2012年
04/05 ダリの絵、5月競売に 15年ぶり出品
サザビーズは4日、サルバドル・ダリの作品「PRINTEMPS NECROPHILIQUE(死体愛の春)」(1936年)を5月2日に米ニューヨークで競売にかけると発表した。
サザビーズは、この作品が市場に出るのは約15年ぶりとしている。落札予想価格は800万〜1200万ドル(約6億6千万〜9億9千万円)。
共同通信より。
奈良時代、国家事業として行われた写経の担当者が書いた「休暇願」と、写経所の食材の使用状況を記した正倉院文書が見つかったとのこと。
明治初期までに流出し、太平洋戦争後は所在不明になっていたが、東京の個人が秘蔵していたものを奈良国立博物館が調査して確認。ほぼ奈良時代当初の姿を保っているとのこと。
文書は縦約29センチ、横約25センチ。表には「万昆嶋主(まこんのしまぬし)」という名前の下級役人で経文を筆写する担当者(経師)が、重病にかかった「姑(父親の姉か妹)」の看病のために4日間の休暇を願い出た内容が墨書きされているとのこと。「天平寶字(てんぴょうほうじ)二年(758年)七月●(にじゅう)八(28)日」の日付があった。(●は廿から下の横棒を取る)
読売新聞より。
中川幸夫さんが3月30日、死去したことが7日分かった。93歳。
池坊に学ぶが30歳を過ぎて脱退、独自の道を歩んだ。チューリップの花びらを大量に空から降らせるイベントや、大量のカーネーションをガラス器に閉じ込めた「花坊主」など、既成の概念にとらわれない作品を次々に発表し、現代美術の分野からも高く評価された。平成11年「織部賞」グランプリ受賞。 写真家の荒木経惟さん、舞踏家の大野一雄さんら、他ジャンルの芸術家とも共作を重ねた。
産経新聞より。
インターネットを通じて世界の美術作品を無料で鑑賞できる米グーグル社の「グーグルアートプロジェクト」に9日、日本の美術館と博物館6館が初めて加わった。
参加したのは東京国立博物館(東京)▽国立西洋美術館(同)▽サントリー美術館(同)▽ブリヂストン美術館(同)▽足立美術館(島根県安来市)▽大原美術館(岡山県倉敷市)。総計567件(国宝16件、重要文化財51件含む)の高精細画像が閲覧でき、うち東京国立博物館の狩野秀頼作「観楓図(かんぷうず)屏風」(室町〜安土桃山時代、国宝)など2点は70億画素の解像度で細部まで見ることができる。一部の館では「ストリートビュー」機能を使った仮想鑑賞ツアーも楽しめる。
同プロジェクトは昨年2月、欧米17美術館で開始。今月からアジアや南米を含む計151館、計3万件以上が閲覧可能となった。
島根県の出雲大社は10日、宮司の蔵に代々秘蔵されていた、高さ約48メートルあったとされる古代高層神殿の平面設計図「金輪御造営差図」の原本を公開した。今後は島根県立古代出雲歴史博物館が、紙質や書き込まれた文字などから、描かれた年代を調べ、高層神殿がいつから存在していたのかなどの謎を解明するための調査を行う。
発表によると、設計図は縦約42・5センチ、横約30センチの紙に描かれ、布に貼り付けて巻物として保管されていた。
これまでは江戸時代に描かれたとされる写本を公開してきたが、出雲大社が約60年に1度の遷宮を迎えたことなどから、原本の公開を決めた。
共同通信より。
横尾忠則さんの作品を収蔵・展示する兵庫県立美術館王子分館「原田の森ギャラリー」(神戸市)の西館が今年11月、「横尾忠則現代美術館」として開館することが10日までに分かった。作品は横尾さんが兵庫県に寄贈、寄託。同月から新作絵画を中心とした開館記念展が予定されているとのこと。
横尾さんは2007年8月、県に作品や資料の寄贈を提案し、昨年9月に合意。老朽化のため改修中だった西館を活用することが決まった。
美術館は横尾さん制作の絵画のほぼ全作品と、版画やポスター、資料など計3千点以上のコレクションを収める世界最大の拠点となる。開館後は年4回のペースで展覧会を開く。
神戸新聞より。
旧ユーゴスラビアのセルビアの警察当局は12日、2008年にスイスの美術館から盗まれたセザンヌの名画「赤いチョッキの少年」が見つかったと明らかにした。AFP通信などが伝えた。地元メディアは約1億ユーロ(約106億円)の価値があるとしている。
当局は、事件に関与した疑いでセルビアの首都ベオグラードなどで男4人を逮捕した。その際、150万ユーロと大量の武器・弾薬も押収。
「赤いチョッキの少年」は08年2月、スイス・チューリヒの美術館「ビュールレ・コレクション」に押し入った覆面の男3人に、ゴッホ、モネ、ドガの作品とともに強奪された。モネとゴッホの作品はほどなくチューリヒ市内で見つかったが、ドガの「ルピック伯爵と娘たち」の行方は分かっていない。
朝日新聞より。スクラップ2008年2月11日2月20日の続報
高田敬輔(けいほ)(1674〜1755)の最晩年のふすま絵が近江八幡市の旧家で見つかり、滋賀県立近代美術館に寄贈されたとのこと。現在の日野町出身で、40年近く前に美術誌で取り上げられた作品だが、所在が不明だった。傷みが激しいが、同館は「代表作の一つに数えられる最重要作品」としている。
今回のふすま絵は亡くなる前年、81歳の時に描いた作品。縦約170センチ、横約93センチのふすま4枚の表裏に「竹林七賢琴棋書画図」と「楼閣山水図」が描かれている。75年に東洋美術誌「國華」で紹介され、同館が05年に敬輔の企画展を開いた際には所在が確認できなかった。近江八幡市の旧家で建具として使われ、このほど所有者から同市を通じて寄贈されたとのこと。
毎日新聞より。
故岡本太郎さんの巨大壁画「明日の神話」の亀裂を修復する保全作業が16日、展示されている東京・渋谷駅構内で始まった。
コンクリート板に描かれた壁画は2003年、メキシコ市郊外で見つかった。大小さまざまな破片に割れていたが、修復を経て08年から渋谷駅に展示。一昨年と昨年の猛暑で、絵が貼り付けてあるアクリル板が膨張し、破片の間にある亀裂が広がった。作業は22日まで行う。
共同通信より。
東日本大震災の津波で流された、岡倉天心ゆかりの「茨城大学五浦美術文化研究所六角堂」(茨城県北茨城市)の再建工事がほぼ終わり、17日、関係者や報道陣に公開された。
六角堂は天心が1905年、太平洋を望む五浦海岸の岸壁に建設。度重なる修復で、流失前は創建時と違う姿になっていたため、茨城大のチームなどが当初の造りに復元した。総工費の大半は、集まった寄付金約3500万円で賄ったという。
共同通信より。
文化審議会は20日、南宋の僧・普悦(ふえつ)が描いた中国仏教絵画「絹本著色(けんぽんちゃくしょく)阿弥陀三尊像」(京都・清浄華院)、山形県・西ノ前遺跡で出土した縄文時代中期の土偶(山形県)の2件を国宝に、美術工芸品46件を重要文化財にそれぞれ指定するよう文部科学相に答申したとのこと。
また、「博物館網走監獄庁舎」(北海道網走市)、「日本福音ルーテル復活教会」(名古屋市)など29道府県の建造物166件と、考古学者藤森栄一氏が収集した「諏訪地域考古資料」(長野県諏訪市)を登録有形文化財に登録するよう答申した。
重要文化財指定を答申されたのは以下の通り。(カッコ内は所有者)
【絵画】▽絹本著色石田正継像(京都・寿聖院)▽亜欧堂田善(あおうどうでんぜん)筆の銅版画東都名所図、銅版画見本帖(じょう)(福島県須賀川市)▽絹本著色三十三所観音像(岐阜・華厳寺)
【彫刻】▽木造天王立像(国)▽木造不動明王坐像(ざぞう)(神奈川・明王院)▽木造蘭渓道隆坐像(同・建長寺)▽木造十二神将立像(同・曹源寺)▽木造男神坐像・女神坐像(同・箱根神社)▽木造千手観音坐像(石川・海門寺)▽木造千手観音立像(福井・高成〈こうじょう〉寺)▽木造愛染明王坐像(愛知・甚目〈じもく〉寺)▽木造獅子(京都・教王護国寺)▽木造弥勒(みろく)仏坐像(奈良・弥勒寺)▽木造天神坐像(同・與喜〈よき〉天満神社)▽木造執(しゅ)金剛神立像、木造深沙(じんじゃ)大将立像(和歌山・金剛峯寺)▽木造足利尊氏坐像(大分・安国寺)▽銅造観音菩薩立像(同・長谷寺)
【工芸品】▽光悦作赤楽兎文香合(あからくうさぎもんこうごう)(東京・出光美術館)▽絵唐津芦文(えがらつあしもん)大皿(国)▽灰被(はいかつぎ)天目茶碗(国)▽伝法衣(でんぽうえ)(京都・東福寺)
【書跡・典籍】▽長秋詠藻(ちょうしゅうえいそう)(東京・日本大学)▽釈氏往来(国)▽玉篇巻(ぎょくへんかん)第九零巻(国立文化財機構)▽峯相(みねあい)記(兵庫・斑鳩寺)▽庭訓(ていきん)往来(島根・神門〈かんど〉寺)
【古文書】▽臨川寺領大井郷界畔(はん)絵図(京都・天龍寺)▽明月記(東京・日本大学)▽竹生(ちくぶ)島文書(滋賀・宝厳寺)▽鵤庄(いかるがのしょう)引付(兵庫・斑鳩寺)▽大山祇(おおやまづみ)神社三島家文書(愛媛・大山祇神社)▽小田家文書(長崎県)
【考古資料】▽二枚橋2遺跡出土品(青森県むつ市)▽有戸鳥井平4遺跡出土土偶(同県野辺地町)▽桑野遺跡出土品(福井県あわら市)▽朝日遺跡出土品(愛知県)▽馬越長火塚(まごしながひづか)古墳出土品(愛知県豊橋市)▽五色塚古墳出土品(神戸市)▽島内(しまうち)地下式横穴墓群出土品(宮崎県えびの市)▽前原(まえばる)遺跡出土品(鹿児島県)
【歴史資料】▽メートル条約並度量衡法関係原器(東京・産業技術総合研究所)▽仙台藩天文学器機(仙台市)▽世界及日本図八曲屏風(びょうぶ)(福井県)▽国友一貫斎作反射望遠鏡(長野県上田市)▽東寺御影堂(みえどう)牛玉宝印板木(京都・教王護国寺)▽対馬宗家関係資料(長崎県)
読売新聞より。
鳥取県米子市の八幡神社で平安時代の神像6体が発見され、一般公開されたとのこと。同時代の神像がまとまって発見されるのは全国的にも珍しく、1体は山陰最古のものとみられるという。
神像は昨年12月、内藤和比古宮司が拝殿の奥にあったのを発見。四つの木箱に神像23体が収められていたとのこと。調査した関西大文学部の長谷洋一教授(彫刻史)によると、彫刻の形などから、6体は平安中期から後期に作られたものだという。
女神像3体、男性の神像2体、僧侶の形をした像1体。女神像のうち1体は、丸顔でふっくらとした彫刻の特徴から、10〜11世紀頃に作られた山陰最古のものとみられ、他の5体は12世紀頃のものとみられるという。
読売新聞より。
ピカソが描いた最大の作品とされる「バレエ『パラード』の舞台装置用緞帳」が、5月にフランス北東部メッスの現代美術館ジョルジュ・ポンピドー芸術文化センター別館で公開されることになった。26日付パリジャン紙などが伝えた。
緞帳は縦10・5メートル、幅16・5メートルで、重さも45キロある。1917年にパリのシャトレ劇場でバレエ「パラード」が初演された際に、公演用に描かれた。
ピカソは同バレエで美術・衣装を担当。台本ジャン・コクトー、音楽エリック・サティという当時の気鋭芸術家が結集した「パラード」は、前衛的すぎるなどとして、評価をめぐり大論争を巻き起こした。
産経新聞より。
聖武天皇が愛用した正倉院宝物の碁盤「木画紫檀棊局(もくがしたんのききょく)」(8世紀)の内部の部品に、構造上不要な切り抜きや穴があることがわかった。碁石を入れる二つの引き出しが同時に開く仕掛けを試行錯誤した跡らしい。宮内庁正倉院事務所(奈良市)が26日発表の「正倉院紀要第34号」で明らかにした。
棊局(約49センチ四方、高さ12.7センチ)は象牙などでラクダや鳥の姿をあしらった豪華なもの。左右両側の引き出しに納めた亀形の器に碁石を入れ、一方を引き出すと、もう一方も自動的に引き出される仕掛けがあり、1958年のX線調査で仕掛けのためのクランク状の装置が見つかっている。
今回新たなX線写真や内視鏡の画像で構造を細かく調べたところ、引き出しの底板がかまぼこ形に切り抜かれていることや、底板とクランクをつなぐ木の葉形の部材の数カ所に穴があることが確認できた。
朝日新聞より。






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