の前には遠く及ばず、問題解決も自ずと答えは出ようと言うものだ。京都議定書から離脱した責任大国は言うに及ばず、その国に荷担して戦艦を派遣している準大国もある。自国の開発をそのままに途上国に植林をしてごまかす開発国も続く。これでいいのか?

 国内に目を転ずれば、景気回復の名の下に湊だ、道だ、ダムだと騒ぐ人もいれば科学の名の下に宇宙を目指す人もいる。膨大な借金の他に今また温暖化という究極の公害までを後世に残して良いのか?

 野生生物は、危険を素早く察知して、生きながらえている。人間は、はるかに賢いはずである。結果の恐ろしさも見えておれば、原因もわかっているのに、この厄がさけられないとしたら、何とする。この問題は、人類に日本人に自然と調和して生きよ、と教えていると思う。

 私の心配が杞憂であってくれたらいい。そのためには、すべての人が今から視線を高く掲げて人の新しい価値観を求めつつ一人一人がそれぞれの立場で、それぞれの暮らしの中で責任に一端を果たしてゆくしかないのではないか。農家だから生態系農業を続け、省資源の『栄養周期説農法』を人にもすすめる。君はどうしてくれる?電気を節約し、車を遊びに使ったりせずゴミを減らす暮らしを私もするから、あなたもやってくれませんか?そして、周りの人にもすすめるよう決意するから、あなたもこの年頭に当たって誓ってください。

 

お便り特集(2)
△私のじっかでは夏には、稲に空中散布は非常に盛んに行われるため、私のような化学物質過敏のアレルギーの人間はとてもつらいです。私はだいぶ回復して子どもも産めましたが、症状のひどい人になると家から出られない人や家族と生活できない人がいます。私が一番ひどかったときは農薬散布野菜が舌はもちろん、指先でわかってしまったときです。それを食べると気分が悪くて寝込んでしまいました。殺される虫と同じように苦しむ人もたくさんいるし、私たちの叫びが理解されない現実があります。           杉並 くらたさん

△朝日新聞掲載の『我がダム闘争見直される今』を読ませて頂きました。佐渡でもダム闘争があったのですね。
矢田さんご一家は積極的に前向きに生きていらっしゃるんですね。だから、お米も良い波動を持って美味しいんだなあと思いました。         東久留米 いしやまさん

△俺が言うのも生意気ですが、味噌の評価。はじめ臭い、しょっぱいと思いました。とっても他のものとは違い、これが特徴でこれが体に良く、慣れるとこの味噌が入っていない味噌汁は物足りなくなりました。これぞ味噌って思いました。毎月、送ってもらってかまわんです。とにかく、この味噌はすっごいみそです。大変でしょうが、味噌作り頑張ってください。        さいたま やはぎさん

△ お味噌が届きました。美味しいお味噌です。古いのに色白でしかも甘塩なんとも美味しいお味に感激でした。塩気が少ないのでたっぷり使えてコクのあるお味噌汁になります。実家の父が生味噌をエシャロットに付けて頂きますが、このお味噌はそれにぴったりです。今度、上京するときに良いおみやげが出来ました。予約しておきます。
                   しずおか いちおかさん

(味噌はあっという間に売れ切れました。予約も一杯です。)

 

冬のギフト販売も終わり、我が家は堆肥散布と柿の剪定作業をはじめています。老化したせいか肩や腕が痛むきつい作業です注射をしながらしたことあったけど、アレはまずかったと思う。

我が家は、おおむね健康です。当たり前ですが、若くなるほど元気です。家内の不眠・頭痛も解消の模様。昨秋に見つけた私の白内障も手術はまだまだ先のようです。皆さまからも心配して頂いた優里香のあざは実は年あつにレーザー治療を受けました。3回くらいの予定です。完治を祈っています。小粒ながら学校でも頑張っているみたい。3代目の大成は、この春から一年生で一人威張っています。末孫のちひろは、良く食いよく寝て姉兄に負けません。

お便りお待ちしています。苦情も寄せてください。来月は柿の葉茶の記事にします。