2005年
03/03 秀吉の碁盤や重文発見 元古物商ら逮捕
奈良県警捜査一課などは3日までに、窃盗などの疑いで5人を逮捕、1人を指名手配し、京都市北区の大徳寺で昨年4月、盗まれていた碁盤や火縄銃などを発見、押収したとのこと。碁盤は金粉で四季の風景を描き、豊臣秀吉と徳川家康が対局に使ったと伝わる品。奈良県吉野町の吉水神社で盗まれた室町時代の鉄製刀つば「鉄鍔」(国の重要文化財)なども見つかったとのこと。
共同通信。
03/07 ムンクの作品3点、ノルウェーのホテルから盗まれる
ノルウェー南部モス市内のホテルで6日夜、青い服の女性が描かれた水彩画1点(1915年)と、自身とスウェーデン出身の劇作家ストリンドベリを描いたリトグラフ2点が盗まれたとのこと。具体的な被害額は明らかにされていない。
ロイター通信。 関連記事:スクラップ2004年8月22日→現在も未解決
03/08 鶴林寺聖観音立像 汚れの下に輝く金の衣 早大調査
加古川市の鶴林寺が所蔵する国の重要文化財「聖観音立像」が、約千三百年たった現在も、汚れの下にほぼ完全な形で全身に金箔が残っていることが、七日までに宇田応之早稲田大理学部教授らの調査で分かった。
文献などでは金箔か鍍金かの記述がなく、長年、金の部分の剥離、変質と考えられてきたが、実は表面の黒ずみはすすなどの汚れと分かり、X線を使った初の科学的な調査結果に関係者は驚いている。
神戸新聞。
03/08 獅子かたどった陶枕出土 京都の平安京邸宅跡から
獅子の顔をかたどった陶製の破片が出土した、と古代学協会(京都市)が8日、発表したとのこと。同協会によると、破片は中国・唐時代の陶枕の装飾部分とみられる。箱型の陶枕の出土例はあるが、獅子の装飾付きのものは国内初という。9世紀前後の土器などと一緒に井戸跡から出土したそう。
共同通信。出土した破片は縦約6センチ、横約6センチ、幅約8センチで、青磁と鉄の釉薬を使い、獅子の顔やたてがみを描写。見開いた目や鼻には鉄釉を施し、茶色で描かれている。そうです。
03/08 芸術選奨受賞者発表
◇芸術選奨文部科学大臣賞【美術】中野嘉之=日本画家 宮本隆司=写真家◇同新人賞【美術】青木淳=建築家
読売新聞。美術関連のみ抜粋しました。
03/11 唐招提寺金堂で立柱式 「平成の大修理」
解体作業中の奈良市の唐招提寺金堂(国宝)で11日、修復を終えた柱が再び立ちそろったことを祝う立柱式が行われたとのこと。
金堂は、柱の傾きなどを直すため2000年から修理中。これまでに部材の年輪年代測定から奈良時代末の建立と分かったほか、創建当初の基壇が現在より一回り大きかったことも発掘調査で判明したそう。2009年までに「天平の甍」で知られる屋根も含めた建物全体の組み立てを終えるとのこと。
共同通信。
03/12 「最後の晩餐」広告使用ダメ パリの裁判所判決
パリ大審裁判所は10日、レオナルド・ダビンチの「最後の晩餐」をもじったファッションブランド「マリテ+フランソワ・ジルボー」の広告写真を、フランス国内で使用することを禁じる判決を下したとのこと。「カトリックの信仰を冒涜する」として、フランス司教会議が、パリ郊外ヌイイ市の大通りに掲げられた大ポスター撤去などを求めて訴えていた。
同ブランドと広告会社側は「写真はダビンチの作品を基にしたが、聖書を題材としたものではなく、現代の女性の地位を表した」と、表現の自由を主張していた。
西日本新聞。写真は、キリストの位置の人物をはじめ12人が同ブランドの服を着た女性で、ジーンズをはき上半身裸の男性一人とともに、名画を擬したポーズをとっているのだそう。イタリアのミラノ市は、2月に、この写真を使ったポスターの掲示を禁止していたとのこと。
03/12 北村西望作の絵画盗む 長崎県警、男を逮捕
長崎市の平和公園にある平和祈念像の作者として知られる故北村西望氏の絵画1点を盗んだとして、長崎県警島原署は12日、窃盗容疑で容疑者を逮捕したとのこと。同日午後1時50分ごろ、長崎県島原市城内の北村氏の作品を展示した「西望記念館」で、壁に掛けられていた時価100万円相当の絵画「牡丹」(縦約30センチ、横約40センチ)を盗んだ疑い。
共同通信。
03/15 金剛頂寺から、鎌倉時代の仏画4点 高知
室戸市の四国霊場26番札所・金剛頂寺で、鎌倉時代中〜後期(13〜14世紀ごろ)の仏画「地蔵菩薩像」「虚空蔵菩薩像」「愛染明王像」「刺・(ししゅう)阿字図」が見つかったとのこと。地蔵菩薩像と虚空蔵菩薩像は、截金技法が使われている。刺・阿字図の刺しゅうは、髪の毛で作られており、全国的にも珍しいという。14日発表した「県地域文化遺産共同調査・活用プロジェクト」によると、県内でこの時代の仏画がまとまって見つかるのは初めて。
毎日新聞。
03/15 キトラ壁画、地元公開へ 石室内も見られるかも?
被葬者が50代男性の可能性が高まった奈良県明日香村のキトラ古墳(特別史跡、7世紀末−8世紀初め)で、文化庁は15日、修復のため取り外した壁画を将来は地元に戻し、一般に公開したいとの意向を表明したそう。
共同通信。
03/17 仙岳院宝物、散逸の危機 仙台
多額の債務を抱える宗教法人「仙岳院」に藩制時代から伝わる宝物が一時、債権者に差し押さえられていたことが分かったそう。競売手続きの途中、同じ天台宗の中尊寺(岩手県平泉町)が肩代わり弁済したため解除されたが、再度差し押さえられる危険は残ったまま。差し押さえを受けたのは市登録文化財の阿弥陀如来坐像など36点。
河北新報。同寺には伊達政宗自筆の和歌「わがやどの」や徳川家の絵師木村了琢が描いた不動明王画像、徳川家康像、伊達家の記録などが伝わり、市登録文化財も6点に上るとのこと。しかし、差し押さえに行った際、政宗の和歌や歴史書などは存在しなかったそう。一体どこへ。
03/17 銀箔の痕跡科学的に分析へ 国宝・銀閣の修復時に
銀閣寺(慈照寺)の国宝・銀閣の外壁に実際に銀箔が張られていたかを科学的に調査する計画があることが分かったそう。同寺は2006年度にも銀閣の修理と調査をしたい意向で、実現に向けて今後、文化庁などと協議を行うとのこと。外壁などに銀箔が張られた痕跡はこれまで確認されていない。
京都新聞。
03/18 シーボルト記念館開館へ 江戸時代の貴重な資料展示
シーボルト(1796−1866年)がオランダに持ち帰った大量の日本の民俗文化資料や動植物標本を展示する記念館「シーボルト・ハウス」が21日、ライデンにオープンするとのこと。ハウスはシーボルトの元邸宅。
共同通信。シーボルトは一時、邸宅の一部を使い、収集品を一般公開しており、邸宅が約160年ぶりに記念館としてよみがえった形。とのことです。
03/19 国宝・重要文化財の指定を答申
◇国宝 木造熊野速玉大神坐像、木造夫須美大神坐像、木造家津御子大神坐像、木造国常立命坐像(熊野速玉大社)
◇重要文化財 【絵画】紙本淡彩駿牛図断簡(文化庁)▽紙本著色群仙図 曾我蕭白筆三十五歳の款記がある六曲屏風(同)▽紙本著色牧馬図 長谷川信春筆六曲屏風(東京国立博物館)▽絹本著色春日宮曼荼羅図(根津美術館)▽絹本著色五聖曼荼羅図(高山寺)▽絹本著色十一面観音像(東大寺)【彫刻】木造十二神将立像(覚園寺)▽厨子入木造千手観音立像、木造四天王立像(戒壇院千手堂安置)(東大寺)▽木造真教坐像 (蓮台寺)▽木造女神坐像(伝木花咲耶姫)、木造男神坐像(伝鷹飼及犬飼)(浅間神社)▽木造阿弥陀如来立像(西勝寺)▽木造兜跋毘沙門天立像(青蓮院)▽木造十一面観音立像(奈良県広陵町・広瀬区)▽木造五智如来坐像(五仏堂安置)(天野山金剛寺)【工芸品】孔雀鎗金経箱(東京国立博物館)▽唐物茶壺(松花)(徳川黎明会)▽絵唐津柿文三耳壺(出光美術館)▽菊花文三耳壺丹波(愛知県豊川市・石黒恒)▽鉦鼓(八坂神社)▽能装束(古沢厳島神社)▽灌頂道具類(竜光院)【書跡・典籍】不空三蔵表制集巻第五(根津美術館)▽安元御賀日記(徳川黎明会)▽宴曲(冷泉家時雨亭文庫)▽讃岐入道集(野村文華財団)
読売新聞。抜粋しました。
このほか名古屋テレビ塔など197件を新たに登録有形文化財(建造物)とするよう求めたとのこと。これにより美術工芸品の重要文化財は1万209件、うち国宝が858件となる。登録有形文化財(建造物)は4805件となる。
03/21 3200万円の名作、地震で破損 福岡市美術館
ジョージ・シーガルの彫刻「次の出発」など、収蔵作品の一部が破損したとのこと。「次の出発」は1983年、3200万円で購入。バスに乗り込もうとする3人の乗客を描いた石こう像のうち2番目の像が倒れ、表面が欠けて破片や石こう粉末が飛び散った。ほかにも常設展示室のいくつかの彫刻に軽微な破損が見られるという。
読売新聞。
03/21 史跡・観世音寺の灯籠落下 文化財29件に被害
福岡県西方沖地震により、同県内各地で文化財に被害が出ていることが分かったそう。県文化財保護課の調べでは、国の史跡の観世音寺(太宰府市)で石灯籠1基、筥崎宮(福岡市東区)で石造りの鳥居(国の重要文化財)、国指定の史跡・福岡城跡(同市中央区)、国指定の史跡・元寇防塁跡(同市西区)、国の名勝の松濤園(柳川市)など、計29件に被害が出たとのこと。
共同通信。
03/22 アムステルダム国立美術館付近で火災、所蔵作品は無事
21日夜に火災が発生し、同美術館周辺には、煙やゴムの焦げた悪臭が立ちこめていたとのこと。警察関係者は、出火地点が同美術館の建物から50メートル離れた工事現場であるとしたうえで、同美術館に危険はなかったことを明言したそう。
21日付ロイター通信。
03/22 丹下健三氏が死去 日本代表する世界的建築家
東京・代々木の国立屋内総合競技場や東京都庁舎を設計した建築家で、文化勲章受章者の丹下健三氏が22日、死去したとのこと。91歳。
共同通信。 続報:「自作の聖堂で告別式」 - 25日、東京都文京区の東京カテドラル聖マリア大聖堂で行われたとのこと。大聖堂は1964年に完成した丹下さんの代表作の一つ。告別式での弔辞は弟子で建築家の磯崎新さん。(3月25日付共同通信)
03/22 公文書180万画像をネットで閲覧、4月から運用開始
国立公文書館は、所蔵する歴史公文書のうち約180万画像をインターネット上で閲覧できる「デジタルアーカイブ」の運用を始めるとのこと。ほとんど公開されない重要文化財や、歴史の裏舞台を今に伝える内部文書などが見られるようになる。「デジタル・ギャラリー」のコーナーでは、実物は一辺7メートルにも及ぶ巨大な江戸時代の日本地図「天保国絵図」や、終戦直後の焼失状況が描かれた全国主要都市の「戦災概況図」など、公文書館で実際に見るのは難しい大判の歴史資料まで、高精細カラー画像で見られるとのこと。
読売新聞。
03/23 秀吉の名護屋城の絵図確認 時代を反映、金粉鮮やか
16世紀末、豊臣秀吉が朝鮮出兵の拠点として築いた名護屋城(佐賀県唐津市)を描いた「肥前名護屋城図」が群馬県で確認され、唐津市の県立名護屋城博物館が発表したとのこと。城が実存した当時に描かれた絵図の写しで、江戸時代後期の18-19世紀のものとみられる。名護屋城や各大名の陣屋が縦約1.7メートル、横約3.8メートルの屏風に描かれているとのこと。群馬県の個人が所蔵していた。
同博物館は狩野光信が描いた絵図の控えとされる図を所蔵しているが、その写しが確認されたのは初めてとのこと。
共同通信。
03/25 日本芸術院賞決まる
【第1部(美術)】川崎春彦 日本画 日展出品作「朝明けの湖(うみ)」▽寺坂公雄 洋画 日展出品作「アクロポリスへの道」▽能島征二 彫塑 日展出品作「慈愛−こもれび」▽黒野清宇(本名・黒野貞夫) 書 日展出品作「梅の花」
読売新聞。第1部のみ抜粋しました。
03/25 「モナリザの間」オープンへ ルーブル美術館
レオナルド・ダビンチの「モナリザ」の展示室の改修が近く完成し、4月6日から一般公開するとのこと。2001年までモナリザが置かれていた「国家の間」は、空調が悪く自然光などが古い絵画に悪影響を与えるとして、同年から建築家ロレンゾ・ピケラス氏の手によって改修作業が続けられていた。オープンに伴い、モナリザは現在展示されている別の場所から移され、「国家の間」は今後「モナリザの間」と呼ばれるという。
24日付時事通信。スクラップ2004年4月26日の続報と思われます。
03/25 福岡沖地震 九州国博が修復支援
専門スタッフが地震で被害を受けた文化財の取り扱いを指導し、重要度が高いものは直接修復に当たるとのこと。個人の所蔵品を中心に被害情報の収集を進め、文化財の形態、被害状況に応じた対策をアドバイスする計画。県や市町村が所有する文化財も要請があれば助言や指導をするとのこと。重要度や緊急性が高いものは専門員が修復に携わり、保全に努める。
西日本新聞。
03/25 国宝馬具の金メッキ修理 固定チューブではがれる
福岡市博物館が昨年の特別展に出した奈良県・藤ノ木古墳(6世紀後半)出土の国宝馬具の金メッキがはがれた問題で、文化庁は馬具の修理が無事終了したと発表したそう。原因については、固定用のビニールチューブがメッキに強く付きすぎたためと分析。
共同通信。スクラップ2004年10月26日の続報と思われます。
03/25 NYの著名美術館にいたずら、自作をひそかに展示
英国人アーティストの通称「バンクシー」が今月、ニューヨーク近代美術館を含む当地の著名美術館4カ所に、ひそかに自分の作品を展示するいたずらを仕掛けていたことが明らかになったそう。アンディ・ウォーホルの代表作であるスープ缶の絵に似せたバンクシーの作品は、誰にも気づかれず3日間以上展示されていた。また、ブルックリン美術館に持ち込まれた別の作品は、縦61センチ、横46センチと今回最大サイズ。植民地時代の提督の肖像画だが、手にはスプレー缶が握られており、背景に戦争反対を示す落書きが見える。このほか、メトロポリタン美術館と米自然史美術館がいたずらの標的になった。
バンクシーは昨年、パリ市内のルーブル美術館やロンドン市内のテート・ギャラリーにも同様のいたずらを仕掛けたとしている。
24日付ロイター通信。作品の顔ぶれが変わったら、普通気付くだろう。と、思ったのですが、案外わからないようです。
03/29 「モナ・リザ」は誤報!?日テレに抗議文
26日放送の日本テレビ系「超歴史ミステリー!ルーブル美術館の秘密」で「モナ・リザ」が2点あり、うち1点が発見されたと紹介されたことに対し、東北大学大学院の田中英道教授が28日、「もう1点がコピーであることは学会でほぼ結論づけられている」などとして同局に抗議文を送ったとのこと。
サンケイスポーツ。
03/29 被葬者気分で壁画眺める? キトラ石室の再現映像
発掘直後の石室内を“再現”した映像を奈良文化財研究所が制作したとのこと。映像には既に取り外された四神図の白虎や青竜も登場。二度と見られない石室内部の様子が映し出されているそう。
1600万画素の高精度デジタルカメラで撮影した約1000カットの画像を合成。南壁にある盗掘穴から石室へ入り、四神図が並ぶ側壁をぐるりと眺めた後、金箔の星が浮かぶ天井の天文図を見上げる構成。映像は約7分間。
共同通信。同研究所飛鳥資料館(明日香村)で4月16日から始まる特別展「飛鳥の奥津城」で公開されるとのこと。
03/30 アニメの街にミュージアム 専門大学院の開設も計画
日本のアニメを総合的に紹介する「杉並アニメーションミュージアム」が、東京都杉並区に誕生したとのこと。約70の制作会社が集中する杉並区は日本のアニメ産業の拠点。来春には、監督やプロデューサーを養成する大学院を開設する計画も進められている。
共同通信。開館は3月5日。
03/31 ルノワールの絵画盗まれる−仏
パリの競売会社から、「少女の頭部」が盗まれたとのこと。
時事通信。
03/31 重文の往生極楽院、天井画など復元へ 京都・三千院
三千院は30日、境内の往生極楽院内陣の天井や壁に描かれた平安末期の曼荼羅図などを復元すると発表。来年9月完成予定の新しい宝物館内に内陣を再現するとのこと。
毎日新聞。新宝物館・展示室の復元内陣で、参拝者は真下から天井・壁画を眺められる予定。






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