2012年
05/02  セザンヌ習作15億円で落札 NY、60年ぶり所在確認
ポール・セザンヌが描き、最後の公開から約60年ぶりに所在が確認された名画「カード遊びをする人々」の習作が1日、ニューヨークのクリスティーズで競売に掛けられ、1912万2500ドル(約15億3千万円)で落札された。落札予想価格は1500万〜2千万ドルだった。
習作は紙に描いた水彩画で、テーブルの前に座っているコートと帽子姿の男性が手元に見入る構図だが、カードそのものは描かれていない。
この日の競売では、アンリ・マチスが花を描いた油絵、パブロ・ピカソ作の油絵「休息」が、いずれも落札予想価格を上回った。
共同通信より。スクラップ2012年3月28日の続報
静岡市の久能山東照宮で、1910年にイギリスで開かれた日英博覧会の関連資料が見つかったとのこと。東照宮が博覧会に出展したゼンマイ式西洋時計(国重要文化財)の「出展記念状」とみられる。
資料は縦55センチ、横76センチ。和文と英文で「日英博覧会」と書かれているほか、「COMMEMORATIVE DIPLOMA」(記念状)の文字が確認できるとのこと。文字の上には日本と西洋の人物画が描かれ、五重塔や富士山も見える。銅版画のようにみられるが詳細は不明。
書類とともに東照宮の関係者が残したメモ書きには、明治44年(1911年)4月、静岡県庁を通じて久能山東照宮に届いた、と記されているとのこと。
静岡新聞より。
サザビーズによると、ノルウェーの画家エドバルト・ムンク(1863〜1944年)の代表作「叫び」の競売が2日夜、ニューヨークで行われ、1億1992万2500ドル(約96億1千万円、手数料込み)の高値で落札された。
4点ある「叫び」のうち、1895年に描かれたパステル画。同社によると、絵画の競売落札価格としては史上最高という。同社は8千万ドル以上で落札されると予想していた。
共同通信より。これまでの最高は、2010年5月にクリスティーズで落札されたピカソの油絵「ヌード、観葉植物と胸像」の1億648万ドル。 スクラップ2012年2月22日の続報
サザビーズによると、2日にニューヨークで行われた競売で、サルバドル・ダリ(1904〜89)の作品「PRINTEMPS NECROPHILIQUE(死体愛の春)」が約1632万ドル(約13億1千万円、手数料込み)で落札された。予想落札価格は最高1200万ドルだった。
1936年にパリで制作。市場に出たのは約15年ぶりという。
共同通信より。スクラップ2012年4月5日の続報
松本市の日本浮世絵博物館が所蔵する怪談「百物語」の浮世絵が、葛飾北斎(1760〜1849年)が下絵を描き、版木作製や刷り方も直接指示した作品であることが4日、専門家の調査で分かった。明治期に模刻された版木で刷られた北斎の百物語は国内で多く出回っているが、北斎自身の作品が国内で確認されたのは初めて。世界でも4カ所でしか確認されていないという。
今回確認された錦絵は5枚1組。大きさはいずれも縦約26センチ、横約19センチ。版木は現存していない。制作年は代表作「富嶽三十六景」と同時期の1832〜33年ごろとみている。  北斎の作品で幽霊を題材にしたものは多くなく、浮世絵の歴史の中でも幽霊を錦絵で描いた最も初期の作品という。
オランダのライデン大学文学部特任教授で、北斎研究で世界的に知られるマティ・フォラー氏や、共立女子大文芸学部の内田保広教授(江戸文学)らが2日から調査を進める中で北斎の作品と確認した。フォラー特任教授によると、浮世絵の質感や周辺部の特徴が、海外で確認されている北斎の作品と共通していることなどから判断した。
信濃毎日新聞より。日本浮世絵博物館が所蔵。「北斎の百物語は年内にも一般公開する予定」とのこと。
高村光雲の木彫を美術館に販売するよう委託を受けながら、別の美術商に勝手に売却して着服したとして、警視庁捜査2課は15日、業務上横領の疑いで、元美術商を逮捕したとのこと。
同課によると、容疑者はほかにも、東山魁夷や横山大観、平山郁夫ら国内の有名画家の絵画11点の販売委託を受けながら、作品を質入れすることを繰り返して借金返済などに充てていたという。
産経新聞より。
来年6月からイタリアで開催される第55回ベネチア・ビエンナーレ国際美術展の日本館出品作家は、美術家の田中功起さん(36)に決まった。日本館を主催する国際交流基金が15日、発表した。東日本大震災を踏まえ、「他者の経験を自分のものとして引き受けることはいかにして可能か」をテーマに、映像作品などを展示する。キュレーターは東京国立近代美術館美術課長の蔵屋美香さん。
日本館では「高層ビルの非常階段を音を立てずに下りる、という課題にとりくむ集団」の映像などを発表する。
産経新聞より。
過去3年以内に完成した建築を対象に、建築界に感銘を与えた作品とその設計者に贈られる第25回村野藤吾賞(村野藤吾記念会主催)は建築家、西沢立衛さん(46)の「豊島美術館」(香川県土庄町)に決まった。
瀬戸内海を望む小高い丘にある豊島美術館は、美術家、内藤礼さんの1つの作品のために建てられた。柱が一本もないコンクリートシェル構造。大きな開口部から風や音、光を内部に直接取り込み自然環境と調和している点、アートを生き生きと見せている点などが高く評価されたという。
産経新聞より。
17世紀にスペイン国王から徳川家康に贈られ、久能山東照宮(静岡市)に保管されていた国指定重要文化財のゼンマイ式西洋時計を鑑定した大英博物館の研究者が17日、東照宮で記者会見し「世界的に珍しく貴重。当時として最高の技術でつくられた傑作」と評価した。
時計は1609年にスペイン船が千葉県沖で難破した際、救助された乗組員を家康が手厚くもてなしたことに感謝し、11年に国王フェリペ3世が贈った。家康亡き後は東照宮に奉納、国内で現存する西洋時計としては最も古いとされる。
時計はベルギー・フランダースの職人が製造。この時代に同地方でつくられた時計は世界に約20残る。
共同通信より。
文化審議会は18日、色漆や金箔で極彩色に彩られた歓喜院聖天堂(かんぎいんしょうでんどう=埼玉県熊谷市)を国宝に、伊達政宗の正室の愛姫(めごひめ)をまつる霊廟(れいびょう)の陽徳院霊屋(たまや、宮城県松島町)、西園寺公望(きんもち)の私邸として建設された清風荘(京都市)など5件を重要文化財に新たに指定するよう平野博文・文部科学相に答申した。また、日光例幣使(れいへいし)街道沿いに、江戸時代の土蔵などが多く残る町並みが特徴の栃木市嘉右衛門町(かうえもんちょう=栃木県)、豪雪地の養蚕で発展した町場のような山村集落の白山市白峰(石川県)、棚田が美しい景観をつくるうきは市新川田篭(にいかわたごもり、福岡県)など5件を重要伝統的建造物群保存地区に選定するよう、答申した。
そのほか、答申された他の指定・選定は以下の通り。  【国宝】唐招提寺金堂の旧鴟尾(しび、奈良市)=追加指定  【重要文化財】陽徳院霊屋(宮城県松島町)▽八幡神社(福島県相馬市)▽牛伏(うしぶせ)川本流水路(長野県松本市)▽清風荘(京都市)▽披雲閣(ひうんかく=高松市)▽洞口(ほらぐち)家住宅の米蔵、座敷蔵、味噌蔵(宮城県名取市)=追加指定=▽三角(みすみ)旧港施設の後方水路(熊本県宇城市)=同  【重要伝統的建造物群保存地区】栃木市嘉右衛門町(栃木県)▽桐生市桐生新町(群馬県)▽白山市白峰(石川県)▽安芸市土居廓中(かちゅう、高知県)▽うきは市新川田篭(にいかわたごもり、福岡県)
朝日新聞より。
西国32番札所の観音正寺(滋賀県近江八幡市)で、19年前に焼失した本尊・千手観音立像の「御前立(おまえだち)」が見つかった。失われた本尊に似た姿をして大きさも同じで、修復して新たに秘仏として安置する。
観音正寺は1993年5月、本堂の火災で重要文化財だった千手観音立像を焼失した。御前立の存在は忘れられていたが、今年1月、境内の建物から仏像が入った箱が見つかり、調べると御前立だった。
寺によると、本堂焼失前までは御前立が2体あり、1体ずつ交代で本尊の前に置いていた。火災で1体が燃え、今回見つかったのは難を逃れたもう1体とみられる。
御前立は本尊と同じ木造の千手観音立像で、高さ85センチ。傷みがひどく、腕は半数が失われているほか、右肩や右足の一部も欠けている。近江八幡市や京都市の工房で2年かけて洗浄や修復を行う。
京都新聞より。
日光東照宮(栃木県日光市)の国指定重要文化財「五重塔」内部の心柱が、22日から初めて一般公開される。地震に強いとされる伝統の工法で、同じように心柱を備えた東京スカイツリーの開業に合わせた。
公開されるのは1層目に当たる初重内部。直径約60センチの心柱に金箔が施され、周囲の梁や柱に描かれた極彩色の模様や竜などが間近で見られる。
東照宮によると、心柱は塔から分離し、4層部分からつり下げられている。塔全体が重みで縮んだ場合に屋根を突き抜けないよう、礎石からは数センチ浮いた状態という。
共同通信より。
ブリジット・バルドーさんの元夫、故ギュンター・ザックス氏のバルドーさん関連を含む美術品コレクションが22日、オークションに掛けられ、落札総額が5600万ドル(約45億円)以上に達したとのこと。
ザックス氏のコレクションには、生前親しくしていたアンディ・ウォーホルの作品が多く含まれている。この日最高の値段が付いたのはウォーホルの自画像で、落札額は847万9889ドル(約6億7800万円)。離婚5年後の1974年に、ザックス氏の依頼でウォーホルが描いたバルドーさんの肖像画も約500万ドル(約4億円)で落札されたとのこと。
時事通信より。スクラップ2012年3月16日の続報
富本憲吉(1886〜1963)の生家を修復し、作品や業績を紹介してきた富本憲吉記念館が今月末で閉館する。
記念館を開設した辻本勇氏は戦後間もなく、安堵に滞在中の富本と出会って親交を深めた。63年の富本の死後、生家を譲り受けた。母屋は改築し、自ら集めた作品を展示する土蔵、離れなどを保存し、11年後の74年11月に開館にこぎつけた。
山本館長によると、辻本さんの死後、県に無償譲渡も持ちかけたが実現せず、記念館を任せられる後継者もいないことなどから、閉館が決まったいう。記念館は10月中旬、土日だけ開く富本憲吉文化資料館になる予定。
毎日新聞より。
5月30日死去、98歳。
赤い帽子の少女の絵で知られ、平成7年に「夕やけ空の風景」で恩賜賞・日本芸術院賞を受賞。8年、出身地の福岡県に碓井町(現・嘉麻市)立織田廣喜美術館が開館。18年から二科会理事長を務め、現在は名誉理事長。
産経新聞より。
唐招提寺(奈良市)と凸版印刷は31日、国宝の鑑真和上坐像(奈良時代、脱活乾漆造り)の姿を後世に残そうとデジタル計測を行い、寸法や色彩などを詳細に記録することに成功したと発表した。
鑑真和上坐像は、唐招提寺で毎年6月に3日間だけ公開。同寺が現在、京都市の財団法人「美術院国宝修理所」で「お身代わり像」として模像を制作しており、今回のデータはお像の修復や復元にも期待されている。
共同通信より。
熊本市現代美術館が香南市の資料館「絵金蔵」から借用した屏風絵5点が変色した問題で、同美術館は30日、修復作業を6月から始めると発表した。約2000万円をかけて14年度中の完了を目指す。
作品の変色は、10年7月に専門業者が薫蒸作業をした際、薬剤の成分が緑色の顔料に含まれる銅と化学反応を起こしたことが原因。その後も変色が進み、昨年5月にようやく止まった。
毎日新聞より。スクラップ2010年9月16日の続報






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