2012年
02/02 米現代芸術家マイク・ケリーさん、自殺か
マイク・ケリーさん(57)が1月31日、ロサンゼルス近郊の自宅で死亡しているのが見つかった。地元警察では自殺とみているとのこと。米メディアが1日報じた。遺書などは見つかっていない。
ケリーさんは使い古しのぬいぐるみを使う作品で注目された。「スーパーマン」に登場する架空都市を題材とした彫刻など、現代人心理を揺さぶる制作を続けていた。
読売新聞より。
奈良県橿原市の新堂遺跡で、12世紀初めに埋められた井戸の中から、鬼の顔を墨で描いた土器片が見つかり、市教育委員会が2日、発表した。市教委によると、鬼を描いた土器は全国でも確認されていないという。
鬼の顔は丸く割られた茶わんの底(直径10センチ)に描かれていた。への字口から2本の牙が上向きに生えているのが特徴。角はない。
共同通信より。
スペイン・マドリードのプラド美術館は4日までに、レオナルド・ダビンチの「モナリザ」の複製画で同美術館が所蔵する「プラドのモナリザ」が、ダビンチの制作と同時期に同じアトリエで弟子の一人が描いたものだったと発表した。
同美術館によると、モナリザ最初の複製画とみられる。専門家らが「プラドのモナリザ」を修復中、黒く塗りつぶされていた背景の下に、ダビンチが制作したオリジナルと極めて類似した風景が描き込まれていたことを発見。細部を調べた結果、オリジナルと同時期に描かれたことを確認した。
共同通信より。2月22日付ロイターによりますと「複製画はプラド美術館で21日から3月13日まで一般公開された後、ルーブル美術館でモナリザと並んで展示される」とのこと。
イタリア西岸で座礁した大型客船コスタ・コンコルディアに、葛飾北斎や東洲斎写楽らの浮世絵コレクション20点を含め、6千点以上の芸術品が残されていることが分かった。船は沿岸警備隊が監視しているが、盗難が懸念されている。
運営するコスタクルーズ社によると、浮世絵は船内の健康施設に飾られていたとのこと。「北斎漫画」12点、写楽の役者絵1点、喜多川歌麿の美人画3点などがあったという。また船内のバーにはマティスやヘンリー・ムーアの絵画、19世紀のベネチアガラスのグラスなど様々な骨董が飾られていた。
朝日新聞より。
竹久夢二(1884〜1934年)の未確認の肉筆画が、静岡市の旧家から見つかった。大正初期に描かれたとみられる作品だが、これまで研究者の間でも存在を知られていなかった。
かんざしを着けた着物姿の細身の女性が腰をかがめてのれんをくぐる様子を描いた作品で、縦約98センチ、横約32センチ。二曲一隻の屏風に仕立てられ、左側に美人画が、右側には同時代の歌人、吉井勇の短歌が貼り込まれているとのこと。
作品を所蔵していた旧家は、昭和初期に吉井が滞在し、かつて郵便局長宅だったとされる。展覧会を企画した同館学芸員が、夢二研究者の手紙の中に「静岡市内に夢二の肉筆画がある」との記述を見つけ、所在を突き止めた。所蔵の経緯は分かっていないが、保存状態は良好とのこと。
中日新聞より。見つかった作品は「茶屋の娘」と名付けられ、静岡市美術館で開催中の「竹久夢二と静岡ゆかりの美術展」で2012年3月25日まで公開されるとのこと。
ジャン=フランソワ・ミレー(1814〜75年)の油彩画『古い塀』が、甲府市の山梨県立美術館で展示されている。日本初公開の作品で、ミレーが風景を描き始めた1862年頃の作品。存在自体は知られていたが長く個人の所蔵で、一般の目に触れる機会が少なかった。
『古い塀』は、ミレーが定住したバルビゾン村とフォンテーヌブローの森を区切る古い生け垣と、崩れた生け垣の切れ目から顔をのぞかせる野生のシカを描いた風景画。大きさは縦50・8×横61・6センチ。生け垣の奥に鬱蒼とした森が広がり、生け垣の手前にはタンポポやカエル、草木も描き込まれている。これ以降の晩年期は風景画が多い。
作品は山梨県が昨年12月、画商を通じて1億8732万円で米国の美術愛好家から購入した。この愛好家の家が代々所蔵していたという。一般公開は2000年のイタリア国内以来で、世界的にも12年ぶり。
『種をまく人』『落ち穂拾い、夏』をはじめとする収蔵作品から、“ミレー美術館”の異名もある同美術館のミレー作品購入は、2008年の『眠れるお針子』以来。収蔵するミレー作品は69点目となったとのこと。
産経新聞より。スクラップ2011年11月22日の続報。“ミレー美術館”=山梨県立美術館。「古い塀」は同館にて2012年1月21日より公開。
写真家の石元泰博さんが6日、亡くなった。90歳。
60年、建築家・丹下健三らとの共著「桂 日本建築における伝統と創造」(日本語版と英語版)を刊行。京都・桂離宮の庭石などを斬新な構図でとらえた作品が高く評価され、脚光を浴びた。変わりゆく戦後日本の風景をシャープな構図でとらえたほか、伊勢神宮や東寺の両界曼荼羅の撮影では伝統文化へのアプローチに新たな地平を切り開いた。78年芸術選奨文部大臣賞、96年文化功労者顕彰。東京造形大教授も務めた。
毎日新聞より。
中国唐代の詩人白居易の詩文集「白氏文集」の世界最古とみられる写本2巻が発見されたとのこと。
見つかったのは、鎌倉時代に金沢文庫(横浜市)に収蔵され、その後散逸した写本のうち「巻二十三」と「巻三十八」。いずれも平安時代に作られたものとみられ、現存する写本の中でこれより古いものは中国にも存在しないという。同館が昨年秋に新町三井家から寄贈された美術工芸品の中にあった。
時事通信より。三井記念美術館「茶会への招待―三井家の茶道具―」にて公開。会期は2012年2月8日〜4月8日
唐招提寺の国宝・鑑真和上坐像(奈良時代、脱活乾漆造り)が、同じ技法の像とは異なり、細部は粗い造りだったことが分かり、7日、財団法人美術院(京都市)が発表した。同寺の依頼で模像を制作している文化財の修理が専門の美術院の調査で判明した。
共同通信より。
AFP通信によると、アントニ・タピエスさん(スペインの画家)が6日、バルセロナで死去、88歳。
欧州現代美術を代表する芸術家の一人とされ、布など様々な素材を使った抽象画やオブジェで知られる。1960年代にはフランコ政権に対する反政府活動に参加し一時身柄を拘束された。
朝日新聞より。
茨城県ひたちなか市教育委員会は8日、国内最大規模とされる横穴墓群「十五郎穴横穴墓群」(ひたちなか市)の発掘調査で、奈良市の正倉院に納められた宝物と類似した、帯からひもでぶら下げるための「帯執金具」付き刀子(小刀)が発見されたと発表した。
市教委によると、こうした形の刀子が横穴墓で見つかった例は全国で初めての可能性が高い。
共同通信より。
7日行われたクリスティーズのオークションで、ジョアン・ミロの作品が1680万ポンド(約20億6000万円)の高値で落札されたとのこと。ミロの作品としては過去最高の値段。また、女優の故エリザベス・テーラーさんが所有していたゴッホの作品も1010万ポンド(約12億4000万円)で競り落とされた。
落札されたミロの絵は「ペインティング・ポエム」と題された1925年の作品。事前予想の900万ポンドを大きく超える高値で落札された。ミロの作品のこれまでの最高値は2008年にニューヨークで記録された1700万ドル(約13億円)だった。
ゴッホの絵は「サンレミの保護院と礼拝堂の風景」。1890年の作品で、テーラーさんの父が1963年に購入し、テーラーさんが所有していた。事前予想は700万ポンドだった。
時事通信より。
高橋由一(1828〜94)の油彩画「驟雨(しゅうう)図」(縦45・5センチ、横76・2センチ)を、栃木県が4500万円で購入したとのこと。
「驟雨図」は、画風を確立した後の1877(明治10)年ごろの作品。大きな雲とにわか雨を中心に、天気の移り変わりや、雨がやんで屋形船を出そうとしている船頭の姿が描かれている。イタリア人画家フォンタネージに師事して習得した空気遠近法が用いられている。
栃木県立美術館は、高橋の油彩画の所蔵が悲願だったといい、開館40周年にあわせ、美術作品等取得基金を活用して作品を購入した。
朝日新聞より。高橋由一についてその1。「驟雨図」は3月6〜25日、栃木県立美術館で特別公開されるとのこと。後に「高橋由一展」(東京芸大美術館など)に出品。
中野市の山田家資料館から10年10月に発見された、高橋由一作の油彩肖像画の修復が終わり、市立博物館で特別公開されているとのこと。
油彩画は、豪農・山田家の当主を描いた「第十一代山田荘左衛門顕善像」(縦53センチ、横41センチ)。山田家の旧宅である資料館で発見され、由一作と鑑定された。東京芸術大に修復を依頼し、絵の表面の汚れなどを除去して鮮やかさがよみがえった。
描かれたのは1883(明治16)年。顕善は製糸・生糸貿易の融資などで横浜などに出向いており、東京で肖像画を描く商売をしていた由一を知ったとみられる。
会場では、顕善が肖像画を依頼した経緯を記した日記や、由一との手紙のやり取りなども展示。上京して由一にデッサンしてもらったり、絵の構図や値段についてやり取りをしたりと、制作の過程が詳細に記述されている。由一の資料は多く残っているが、描かれた側の資料は珍しいという。
毎日新聞より。高橋由一についてその2。油彩画「第十一代山田荘左衛門顕善像」は中野市立博物館で公開。会期:2012年2月4日(土)〜3月19日(月)
鎌倉幕府の根本法典「御成敗式目」の制定で知られる3代執権・北条泰時(1183〜1242年)が創建した、神奈川県鎌倉市の常楽寺の本尊、阿弥陀三尊像から、制作時期とみられる「仁治三年(1242年)六月十二日」の墨書が確認されたとのこと。泰時の出家の33日後、死の3日前にあたり、専門家は「死期を予感した泰時が、極楽往生を願って急いで造らせたのでは」としている。
三尊像は木造で、中央の阿弥陀如来像は像高70センチ、左右の観音・勢至菩薩像は同85センチ前後。作風に中国・宋の影響があり、鎌倉時代の仏師・定慶の作とみられるという。これまで室町時代の作とされていたが、昨秋、山本勉・清泉女子大教授(日本彫刻史)が調査。阿弥陀像の台座内部に、僧侶の名や日付が書かれているのを確認した。17日、市の文化財に指定された。
読売新聞より。
京都にある加賀前田家2代、利長の御霊屋(霊廟)に、長谷川派の絵師が描いた可能性がある「来迎図」が現存していることが18日までに、財団法人北國総合研究所(金沢市)の調べで分かった。今月末に実施する第17回「長谷川等伯ふるさと調査」で、前田家との接点の有無を探る。
「来迎図」があるのは京都市北区、大徳寺の塔頭である芳春院。来迎図は板絵で、1614(慶長19)年に死去した利長の五輪塔を取り巻く壁と天井に描かれていた。
利長と長谷川派を巡っては、利長が長谷川等伯に命じて芳春院の「客殿の絵」を描かせた、と記された古文書が芳春院に残っている。等伯は利長死去の4年前である1610(慶長15)年に他界していることから、長谷川等伯ふるさと調査団員の北春千代県立歴史博物館学芸主幹は、等伯の三男宗也、四男左近ら同派の絵師が描いたことも考えられると指摘。団長を務める嶋崎丞県立美術館長は「いまの時点では、長谷川派と断定できない。が、精細に調べてみる価値はある」と話した。
北國新聞より。
佛教大(京都市)は20日、江戸末期に京都で活躍した円山派や四条派などの有名絵師36人の絵を貼り交ぜた屏風が、所蔵史料の中から見つかったと発表した。京都の有力商家が絵師に発注したとみられるとのこと。
佛大は、江戸後期に京都で両替商や貸金業を営んだ前川家の文書類を2003年に入手。調査の過程で10年に屏風の存在を確認し、京都国立博物館が調べていたとのこと。
屏風は六曲一双で、それぞれ高さ171センチ、幅377センチ。36枚の絵は山水や花鳥、人物など多岐にわたる。9枚ずつ分け、四季を描いたとみられる。うち1枚に1816(文化13)年を示す記述があり、この時期に前川家がつくらせたと考えられる。
円山応挙の長男・円山応瑞や四条派の松村景文、岸派をなした岸駒といった京都で活躍した絵師を中心に、狩野派や土佐派の絵師も含まれており、制作当時の絵師の年齢も20〜70歳代と幅広かったとのこと。
佛大は修復後に一般公開する予定。
京都新聞より。
香南市に伝わる幕末の絵師、金蔵(絵金)の芝居絵屏風5点が、貸出先の熊本市現代美術館の薫蒸ミスで黒く変色した問題で、5点とも変色部分の一部が元の緑色に戻りつつあることが20日までに、東京文化財研究所の分析で分かった。しかし、どこまで回復するのかは予断を許さない状態といい、関係機関が今後、クリーニング作業に入る。絵屏風は2010年7月、同館の薫蒸委託業者が不適切な薬剤を使用し、絵の緑色が黒く変色した。
東文研や同館によると、11年5月の段階で変色した一部が黄色がかり、同8月には緑色に戻っている箇所がいくつか見られたとのこと。5点のうち「八百屋お七歌祭文 吉祥寺」は、絵の左下に描かれた石臼を使う女性の膝周辺が、緑が透けて見えるようになってきたという。
高知新聞より。
競売大手サザビーズは21日、ノルウェーの画家エドバルト・ムンク(1863〜1944)の代表作「叫び」を、5月2日にニューヨークで開かれる競売にかけると発表した。
「叫び」4点のうち、1895年に描かれたパステル画で、同社は8千万ドル(約64億円)以上の高値で落札される可能性があると予想している。他の3点はノルウェーの首都オスロにある二つの美術館が所蔵。
共同通信より。
フランス公共ラジオによると、2011年の世界の絵画競売市場で中国人の張大千氏(1899〜1983年)の作品が、スペインの画家パブロ・ピカソ(1881〜1973年)の作品を抜き取引額でトップとなった。フランスのネット画商アートプライスが23日明らかにした。
アートプライスによると、中国の絵画競売市場は2010年以来、取引額世界一の活況を呈しており、同社のランキングでトップ10に中国人画家6人が名を連ねているという。
同ラジオによると、張氏の作品の売上高は約5億5450万ドル(約443億7千万円)。
共同通信より。






topback