2003年
02/01 マイケル・ジャクソン、落札金滞納で競売会社が提訴
マイケル・ジャクソンが、昨年10月にオークションで落札した19世紀の絵画2点の代金約140万ドル(約1億6800万円)を滞納しているとして、サザビーズに提訴されたそうです。
1月31日付ロイター。女心とマイケルと秋の空ってことで、落札後、すっかり心変わりしたようです。「自分のコレクションに合わない、やっぱりいらないや」と、支払い拒否しているとのこと。手元に置く意向がないため、サザビーズに返還〜再オークションを申し入れましたが、断られたようです。ちなみに落札したのは、ウィリアム・アドルフ・ブーグローの作品。ふと思いましたが、芸能ネタですね。続報:スクラップ2003年5月21日 
02/03 「光悦」印入り唐紙見つかる−京都市の民家で
桃山・江戸初期の芸術家で「寛永の三筆」の一人、本阿弥光悦(1558-1637)の印を押した唐紙が、見つかったそうです。京都国立博物館の調査によると、光悦自らが和歌などを書くために準備した料紙で、作品として仕上げる前の状態で残ったらしいとのこと。
京都新聞。唐紙は、波形や花の文様を刷りだした淡いピンク色と白色で計6枚。すべて縦25センチ、横32センチで、ピンク色の1枚には「光悦」と刻んだ印(縦4.5センチ、横4センチ)が押されているそうです。
02/04 テート・ブリテンの展覧会、目玉作品はいわく付きの名画
「Constable to Delacroix」(コンスタブルからドラクロワまで)と題した展覧会が、ロンドンのテート・ブリテンで5日に開幕するそうです。
目玉作品は、フランス人画家ジェリコーの「Raft of the Medusa(メデュース号の筏)」。
1819年にフランス政府とパリ美術界の反発を買いながら、翌年ロンドンで大好評を博したという、いわく付きの作品で、それ以来初の英国登場となるそうです。今回展示されるのは、1860年に制作された複製画。
この他に展示されるのは、コンスタブルやボニントンの作品など水彩、油彩画150点。
2月4日付ロイター。5月中旬まで開催とのこと。その後、アメリカに巡回予定。以上、展覧会情報でした。
02/05 イタリア具象彫刻の巨匠、ヴェナンツォ・クロチェッティ氏死去
3日、死去されました。89歳。
読売新聞。1938年ベネチア・ビエンナーレ彫刻大賞受賞。53年から約13年を掛け、サン・ピエトロ大聖堂の門扉を制作等。
02/05 ボナールの絵画、記録的高値で落札
ロンドンで行われた競売で、フランスの後期印象派、ピエール・ボナールの1932年の作品「La Porte Fenetre」が426万1600ポンド(約8億4000万円)の値を付けたそうです。この額は、ボナールの作品では過去最高。
この日の競売では、サルバドール・ダリの「Jeune Vierge Autosodomisee par les Cornes de sa Propre Chastete」が2番目に高い134万9600ポンドで落札されたとのこと。
2月5日付ロイター。ボナールファンって多いように思います。だから、この額になったのかは定かではありませんが。
02/05 最終設計2案決まる−NY貿易センター跡地再開発コンペ
ニューヨークのロワーマンハッタン再開発公社は4日、国際コンペで選ばれた8案の中から2案を選んだと発表したそうです。
選出されたのは、日本の建築家、坂茂氏が参加する「THINK」が提示した「世界の文化」と題したツインタワーと、ベルリンのユダヤ博物館を設計したダニエル・リベスキンドによる「世界の庭園」。今月末までに最終案を決定するとのこと。
読売新聞。これはスクラップ2003年1月24日で御紹介した、コンペの結果かと思われます。じゃ、ガウディは「残念ながら…」だったのか!?
--02/27 その後の話 最終案決定
採用されたのは設計事務所「スタジオ・ダニエル・リベスキンド」の案で、高さ約530メートルの塔とビルを組み合わせたもの。建設費用は3億3000万ドル(約390億円)と見込まれる。
読売新聞。
02/07 1万円の絵、実はゴッホだった−「作者不詳」競売予定
洋画家・故中川一政氏のコレクションで、8日開かれるオークションに「作者不詳」として出品される予定だった油絵「婦人像」が、アムステルダムのゴッホ美術館の調査で、フィンセント・ファン・ゴッホ(1853-90)の初期作品であるとわかったそうです。
婦人像は、ゴッホがオランダのニューネンで制作していた1885年頃の作として、1928年刊行のカタログ・レゾネに掲載されている「農民女性の頭部」と同一との調査結果。刊行後に、大幅な修復が施されており、図版と異なる部分もあるそうです。
読売新聞。当初は、落札予定価格を1〜2万円としていたそうです。それが今や落札価格3000万円前後であろうと。急展開です。関連記事:スクラップ2003年1月29日
--02/09 ゴッホ・その後の話 6600万円で落札
落札したのは、住宅建材メーカー会長兼美術愛好家兼ウッドワン美術館館長。2000年12月に、岸田劉生の「毛糸肩掛せる麗子像」を3億6000万円で落札したこともあり。
読売新聞。落札価格、3000万どころではありませんでした。オークションは8日午後から始まり、スタートは500万、次の瞬間1500万、20秒で3000万、3分足らずで6000万を突破したそうです。でも、この作品、損傷が激しいらしいではないですか。修復が大変そう。
02/12 邪鬼は奈良時代の作品だった−奈良・唐招提寺金堂
解体修理中の唐招提寺金堂の軒下に据えられた木彫の邪鬼が、奈良時代の創建当初のものであることが奈良文化財研究所の年輪年代法による調査でわかりました。従来は中世以降の作との見方が強かったそうです。
魔よけの意味がある邪鬼は高さ、幅とも約30センチ。軒下の4隅に1体ずつ据えられ、屋根の荷重を受けています。松製の南西像は江戸時代に取り換えられたものでしたが、他3体はヒノキ製で、外側の年輪は一番新しい南東像でも西暦636年だったそうです。
asahi.com。4体のうち、北東像と南西像の2体は愛媛県美術館で開催中の「鑑真和上展」で展示されています。3月23日まで。続報:スクラップ2003年3月6日
02/15 大学博物館、続々開設
学外の人も利用できる大学付属博物館の開設が相次いでいるとのこと。背景には、所蔵する貴重な資料や美術品の公開を求める声がここ数年強まっていることが挙げられるそうです。コレクションを公開することで、大学のイメージアップにつなげたいという狙いもあるとか。
読売新聞。紙面で紹介されていたのは、駒澤大学禅文化歴史博物館立正大学博物館大阪芸術大学博物館和洋女子大学文化資料館東京大学総合研究博物館常磐大学博物館学博物館
02/16 日本画家・奥田元宋氏死去
15日、死去されました。90歳。
読売新聞。1963年に「磐梯」で日本芸術院賞受賞。81年に文化功労者、84年に文化勲章受賞。代表作に「秋嶽紅樹」(75年)、「秋嶽晩照」(76年)など。96年には銀閣寺の襖絵を完成させた。
02/18 毘沙門天から毘沙門天−高野山・金剛峯寺
金剛峯寺所蔵の木造毘沙門天立像の胎内から平安時代後期の毘沙門天立像が見つかったそうです。毘沙門天の胎内仏の発見は、国内初。
胎内仏は高さ44.4cmでインド産白檀製の一木彫り。本体像は、胎内の墨書から1103-07年の制作と判明しました。
読売新聞。
02/19 英国初のティツィアーノ展、19日にロンドンで開幕
16世紀のルネサンス・ベネチア派を代表するティツィアーノの展覧会が、ナショナル・ギャラリーで開催されるそうです。ナショナル・ギャラリーでは今年から来年にかけて、3回のルネサンス期の絵画展を計画しており、今回が第1弾。
1490年頃に生まれたティツィアーノは、10歳でジョバンニ・ベリーニ、後にジョルジョーネに師事。今回の展覧会は、ティツィアーノが師である2人の巨匠の影響を拠り所としながら、独自の作風を確立していく過程に焦点が当てられているとのこと。
2月18日付ロイター。ロンドン展覧会情報ということで。会期は2月19日から5月18日まで。その後、規模を縮小した展覧会が、6月9日―9月17日にスペイン・マドリードのプラド美術館で開催される予定。
02/25 ターナーの水彩画見つかる
英国ロマン主義風景画の巨匠、ジョゼフ・マロード・ウィリアム・ターナー(1775-1851)の初期の水彩画「ケズウィック」が、京都の所蔵家の元にあることがわかったそうです。
裏面にはターナー自筆のサインと表題があり、5年前に米国で刊行された研究書にも写真が掲載されていることから、ターナーの作品と確認されました。
京都新聞。研究書では、この作品は参考資料扱い。本の制作時には、所在不明だったらしいです。現在の所有者は昨年購入したとのこと。
「和洋古今の水の名品展」(京都文化博物館)にて作品の展示があります。日本での公開は初めてではないか…とのこと。2月28日から3月30日まで。
02/26 英風景画家の1803年のスケッチ、3月にオークション
長い間所在不明だった、ジョン・コンスタブルの素描画が発見され、3月19日、オークションに出品されることになったそうです。
スケッチは、ネルソン提督の旗艦ビクトリーを描いたもの。コンスタブルが英南東部沿岸を旅行中に描かれ、帰途の途上で紛失。数日後に発見され目録にも掲載されましたが、その後所在不明となっていたそうです。
2月25日付ロイター。スケッチを持っていた家族は、コンスタブルの遠縁に当たるとのこと。続報:スクラップ2003年3月20日
02/28 マティス実子秘蔵の美術品寄贈
アンリ・マティス(1869-1954)の実子で画商の故ピエール・マティスが秘蔵していた美術品100点以上が、ニューヨークのメトロポリタン美術館に寄贈されるそうです。100点のうち約50点が父・マティスの作品。残り約50点は、ルネ・マグリットらシュルレアリスムの作品。
京都新聞。総額1億ドル(約117億円)の価値があるとされるそうです。…このコーナーって、どうもお金の話に着地してしまいますな。ロイターはオークションネタばかりですし。






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