2008年
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11/03 百済で作られた青銅菩薩立像が出土、熊本の「鞠智城跡」で
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熊本県教委は3日、同県北部の国史跡の古代山城「鞠智城跡」(山鹿市、菊池市)で青銅製の菩薩立像が見つかったと発表した。顔立ちなどの特徴から朝鮮半島の古代国家・百済で7世紀後半に作られたのはほぼ確実という。百済の青銅仏像は国内では初めての出土。 菩薩像は全長12.7センチ、幅3センチで、頭飾と肩から足にかけて垂らした天衣を着け、横から見るとS字を描くような姿勢。先月23日に貯水池遺構北端の深さ約1.5メートルの地中で見つかったとのこと。 大和朝廷は663年、百済を支援した白村江の戦いで、中国・唐と朝鮮半島の国家・新羅の連合軍に敗れ、襲来に備えて7世紀後半に鞠智城を築いたとされるが、菩薩像の年代は鞠智城の築造時期とも符合するため、築城に携わった身分の高い百済人が持ち込み、仏堂に安置したか、携帯していたとみられる。 読売新聞。
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共同通信より。
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情報公開請求などで入手した所蔵リストによると、衆院は246点、参院は204点の油絵や日本画を所有しているとのこと。無名作家の作品も多いが、中には東山魁夷氏の「海(波響く磯)」(100号)「晴れゆく嶺」(100号)、平山郁夫氏の「大和風景(正倉院)」(50号)、片岡球子氏の「めでたき富士(大観山の富士)」(リトグラフ、50号)などがある。ほとんどが議事堂内の議長室や議員控室にあるが、一部は正副議長公邸などにも飾られているとのこと。 絵画購入の経緯について両院とも「過去のことで分からない」と回答。購入額は「画家や画商との信頼関係が損なわれる」(衆院)、「外部に出すものではない」(参院)などの理由で明らかにしなかったとのこと。ただ関係者によると、購入は昭和50年代から平成の初めごろに集中しており、公費の使い方が厳しく論議されるようになったここ十数年は寄贈のみという。 毎日新聞。
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京都府木津川市の浄瑠璃寺や奈良県葛城市の当麻寺で、アライグマが国宝や重要文化財を傷つけるなどの被害が続出していることが分かった。京都府内の8割の寺社でアライグマの痕跡が確認されたとの調査結果もあり、文化庁が6日、浄瑠璃寺の現地調査に入ったとのこと。 浄瑠璃寺では国宝・三重塔内の柱に描かれた天部像の顔がひっかかれ、天井の一部が破損。重文の薬師如来像も右肩の衣部分の朱色顔料などに傷つけられた跡があったとのこと。当麻寺の国宝・三重塔の西塔では今年5月、足跡が見つかった。同寺中之坊の茶室「九窓席」(重文)では屋根裏を走り回り、天井の数カ所に穴が開いたという。県猟友会葛城支部が6月、境内におりを設け、居着いていた1匹を捕獲した。被害は世界遺産の東大寺(奈良市)や清水寺(京都市)にも及んでいるという。 毎日新聞。奈良県では昨年アライグマが136匹捕獲されたそうです。
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滋賀県西浅井町の塩津港遺跡(平安時代後期)で、神社遺構から11〜12世紀とみられる木製神像5体が出土したとのこと。人目に触れず、神殿奥に安置される神像が、同時に複数見つかるのは初めて。 遺構の堀跡(深さ約60センチ)から見つかった神像は、高さ10.5〜15.2センチ。男神2体と女神が3体。男神1体は冠を着けた礼装姿。女神1体は髪を垂らして胸の前で腕を組んでいたとのこと。 読売新聞。
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京都市右京区の天龍寺塔頭、宝厳院で11日、洋画家・田村能里子さんが2年がかりで完成させた襖絵58面が披露された。 本堂の3部屋に納められ、タイトルは「風河燦燦 三三自在」。33の姿に変化した観音菩薩が人を救済するという仏教の教えから、大自然で生きる33人が鮮やかな赤色で表現されているとのこと。 読売新聞。「一般公開は来年1月10日〜5月31日の予定」とのことです。
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第30回サントリー学芸賞の受賞者が12日、発表されたとのこと。 各部門の受賞者。 【政治・経済】▽大阪大教授・堂目卓生「アダム・スミス」(中央公論新社)▽立教大教授・松田宏一郎「江戸の知識から明治の政治へ」(ぺりかん社) 【芸術・文学】▽大阪大招聘研究員・奥中康人「国家と音楽」(春秋社)▽京都造形芸術大准教授・林洋子「藤田嗣治 作品をひらく」(名古屋大学出版会) 【社会・風俗】▽慶応大准教授・片山杜秀「音盤考現学」「音盤博物誌」(アルテスパブリッシング)▽ノンフィクション作家・平松剛「磯崎新の『都庁』」(文芸春秋) 【思想・歴史】▽鹿児島大教授・日暮吉延「東京裁判」(講談社)▽岡山大准教授・松木武彦「列島創世記」(小学館) 読売新聞より。
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クリスティーズ社によると、米ニューヨークで12日開かれたオークションで、草間彌生さんの初期作品「No.2」(1959年)が579万ドル(約5億7000万円、手数料込み)で落札されたとのこと。草間さんの作品では、過去最高の落札額。 作品は縦1メートル83、横2メートル74。渡米後、初個展を開いた時期に描かれたとのこと。 読売新聞。
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奈良市の新薬師寺旧境内を調査中の奈良教育大学は13日、先月見つかった8世紀中ごろの創建時の金堂(七仏薬師堂)跡について、基礎部分の東西幅が発見時の想定より14メートル長く約68メートルだったと発表した。 金堂建物の東西幅は推定約59メートル。江戸時代に再建された現在の東大寺大仏殿の東西幅(約57メートル)を上回り、当時では創建時の大仏殿の東西幅(約85メートル)に次ぐ規模という。 日経新聞。
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韓国国立中央博物館が所蔵する美術品の中から、小磯良平(1903〜88)の作品で、行方が分からなくなっていた「日本髪の娘」が見つかったとのこと。同館は18日から開かれる「日本近代西洋画」展で戦後、初めて公開する。 「日本髪の娘」は35年の作品。着物の女性がいすに座った姿を描いているという。同博物館の前身、李王家美術館が33年から45年まで収集した作品の中に含まれていたとのこと。 時事通信。記事中に「戦後、初めて公開する」とありますが、「2005年に韓国国立現代美術館で1度公開されたことがある」(11月15日付日経新聞)と、韓国中央博物館が訂正したとのことです。
追記:11月24日付産経新聞によりますと、小磯良平以外に佐竹徳(1897〜1998)の「ダリヤ」、田辺至(1886〜1968)の「少女」「繍屏」、鹿子木孟郎(1874〜1941)の「水鏡」、中村不折(1866〜1943)の「王義之」などが今回公開されるそうです。 |
ニューヨークのクリスティーズで12日に行われたオークションで、フランシス・ベーコンの自画像が予想落札価格に届かずに競りが中止されるなど、最近の世界的な経済危機が美術品市場にまで及んでいることが印象付けられた。 落札されなかったベーコンの作品は1964年に描かれた「自画像のための習作」で、今回のクリスティーズのオークションの目玉として4000万ドル(約39億円)の値段が付くものと見積もられていた。しかし、競りの値段は2740万ドルでストップし、クリスティーズはこの競りを中止したとのこと。5月のニューヨークのオークションでは、ベーコンの3部作が8620万ドルの最高記録で落札されていた。 時事通信。「11月初めに始まった秋のオークションシーズンでは、印象派や近・現代画家の作品の値段が大きく下がり、落札に至らない作品の割合は30−40%に達している」らしいです。
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今年1月に103歳で亡くなった日本画家、片岡球子さんの遺族が、代表作18点を片岡さんの出身地の札幌市に寄贈したとのこと。 作品は裸婦をモチーフにした晩年の連作「ポーズ」。23点のうち、東京国立近代美術館所蔵4点と個人所蔵1点の計5点を除く18点。評価額は8600万円。片岡さんが83〜05年、展覧会出品のため毎年1点ずつ描いた。奥岡茂雄・札幌芸術の森美術館長によると、裸婦は片岡さんが初めて取り組んだモチーフで、自らの画家人生の最後の仕事と位置づけていたという。 毎日新聞。来年1月31日〜3月29日、札幌芸術の森美術館で一般公開されるとのこと。
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浮世絵の本格的開祖、江戸前期の画家・菱川師宣(?〜1694)が描いたとみられる肉筆画「江戸名所風俗図巻」が新たに見つかった。花見や芝居見物といった江戸の四季の風俗を描いた晩年の作品とのこと。 肉筆画は長野市の個人宅から見つかり、上下巻から成る。タテ約43センチ、全長は上下巻で約25メートル。金泥など上質の絵の具を使ったとみられ、色鮮やか。小林忠・学習院大教授は、落款や表現の巧みさなどから、上巻は師宣自身の作であり、下巻は弟子による可能性が高い、と判断したとのこと。上巻には、上野の山で花見を楽しむ人々や中村座歌舞伎小屋の内外などが描かれている。 朝日新聞。
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豊臣秀吉が築いた初代伏見城の堀跡とみられる遺構がある伏見城跡・桃陵遺跡で、江戸時代前期の純金製飾り金具の一部や金箔を施したピンセット状の道具など金製品約20点が見つかったとのこと。西近畿文化財調査研究所によると、金箔の煙管の吸い口や先端、輪や棒状の金具なども含まれていた。家紋が入った漆塗りの椀も出土した。
読売新聞。
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朝日新聞より。以前、京都国立博物館の耐震化に関する記事を紹介したのですが、こちらは他館についても掲載されているので改めて。
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【パリ=共同】フランス国立自然史博物館は20日までに、米ワシントンのスミソニアン博物館が所蔵する「ホープのダイヤモンド」は、フランス革命中にパリで盗まれた「王家の青ダイヤ」(別名パリのバラ)をカットし直したものである可能性が高いとの研究結果を発表した。20世紀半ばにダイヤ商人がスミソニアンに寄贈した「ホープ」は、着用した者の多くが不幸に見舞われたと言い伝えられる「凶運のダイヤ」。 69カラットの大きさだったとされる王家の青ダイヤは、フランス人旅行家がインドから持ち帰り、国王ルイ14世に売却した品とされる。青ダイヤを身に着けたとみられるルイ16世は1793年に断頭台で処刑された。青ダイヤは1792年の展覧会で盗み去られた後、行方が分からなくなったが、フランス国立自然史博物館でこのほど、鉛で作った青ダイヤの複製品が見つかったとのこと。分析の結果、この複製品の中に45.5カラットのホープがすっぽりと納まることが分かったという。 日経新聞。
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長野市の善光寺は21日、所蔵している阿弥陀如来立像が鎌倉時代の仏師、快慶の作である可能性が高いとして、東京芸大大学院美術研究科に調査を依頼した、と発表した。 仏像は高さ98.5センチ。光背と台座を合わせると194.4センチ。木像で全身に金箔が厚く施されている。由来は不明で、古くから本堂の奥に保存されていたとのこと。03年から境内の史料館で展示していた。 若麻績敏隆住職によると、見た目では快慶の名が記されていないが、端正な顔立ちや緩やかな衣の紋が快慶の作風に似ているという。今年6月に東京芸大大学院に写真を送り、さらに実物を見てもらったところ、快慶作の可能性が高いと判断されたとのこと。 朝日新聞。
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寺社で火災が起きた際、所蔵する文化財を搬出して被害を最小限に食い止めるシステム作りに、京都市の消防署が取り組んでいるとのこと。災害時に、けがの程度に応じて負傷者の搬送・治療の優先順位を決める「トリアージ」を応用したり、文化財の位置を示す図面を作ったりして、効率よく<救出作戦>を進めるための試み。市内の寺社には、仏像、美術工芸品など国宝や重要文化財が1600件以上あり、各消防署は実用化を急ぐとのこと。 これまで各消防署は、建物内の文化財の配置までは把握しておらず、火災現場からの搬出で混乱することも多かったという。今年5月に起きた長楽寺(東山区)収蔵庫の火災では、重文の仏像彫刻7体や古文書類を無事運び出したが、その時点では価値がわからず、手当たり次第に搬出した。 読売新聞。記事中の長楽寺の火災:スクラップ2008年5月7日
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26日付のロサンゼルス・タイムズは、村上隆氏が来年夏、ロサンゼルスにアニメ映画の制作スタジオを開設すると報じた。既にニューヨークにスタジオを持っているが、制作の幅を広げるためハリウッドに拠点を設けるとのこと。 新スタジオは「カイカイキキ」が運営し、スタッフ約30人の規模。最初のプロジェクトは、短編「種を植える(Planting the Seeds)」を基にした長編作品になる予定という。 26日付時事通信。
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奈良県明日香村のキトラ古墳(7世紀末〜8世紀初め)で確認されている極彩色壁画のうち、最後まで残っていた天井の天文図(直径約60センチ)のはぎ取りが完了したと、文化庁が27日、発表した。 2004年8月から始まった壁画の取り出しは終了。今後は113片に分割された天文図や、泥が付着している四神の「朱雀」の修復など、壁画の保存活用に力を入れるとのこと。 読売新聞。
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岡本太郎が1960年代末にメキシコで制作し、今月17日に東京・渋谷に設置された大壁画「明日の神話」のデッサンが発見されたとのこと。 岡本太郎記念現代芸術振興財団の資料室で、スケッチ類の中から見つかったとのこと。高さ30センチ、幅182センチの紙に木炭で描いている。構想段階ですでに中心に核爆発を配しているとのこと。 読売新聞。デッサンは岡本太郎記念館で公開されるそうです。
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日本芸術院(三浦朱門院長)は28日、15人を新会員に決定したとのこと。新会員は映画監督の山田洋次氏(77)、日本画家の清水達三氏(72)、洋画家の藤森兼明氏(73)、彫刻家の市村緑郎氏(72)と山本真輔氏(69)、工芸家の中井貞次氏(76)、書家の日比野光鳳氏(80)、建築家の谷口吉生氏(71)、小説家の坂上弘氏(72)と富岡多恵子氏(73)、詩人の飯島耕一氏(78)と入沢康夫氏(77)、歌人の佐佐木幸綱氏(70)、箏曲家の山勢松韻氏(75)、声楽家の畑中良輔氏(86)。
日経新聞。
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解体修理中の唐招提寺金堂(国宝、奈良市)を調査している奈良県教育委員会は28日、建造時(八世紀末)の屋根を支える骨組み構造が従来の推定と異なり、梁の上で2本の材を逆V字形に組み合わせる「叉首組(さすぐみ)」と呼ばれる簡素な構造だったと発表した。従来、叉首組は奈良時代には小さな建物に使われたとされていた。 屋根の隅を支える部材「地隅(ぢすみ)木」(長さ5.24―5.63メートル、幅と高さは20―30センチ)が、屋根の基部を支えていた大梁(おおはり)材を転用したものだったと判明。江戸時代の大修理の際、建造当初の大梁材を転用したとみられるとのこと。地隅木を分析して、建造時の構造が分かった。 日経新聞。
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