2002年
11/01 NY秋の競売に名作ずらり
サザビーズ、クリスティーズ、フィリップスの3大ハウスで11月の競売にかけられる作品は総額4億ドルを超える。ピカソ、リキテンスタイン、ウォーホルなど、戦後の現代芸術やポップアート作品が主流。
不況になると、作品が市場に出回る傾向があるそうです。
11/01 英文化当局者、ターナー賞出品作を痛烈批判
31日 ロイターより。英国の文化担当高官が、世界的にも有名な美術賞「ターナー賞」の出品作を“概念的ガラクタ”と痛烈に批判した。同氏はBBCラジオに、展示を見て大きな失望感かつ怒りを感じたと述べ、現在の美術界の姿勢は芸術のあるべき姿から完全にかけ離れてしまっている、と批判した。さらに、問題は出品者らではなく、彼らを教育した大学や美術界側にあるとし、本当の意味での革新が必要だと指摘した。
ターナー賞は批評家から酷評されながらも根強い人気を誇り、出品作を集めた展示会には毎年7万人近くが来場する。
11/07 ピカソの彫刻、記録的高値で落札
6日 ロイターより。クリスティーズ主催による印象派と現代美術のオークションで、ピカソのブロンズ彫刻「La guenon et son petit」が671万9500ドル(約8億1800万円)の最高値をつけた。1951年制作の同作品は、ピカソの彫刻作品では過去最高額で落札された。
一方、モネが17-19年にジベルニーの自宅で制作した睡蓮画「Le bassin aux nympheas」は、落札下限価格1000万ドルに届かず。また、900万-1200万ドルと推定落札価格がモネに次いで高かったモディリアニの肖像画「La robe noire」にも、買い手がつかなかった。
この記事は、11月1日の続報にあたるものと思われます。
11/08 ミレー3大名画 来春日本へ
フランスの画家ミレー(1814-75)の代表作「落穂拾い」「晩鐘」「羊飼いの少女」が、日本にやって来る。パリのオルセー美術館にあるこの3点が、日本で一堂に会するのは初めて。
「ミレー3大名画展」に出展されるとのこと。
2003年4月10日-7月13日 Bunkamuraザ・ミュージアム 7月24日-9月26日 福岡市美術館で開催。
11/13 大規模なアステカ文明展、16日にロンドンで開幕
12日 ロイターより。アステカ文明の大規模な展覧会が、ロンドンで開幕する。
これまで一堂に会することのなかった工芸品の数々が、メキシコ、米国、欧州各地の博物館から貸し出され、アステカ文明の日常生活の新たな一面を伝える。総数約380点に上る展示品は、テーマごとに11のコーナーに分けて展示され、来館者をアステカ文明の世界へと誘う。期間は来年4月までの予定。
11/13 ウィレム・デ・クーニングの抽象画、16億円で落札
12日 ロイターより。サザビーズが主催した現代美術のオークションで、ウィレム・デ・クーニングの作品「オレステス」(1947年)が、1320万9500ドル(約16億円)で落札された。「オレステス」は黒と白を使った抽象画。個人コレクションから出品された21点の作品の1つで、800万-1000万ドルの予想価格を上回る高値をつけた。
今回のオークションでは、サイ・トゥオンブリーやフランツ・クラインなど7人の作品が、これまでの最高値を記録。ただ、出品作品の38%は、買い手がつかなかった。
この記事も、11月1日の続報にあたるものと思われます。
11/14 リヒテンシュタイン作品、オークション記録を更新
13日 ロイターより。クリスティーズが開催した戦後・現代美術のオークションで、ロイ・リヒテンシュタインの作品が、同アーティストの作品としては史上最高値で落札された。
競り落とされたのは「Happy Tears」(1964年)で、715万9500ドルの値が付いた。
これまでのリヒテンシュタイン作品の最高値は、1990年に競り落とされた「Kiss ii」の605万ドルだった。落札予想価格500万-700万ドルを上回っての記録更新。
最近のロイターは、オークション付いてます。こればっかりですが、こちらの記事も11月1日の続報と思われます。
11/16 歌麿の幻の美人画見つかる
NHKニュースより。70年間所在がわからなくなっていた喜多川歌麿の肉筆画「雪兎図」が発見された。
この作品は、11月30日から出光美術館(東京)で公開される。
11/17 ナチスの略奪絵画、押収される
16日 ロイターより。オーストリア当局は、ナチス・ドイツ時代にエゴン・シーレの作品をドイツ当局に没収されたとするユダヤ人所有者の遺族の訴えを受け、ウィーンのオークションハウス「ドロテウム」が所蔵する同作品を押収した。
同国では1998年に、ナチスが略奪した美術品などを元の所有者の遺族に返還するよう定めた法律が制定されたが、当局がこうした作品を実際に差し押さえたのは今回が初めて。
今回押収された油絵は27日に競売にかけられる予定だったが、出品リストから外された。
11/21 600万円相当の日本画すり替え誰も気付かず
神奈川県庁の階段踊り場に展示されていた工藤甲人さんの作品が盗まれ、別の絵にすり替えられていたことが20日、わかった。
11/25 ロベルト・マッタ氏死去
抽象芸術運動の立役者として活躍し、「最後のシュールレアリスト」と称されたロベルト・マッタ氏が23日、死去した。91歳。
チリで生まれ、1934年に渡仏。パリでダリらと親交を深めた。代表作は「ハート・プレイヤー」「3つの世界の疑念」など。
11/25 仰向け一遍上人、下絵は横向き 臨終場面の国宝絵巻
asahi.comより。「一遍聖絵」の臨終場面は、仰向けで合掌したまま亡くなる姿が描かれている。だが、下絵は釈迦の涅槃図のように横向きだったことがわかった。25日、奈良国立博物館が明らかにした。臨終場面の下絵は、墨の線で描かれていて、顔を手前に向け、手枕で横たわっている。
先月、「実は裸だった(スクラップ10月6日)」という記事が出ましたが、今度は「横向きだった」ですか。なんでも、下絵からの変更個所があちこちにあるとか。6年がかりの修理の際にわかったのだそうです。
臨終場面を含む絵巻後半部を展示 11月26日-12月23日 奈良国立博物館
11/29 英当局、ミケランジェロ素描の国外流出対策に乗り出す
28日 ロイターより。英国当局は、極めて貴重なミケランジェロの初期のデッサンの国外持ち出しを一時差し止め、購入資金750万ポンド(約14億円)の調達を支援する。
同作品は、喪服の女性を茶色のインクで描いた素描。1494-1504年の間に描かれたとみられており、イングランド北部のハワード城で偶然発見された。
2001年のオークションで、ロンドンの美術商が同作品を590万ポンド(約11億円)で落札。ところが米国人コレクターの手に渡ったことに伴い、同作品が国外に流出する見通しになっていた。現在の持ち出し禁止措置は来年1月末まで有効だが、資金調達の可能性が高まった場合は6月まで延長されるという。
11/29 現代美術家ハースト、作品で火星探査計画に参加へ
28日 ロイターより。英国が打ち上げる火星探査機「ビーグル2」に、英現代美術家ダミアン・ハーストが描いたキャリブレーション・チャートが搭載される。ビーグル2は、来年12月までに火星に到達する予定。 
11/30 出展者が分からない英展覧会、初日から大盛況
29日 ロイターより。ロンドンの王立芸術大学主催による出展者の分からない展覧会が始まり、大盛況となった。
展覧会は、人気現代美術家ダミアン・ハーストから美大の学生まで、幅広い層の作者によるはがき大の作品1400点を展示。価格は一律35ポンド(約6700円)だが、作者名は購入後に作品の裏を見るまで分からない仕掛けとなっている。






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