2003年
03/03 楼蘭遺跡から原色壁画
楼蘭遺跡の盗掘墓から、壁画が大量に発見されたそうです。砂漠に消えた古代シルクロードの要衝・楼蘭から壁画が見つかったのは初めて。墓の形状、壁画の質などからこれまで見つかっていなかった楼蘭王墓ではないかとの見方も出ているそう。
読売新聞。壁画ということでご紹介します。この記事、カラー写真が掲載されていました。衣服の青や赤が鮮明に残っており、保存状態が良いです。墓室は前室と後室に分かれ、柱や壁には人物、ラクダ、牛、車輪のデザインなどが描かれていたとのこと。 
--03/20 その後の話 3世紀頃の貴族一家が合葬されたもの
と、判明。専門家の鑑定結果より。
読売新聞。
03/03 ダリの名画、米刑務所の凶悪犯収容棟で発見
サルバドール・ダリが1965年にニューヨークのライカーズアイランド刑務所に寄贈し、約10年前からロビーに飾られていた絵画が、男子凶悪犯の収容棟で発見されたそうです。ロビーの絵画は、偽作とすり替えられていたらしい。うまいことやられました。
作品は十字架にかけられたキリストを描いたもので、1985年の評価額は17万5000ドルでしたが、89年のダリ死去後に価値が上がり、現在は約3倍の価値があるとされているそうです。
3月2日付ロイター。場所が場所だけに、その手の技を持つ人材には事欠かないのかも。
03/06 邪鬼、一般公開−奈良・唐招提寺
創建当初の作と判明した邪鬼のうち1体が、同寺新宝蔵で一般公開されているそうです。公開は6月中旬まで。邪鬼の呼び名も変わり、「隅鬼(すみおに)」になったということ。
京都新聞。スクラップ2003年2月12日の続報です。新宝蔵の入館料:大人100円、小学生以下50円(拝観料別)
03/07 243年ぶり秘仏公開−京都・清水寺
読売新聞。スクラップ2003年1月17日の続報です。開帳は12月7日まで。
03/08 芸術選奨受賞者発表
文化庁は7日、2002年度芸術選奨文部科学大臣賞と同新人賞の受賞者を発表しました。
芸術選奨文部科学大臣賞 【美術】彫刻家・若林奮
芸術選奨文部科学大臣新人賞 【美術】建築家・遠藤秀平
読売新聞。美術部門のみ抜粋しました。
03/11 数百年ぶりに発見のレンブラント自画像が競売へ
7月にロンドンで競売にかけられるそうです。最低落札価格は500万ポンド(約9億4000万円)。
この自画像は、制作直後に弟子が下地に使用し、別の作品として流通していたため、長い間存在が知られていませんでした。レンブラントは作品を売って生計を立てていたため、売れ残った作品が別の作品の下地に使われることは珍しくありませんでした。
3月10日付ロイター。スクラップ2003年1月31日の作品と同じようです。ちなみに、レンブラント作と判明したきっかけは、1960年代に作品を購入した現在の所有者の父親が、レンブラント作品の可能性があるとみて、上に重ねられた絵の具の一部を除去したことから。その後、鑑定、修復を経て、「数百年ぶりに発見」と相成ったようです。続報:スクラップ2003年7月10日
03/12 1億4000万で購入−目玉彫刻「棚ざらし」
群馬県立館林美術館が購入した、フランスの彫刻家フランソワ・ポンポン(1855-1933)の作品34点が、作者が遺言で禁じた「没後鋳造」であることが判明したそうです。他に3点の偽作もあったとのこと。
読売新聞。問題の34点は、作家名やタイトルなしで展示室ではない場所に並べられているそうです。正式な作品ではなく、置物扱いということですね。「100円ショップで衝動買い」する感覚で「彫刻購入」したように見えますが。実際の所はどうなのよ。
03/12 高松塚古墳ピンチ−保存法見直しを検討
高松塚古墳(奈良県明日香村)石室内に、昨年の秋以降、除去困難な黒カビが発生しているそうです。壁画部分は何とか無事らしいですが、かなり迫っている模様。
asahi.com。夏頃までには対策を講じる予定。夏…その前にジメジメの梅雨が来ますが、大丈夫でしょうか?続報:スクラップ2003年6月19日
03/13 大英博物館のエルギン・マーブル問題、ギリシャが妥協案
ギリシャ当局は英国側に対し、大英博物館所蔵の古代ギリシャの大理石彫刻、「エルギン・マーブル」の展示会を合同開催することを提案しました。エルギン・マーブルの所蔵権を大英博物館に認める代わりに、作品展示をアクロポリスの博物館で行う妥協案を提示し、この問題に終止符を打つ構えを示したそうです。
3月12日付ロイター。ギリシャは「返せ」といい、イギリスは「返さない、大英博物館に置いておくんだい」といい、平行線を辿っていたこの問題、ようやく出口が見えてきたか。いや、今後もすったもんだするような気がします。関連記事:スクラップ2002年5月27日2001年8月20日
03/14 大観の作品、63年ぶりに見つかる
横山大観(1868-1958)の画業50年記念の連作「海山十題」(全20点)のうち、所在不明になっていた「海潮四題・秋」と「龍躍る」が見つかったそうです。
読売新聞。作品は、4月1日から5月5日まで足立美術館で一般公開されます。
03/14 涅槃図など公開−京都・醍醐寺で特別展
春期特別展「世界遺産・醍醐寺展−醍醐の花見」が開催されるとのこと。初公開となる江戸時代中期の「涅槃図」、豊臣秀吉が晩年に催した「醍醐の花見」で、秀吉や正室北政所が詠んだ和歌の自筆の短冊や、屏風絵、仏像など国宝8点、重要文化財42点を含む計73点の展示。
Yahoo!ニュース。初公開の涅槃図は縦約3.7m、横約2.5mで、同寺所蔵の涅槃図の中で最大。1996年の文化財調査で発見されたそうです。特別展は3月15日から5月11日まで。
03/15 ユーラシア文化館オープン−横浜市
考古学者で、昨年11月に死去した江上波夫氏の収集品を展示した横浜ユーラシア文化館(横浜市中区日本大通)がオープンしました。
江上氏が生前、朝鮮半島から地中海までの地域で集め、横浜市に寄贈した考古学上の資料や美術品など約2万7500点を保管。常設展示の対象となったのはうち約250点で、国内で展示例がない紀元前2500年頃制作の石像「シュメール王朝男性・女性祈念者像」も含まれているそうです。
Yahoo!ニュース。入館料は高校生以上200円、小・中学生100円。
03/15 国宝の多い都道府県
▽美術工芸品 1位 東京都(230点)、2位 京都府(206)、3位 奈良県(143)、4位 大阪府(55)、5位 滋賀県(33)、6位 和歌山県(28)、7位 神奈川県(18)、8位 広島県・福岡県(12)、10位 静岡県(11)
▽建造物 1位 奈良県(69棟)、2位 京都府(60)、3位 滋賀県(23)、4位 兵庫県(14)、5位 広島県(12)、6位 長野県(10)、7位 栃木県(9)、8位 大阪府(8)、9位 和歌山県(7)、10位 宮城県・大分県(4)
読売新聞より。「なんでもランキング」というミニコーナーに掲載されていました。2003年3月1日現在のデータとのこと。
03/17 棟方志功の画稿発見−代表作「釈迦十大弟子」
見つかったのは、「舎利弗」「羅ゴ羅」「摩訶迦葉」の3点。自著では、「版木にぶっつけに筆をおろしました」と述べていましたが、実は綿密な構想に基いて制作されていたようです。
読売新聞。4月から、宮城県美術館で「生誕100年記念展 棟方志功」も開催されますし、タイムリーな話題といえるのでは。展覧会は巡回します。
03/20 コンスタブルの素描、記録的高値で落札
ジョン・コンスタブルの素描画が、ロンドンで行われたオークションで、35万ポンド(約6500万円)以上の金額で落札されたそうです。
出品されたのは、ネルソン提督の旗艦ビクトリーを鉛筆で描いた素描画3点。トラファルガー海戦の2年後の1803年に描かれたもので、スコットランドの個人宅で偶然発見されました。
3点のうち最高額を付けたのは、「Bow View of HMS Victory in the Medway」で、落札推定額2万ポンドの10倍以上となる21万6160ポンドで競り落とされたとのこと。これは紙に描かれたコンスタブル作品としては史上最高額で、これまでの記録は11万8000ポンドだったそうです。
ロイター通信。スクラップ2003年2月26日の続報です。
03/21 国宝、重文指定を答申
国宝【書跡・典籍】拾遺愚草
重要文化財【絵画】絹本著色白山三社神像・白山比盗_社▽絹本著色春屋妙葩像・慈照寺▽紙本墨画日新除魔図(葛飾北斎)▽三遊亭円朝像(鏑木清方)▽絹本著色松に唐鳥図(佐竹曙山)▽天平の面影(藤島武二)▽絹本著色終南山曼荼羅図・松尾寺▽信仰の悲しみ(関根正二)▽Nの家族(小出楢重)【彫刻】木造地蔵菩薩立像・根津美術館▽木造獅子狛犬・谷保天満宮▽木造泰澄及二行者坐像・大谷寺▽木造阿弥陀如来坐像・海徳寺▽木造勢至菩薩坐像・知恩院▽木造不動明王立像・鹿苑寺▽木造不動明王坐像・神泉苑▽同・蓮光院▽木造僧形八幡神坐像など・御調八幡宮【工芸品】唐物肩衝茶入(北野)▽鍋島色絵藤棚文大皿▽柴垣蔦蒔絵硯箱▽黒紅地花卉文様繍箔小袖▽白地葵紋紫腰替辻が花染小袖▽絵唐津芦文壷【書跡・典籍】八雲御抄▽塵芥集▽寸松庵色紙▽仁和寺黒塗手箱聖教▽冷泉家歌書類▽万葉集巻第十八(金沢文庫本)
読売新聞。抜粋しました。「拾遺愚草」は藤原定家が自選した歌集で、現存する唯一の自筆本。
03/25 平安時代後期の弓と鉾を発見−奈良・春日大社
弓には左大臣・藤原頼長が奉納したとされる同大社の矢入れ容器「平胡グイ」と似た文様が施され、セットだったとみられているとのこと。弓には、松をくわえた鶴や千鳥などが蒔絵で表現されているそうです。
読売新聞。国宝級?とのことです。?マークが気になる所でありますが。3月29日から6月29日まで同大社で開かれる「若宮の秘宝と祭展」で展示されるそうです。
03/26 「諸国名所百景」に顕彰碑・巌流島
宮本武蔵(1584?-1645)の没後、現在の北九州市に建てられた顕彰碑や、巌流島を描いた二代歌川広重(1826-69)の浮世絵が、長野県松本市の日本浮世絵博物館で見つかったそうです。この作品は「諸国名所百景」の中の1枚で、「豊前小倉領 海岸景」。
読売新聞。4月1日から6月29日まで同館で開かれる「初代広重画『浮世絵張交』展」で展示されるそうです。
03/27 正倉院宝物紹介HP開設
4月1日開設とのこと。初公開のものを含め、楽器、調度品など約250点が見られるそうです。http://shosoin.kunaicho.go.jp/
読売新聞。
03/27 スペインでゴヤ作品発見か
フランシスコ・ゴヤ作とみられる絵画2点が発見されたそうです。
発見されたのは「聖家族」「トビアスと天使」で、無署名とのこと。2点は、本物であることを証明する目的で一般公開された後、5月にオークションにかけられる見通し。予想落札価格は350万〜500万ユーロ。
ロイター通信。発見か、の「か」が微妙な印象をもたらしております。続報:スクラップ2003年5月9日
03/29 芸術院賞受賞者発表
第1部(美術) 澄川喜一=彫塑。新制作展出品作「そりのあるかたち2002」▽岩倉寿=日本画。日展出品作「南の窓」▽塗師祥一郎=洋画。日展出品作「春を待つ山間」▽大角勲=工芸。日展出品作「天地守道(生)」▽井茂圭洞=書。日展出品作「清流」▽栗生明=建築。平等院宝物館の建築設計
読売新聞。第1部(美術)のみ抜粋しました。受賞者総数は14人。
03/30 ラスコー洞窟壁画が危機
フランスのラスコー洞窟の壁画が、菌類やバクテリアの繁殖により、侵食が進む恐れがあることが分かり、フランス文化省が対策に乗り出したそうです。
人間や動物など約100点が描かれた彩色絵画は、推定約1万8000年前の旧石器時代のもの。
共同通信。フランスの壁画も日本の壁画も、大変な事態になっております。
03/30 ナチスドイツの美術コレクション、モスクワで一般公開
ナチスドイツの城から旧ソ連の将校が持ち出していた美術品コレクションが29日、一般公開されたそうです。
展示されたのは、ゴヤ、ルーベンス、ドガ、ドラクロワなどによる素描362点と絵画2点。これらは43年間、モスクワの建築博物館が保管していたそうです。コレクションは時価2340万ドル(約28億円)相当で、最高額はゴヤの作品の460万ドルとのこと。
ロイター通信。当初はドイツのブレーメンで公開予定でしたが、議会で反対に遭い、ロシア国外への持ち出しが実現しなかったそうです。






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