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 昨年の許盗塁率 投稿者:ヘンリー若林 投稿日:2014年03月08日 (土) 16時37分12秒
 しばらく、データの蓄積を出来なかったため書き込めませんでした。今回は昨年、今まで挙げることのできなかった捕手のうち、昨年、全試合の半分である72試合以上出場、またはチーム最多出場捕手の許盗塁率を挙げてみたいと思います。

藤井(神) 捕手出場111 盗企図62 許塁39 盗阻止率.371 打席率3.06 許盗率.402
石原(広) 捕手出場121 盗企図60 許盗40 盗阻止率.333 打席率3.29 許盗率.350
鶴岡(D) 捕手出場107 盗企図76 許盗53 盗阻止率.303 打席率2.94 許盗率.589
中村(ヤ) 捕手出場84 盗企図60 許盗46 盗阻止率.233 打席率3.40 許盗率.559
炭谷(西) 捕手出場140 盗企図61 許盗46 盗阻止率.246 打席率3.32 許盗率.345
江村(ロ) 捕手出場63 盗企図25 許盗21 盗阻止率.160 打席率2.09 許盗率.557
細川(ソ) 捕手出場112 盗企図101 許盗71 盗阻止率.297 打席率2.45 許盗率.907
伊藤(オ) 捕手出場137 盗企図107 許盗79 盗阻止率.262 打席率3.47 許盗率.582
大野(日) 捕手出場84 盗企図57 許盗33 盗阻止率.421 打席率2.80 許盗率.491

さて、昨年上記の条件を満たす捕手のうち、盗塁阻止率により序列をつけると以下のようになります。

大野(日).421  藤井(神).371  阿部(巨).368  石原(広).333  嶋 (楽).333
鶴岡(D).303  細川(ソ).297   伊藤(オ).262  炭谷(西).246  中村(ヤ).233
山崎(ソ).224  鶴岡(日).188  谷繁(中).174  江村(ロ).160

ところが許盗塁率では以下のように序列が変化します。ここではわかりやすいように、144試合フルイニング出場した場合に許すであろう盗塁数を挙げておきます。

炭谷(西)49.6個  石原(広)50.4個  藤井(神)57.9個  阿部(巨)58.0個  大野(日)70.1個
江村(ロ)80.2個  中村(ヤ)80.5個  伊藤(オ)83.8個  嶋(楽).84.4個  鶴岡(D)84.8個
谷繁(中)86.3個  鶴岡(日)106.3個  細川(ソ)130.6個  山崎(ソ)134.8個

 確かにやや不正確な数字ともいえる許盗塁率ですが、年間に許す盗塁数と盗塁阻止率が全く違うものということはわかっていただけたと思います。そして、総じて許盗塁率の高い捕手たちは安泰であり、低い捕手たちに、このシーズンオフ、何らかの異変が起こっていることは偶然ではないといえるのではないでしょうか?

 オリックス山崎 投稿者:ヘンリー若林 投稿日:2014年02月15日 (土) 17時51分32秒
5回目はFAでソフトバンクに移籍した鶴岡捕手に押し出される形でオリックスに移籍した山崎捕手です。

06年 捕手出場103 盗企図66 許塁48 盗阻止率.273 打席率2.70 許盗率.606
07年 捕手出場99 盗企図62 許盗53 盗阻止率.145 打席率2.13 許盗率.877
08年 捕手出場58 盗企図24 許盗16 盗阻止率.333 打席率1.85 許盗率.522
09年 捕手出場29 盗企図13 許盗9 盗阻止率.308 打席率1.10 許盗率.986
10年 捕手出場77 盗企図70 許盗48 盗阻止率.314 打席率3.06 許盗率.710
11年 捕手出場86 盗企図59 許盗52 盗阻止率.119 打席率1.95 許盗率1.083
12年 捕手出場85 盗企図36 許盗26 盗阻止率.278 打席率1.15 許盗率.930
13年 捕手出場91 盗企図58 許盗45 盗阻止率.224 打席率1.85 許盗率.936

 この計算法は出場試合数が少なければ少ないほど不正確になりがちなこともありますが、それにしても、よくぞ、ここまで酷い数字が並びました。特に11年には許盗塁率が遂に1点越えを記録し、彼がこの年フル出場しておれば、156個の盗塁を許す計算となります。盗塁阻止率も.119と酷い数字を記録しているにもかかわらず、捕手として86試合も起用されたのですから、この年のソフトバンクは余程捕手がいなかったのでしょう。これらの数字を見ていると、山崎をいとも簡単に放出するソフトバンク首脳陣の気持ちがわからないでもありません。

 町街=まちがい 投稿者:ヘンリー若林 投稿日:2014年02月06日 (木) 21時02分48秒
間違いがありました。鶴岡の13年の打席率は2.42です。

 SB鶴岡 投稿者:ヘンリー若林 投稿日:2014年02月06日 (木) 15時11分15秒
4回目は今シーズンからFAでソフトバンクに移籍した鶴岡捕手です。

06年 捕手出場76 盗企図53 許塁39 盗阻止率.264 打席率2.86 許盗率.626
07年 捕手出場55 盗企図25 許盗16 盗阻止率.360 打席率2.56 許盗率.398
08年 捕手出場95 盗企図54 許盗38 盗阻止率.296 打席率2.94 許盗率.476
09年 捕手出場121 盗企図63 許盗48 盗阻止率.238 打席率2.49 許盗率.559
10年 捕手出場105 盗企図60 許盗40 盗阻止率.333 打席率2.70 許盗率.495
11年 捕手出場75 盗企図54 許盗39 盗阻止率.278 打席率2.66 許盗率.686
12年 捕手出場116 盗企図65 許盗46 盗阻止率.292 打席率2.83 許盗率.492
13年 捕手出場110 盗企図69 許盗56 盗阻止率.188 打席率3.78 許盗率.738

 鶴岡の盗塁阻止率は3割以上が2回と芳しいものではありませんでしたが、一昨年までは敵の盗塁企図数自体があまり多くないため、許盗塁率も大体5割前後に収まっていました。しかし、昨年は阻止率.188、許盗塁率.738と自己最低を記録し、進境著しい打撃とは裏腹に肩に関してはやや不安な要素が出てきています。日ハムが、必死に鶴岡の流出を止めようとしなかったのは、若手の近藤の出現とともに、この数字が決め手となったのかもしれません。


  投稿者:ヘンリー若林 投稿日:2014年02月02日 (日) 16時22分06秒
3回目のサンプルは今シーズン終了後FA権を取得することから注目される楽天の嶋捕手です。

07年 捕手出場125 盗企図126 許盗80 盗阻止率.365 打席率2.83 許盗率.791
08年 捕手出場85 盗企図56 許盗36 盗阻止率.357 打席率2.62 許盗率.566
09年 捕手出場106 盗企図70 許盗50 盗阻止率.286 打席率2.77 許盗率.596
10年 捕手出場127 盗企図104 許盗80 盗阻止率.231 打席率3.81 許盗率.630
11年 捕手出場126 盗企図101 許盗78 盗阻止率.228 打席率3.26 許盗率.665
12年 捕手出場88 盗企図77 許盗63 盗阻止率.182 打席率3.51 許盗率.716
13年 捕手出場133 盗企図117 許盗78 盗阻止率.333 打席率3.78 許盗率.586

 嶋捕手の平均許盗塁率は約.650。フル出場すれば約94個の盗塁を許すことになります。これに対して谷繁は約50個、阿部は約60個と、他の一流捕手に比べて格段の差があり、阿部や谷繁の最悪の数値と嶋のベストの数値がほぼ同じであることから、どう考えても嶋の「肩のみ」での評価は一流には程遠いものと評価せざるを得ません。
 今シーズン後に、彼がFA権を取得したとしても三顧の礼を持って迎え入れるほどの捕手なのかどうか、やや疑問の残るところです。


 谷繁 投稿者:ヘンリー若林 投稿日:2014年01月30日 (木) 13時55分32秒
2回目のサンプルは自他ともに認める超一流捕手・中日の谷繁です。

05年 捕手出場140 盗企図55 許盗31 盗阻止率.436 打席率3.81 許盗率.221
06年 捕手出場138 盗企図57 許盗34 盗阻止率.404 打席率3.69 許盗率.246
07年 捕手出場133 盗企図57 許盗34 盗阻止率.404 打席率3.54 許盗率.256
08年 捕手出場113 盗企図64 許盗43 盗阻止率.328 打席率3.40 許盗率.392
09年 捕手出場114 盗企図53 許盗36 盗阻止率.321 打席率3.21 許盗率.344
10年 捕手出場109 盗企図63 許盗40 盗阻止率.365 打席率3.37 許盗率.385
11年 捕手出場100 盗企図37 許盗27 盗阻止率.270 打席率3.09 許盗率.305
12年 捕手出場131 盗企図72 許盗46 盗阻止率.361 打席率3.42 許盗率.358
13年 捕手出場122 盗企図86 許盗71 盗阻止率.174 打席率3.37 許盗率.599

 記録の開始年齢が35歳と著しく不利なものであるにもかかわらず、37歳まで超一流、42歳まで一流の数字を残し続けました。但し、昨年に関しては許盗塁率が約6割と、144試合にフル出場すれば86個の盗塁を許すという状況に至っています。35歳時に約32個だったので2.5倍以上盗塁を許す捕手に落ちぶれてしまいました。年齢のことを考えると、一時的な肩の不調というよりも衰えなのかなと考えざるを得ません。

 阿部 投稿者:ヘンリー若林 投稿日:2014年01月29日 (水) 18時19分29秒
 さて、それではまず、一流捕手の代表的存在として誰しもが認める巨人軍・阿部慎之助捕手の許盗塁率を挙げてみたいと思います。

05年 捕手出場98 盗塁企図72 許盗塁53 盗塁阻止率.264 許盗塁率.541
06年 捕手出場128 盗塁企図88 許盗塁49 盗塁阻止率.443 許盗塁率.383
07年 捕手出場139 盗塁企図70 許盗塁50 盗塁阻止率.286 許盗塁率.360
08年 捕手出場122 盗塁企図79 許盗塁50 盗塁阻止率.367 許盗塁率.410
09年 捕手出場107 盗塁企図80 許盗塁54 盗塁阻止率.325 許盗塁率.505
10年 捕手出場137 盗塁企図97 許盗塁61 盗塁阻止率.371 許盗塁率.445
11年 捕手出場112 盗塁企図61 許盗塁41 盗塁阻止率.328 許盗塁率.366
12年 捕手出場116 盗塁企図57 許盗塁37 盗塁阻止率.351 許盗塁率.319
13年 捕手出場119 盗塁企図76 許盗塁48 盗塁阻止率.368 許盗塁率.403

 今回は許盗塁率を本来の数値で表しています。144試合フル出場した場合、何盗塁を許すかという前回までの数値を導き出すには許盗塁率×144で出ます。例えば、13年の阿部であれば、全試合にフル出場した場合、0.403×144で58盗塁を許すという具合です。また、阿部は記録を取った全ての年度で平均3.5打席をクリアしているので打席数に連動した調整はしていません。

 みす 投稿者:ヘンリー若林 投稿日:2014年01月22日 (水) 15時37分57秒
大きな間違いが。
サンプルは2008年の阿部と2007年の嶋です。

 盗塁阻止率5 投稿者:ヘンリー若林 投稿日:2014年01月22日 (水) 15時18分45秒
 どうも私のような「記録マニア」が満足するようなものは今後も公表されるような気がしません。商売である限り、あまりに煩雑な作業を要するものを省くのが常道ですし、10年以上前には守備の記録については殆ど公表されていなかったことを考えるとだいぶマシになったともいえるかもしれません。
 とりあえず、今回の許盗塁率に関して、1試合、1試合のスコアを見て、どのあたりで選手交代があったかをつぶさに見て行けば、より正確な数値が出るのでしょうが、さすがにそこまではできません。あせ。

 さて、しばらくはこんなことをしていられなさそうなので、代表的な例をとって比較評価してみたいと思います。
例にとるのは2008年の巨人・阿部捕手と2007年の楽天・嶋捕手です。

2007年巨人・阿部
捕手出場試合122
盗塁企図79 許盗塁50 盗塁阻止29 盗塁阻止率.367
1試合平均打席数3.87

2008年楽天・嶋
捕手出場試合125
盗塁企図126 許盗塁80 盗塁阻止46 盗塁阻止率.365
1試合平均打席数2.83

 前回に説明した私の計算法によりますと、1試合平均打席3.5を上回っている阿部は試合に出場した限りは最後までマスクをかぶる確率が高いため、打席数に対する調整は必要なく、144試合に出場した場合、144/122×50=59。つまり年間59個の盗塁を許す捕手と評価できます。
 しかし、嶋の場合は平均2.83打席なので途中交代や途中出場が多かったと評価でき、その分許盗塁数を前回の計算方法に従って増やす必要があります。3.5/2.83×80=98.9 。更にこの数値に試合数の144/125=1.152を掛けると嶋の評価が出ます。答えは114。嶋は144試合にフル出場すると114個の盗塁を許す捕手という評価となります。
 つまり、阿部と嶋では盗塁阻止率がほとんど同じでも、144試合にフル出場した場合、阿部が59、嶋が114と許盗塁率は倍近い差が出てしまうということになります。当然、その分、盗塁を刺している数が嶋の方が多いではないかという意見もあるでしょうが、阿部は「顔」で敵の盗塁企図を阻止しており、中途半端な俊足選手は阿部に対する盗塁を躊躇しているはずです。逆に嶋に対しては中途半端組もどんどん走ってきていると考えられ、これを考えると当然、阿部に対する敵の盗塁企図数が上がれば上がるほど、盗塁阻止率は上がり、逆に嶋は企図数が下がれば下がるほど盗塁阻止率が下がってくるということになります。
 つまり、盗塁阻止率よりも許盗塁率のほうがより正確に捕手の「肩」を評価できるというのが私の考え方です。

 レス 投稿者:ララ物資 投稿日:2014年01月21日 (火) 16時22分40秒
 NPBがもう少し詳細なデータを出してくれればいいんですよね。ほかにも投手の被打率のような数字も欲しいところなんですが、個人の力ではどうしても集計するにも限界があります。ですから近似値というか、おおまかな仮定でもって比較材料にするというのはやむを得ない考え方だと思います。私は解析表の作成を通じて出せる数字と出せない数字の限界の壁の高さに嫌気が差してしまった部分があるのですが、もういちどやれることを最大限の工夫でやってみようかという気が少しずつわいてきました。

 盗塁阻止率4 投稿者:ヘンリー若林 投稿日:2014年01月21日 (火) 14時28分01秒
 さて、では今から許盗塁率の計算式について説明します。例えば巨人の阿部の場合、捕手として先発出場した限りは代打を出されるケースも少なく、ほとんどの場合、試合終了あるいは試合の終盤までマスクをかぶっていると判断していいでしょう。そのため単純に許盗塁数を捕手としての出場試合で割れば、1試合に付き何盗塁を許しているかの割合がほぼ正確にはじき出せます。
 ところが打撃力が弱く、試合途中でやたらと引っ込む、または試合途中から出場することが多い捕手に関しては、許盗塁を試合数で割っても正確な数値は導き出せません。そこで、例え9番打者でも試合終了まで出場しておれば少なくとも3.5打席は回ってくると仮定し、実際の1試合当たりの平均打席を3.5という数値で割ることによって1試合平均の出場割合を想定し、これに連動した形で許盗塁を計算すると、正確な数値により近いものが出てくると考えられます。
 例えば、1試合平均で1.75打席しかたっていない捕手は平均で1試合当たり50%しか出場していないと仮定されるので、1試合当たりの許盗塁数も倍にしなければならないということになります。つまり、144試合出場、1試合平均打席1.75の場合、例え実際の許盗塁数が30であっても、出場割合が半分しかないので、この捕手の年間許盗塁数を60と評価します。
 ちょっとわかりにくいかな?説明が下手ですみません。

 盗塁阻止率3 投稿者:ヘンリー若林 投稿日:2014年01月18日 (土) 15時33分32秒
 盗塁阻止率が5割を超えると、もはや捕手の責任だけであればほとんど盗塁を許さないというイメージがあります。1969年に盗塁阻止率の記録が公表されるようになってから、過去11名の5割越え捕手が生まれていますが、そのうち複数回、阻止率5割越えを達成したのは、大矢(ヤ)、田淵(神)、中村(中)、古田(ヤ)の4名、1回でも阻止率6割越えを記録したのは福島(巨)、古田(ヤ)の2名、更に通算500試合以上捕手を務めた選手の通算盗塁阻止率でのトップは古田の.462、2位は大矢の.433、3位は田淵の.422となっています。
 この記録からもわかるように、盗塁阻止率の記録から言えば元ヤクルトの古田が過去ナンバーワンと言えるでしょう。彼の成績で最も輝いていたのは1993年で、132試合、打率.308、本塁打17、打点75、盗塁11、盗塁阻止率.644、1年間で許した盗塁はわずか16個。100試合以上に出場して20個以内に抑えた捕手は他に例を見ません。私の中ではこの年の古田捕手が史上最高の捕手だったと思っています。

 さて次回から、現役選手の成績を並べて、彼らの実力を評価していきますが、基本的に144試合全部に出場した場合、いったい何個の盗塁を許すのかという数値を算出して、その捕手の評価の基本としたいと思っています。但し、これも、本当の意味で正確な数値を算出するには出場イニング数が必要となるので、ほとんどの試合を出た限りはゲームセットまで任せられるような捕手でないと正確な数値は得られません。

 盗塁阻止率2 投稿者:ヘンリー若林 投稿日:2014年01月16日 (木) 13時42分30秒
 そもそも単純に盗塁阻止率が、どの程度あれば強肩で、どの程度なら弱肩なのか?この基準を最近5年間の全試合の半数以上出場した捕手の盗塁阻止率の平均値から求めてみようと思います。

13年 セリーグ平均.296 パリーグ平均.282 両リーグ平均.288
12年 セリーグ平均.372 パリーグ平均.283 両リーグ平均.331
11年 セリーグ平均.284 パリーグ平均.223 両リーグ平均.249
10年 セリーグ平均.323 パリーグ平均.262 両リーグ平均.285
09年 セリーグ平均.305 パリーグ平均.286 両リーグ平均.295
5年間計 セリーグ平均.319 パリーグ平均.265 両リーグ平均.289

 ここ5年間のみの成績ですが、明らかにセリーグの阻止率のほうが優れています。選手獲得の傾向としてパリーグがより攻撃的、セリーグがより守備的であることも関連しているのかもしれません。
 さて、ここから本題です。ここ5年間の全体の阻止率の平均は.289ですが、その間の最高阻止率は12年の阪神・小宮山の.500、最低は11年のオリックス・鈴木の.111となっています。さすがにこの数値は極端ですが、のべ68名のうち上位10番目以上を強肩、下位10番目以下の数値を弱肩と仮定すると、強肩部門10番目は.368、弱肩部門10番目は.188となりました。おおむね、阻止率.350以上を強肩、.200未満を弱肩と評価しても良いのではないでしょうか。

 盗塁阻止率 投稿者:ヘンリー若林 投稿日:2014年01月15日 (水) 21時01分47秒
 今年は捕手の新戦力が多くの球団に入っているようです。新入団の捕手にどれだけの力量があるか興味のあるところですが、捕手のリードはもちろんのこと、キャッチングの力量も単に捕逸の記録だけでは察することは出来ません。キャッチングはその捕手が守っているときに投手の暴投がどれだけ少ないかという記録も必要となるからです。
 そんな中、盗塁阻止率のみは一般に見ることのできる記録からでも何とか各捕手の力量を垣間見ることが出来ます。但し、盗塁阻止率のみの記録だけでは単純に評価できません。どうしても強肩捕手が守っていると足のそれほど速くない選手は盗塁を初めから諦めるし、逆に弱肩捕手であれば、多少足が遅くともトライすることもあるでしょう。それは盗塁の企図数で知ることが出来るので、純粋な盗塁阻止率と併せて新戦力や注目の捕手を評価してみたいと思います。
 尚、投手の癖やクイックの早さによって盗塁阻止率は大きく変わってきますが、各球団の平均値はほぼ同じくらいと仮定して評価しています。

 感謝 投稿者:ララ物資 投稿日:2013年12月25日 (水) 01時17分00秒
 勉強させていただきました。

 長々と申し訳ありません 投稿者:ヘンリー若林 投稿日:2013年12月22日 (日) 16時29分46秒
 2011、12年ドラフト指名、高卒野手の中で、中日の溝脇隼人選手が漏れておりました。あせ。

中日2012年指名
溝脇隼人内野手 5位
13年 63試合.194 0本塁打 3打点 1盗塁 三振率.245 守備率・二塁.972 三塁、遊撃

 溝脇選手は残念ながら、打撃部門で結果を残せませんでしたが、二塁守備率が合格ラインを突破しているため、来年以降、多くのチャンスを貰える可能性があります。2年目の伸びに期待しましょう。

 さて、やっと終わりました。多くの誤字、脱字がありましたが、途中から放置していますのでお許しください。これで2011年、12年に指名された高卒野手の評価を終了いたします。
 ここまで読んで下さった人はお分かりでしょうが、野手を評価する際、私は特に守備部門に重きを置いています。その理由なんですが、守備が下手だと投球に悪影響を及ぼすため、投げている投手が嫌がるということがあります。その結果、俺が投げているときにあいつを使わないでくれということが出てきて、チーム内の雰囲気が非常に悪くなる可能性が高くなるのは当然と言えるでしょう。そのため、守備の下手な内野手や捕手は例え二軍であっても首脳陣は使いづらく、自然に出番が減ってしまうと思うからです。また、捕手や遊撃手として入団し、結局守備が使えないとなると、他の内野や外野にコンバートされるのですが、そのポジションには元々いた選手がおり、自然と彼らがクビになる確率が高くなります。で、次のドラフトで減ってしまった捕手や遊撃手が指名されるというわけです。
 そのため、逆に少々打てなくても捕手と遊撃手は守備が上手ければ貴重な存在として長くプロ野球界に身を置くことが出来ます。そして、そのうちに打撃が開眼する選手も現れ、30歳手前でレギュラー獲得なんてこともままあるわけです。打撃ははじめ2軍で1割台であっても、将来1軍で3割なんてこともよくありますが、守備力はそこまで伸びを示すことが非常に少ない、であるなら、やはり始めは守備優先だろうというのが私の結論です。
 では、また気が向いたら書き込ませていただきます。

 日本ハム 投稿者:ヘンリー若林 投稿日:2013年12月22日 (日) 15時50分46秒
日本ハム2011年指名
松本剛内野手 2位
12年 103試合.225 1本塁打 29打点 5盗塁 三振率.128 守備率・遊撃.921 三塁
13年 57試合.254 3本塁打 16打点 6盗塁 三振率.090 守備率・遊撃966 二塁、三塁 A

石川慎吾外野手 3位 
12年 74試合.254 3本塁打 21打点 1盗塁 三振率.220 守備・外野.926 捕殺5
13年 107試合.299 14本塁打 58打点 1盗塁 三振率.179 守備率・外野.973 捕殺7 C

近藤健介捕手 4位
12年 59試合.279 1本塁打 17打点 4盗塁 三振率.125 守備率・捕手.992 捕逸4 S 
13年 57試合.355 5本塁打 31打点 1盗塁 三振率.117 守備率・捕手.990 捕逸4 一軍32試合

広島2012年指名
森本龍弥内野手 2位 
13年 94試合.130 1本塁打 14打点 0盗塁 三振率.289 守備率・遊撃.900 二塁

宇佐美塁大内野手 4位 
13年 74試合.130 0本塁打 12打点 1盗塁 三振率.273 守備・三塁、一塁

 日ハムもDeNA同様、2011年のドラフトで2位以下を高卒野手の指名に費やしています。やはりこれも大当たりで、指名選手3人ともに2年目までの1軍昇格を果たしています。何度も書き込みましたが、日本ハムは特殊な球団で、新人に多くのチャンスを与える特徴があり、これが功を奏したと言えそうです。
 松本は1年目こそ遊撃守備に不安を抱えていましたが、2年目に遊撃守備力と打率がジャンプアップし、1軍登用圏内に入ってきました。元々三振率の低い打者でしたから、打撃の伸びは想定内だったところ、守備率を同じ守備機会であればエラー数を半分以下にするという伸びを示しました。この伸びを見ると将来が楽しみな逸材です。
 石川は始めから打撃の才能を注目させる成績を残しましたが、2年目にして一気に将来のクリーンアップ候補に名乗りを上げました。更に強肩を想起させる捕殺数を記録したのですが、どうも外野守備率が低いことが唯一の気がかりとなっています。
 近藤は誰が見ても将来の中心打者、打撃の才能は半端ないものがあります。残念ながら、捕手としての才能が記録だけではわかりませんが、もし捕手としても一流の才能を秘めているなら鶴岡のFA移籍は痛くもかゆくもないといったところでしょう。
 2012年組の二人は逆に多くのチャンスをもらいながら生かし切れなかったため、2年目にもらえるチャンスは限られると想定され、残念ながら、余程のことが無い限り、レギュラーを獲得することが出来ません。.130の打率もさることながら、森本の遊撃守備率が.900、宇佐美は守備機会さえまともに与えられず、少ない三塁守備率が.816となっており、てんで話になりません。2013年のドラフトで、ハズレとはいえ1位が高卒野手の渡辺内野手だったのは、この二人の成績によるものかもしれません。
 日本ハムの若手野手陣は陽、中田、石川、近藤、西川、中島、松本、渡辺らが揃い、将来も安泰なのに比べ、投手陣にやや不安を抱えています。首脳陣は出来れば大谷は投手として大成して欲しいのではないでしょうか。

 オリックス・ヤクルト 投稿者:ヘンリー若林 投稿日:2013年12月22日 (日) 14時41分56秒
オリックス2011年指名
堤裕貴内野手 6位
12年 44試合.184 0本塁打 11打点 1盗塁 三振率.167 守備率・二塁.968  遊撃、三塁
13年 100試合.264 0本塁打 22打点 2盗塁 三振率.139 守備率・遊撃.952 二塁.960  A

稲倉大輝外野手 育成 2013年退団
柿原翔樹内野手 育成 2013年退団

オリックス2012年指名
武田健吾外野手 4位 
13年 97試合.252 4本塁打 42打点 0盗塁 三振率.136 守備率・外野.982 捕殺8 A

ヤクルト2011年指名
川上竜平外野手 1位
12年 44試合.175 1本塁打 6打点 1盗塁 三振率.259 守備率・外野.983 捕殺2 
13年 81試合.267 0本塁打 14打点 9盗塁 三振率.301 守備率・外野.990 捕殺4

 オリックス育成指名のふたりは既に退団、やはり育成だとチャンスは少なく、見切られるのも早いようです。この2年間で育成指名の高卒野手は6名いますが、既に3名が退団し、1年目の公式戦合計出場試合数は25試合。高卒野手は育成で入団するのはちょっと考え物です。
 堤内野手は1年目から守備が合格ライン前後を記録するとともに三振率が低く、2年目には打撃に伸びを見せて1軍出場を果たしました。彼は6位指名ということを考えると結構な掘り出し物だと言えると思います。
 武田は、1年目からほぼ全ての面で1軍登用ラインを突破、初年度から1軍出場を果たしました。特に捕殺8と肩の強さを見せ、打点も42を記録し、チャンスに強い打者という印象を与えています。ルーキーながら今後、オリックスの中心打者に成長する可能性を見せてくれました。
 川上は投手からの転向組で、しかも1年目は故障に苦しんだこともあって、2年目が実質上の1年目と見て上げた方が良いのかもしれません。その意味で、2年目の成績は三振率が高いものの、充分合格点を獲得しており、特に打率と盗塁数が光っています。ただ、首脳陣としては1位指名だけに、ある程度長打力を兼ね備えた打者に成長して欲しいところでしょう。

 横浜 投稿者:ヘンリー若林 投稿日:2013年12月22日 (日) 11時56分14秒
DeNA2011年指名
高城俊人捕手 2位
12年 64試合.262 0本塁打 16打点 3盗塁 三振率.202 守備率・捕手.992 捕逸7 一軍45試合
13年 23試合.140 0本塁打 5打点 1盗塁 三振率.327 守備率・捕手・985 捕逸1 一軍51試合

渡邊雄貴内野手 3位 
12年 32試合.246 0本塁打 6打点 1盗塁 三振率.313 守備・三塁、二塁
13年 53試合.158 2本塁打 8打点 0盗塁 三振率.266 守備率・遊撃.917 三塁、二塁

桑原将志内野手 4位
12年 89試合.225 2本塁打 18打点 13盗塁 三振率.221 守備率・二塁.958 外野 B 
13年 90試合.270 2本塁打 27打点 9盗塁 三振率.172 守備率・二塁.982 外野捕殺3 D

乙坂智外野手 5位
12年 74試合.251 1本塁打 13打点 9盗塁 三振率.213 守備率・外野.984 捕殺6 
13年 89試合.234 1本塁打 12打点 14盗塁 三振率.221 守備率・外野1.000 捕殺4

 彼らがDeNAに指名されたのは球団買収初年度で、投手が足りないはずなのに何故高卒野手を2位から5位まで連続して指名したかと思いましたが、結局彼らの成績を見ていると、成功したとはまだ言えないものの、失敗だったとは言えないくらいの才能を見せてくれています。
 2位の高城は強肩好打の捕手で、1年目から多くの試合に1軍で登用されました。捕手としてまだまだ課題が多く、消化しきれない分打撃に影響していますが、慣れるとともにある程度打つのではないかというポテンシャルを1年目に見せてくれました。
 3位の渡邊はやはり多くの内野手と同じように守備が足を引っ張って、打撃にまで悪影響を及ぼしているような感じがします。逆に桑原は二軍での二塁守備率.958にもかかわらず、一軍に登用されたのは俊足を生かした守備範囲が広いからこそと想像できます。当然外野手としてもその守備範囲は生かされているでしょうし、打撃と二塁守備率も2年目には大きな成長を見せたことから、二塁手及び外野手の控え選手として一軍定着は近いのではないかと見ます。
 5位の乙坂も桑原と同じく、プロで盗塁できる選手という才能を見せつけました。その上、強肩を証明する捕殺数も多く、打撃に今一歩の成長を見せればおそらく近いうちに一軍に登用されるのではないかと思います。
 こうしてみると、DeNAの1年目のドラフトは、まず守備走塁からしっかりと固めるという方針が透けて見えるような指名となっています。

 ソフトバンク 投稿者:ヘンリー若林 投稿日:2013年12月22日 (日) 11時08分21秒
ソフトバンク2011年指名
白根尚貴投手 4位
12年 故障のため出場無し
13年 2試合.000 0本塁打 0打点 0盗塁 三振率.500 守備・一塁

釜元豪外野手 育成 
12年 7試合.000 0本塁打 0打点 0盗塁 三振率.125 守備・外野
13年 63試合.306 2本塁打 15打点 9盗塁 三振率.186 守備率・外野.971 捕殺1
 
ソフトバンク2012年指名
真砂勇介外野手 4位 
13年 8試合.000 0本塁打 0打点 1盗塁 三振率.500 守備・外野

大滝勇佑外野手 育成 
13年 故障のため出場無し

 ソフトバンクは対象の2年間4名の高卒野手を獲得していますが、真砂選手以外は故障の影響で出場が殆ど無い状態、真砂にしても2軍の公式戦に8試合のみの出場となっています。結局この4人は1年目に2軍公式戦で1本のヒットも打つことが出来ず、惨憺たる結果に終わってしまいました。
 その中で育成出身の釜元が2年目に多くのチャンスを与えられ、3割を打ち、9盗塁を記録するという快挙を達成しています。育成選手であることを考えると、彼の打撃と走塁のセンスは若手正規登録選手を大きく上回っていいると考えていいでしょう。但し、守備に関してはこの記録からは読み取ることが出来ませんでした。

 ロッテ・中日 投稿者:ヘンリー若林 投稿日:2013年12月21日 (土) 13時56分08秒
ロッテ2012年指名
田村龍弘捕手 3位
13年 53試合.240 1本塁打 16打点 0盗塁 三振率.139 守備率・捕手1.000 捕逸2 F

中日2011年指名
高橋周平内野手 1位 
12年 68試合.240 7本塁打 38打点 2盗塁 三振率.181 守備率・三塁.957 一軍41試合
13年 52試合.280 0本塁打 24打点 0盗塁 三振率.151 守備率・三塁.943 遊撃・.967
13年一軍 66試合.249 5本塁打 27打点 0盗塁 三振率.164 守備・三塁.947

 ロッテと中日はこの2年間で高卒野手1名づつとなっています。ふたりともスター候補として既に将来を嘱望される位置にあると言っていいでしょう。田村は1年目から記録上に現れる1軍昇格条件をすべてクリアし、当然のように1軍に昇格して7試合に出場しています。但し盗塁阻止率など記録に現れない部分がどうなっているかわかりませんが、1軍に呼ばれたからには極端に低い数字ではないことが想像できます。
 高橋もまた1年目から各条件を全てクリアし、将来の中心打者としての地位を確立しました。しかし、ルナと複数年契約を結んだ都合上、高橋が不動のレギュラーとして使われるかどうかは微妙なところです。高橋の使い方がどうなるか、ここに落合・谷繁ラインの考え方が如実に反映されることになるでしょう。これほどの逸材は、当然我慢して起用すべきだと私は考えます。

 広島 投稿者:ヘンリー若林 投稿日:2013年12月20日 (金) 12時56分57秒
広島2011年指名
三家和真外野手 育成=2013年退団

広島2013年指名
高橋大樹外野手 1位 
13年 61試合.219 2本塁打 12打点 1盗塁 三振率.200 守備率・外野1.000 捕殺0

鈴木誠也投手 2位 
13年 93試合.281 2本塁打 38打点 10盗塁 三振率.099 守備率・三塁.909 外野

美間優槻投手 5位 
13年 36試合.219 1本塁打 8打点 0盗塁 三振率.215 守備率・三塁.878 二塁

 まず、高橋外野手。ドラフト1位にもかかわらず、3位の鈴木の半分の打席にしかたたせてもらっていません。もしかしたら故障でもあったかという印象を持っています。成績は可もなし不可もなしといったところですが、長距離砲候補の割に三振率が低いのが魅力です。
 鈴木は投手から三塁に転向、いきなり.281を打って将来の中心選手候補の地位を獲得し、1軍にも11試合出場しました。特に三振率.099は特筆もので、将来の首位打者候補といっても過言ではありません。但し、三塁の守備率が.909と話にならない成績となっていますが、投手からの転向組ということで、あと1,2年様子を見てもいいのかも知れません。ただ、将来のことを考えて早くに一軍経験を多く積ませたいなら、走力もあるので今すぐ外野あたりにコンバートした方が良いでしょう。
 美間も打撃はそれなりのものを見せていますが、三塁守備は、鈴木より更に話になりません。広島のチーム状況から見て、鈴木が外野に行けば、美間の外野コンバートは想定しづらく、少々打撃力が向上しても多くのチャンスはもらえないでしょう。三塁、または二塁での守備力を劇的に向上させるより他に彼の生き残る道はありません。

 西武 投稿者:ヘンリー若林 投稿日:2013年12月19日 (木) 15時25分21秒
西武2011年指名
駒月仁人捕手 3位
12年 29試合.209 1本塁打 3打点 0盗塁 三振率.426 守備率・外野1.000 捕殺0
13年 54試合.189 3本塁打 8打点 1盗塁 三振率.388 守備率・外野.962 捕殺1

永江恭平内野手 4位 
12年 82試合.258 0本塁打 22打点 10盗塁 三振率.271 守備率・遊撃.958 一軍27試合
13年 10試合.256 1本塁打 7打点 1盗塁 三振率.366 守備・遊撃
13年一軍 99試合.141 1本塁打 3打点 1盗塁 三振率.370 守備・遊撃.973

 西武は2012年ドラフトでは高卒野手を指名していません。駒月については長打力が魅力の打者という傾向が出ていますが、まだまだ確実性に乏しく、三振率も高すぎる傾向にあります。捕手としては当初から失格の烙印を押されていたようですので、あくまでも打撃勝負となります。物になるにしても今少し時間はかかるかも知れません。
 永江は入団初年度から三振率以外の項目で一軍登用条件をクリアし、1年目から1軍での試合に登用されました。彼もまた、身長174pと小兵組の逸材となっています。打撃力はおそらく力負けする部分があって伸びてはいませんが、守備率は2年目に1軍での合格ラインに達する.973、二軍では出場機会が少ないものの10割を記録して、その成長ぶりを見せています。このような選手は例え打撃に苦労しても1軍での試合に使われる機会が多く、ある年、突然に打撃が開眼し、レギュラーを獲得する確率が高いようです。浅村がショートとして失格の烙印を押されたため、おそらく今後数年間は永江にショートのレギュラーを取るチャンスが与えられます。是非逃さないよう精進してほしいものです。

 阪神 投稿者:ヘンリー若林 投稿日:2013年12月18日 (水) 20時28分54秒
阪神2011年指名
西田直斗内野手 3位
12年 71試合.237 0本塁打 18打点 3盗塁 三振率.182 守備率・遊撃.926 二塁
13年 92試合.241 2本塁打 14打点 3盗塁 三振率.146 守備率・二塁.956、遊撃 @

阪神2012年指名
北條史也内野手 2位 
13年 84試合.199 1本塁打 20打点 0盗塁 三振率.165 守備率・遊撃.952

 まず西田ですが、高校時代は一塁手、プロ入り後遊撃手という点に違和感を覚えました。やはりというか、予想通り守備率は合格点にほど遠い状態です。長打力が無いため、三塁手としても使いにくく、外野手としても走力に疑問符が付きます。打撃に関しては1年目から三振率が2割を切り、2年目には1割5分を切って、コンタクトヒッターとしての素材の良さを見せていますが、92試合に出場しながら打点が少ないのが気にかかります。どうやらクリーンアップを打つタイプではなく、典型的な帯に短し襷に長しで不動のレギュラーにはなれないと見ます。
 北條は大方の予想通り打撃に苦労し、2割も打つことが出来ませんでした。ただ、三振率が低く、遊撃守備もなんとか合格点に達しています。この1年だけで将来を悲観する必要は無いでしょう。ただ、2年目に爆発的な伸びを示さないと、来年10月のドラフト上位で遊撃手の指名があるでしょう。

 楽天 投稿者:ヘンリー若林 投稿日:2013年12月18日 (水) 14時12分45秒
楽天2011年指名
三好匠投手 3位
12年 58試合.250 4本塁打 11打点 2盗塁 三振率.268 守備率・遊撃0.941 二塁、三塁
13年 59試合.273 4本塁打 22打点 3盗塁 三振率.122 守備率・遊撃.936、二塁、三塁 E

北川倫太郎外野手 5位 
12年 44試合.213 0本塁打 4打点 0盗塁 三振率.382 守備率・外野1.000 捕殺2
13年 48試合.232 3本塁打 17打点 1盗塁 三振率.181 守備率・外野1.000 捕殺0

楽天2012年指名
下妻貴寛捕手 4位 
13年 28試合.169 0本塁打 1打点 0盗塁 三振率.230 守備率・捕手.985 捕逸2

柿澤貴裕投手 6位 
13年 27試合.167 1本塁打 6打点 0盗塁 三振率.246 守備率・外野.966 捕殺1

 楽天の高卒野手の指名は三好以外は下位指名となっていますから、残りの3名に関しては1年目から多くのチャンスを貰えることありませんでした。それでも、それぞれ北川は55打席、下妻61打席、柿澤57打席となっていますから、首脳陣に見切られているわけではなく、2年目以降に期待する可能性を残していると評価できると思います。その中で、11年入団の北川は2年目に入って177打席のチャンスをもらいました。打撃は.232、三振率.181とまずまずの成績を残し、外野守備率も10割と合格点を与えていい数字を残しましたが、捕殺0という点が少し気にかかるところです。
 11年3位の三好は当主からの転向組で、1年目からショートとして多くの試合に起用され、打撃は.250、4本塁打で文句なしに合格点を獲得、遊撃守備も元投手ということで、大めに見ることが出来ます。二年目には三振率が.150を切るなど打撃に伸びを示し、期待に応えましたが、ショートの守備はいまいちで、14年に守備力の向上が無いようであればコンバートの可能性もあると見なければなりません。尚、彼は175p以下の小兵組で、6試合一軍経験をさせてもらっています。こういう小さい選手は守備が上手くなければ、なかなかレギュラーを奪取することが出来ません。二塁、三塁ならまだしも、もし外野にコンバートともなれば、100m5.8の足を生かして盗塁を10個以上できる技術を習得することが不可欠となりそうです。

 巨人 投稿者:ヘンリー若林 投稿日:2013年12月17日 (火) 13時45分30秒
 それでは、一昨年、昨年にドラフトで指名された高卒野手の将来について球団別に占ってみます。
 尚、個人成績の守備率は1ポジションに付き20試合未満であれば参考とならないと判断し、記載しておりません。以下、あくまでも数字のみから見た判断ですので、当然、本当の選手の力量を正しく判断できていないところもあると思います。特に、故障歴が不明な選手には辛辣な批評となってしまうかもしれません。
 まずは巨人から。以下、巨人に指名された高卒野手と、その成績です。

巨人2011年指名
高橋洸内野手 5位
12年 3試合 0打席 守備機会0
13年 42試合.170 0本塁打 5打点 1盗塁 三振率.400 守備率・外野.931、一塁

芳川庸捕手 育成 
12年 出場なし
13年 6試合.333 0本塁打 1打点 0盗塁 三振率.333 守備・捕手

巨人2012年指名
辻東倫内野手 3位 
13年 72試合.213 0本塁打 19打点 2盗塁 三振率.174 守備率・遊撃.959

 高橋、芳川についてはフューチャーズでどのような成績を残したかにもよりますが、将来性があるとは言えない状態にあります。2年目でもイースタンでの出場機会がわずか6試合の芳川は、捕手とはいえ、3年目に出場機会を増やせなければ4年目は無いと考えるべきでしょう。高橋は内野で入団したものの、早くも失格となり外野にコンバートされています。よほど打撃面でいいところを見せないと、彼もまた整理対象の選手となってしまう可能性が高いと見ます。
 それに対し、辻は1年目から72試合に出場して遊撃守備率.959を記録し、見事に遊撃手として使える選手であることを証明しました。打率は低いものの、三振率が2割を切っており、この先の伸びしろを感じさせます。長打力、走力に関しては2年目の伸びに期待しましょう。ただ、この選手は高校時代に36発放っていたものの、やや走力に欠けるという評価があったようです。

 まずは 投稿者:ヘンリー若林 投稿日:2013年12月16日 (月) 15時12分54秒
まずは本論に入る前に
2011年ドラフト指名高卒野手の概要

指名数22、うち投手出身4、捕手4、一塁手1、二塁手0、三塁手2、遊撃手5、外野手6
平均身長・179cm、175p以下・5名
ドラフト1位・2名、2位・2名、3位・5名、4位・4名、5位以下・4名、育成・5名
高校通算本塁打30本以上、確認された者のみで7名

2012年ドラフト指名高卒野手の概要

指名数15、うち投手出身4、捕手2、一塁手0、二塁手0、三塁手1、遊撃手4、外野手4
平均身長・181cm、175p以下・1名
ドラフト1位・2名、2位・3名、3位・2名、4位・3名、5位以下・3名、育成・1名
高校通算本塁打30本以上、確認された者のみで8名

 ここで特筆すべきは175p以下の選手が2年目までに全員一軍出場を果たしていることです。2011、12年度のデーターを取る前に「一般に身長の低い選手は故障に弱く、衰えが早い傾向にありますが、逆に器用な選手が多く、技術の習得が早いという傾向もあるようです。」と書きましたが、これを証明する結果となりました。
 また、二塁手、三塁手はドラフトにかかりにくいという結果がサンプル上で導き出されていましたが、相変わらず二塁手の指名は無く、三塁手の3名もプロ入り後の成績を見ていると、非常に苦しい状況にあります。

次回から球団別に高卒野手の将来性を占っていきます。

 レス 投稿者:ララ物資 投稿日:2013年12月15日 (日) 15時31分38秒
 どうぞ遠慮なくお使いください。ヘンリー若林さんの書き込みからいろいろ着想を得ております。

 出羽 投稿者:ヘンリー若林 投稿日:2013年12月15日 (日) 15時12分10秒
 さて、そろそろヒンシュクを買いそうなほどの書き込み量となってまいりました。当初の予定では1ヶ月くらいで終わるつもりでしたが、予定の倍になってもまだ終わりません。管理人様には大変申し訳なく思っています。残りは昨年、及び一昨年に入団した選手の中で将来目が出そうな選手を、サンプルとなった5年間の選手と比較してピックアップすることです。
 さっさと終わらせますので今少し我慢していただきますようお願いします。もし、これを見ていらっしゃる人の中で反論や間違いがあれば、遠慮なく指摘していただいて結構です。

 まず、新人選手の中で、もし「モノが違う」選手がおれば、監督コーチは例外なく、その選手を試合に出してプロ野球のレベルを経験させます。もちろんドラフト1位や2位の選手を優先的に使うのはどこでも同じでしょうが、下位指名や育成出身で2年目までに多く試合に出してもらえる選手は、将来大物になる可能性が高いと見ていいでしょう。但し日本ハムの場合はほとんどの高卒野手を1年目からレギュラー扱いにして、最低でも100打席以上経験させる方針のようです。日本ハムに育成力があるのは、このあたりと関係しているのかもしれません。逆に、故障なしに捕手以外で2年目までに100打席経験できない選手は、その能力に疑問符がつく選手と考えていいようです。
 打撃力については打率.240が1,2軍の分かれ目になっているようで、.240以上で守備力さえしっかりしておれば1軍に登用される確率が格段に上がっています。また、三振率の分岐点は.200ですが、長打力のあるバッターは.250を切っておれば問題なさそうです。長打力は2年目の時点で評価するのは早すぎるのですが、やはり30打席に1本の割合で打っておれば、さすがに評価してあげるべきでしょう。あと、打点が出場試合の半数以上であれば、将来のクリーンアップ候補といって差し支えなさそうです。
 守備力は重要です。内野は二塁.970、三塁.930、遊撃.950以上の守備率を記録しないとほとんどの場合、そのポジションで一軍に登用されません。一塁は打撃力次第ですが、さすがに.980を割るようではまずいと思います。外野、捕手は余程でない限り守備率では判断したくありません。外野は捕殺数を判断材料とします。
 走力は10試合に1個以上の盗塁が評価できます。失敗数は関係ありません。失敗が多くとも、それが経験になって1軍昇格後に成功率が高まる選手が多いからです。それよりも盗塁企図数が多ければ、二軍監督やコーチがそれだけ将来性があると判断している証拠になります。

 さて、それでは、これだけの判断材料で、昨年、一昨年の高卒野手を占ってみましょう。

 盗塁 投稿者:ヘンリー若林 投稿日:2013年12月13日 (金) 14時25分44秒
 皆さんもご存じのとおり、盗塁数と足の早さは比例しません。しかし、肩の強さと同じく、プロ入り後飛躍的に記録が伸びるということも滅多にありませんから、元々の足の早さはどうしても必要になります。そして、多くの場合、守備範囲の広さにもつながって来るので、例え盗塁できなくとも、足が速いことに越したことはありません。さて、1年目及び2年目の成績だけを見て、未来の盗塁王を見つけることが出来るのか。以下、2013年までに二桁盗塁を1軍で記録した選手と、その自己最高盗塁数、2年目までのファームでの盗塁数、盗塁死数を挙げてみます。

G・坂本(24盗塁)=1年目・77試合、5盗塁、2盗塁死  2年目・2軍出場無し
G・藤村(28盗塁)=1年目・38試合、3盗塁、3盗塁死  2年目・64試合、10盗塁、4盗塁死
S・上田(22盗塁)=1年目・78試合、9盗塁、1盗塁死  2年目・90試合、16盗塁、8盗塁死
C・丸(29盗塁)=1年目・46試合、2盗塁、1盗塁死  2年目・69試合、6盗塁、3盗塁死
T・大和(19盗塁)=1年目・83試合、6盗塁、2盗塁死  2年目・73試合、4盗塁、4盗塁死
YB・石川(36盗塁)=1年目・45試合、2盗塁、2盗塁死  2年目・48試合、12盗塁、8盗塁死
F・中島(23盗塁)=1年目・97試合、15盗塁10盗塁死  2年目・70試合、11盗塁2盗塁死
F・陽(47盗塁)=1年目・91試合、5盗塁、4盗塁死  2年目・29試合、5盗塁2盗塁死
L・浅村(14盗塁)=1年目・99試合、10盗塁、12盗塁死  2年目・65試合、11盗塁、4盗塁死
H・福田(22盗塁)=1年目・37試合、3盗塁、0盗塁死  2年目・43試合、4盗塁、1盗塁死

 これだけを見ると多くの俊足を売りにしていた連中が、プロ入り直後はアマとプロのレベルの違いに戸惑っている様子が垣間見られます。プロ入りしてすぐ、盗塁をバンバン決めるのは至難の業といえるでしょう。ちなみに、プロ入り2年目までに2軍で二桁盗塁を記録したのは上記の選手の他に、DeNA・梶谷(1年目、6盗塁・2年目14盗塁)、巨人・大田(同じく16盗塁・10盗塁)、日ハム・杉谷(同じく4盗塁・22盗塁)の3名、また、盗塁面だけで注目すべき記録を残したのは広島・安部で1年目に49試合9盗塁3盗塁死、2年目で56試合7盗塁0盗塁死を記録しています。この5年間に入団した高卒野手の中で、ヤクルト・上田とともに最も走塁面に優れていたのは安部だったのかもしれません。しかし、1年目.200、2年目.103、3年目.211と、打撃に苦しみ、デビューが遅れたのが災いしているようです。

 本塁打 投稿者:ヘンリー若林 投稿日:2013年12月12日 (木) 13時57分57秒
 始めに高校時代の通算本塁打数は当てにならないと書きましたが、実際に、元阪神の掛布や中日に移籍した小笠原などの強打者は高校時代にホームランを打ったことが無いと云われていますし、逆に高校通算68本の元西武・平尾はプロで年間最高7発、通算では41.1打数で1本(年間500打数として12本程度)の割合でしかホームランを打っていません。同じく高校通算86発の西武・大島裕行も43.1打数で1本で、如何に高校通算本塁打数が当てにならないかがわかります。但し、本当の意味でのホームランバッターはやはり高校時代からホームランを量産しているので、本当の意味でのホームランバッターを獲得するためにスカウトの力量が問われるところです。
 今回のサンプルとなった5年間で、高校通算30発以上打った強打者はわかっているだけで43名。なんと58%の高卒野手がこれに該当します。これがプロ入り後、どうなったか。まず、ホームランを打てる強打者は30打数に1本以上の割合でホームランを打てるという条件を付けてみました。ちなみに、この条件だと年間500打数でホームランを16.6本打つ計算となります。以下、入団初年度から、この条件をクリアした選手を挙げてみます。但し、100打席以上の選手のみです。

D・春田=133打数7本塁打・本塁打率19.0
F・中田=196打数11本塁打・本塁打率17.8
G・大田=403打数17本塁打・本塁打率23.7

これが2年目となると

H・江川=230打数10本塁打・本塁打率23.0
E・舛田=213打数8本塁打・本塁打率26.6
G・田中大=271打数11本塁打・本塁打率24.6
F・中田=322打数30本塁打・本塁打率10.7
G・大田=407打数21本塁打・本塁打率19.4

 以上のようになります。彼らに関しては高校時代から本物のホームランバッターだったということが言えるのかもしれません。彼らのようにその才能を初めから見せつけてくれるのなら、少々守備が悪くとも、一塁や左翼に起用してホームランを期待するのは間違いではなさそうです。残念ながら春田は故障で、田中は確実性無く伸び悩んでプロを去り、大田は内野守備力と野球脳の欠如で未だに開化していませんが、長打力があったことは間違いありません。
 さて、この5年間に入団し、2013年までの1軍公式戦で30打数に1本以上の割合(100打席以上に限定)でホームランを打ったことがある選手は、巨人・坂本、中日・平田、横浜・梶谷、日ハム・中田、西武・浅村、Sバンク・江川、オリックス・岡田の7名。そのうち高校通算30発未満の選手は10発の梶谷、22発の浅村という結果になっています。

 打席と打率 投稿者:ヘンリー若林 投稿日:2013年12月11日 (水) 14時51分15秒
 次はいよいよ打撃面への評価となります。
 打率はやはり打席数が少ないと評価の対象となりにくいため、少なくとも100打席以上立った選手のみの評価とします。では、サンプルの5年間の中で入団初年から二軍で100打席以上打席に立ち、.250以上打った選手は以下の通りです。

H・江川=255打席、.252
F・陽=398打席、.274
D・平田=142打席・.267
T・大和=265打席・.260
G・坂本=330打席・0.268
F・中田=224打席・0.255
C・丸=118打席・.288
H・中村晃=108打席・.250
G・中井=390打席・.267
S・中村悠=184打席・.301
F・杉谷=172打席・.269

 上記条件をクリアしたのは以上11名、2013年年にはこの11名全員が一軍でレギュラーか準レギュラーとして活躍しています。この条件をクリアした者は将来の展望が非常に明るいと言って差し支えないでしょう。
 そもそも新人選手が二軍で100打席与えられることでさえ限られており、74名中30名、約40パーセントとなっています。(1軍での打席を含む)しかし、日本ハムはおそらくチームの方針なんでしょうが、この5年間で高卒新人全員に100打席以上の経験をさせているのが目につきます。逆に捕手として100打席以上経験させてもらった高卒新人選手は23名中、日ハム・今成、西武・炭谷、ヤクルト・中村の3名のみでした。
 さて、2年目となると100打席.250を上回る選手は格段に増えます。1人退団したので73名中45名が100打席をクリアし、24名が.250以上の打率を残しています。この条件を2年目までにクリアできず、後になって1軍でBランク以上の活躍した選手は、楽天・銀次、日ハム・今成、オリックス・岡田、中日・堂上、オリックス・伊藤、日ハム・中島といったところですが、相変わらず捕手には出場機会が少なく、100打席をクリアできた捕手は19名中5名(コンバートで4名減少)、捕手として問題のあった銀次には当然ながら100打席以上の機会が与えられませんでした。また伊藤は故障でつまずきましたが、残りの選手はとりあえず100打席以上のチャンスを与えられています。打率に関しては始めから高ければ1軍デビューが早くなり、スター選手として活躍する確率は高くなるものの、デビュー2年目までに打てなかったからといって、悲観する必要はありません。他の世代を見ても時間をかけて打てるようになる選手はいくらでもいます。

 捕手 投稿者:ヘンリー若林 投稿日:2013年12月09日 (月) 14時19分42秒
 サンプルとなった5年間でドラフトでの高校生捕手の指名は23名と最も多いのですが、そのポジションの特性から、2軍でも初めからレギュラーを獲得する選手はほとんどありません。2年目までに40試合以上にマスクをかぶった選手は以下の通り。

F・今成=1年目・50試合、2年目・64試合
L・炭谷=1年目・1,2軍併せて67試合、同じく2年目・73試合
Bu・伊藤=1年目・40試合
S・中村=1年目・57試合、2年目・86試合
L・中田祥多=2年目・49試合

 2軍公式戦の半分以下の40試合にすらマスクをかぶる機会が与えられたのは、23名中わずか5名。これは捕手の数が多いため、2軍ではとっかえひっかえ出場機会が与えられ、どうしても出番が限られるということもありますが、突出した才能を見せる若手捕手が出現したなら、首脳陣も彼を重点的に起用し、この辺りの数字は簡単にクリアすることでしょう。上のメンバーのうち、伊藤と中田は故障に苦しみ、1軍デビューが遅れましたが、彼ら全員が、その将来性を嘱望されている捕手だったということが言えると思います。
 その他の選手たちの中では、2年目に故障で苦しんだ広島・会澤、打撃に問題のあるDeNA・黒羽根の両名がなんとか捕手として生き残っていけそうです。
 私が考える捕手の能力の指標となる数字は、盗塁阻止率、捕逸と暴投を併せた数字のふたつですが、残念ながら、2軍の成績表でわかるのは捕逸のみで、彼らの守備力を判定することは出来ません。また、リード面については、構えた所に投球が来るとは限らないので、2軍レベルに於いて数字で判断するのは適当ではないでしょう。しかし、登板する投手に迷惑がかかるため、少なくともキャッチングやスローイングがある程度のレベルに達していなければ、公式戦に使われることは無いと考えられます。従って、捕手として多く使われる選手は一定以上のレベルに達した捕手と評価できると思います。

 外野手 投稿者:ヘンリー若林 投稿日:2013年12月08日 (日) 15時54分41秒
 基本的に外野手は少なくともセンターが守備範囲、ライトが肩、レフトが打撃力が求められるポジションといっていいでしょう。ところが外野手の守備は発表されている数値では想像しにくく、わずかに肩の強さが捕殺数で想像できる程度です。10試合に付き1捕殺程度あれば、おそらく肩が強いのではないかという想定が出来ると思われるので、サンプルの高卒外野手でこれに近い数字を出した選手を挙げてみます。

G・田中大=1年目・88試合13捕殺
S・上田=1年目・69試合6捕殺
G・橋本=1年目・105試合17捕殺、2年目・88試合10捕殺
F・鵜久森=2年目・79試合7捕殺
C・鈴木=2年目・72試合6捕殺
D・平田=2年目・42試合5捕殺
M・佐藤=2年目・66試合6捕殺
M・吉田=2年目・18試合3捕殺

 以上8名のうち既にプロ野球の世界から足を洗っているのは田中大、吉田の2名のみ。やはり肩の強い外野手は生き残りやすいと言ってもいいと思います。田中大はおそらく高校時代一塁手であったことから、守備範囲または打球への判断力に問題があったと考えられます。その他、足の早い選手は大体において守備範囲も広いということから、盗塁数で類推できると思うのですが、これはまた打撃編で挙げてみようかと思います。
 だいたい2軍ではデビュー間もない選手に対し、こいつの肩はどれくらいのモノなのかということがわからない、もしくは試すために三塁コーチャーが腕を回す確率が高くなりがちです。そしてこりゃ肩強いわということがわかった翌年には殆どの場合捕殺数が減少してしまいます。従って捕殺数に関しては1年間限定で数が多ければ、この選手は肩が強いと判断しても差し支えないものと判断できます。
 ところで最近のプロ野球には左投げの選手がかなり減っているように見えます。左投げのポジションは一塁と外野に限定され、右投げ左打ちの選手がどんどん増えていることから、使い勝手が悪い左投げの選手がのが敬遠されているということがあるのでしょうか。

 一塁手 投稿者:ヘンリー若林 投稿日:2013年12月07日 (土) 14時47分45秒
 一塁手として入団した選手には当然飛びぬけた打撃力が要求されます。それだけに、打撃力が平凡だった場合は真っ先に解雇の憂き目に逢うのもこのポジションの宿命といえるでしょう。サンプルとした5年間で、高校時代一塁手だったのは日ハム・市川、Sバンク・定岡、巨人・田中大、阪神・森田の4名、そのうち、定岡は三塁に挑戦し、田中大は強肩を生かすということで外野手にコンバートされました。逆に2年目までに一塁手にコンバートされたのは、オリックス・岡田、横浜・高森、中日・春田、日ハム・中田といった面々ですが、当然、プロ入り2年目までに一塁専任となった選手はおらず、他のポジションも守らされています。
 一軍でレギュラーとして活躍する一塁手の守備率は.995前後の選手が多く、.985を切るようでは大抵の場合、一塁守備に難点があると見ていいでしょう。但し、.995は200守備機会に一度の割合で失策するという数字となるので、相当な守備機会がないことには上手下手を判断することは出来ません。特に二軍の一塁手は普段他のポジションを守っている選手がとっかえひっかえ起用されることが多く、なかなか判断しづらいところです。
 ちなみに上記に挙げた高卒野手の一塁守備率はだいたいが.980前後となっています。まあ、高卒2年目で一塁を守らされるようでは、守備に期待する方がおかしいというもので、当然の守備率というべきでしょうか。ちょっと補足しますと、守備率.995の選手に比べて、.980の選手は4倍エラーを犯すということですので、お間違いないように。また、現在生き残っているのは既に一軍で実績を残している岡田、中田と、ケガで出遅れ、ようやく3年目からまともに出場し出した森田の3名のみ。二軍ではそれなりの打棒を見せても、結局早めに見切られるのはどこの球団でも変わりません。高卒に限らず、一塁手として入団する選手は相当な覚悟が必要です。

 三塁手 投稿者:ヘンリー若林 投稿日:2013年12月06日 (金) 15時14分13秒
 前回、最初の文章を後で削ったために、気持ちの悪い文章になっております。ゾワ。気を取り直して三塁手について少し。このポジションは他の内野に比べて守備機会飛が少ないため、多少守りに目をつぶっても打撃力さえあれば良いポジションといえます。しかし、我慢には限度というものがあって、いくら打棒に将来性があっても守備率.900そこそこでは1軍で起用しようとは思わないようです。現在将来を嘱望されているDeNA・筒香や楽天・中川もその守備率は.910ちょっとというところで、1軍での本格的な起用は見送られています。まあ、あの悪名高き広島・堂林でさえ1軍デビュー前年は三塁の守備率が.931であったことを考えると、仕方ないのかもしれません。
 サンプルとなった5年間の新人選手でサードにコンバートされたのは、ロッテ・細谷、阪神・野原、中日・堂上、日ハム・中田、巨人・中井、楽天・中川、日ハム・杉谷、巨人・大田の8名、その他、Sバンク・江川、楽天・舛田などが2年目からサードに挑戦し始めています。彼らのほとんどは将来チームの主軸を打つことを期待されている選手でしたが、結果は

M・細谷=1年目・949、2年目・.944
T・野原=1年目・938、2年目・.915
D・堂上=1年目・962、2年目・.945
F・中田=1年目・.899、2年目ファースト転向
G・中井=1年目・.919、2年目・.914
E・中川=1年目・.840、2年目・.918
F・杉谷=1年目・.878、2年目・.929
G・大田=1年目・.921、2年目・.873
H・江川=2年目・.950、3年目外野転向
E・舛田=2年目・.918、3年目・.925

 この中で合格点(守備率.930)を付けられるのは、細谷、堂上くらいで、野原は1年目で.930を上回ったものの2年目、3年目と徐々に守備率を落としており、江川も2年目に.950ながら、実績を重ねる前に内野手としての適性を欠くと判断されて外野転向となっています。結局彼らの中でサードとして大成しそうな選手は無し。かろうじて合格点を取った細谷、堂上もサードとしての守備は合格点ながらチーム事情により他のポジションを守ることが多くなっています。
 サードはどこの球団も人材難だけに、おそらく彼らにサードをこなす能力が備わっておれば、半分以上の選手が既にレギュラーを獲得していたでしょう。

 二塁手 投稿者:ヘンリー若林 投稿日:2013年12月05日 (木) 20時32分16秒
 プロ入りするときにはほとんどが遊撃手で、遊撃手失格、もしくはチーム事情により、はじめて二塁、三塁に起用されることが多いのが高卒内野手だということがおわかりいただけたと思います。今回はその二塁、三塁について少し。
 まず、二塁手ですが、サンプルとなった5年間の内野手で1年目に20試合以上二塁を守ったのは西武・浅村、日ハム・杉谷の2名のみ。この両名にしても浅村が遊撃手、杉谷が三塁手として主に起用されており、正二塁手として起用されたわけではありません。 しかし2年目に入ると捕手からコンバートされた西武・星も含め、二塁手20試合以上起用組は8名に増えます。そのうち40試合以上二塁手に起用されたのは4名と相変わらず併用が多いのですが、その多くが遊撃守備に難のある選手で、二塁であれば西武・梅田、巨人・藤村を除いた選手がなんとか守備率.950以上を残しています。しかし、二塁手の守備率は二軍であっても最低.970を求められており、これをクリアしたのはオリックス・柴田のみという結果に終わりました。
 そもそも、二塁手は他のポジションに比べて一塁への距離が短い分、エラーしにくいという特性があり、1軍の正二塁手で.980を切る選手は殆どおらず、逆にここ9年間で.990以上の守備率を記録した正二塁手は18名26回にも及びます。ちなみに遊撃手は7名13回、三塁手はただひとり宮本が2回記録したのみです。従って二塁の守備率.950や.960では話にならず、結局現在二塁手としてモノになりそうなのは、1年先輩に天才・坂本がおり、肩の強さに問題のある藤村、一軍昇格後、2010年以外は遊撃守備に安定性を欠き、セカンドに適性を見出された石川の2名のみです。一軍デビュー前の藤村の二軍での守備率は.960台とは大したものではありませんでしたが、不思議と一軍に昇格した後の守備率は.990を越えてきており、結構特殊な存在となっています。

 守備範囲・補足 投稿者:ヘンリー若林 投稿日:2013年12月04日 (水) 15時04分57秒
セカンド=0.618 サード=0.278 ショート=0.524

 前回に挙げたこの数値ですが、これらは各ポジションで1イニングに付き平均どの程度の守備機会があるかを表したものです。「1試合に付き」とすると、守備固めで1イニングしか守っていない選手も1試合出場となるので、かなり不正確な数値となってしまいます。1イニングごとにしても、イニングの途中で守備固めが入る可能性はあるため、全く正確な数値とは言い難いですが、より正確な数値に近いと言えるのではないでしょうか。但し、前回に例として挙げたフルイニング出場の選手に関してはおそらく正確な数値だと言えると思います。この係数を利用すれば、各選手の守備範囲を想定できるので、できればプロ野球の公式記録の中に守備出場イニング数を入れて欲しいと思います。
 なお、この数値は例えばサードゴロでファーストランナーが二塁で封殺されたとき、サードに1、セカンドに1と、合計2守備機会が記録されるため、二者以上の連携によるゴロアウトが絡むと守備機会3と1イニングが等しくなることはあり得ません。従って(0.618+0.278+0.524)÷3=47.3。この計算式を利用して二塁、三塁、遊撃の守備機会だけで全体のアウトの47.3%を占めるという計算は成り立ちません。

 守備範囲 投稿者:ヘンリー若林 投稿日:2013年12月02日 (月) 14時33分04秒
 今回はだいぶ横道にそれますが、守備範囲のお話です。守備機会が内野手の守備範囲を表す重要なファクターとなることは既にお話ししましたが、これについての係数をだいぶ前から自分なりに出しております。
 対象内野手の守備機会を出場イニング数で割ったとき、以下の数字を10%程度上回れば確実に守備範囲が広い、逆に下回れば確実に守備範囲が狭いということができます。

セカンド=0.618 サード=0.278 ショート=0.524

しかし、この数字は内野手の出場イニング数がわからなければ、使用することが出来ません。公式記録には出場イニング数が記載されないため、ほとんどの場合、使用不能な係数であると言えます。しかし、フルイニング出場した選手だけはこの係数が適用できるため、ここ9年間でフルイニング出場した内野手の数字を出してみたいと思います。

2005年横浜・石井琢朗遊撃手=0.517
2006年阪神・鳥谷敬遊撃手=0.547
2008年阪神・鳥谷敬遊撃手=0.587
2008年日ハム・田中賢介二塁手=0.615
2009年西武・中島裕之遊撃手=0.516
2009年阪神・新井貴浩三塁手=0.293
2010年巨人・坂本勇人遊撃手=0.547
2010年阪神・新井貴浩三塁手=0.258
2010年ロッテ・西岡剛遊撃手=0.528
2011年Sバンク・本多雄一二塁手=0.574
2011年Sバンク・松田宣浩三塁手=0.316
2011年Sバンク・川崎宗則遊撃手=0.480
2012年阪神・鳥谷敬遊撃手=0.546
2013年阪神・鳥谷敬遊撃手=0.535
2013年Sバンク・松田宣浩三塁手=0.277

以上のうち、基本係数を10%以上上回ったのは2008年の鳥谷遊撃手、2011年の松田三塁手の2名、彼らはこの年、明らかに守備範囲が広かったと言えます。さすがにフルイニング出場の内野手の中に10%以上数字の低い選手はいませんでした。そんな中、意外だったのはメジャー行き直前の2011年・川崎遊撃手が.480と係数より8.5%も低く、明らかに守備範囲が狭かったことでしょうか。

 残念ながら、この係数は高卒野手の能力を判断する材料として使うことが出来ません。しかし、守備率がある程度良いにもかかわらず、遊撃や二塁から他のポジションにコンバートされた選手は、おそらく守備範囲が狭いのだろうと想像できます。彼らを一番間近で見ているのは守備走塁コーチですから、その判断に間違いはないでしょう。入ってすぐサードにコンバートされた選手はその可能性が高いと言えると思います。

 つづき 投稿者:ヘンリー若林 投稿日:2013年12月01日 (日) 16時18分57秒
 では、まず遊撃手について。この5年間で遊撃手の入団は22名。この中で現在も遊撃手として20試合以上出場した選手は7名。その他、阪神の大和のように遊撃手として使える選手であるにもかかわらずチーム事情で他のポジションにコンバートされたのは3名。結局22名のうちプロの遊撃手として使えると評価されたのは10名でしかありません。
 以下、高校時代遊撃手だった選手、プロ入り直後遊撃手にコンバートされた選手の1,2年目の守備率及び状況です。但し遊撃出場試合20未満は評価無し。

H・江川=1年目・.906、2年目・サードにコンバート
YB・石川=1年目・内野全般を守り.931、2年目・.956
E・舛田=1年目・.879、2年目・.983も主にサード
F・陽=1年目・.938、2年目・.956も途中からサードにコンバート
S・川端=1年目・.975、2年目.975
Bu・柴田=1年目・.948、2年目セカンドにコンバート
T・大和=1年目・.960、2年目・.976
M・細谷=1年目からサードにコンバート
YB・梶谷=1年目・.947、2年目・.966
G・坂本=1年目・.958、2年目・一軍.976
H・福田=1年目・出場試合数は少ないが.824、2年目・902
H・李=1年目・遊撃出場ほとんどなし、2年目・セカンドコンバート
T・野原=1年目からサードコンバート
D・堂上弟=1年目からサードコンバート、のちショート再コンバート
M・梅田=1年目からセカンドまたはサードで起用
C・安部=1年目・.956、2年目・.924
T・高濱=故障のためほとんど出場無し
G・藤村=ほとんどセカンドまたは外野での起用
G・中井=1年目・.954、2年目・.942、但しサードでの起用が多い
C・申=1年目、2年目とも内野の守りは.900を切る状態で出場機会少ない。
F・中島=1年目・.958、2年目・.969
F・杉谷=1年目からセカンド、サードにコンバート
T・藤井=育成契約のため出場機会少なく判断不能
G・大田=1年目・931もほぼサードを守り、翌年はサード兼ファースト
L・浅村=1年目・928、2年目・.939

 以上、投手出身ながらショートとしてデビューした江川、中井も含めた24名のうち、2年目までに遊撃手として30試合以上出場し、守備率.950を越えた選手は

石川、川端、大和、梶谷、坂本、安部、中島の7名。
 彼ら以外でショートとして生き残っているのは、一旦サードにコンバートされた堂上弟、細谷、故障で1,2年目に出場機会が少なかった高濱の3名でした。特殊な事情が無い限り、プロのショートとして飯を食っていけるのは2年目までに守備率.950を突破する必要がありそうです。但し、一旦サードにコンバートされた堂上、細谷は一旦ショート失格の烙印を押されており、現在チーム事情によりショートとして起用されているだけで、本当の意味でのプロのショートとして今後もやっていけるかどうかはやや疑問があります。
 ともかく。プロのショートとして生き残るのは至難の業であり、現在ショートを守ってエラー数を.950の半分以下に抑えている守備率(.975以上)を残している選手は守れるだけで貴重な存在であると言って過言では無いでしょう。

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