挨拶は社長と金沢氏がそれぞれ5分程度で、それが終わると正面のスクリーンにプロモーションのムービーがナレーションとともに映し出された。
ここはバス停。そこに一台のバスがやってきて止まり、主人公はそのバスに乗り込み、鐘園学院へと向かうのだ。その映像はバス停に立っている主人公の視点になっている。それは実写かと思うほどのきれいさで、あたかも自分がその場にいるかのように錯覚させるほど滑らかな動きだ。アタシは一瞬、自分の意識がどこにあるのかわからなかった。
ここで一旦ムービーが止まり、バスを降りたところからは舞台劇が始まった。
(※ZAPPING「樹菜瑚」→「セツル<2月26日 PM02:30>」)
劇では主人公は男性(原作では主人公は女性、ゲームでは性別の選択ができる。)で、学園はどこにあるのかと迷っているところへ制服を着た謎めいた1人の女子高生を見かけるのだ。
少し劇が進むと、突然舞台の奥から大勢の女子高生がぞろぞろと出てきた。白いブラウスにチェックのひざ上丈のスカート、白い靴下、黒い靴。彼女たちは手に、丸い透明のキャンドルグラスを胸のあたりで持っており、白いろうそくの火がついていた。その火は彼女たちの顔を下から照らして、化粧っ気のない無垢な顔をむしろミステリアスにさせていた。
彼女たちは2本の通路(会場内の位置関係はこちら)に整列し、ナレーションが流れる間のしばらくは立ち止まっていた。そしてナレーションが終わる頃、ふっと火を消し、走り去っていった。
女子高生に轢かれる、とはこのことか。(^_^;) ちなみに彼女たち、ルーズソックスではなく、短い靴下を履いていたよ。鐘園学院ではルーズソックスは禁止らしい。(ほんとうか?)
劇が終わると、また正面のスクリーンにムービーが流れ出す。鐘のない鐘楼、赤く染まった紅葉たち、燃える学園。次々と映し出される映像に釘付けになってしまう。
ここで、ゲームのシステムなどについても詳しく知ることができた。(ゲームシステムなどについてはこちら) これらの中には、今までの赤川サウンドノベルをプレイしたことのない人にはわからなくても、アタシたちにはゲームのヒントになりそうな映像がいくつかあった。
たとえば本棚。今までにも本棚の本がすべて埋まったとき、ある動物のぬいぐるみが本棚に現れたのを見た人も少なくないのではないだろうか。今回もそのぬいぐるみが本棚に飾られていた。それだけではない。ぬいぐるみの横に置かれている一つの写真立て。あれ?なぜあの写真が・・・?!
ところで、本の数はかなりたくさんあるようだ。かか覚悟しとこう。(^_^;)
それから隠しメッセージ。ゲーム中のある文章が表示されたときに、その文章の左端を縦に読むとあるメッセージが隠れていることに気がつく。その隠しメッセージをアタシの目はしっかりと捉えた。どのシナリオ中にそのメッセージがあるのか、実際にプレイして探すのが楽しみだ。
この頃アタシの興奮度は最高潮に達していたようだ。プロモーションビデオが終わり、テーマ曲をピアノ演奏する酒井彩名ちゃんが登場したころ、ようやく目が覚めたように我に返った。彩名ちゃんは肩を出した、少し大人っぽい衣装で、長い髪を後ろで束ねていた。し〜んと静まり返る会場の中、しっとりと彩名ちゃんの生演奏が始まる。
テーマ曲は、ゲームタイトルにもなっている、ドビュッシーの「月の光」だ。彩名ちゃんはちゃんと暗譜して演奏しきった。この後の対談でわかったことだけど、実は彩名ちゃん、2か所ほど間違えたらしい。そんなこと言われなかったら、じぇんじぇんわからなかったよ。