2003年
01/01 NHK「ゆく年くる年」で国宝に釘
奈良市、東大寺での出来事。「ゆく年くる年」の中継を準備していたNHKの委託業者が、国宝の鐘楼の梁(はり)に釘9本を打ちつけてしまったそうです。釘は寺側が放送前に発見、すぐに抜かれたとのこと。ちなみに、鐘楼は1210年頃(鎌倉時代)に建てられたそうです。
毎日新聞。レギュラー番組「国宝探訪」や、特番「夢の美術館−豪華決定版 国宝100選−」(1月 5日 BS2で放送)から、泣きが入りそうなニュースであります。 
--01/08 釘・その後の話 本数増加、NHKは報告書提出し謝罪
実は17本打っていたとのこと。8本増えました。
読売新聞。不祥事って後から後から沸いてきますね。
01/04 収蔵品共通検索サイト
全国の国公私立美術館・博物館の収蔵品の画像や関連資料を網羅し、ネット上で公開する総合サイトを作る計画があるそうです。年内に試験運用開始、2006年には1000館程度の参加を目標としているそうです。
読売新聞。この計画は、文化庁の「文化財情報デジタル・アーカイブ」(仮称)事業によるもの。完全に整備されたら、一度の検索で済むようになるのでしょうか。便利な世の中です。
01/15 故宮博物院、太保市に分院を設立へ
台北市の故宮博物院が、嘉義県太保市に分院(分館)を建設するそうです。本館が「中国文化」をテーマとしているのに対し、分院は地域が広がり「アジア文化」。日本や韓国、東南アジア各国の文物を収集するとのこと。2008年オープン予定。
ジャパンデザインネットより。元の記事は西日本新聞。ところで、分院はどの程度の規模になるのでしょう。なんて書きながら、故宮博物院自体に行ったことがないという。
01/17 「三面千手観音坐像」243年ぶりに公開−京都・清水寺
本堂奥「奥の院」の本尊「三面千手観音坐像」を、3月7日から9カ月間公開するそうです。三面千手観音坐像は鎌倉時代初期の作とされ、高さ約64センチ。正面と左右に計3つの顔がある三面千手観音で坐像は珍しいといい、昨年、重要文化財に指定されたばかり。
京都新聞。243年ぶりですってよ、秘仏ですってよ奥さん(意味不明)。長めの御開帳ですが、いつ行っても混みそうな予感がします。期間中、芸術関連のイベントを開催予定。続報:スクラップ2003年3月7日
01/17 写真家・秋山庄太郎氏死去
女性や花の写真で知られる秋山庄太郎氏が、16日午後死去されました。82歳。
読売新聞。
01/19 重要文化財「堀家住宅」荒らされる−奈良
「堀家住宅」と同じ敷地内の土蔵から、南北朝時代の旗など4本、安土桃山、江戸時代の掛軸約25本、江戸末期の勤王派の「天誅組」による寄せ書きなど50点以上が盗まれたそうです。盗まれた品の中には、後醍醐天皇から下賜された「最古の日の丸」も含まれているとのこと。
読売新聞。奈良県では、昨年7月から重文の民家が狙われているそうです。既に4件も窃盗にあったそう。警察、ぬぼ〜っとしすぎ。それと、個人レベルでの保管にも限界がある気がします。
01/22 アフガニスタン文化財保護、東京芸大協力へ
カブール博物館の収蔵品目録を作るための写真技術者を育成すべく、美術学部の教員ら6人が来月14日に現地入りするそうです。
読売新聞。同博物館に10万点余あったとされる文化財も、現存するのは2〜3割。目録がないため、収蔵品の内容を把握することも難しい状況なのだそう。文化財保護のために、まずはデータベース作成。指導は芸大でということらしいです。
01/23 日本映画全作品を収集へ 2004年度にも・文化庁方針
国立国会図書館法を改正して制作者に映画フィルムの納入を義務付け、東京国立近代美術館フィルムセンターで管理を行うようにするそうです。センターは、収蔵作品をビデオ化、デジタル化し、来場者が鑑賞できる設備も整備する予定。
読売新聞。映画制作費の融資制度なども検討中とのことです。で、ちょっと気になったのですが、「いかにも芸術」な企画にしか融資されないってことはないですよね?文化庁。
01/23 クリストの巨大作品、セントラルパークに出現へ
ニューヨークのセントラルパークに、クリスト、ジャンヌ・クロード夫妻の巨大インスタレーション「The Gates, Central Park, New York, 1979-2005」が展示されることになったそうです。園内の公道およそ37キロにわたり、サフラン色の布で覆った高さ5メートルのゲート7500点を配置するとのこと。
企画は1970年代に持ち上がっていましたが、環境への影響を理由に反対の声が上がっていたそうです。
作品は2005年2月に設置され、2週間にわたり展示される予定。
1月22日付ロイター。クリストは、昔、日本にも作品展示したことがありました。巨大な傘を多量に並べていたと記憶しています。
01/24 マンテーニャの名画、約34億円で落札
ルネサンス期のイタリアの巨匠アンドレア・マンテーニャの名画が、ニューヨークのサザビーズでオークションにかけられ、2856万8000ドル(約34億円)で落札されました。競り落とされたのは、15世紀後半の作品「Descent into Limbo」。
今回の落札で、マンテーニャ作品の最高落札額は従来の2倍に跳ね上がったそうです。これまでの最高額は、1985年に競り落とされた「Adoration of the Magi」の1040万ドル。
1月23日付ロイター。マンテーニャの作品は希少価値が高く、今回落札された作品が個人コレクションの収蔵品としては最後の1点だったそうです。
01/24 世界貿易センター跡地の再建コンペ、ガウディがエントリーへ
米同時多発テロで崩壊した世界貿易センター跡地の再建コンペに、没後77年を迎えるアントニオ・ガウディのデザインがエントリーされる見通しであることが分かったそうです。
デザイン提出を予定しているのは、ガウディの出身地カタルーニャ地方のアーティスト団体と、ボストンの建築家ポール・ラフォーリー。エントリーされるのは、ガウディが1908年に着手した未来的なホテル構想。
1月23日付ロイター。エントリーといっても、現存しているのは鉛筆でのスケッチ画数点のみ。設計図は残されていないそうです。少々心許ないです。本人知らん間に、話進んでますし。続報:スクラップ2003年2月5日
01/29 洋画家・中川一政氏の収集品 競売へ
内容は、墨や硯、墨跡、古画をはじめ、東西の陶芸、仏像、李朝家具、西洋絵画。約170件を競りにかけるそうです。
読売新聞。高額落札が予想されているのは、ユトリロの油彩やルオーの版画集、竜門の交脚仏だそうです。続報:スクラップ2003年2月7、9日
01/30 96億円で落札されたルーベンスの名画、一般公開へ
30日からロンドンのナショナル・ギャラリーで一般公開されるそうです。作品は、ヘロデ王の命による乳児虐殺を描いた「The Massacre of the Innocents」。1780年以降ルーベンスの流れをくむ画家の作品と誤認され、長年にわたり個人コレクションで眠っていましたが、昨年になってルーベンス作と判明、オークションに出品されました。
同作品は、3年間同ギャラリーに貸し出された後、カナダのオンタリオ美術館に収蔵されるとのこと。関連記事:スクラップ2002年3月1日2002年7月5、11日
1月29日付ロイター。ミニ情報も掲載されていました。ドル単位のオークションで同程度の高値を付けたのは、ゴッホの「医師ガシェの肖像」、ルノワールの「ムーラン・ド・ラ・ギャレット」しかないそうです。両作品の落札額は、8250万ドル(約97億8500万円)、7810万ドル(約92億6300万円)。
01/31 新たに発見のレンブラント自画像、一般公開
17世紀オランダの巨匠、レンブラントの作品で、これまで人の目に触れることのなかった自画像が、同国の首都アムステルダムのレンブラントハウス美術館で初めて一般公開されたそうです。この作品は1634年作。長髪でひげをたくわえ、ベレー帽をかぶった当時28歳のレンブラントが描かれています。
作者不詳のロシア貴族の絵が上塗りされていたため、300年以上存在が知られることはなかったそうですが、専門家チームが1994-95年、エックス線検査など科学鑑定を行って発見。数年間の修復作業の末、今回の一般公開にこぎつけました。
1月30日付ロイター。展示は3月16日まで。続報:スクラップ2003年3月11日
01/31 ロンドン過去最大級の美術オークション、来月3日に開催へ
競売大手クリスティーズが明らかにしました。
出品されるのは絵画120点。少なく見積もっても総額5000万ポンド(約98億5000万円)の価値があるといいます。
印象派・近代美術セクションの目玉作品は、ピカソの「Femme dans un fauteuil」で、落札予想価格は最高600万ポンド。ルノワールの「Canotiers a Argenteuil」の落札予想価格は、350万ポンド。この他、セザンヌ、ドガ、デュフィ、ゴッホ、モネ、マネ、クレー、ブラマンクの作品が出品されるそうです。
ドイツ美術・シュールレアリズムのセクションの注目作は、マグリットの「Les Barricades Mysterieuses」で、落札予想価格は最高220万ポンド。この他ダリ、ミロ、エルンストの作品が出品されるそうです。
1月30日付ロイター。






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