2002年
07/03 京の都、象が行く
都を歩く象が描かれた桃山時代の洛中洛外図屏風が見つかった。洛中洛外図屏風は、約100点が確認されているが、象が描かれているのは初めて。作風から、慶長年間(1596-1615)の後半に描かれたとみられる。
この屏風は、7月3日から28日まで京都国立博物館で公開されるそうです。
07/05 ルーベンスのものと判明した絵画、オークションへ
ロイターより。今年、ルーベンスによって描かれたものであると鑑定された絵画がサザビーズでオークションにかけられる。
この作品は1609-1611年に描かれたとされる「The Massacre of the Innocents」で、長年にわたって別の画家の作品であると誤認されていた。作品の落札価格は400万ポンド(約7億円)を超える可能性もあるという。サザビーズによると、この作品が公の場に登場するのは50年ぶりのこと。
オークションには他に、レンブラントの1663年の作品「Young Woman」も出品される。
--07/11 オークション・その後の話 記録的高値で落札
ルーベンスの「ベツレヘムの幼児虐殺」(1609-11年作)が10日、ロンドンでオークションにかけられ、英国の絵画取引としては史上最高額、世界でも3番目の高値となる4950万ポンド(約90億円)で落札された。
07/05 スペイン鉄鋼メーカー、エル・グレコの連作を購入
ロイターより。スペイン鉄鋼メーカーのアセラリア社が、同国で活躍したギリシャ人画家エル・グレコの連作を購入したことを発表した。
連作は使徒を描いた12作品で構成されており、グレコが残した3つの連作のなかで最も保存状態が良いという。1905年にはフランスの収集家の元へと渡りそうになったが、作品の流出を阻止すべくマルキス・ド・サンフェリス家がオークションで落札し、そのまま所蔵していた。
アセラリア社は購入した連作をスペイン北部アストゥーリアス州オビエードの美術館に展示することで合意しており、作品が同国に残ることが保証されることになった。
07/10 ミケランジェロの素描画、発見
ロイターより。ニューヨークのクーパー・ヒューイット国立デザイン美術館から、ミケランジェロの素描画が発見された。
発見されたのは、7本枝の燭台をスケッチしたもの。1500年代中盤に描かれたもので、署名は入っていない。無名アーティストによる照明器具のデザイン画を納めた箱の中から発見されたという。
07/10 「聖徳太子絵伝」など盗難 創建ゆかりの鶴林寺
兵庫県加古川市の鶴林寺で、宝物館の扉がこじ開けられ、中にあった重要文化財の掛軸「絹本著色聖徳太子絵伝」全8幅のうち6幅と「絹本著色弥陀三尊像」の計7幅がなくなっていた。
国内外問わず、美術品の盗難ってしょっ中起こってますね。盗んだ犯人、盗品を扱う業者、盗品と知ってて購入するコレクターなんて図式もあったりして。売買のことまったく知らないので、推測ですが。
07/12 巨匠絵画の高値落札、株価急落が要因との見方
ロイターより。印象派や巨匠の作品の価格が高騰する動きが広がり、専門家の間では、株価が急落していることが要因との見方が出ている。
競売大手クリスティーズの専門家は、低金利、株式市場の弱体化に、最高級の作品が出回り始めたことが相乗効果となり、市場が鼓舞されているのではないか、との見方を示した。一方、サザビーズの印象派・近現代美術担当者は「一流アーティスト市場は非常に強力で、有名な作品の人気はこれまで以上に高い」と述べた。
また、高額で取引されていることが、個人収集家に、作品を放出させるきっかけにもなっているという。
07/13 バーミヤン壁画、一部残っていた
旧タリバン政権に破壊された大仏立像を含むアフガニスタンのバーミヤン石窟群の現状を、京都のカメラマンが撮影に成功、破壊や盗掘で大部分が失われたとみられていた壁画の一部が、残っていたことがわかった。
07/17 弟子の作品からラファエロの筆跡が発見される
ロイターより。ラファエロの弟子の作品とされている油絵から、ラファエロ本人の筆跡が発見された。
この絵はイタリア・ローマのボルゲーゼ美術館に所蔵されている聖母像で、弟子ジュリオ・ロマーノの作品とされていたが、専門家の間ではかねてから、ラファエロが主体的に制作に関わっていたのではないか、との推測が広がっていた。
最新の赤外線観察技術を用いた鑑定の結果、オックスフォードのアシュモレアン美術館が所蔵するラファエロの素描画と、この絵の輪郭がほぼ一致することが判明した。
07/25 米で盗掘の巨大恐竜化石 岡山の博物館に転売
ユタ州の国立公園内で盗掘された「アロサウルス」の化石を買い取り、日本の博物館に転売したとして、盗品売買の罪に問われていた古生物学者が23日、有罪を認める答弁をした。転売先は2009年開館予定の林原自然科学博物館で、「盗掘品とは知らなかった」としている。
検察側によると、化石は1991年に盗掘され、古生物学者が9万ドル(約1000万円)で購入、92年に日本側へ40万ドル(約4600万円)で売り渡した。
--07/26 その後の話・92年にも盗掘化石購入 「正規の証明書示された」
同博物館は1992年にも、サウスダコタ州で盗掘された「トリケラトプス」の頭部の化石を13万6000ドル(約1500万円)で購入していたことが25日、明らかになった。同博物館は、米司法省の聴取を受けたが、刑事・民事責任は問われず、化石の返還要求なども受けてないという。
07/30 フィレンツェ市、ウフィツィ美術館の新玄関めぐり対立
29日 ロイターより。フィレンツェのウフィツィ美術館で、新玄関の設計計画をめぐり、関係者の間で対立が深刻化している。
問題となっているのは、2001年に行われた国際コンペで優勝した建築家、磯谷新氏の設計。フィレンツェを愛する人々は、同市の美術遺産を守るよう訴えている。また、29日に発表された世論調査でも、設計に反対と回答した市民は75%に上った。
一方、磯崎氏にデザインを変更する意志はなく、680万ユーロに上る予算の半分を拠出する市議会は、同氏を支持する立場を表明している。今回の騒動について沈黙を貫いているウルバニ文化相は、現在選択肢を検討中。
07/31 故宮バーチャル博物館 明・清の至宝 立体撮影
故宮博物院(北京)の収蔵品を日本のデジタル技術で立体的に撮影し、建物ごとコンピューター上で再現する「故宮VR(バーチャルリアリティー)」の制作がスタートした。完成は2005年頃の予定。博物館に足を踏み入れて至宝巡りをする疑似体験が、専用シアターのほかパソコンでもできるようになる。






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