形式概要
◆最初で最後のアルミ車両
デヤ7200・7290(以下はデヤと表記します)の元の車両は、デハ7200とクハ7500で、東急線唯一のアルミ車両として1967(昭和42)年に登場しました。わざわざアルミ車で落成した理由には、製造メーカーであり子会社であった東急車輛のアルミ車製作技術を習得する目的があったからです。
登場からしばらくの間は、他の7200系と共通運用で田園都市線・大井町線で運用されました。その後、こどもの国線の専用車を経て、1991(平成3)年に東急車輛で運転台の設置や動力車化等の改造を受け、今回のデヤが誕生しました。検測車及びけん引車に改造されたこの車両は、鉄道線各線の定期検測はもちろんのこと、新造車や譲渡車のけん引を長津田で実施、更にはATCを搭載しない池上線・東急多摩川線車の検査などによる恩田入場でも搬導車として活躍しました。
因みに、2013年12月現在、歴代で東急線に在籍したアルミ車両はデハ7200とクハ7500のみで、今後もアルミ車が導入される予定もないことから、東急では最初で最後のアルミ車両となっています。
独特の塗装から派手車の愛称で親しまれたデヤでしたが、2011年6月、遂に新型車への置き換えが発表されました。
そして2012年2月26日、事業用車としては異例のさよなら運転が実施され、東急線の各線を力走。当日にはワンデーオープンチケットも発売されるなど力の入ったイベントとなりました。余談ながら、さよなら運転後の3月5日に、7905Fの出場回送で田園都市線などを再び走行しています。
TOQiに役目を譲ったデヤですが、7905F出場以降しばらくは長津田検車区に留置状態とされました。6月26日には恩田に回送され、以降は若干位置を変えながらも構内留置の状態が続いていましたが、8月中旬にはテクノシステム側の無架線地帯に移動され1年余留置。それでも車籍は抹消されず残っていましたが、残念ながら10月には廃車が決定。翌月7日には車両の入換が行われ、デヤ7200は10日のイベントにて展示後、11日に解体処分されました。片割れで残ったデヤ7290についても2015年2月に搬出され、同じく解体処分されました。