2008年
08/01 「フェルメール展」で最高傑作「絵画芸術」が出品中止に
東京都美術館で2日に始まる「フェルメール展」で、ウィーン美術史美術館が計画していた「絵画芸術」の出品の中止が決まったとのこと。オーストリア教育文化省が貸し出し不許可を決め、7月31日、美術史美術館に通知した。
フェルメールの同作は、2004年に日本で初公開され、今回も当初は展示予定だったが、7月になって主催者側に、美術史美術館から「出品を当分見合わせる」との連絡が入っていたとのこと。絵の具がもろくなっており、輸送に伴う温度や湿度の変化に耐えられないと判断された。同省の決定に先立ち、文化財保護局は10年間の国外持ち出し禁止を勧告していた。
読売新聞。記事中の「同作は、2004年に日本で初公開され」という部分、これって読売が持って来てるんですね。だから今回記事にしたというわけでもないのでしょうが。
名古屋市守山区の志段味(しだみ)古墳群の西大久手古墳から、5世紀中ごろにつくられた巫女とみられる人物埴輪が出土したと1日、同市教育委員会が発表したとのこと。同時期の人物埴輪は、大和政権の古墳がある近畿地方でしか見つかっていない。
埴輪は古墳を囲む堀あとの深さ60センチの土中でうつぶせの格好で発見されたとのこと。胴体の一部はまだ埋まっており、高さは70―80センチと推定される。今回は顔面の一部とみられる目や鼻をかたどった約7.5センチ四方の陶片を掘り出した。
日経新聞。
法隆寺金堂(7世紀)にある三つの間のうち、東の間の天井で用途不明のつり金具2個を確認したと、現地調査した鈴木嘉吉・仏教美術協会理事長(建築史)が明らかにしたとのこと。各間には、傘を模した荘厳具の木製箱形天蓋がつられているが、東の間のみ創建時の天蓋が残っていない。金具2個では軽いものしかつるすことができず、創建後、布製の円形天蓋用に使われた可能性があるという。
朝日新聞。
文化庁は1日、キトラ古墳の石室に描かれた天文図(直径65センチ)のうち、南東部分に描かれた乙女座の「スピカ」に相当する星を含めて6つの星座のはぎ取りに成功したとのこと。壁画に損傷はなかったという。昨年7月に始まった天文図のはぎ取りは、全体の7割近くに達し、年内にすべてを終える見込み。
産経新聞。「同古墳では、天文図中心部に描かれた北斗七星などはすでにはぎ取られ、石室内にはオリオン座などが残っている」とのことです。
静岡県島田市の法蔵寺観音堂に安置されていた市指定文化財の千手観音像が盗まれていたことがわかった。この仏像は、60年に1度開帳されることになっている秘仏。檀家でも実際に目にしたことがある人は少なく、盗まれていることを確認するにも手間がかかった。
最初に異変が確認されたのは7月26日。月に1度、観音堂の掃除をする女性が入り口の錠が壊されているのを見つけたとのこと。しかし、秘仏がおさめられた厨子を含め、堂内に荒らされた様子がなかったことから、警察には届けなかった。28日、檀家総代らが集まって厨子の扉を開けると、帳の中には金色の仏像があった。秘仏である本尊の公開は、92年の島田市博物館の開館記念展示が最後で、檀家でも像自体を見たことがある人は少ない。本物かどうか意見が分かれたが、一人が「ご本尊は千手観音と聞いていたが、これには手がない」と指摘。同寺の住職を兼ねている天徳寺住職の確認で、盗まれていることがやっとわかり、島田署に届け出た。
盗まれた本尊の観音像は高さ101センチ、カヤの寄せ木造りで、室町時代後期の作。額を広くとった顔立ちに特徴がある。盗まれたのは7月7日の念仏講の後から同月26日までの間と見られる。
朝日新聞。60年に1度の御開帳では確かに見た人は少なくなってしまいますね。
県立古代出雲歴史博物館は1日、4月に破損して亀裂が生じた国宝の荒神谷遺跡出土銅剣について、修理が完了したと発表した。今後は収蔵庫内に保管して1カ月間の観察期間を設け、異常がなければ9月17日から常設展に戻す予定。
国宝の銅剣に亀裂が生じる事故が発生したのは、4月15日。経年変化の調査中だった元興寺文化財研究所の技師が、作業中に銅剣を誤って台座にぶつけ、刃部に亀裂(長さ4.2センチ、幅0.9センチ)が入ったとのこと。
毎日新聞。関連:スクラップ2008年4月18日
東洲斎写楽の肉筆扇面画がギリシャ・コルフ島のアジア美術館に所蔵されていたことが分かった。小林忠・学習院大教授ら国際学術調査団が真筆と鑑定したとのこと。歌舞伎「仮名手本忠臣蔵」を題材にした役者絵で、浮世絵版画の世界から姿を消した直後の筆と見られる。
扇面画は端の一辺が17.4センチ。竹を素材とする中国製の「竹紙」を使ったと見られ、署名と花押があるとのこと。「忠臣蔵」二段目から、四代目松本幸四郎が演じる加古川本蔵と、松本米三郎による本蔵の娘、小浪を描いている。調査団によると、2人がこの父娘を演じた上演記録から、1795年(寛政7年)5月の舞台に基づく絵と推定されるとのこと。
読売新聞。8月8日付読売新聞によりますと、写楽の他「喜多川歌麿の状態のよい作品、葛飾北斎の珍しい初期作」、狩野山楽筆「野馬図屏風」、「江戸城本丸にあった狩野探幽の屏風の模本」が確認されたとのことです。
大津市の園城寺(三井寺)金堂の宝冠釈迦如来座像が、14世紀から15世紀に国内で作られた脱活乾漆造の仏像であることが、市歴史博物館などの調査で分かった。脱活乾漆像は奈良時代に多く作られ、興福寺の国宝・阿修羅像などが知られるが、中世期の国内製ではわずかに2例目。
宝冠釈迦如来座像は座高約120センチ。南北朝時代から室町時代に活躍した院派の仏師の作とみられるとのこと。
京都新聞。今まで中世期のものは、神奈川県鎌倉市・寿福寺の釈迦如来座像が室町時代の作と確認されているのみだったそうです。
奈良市の東大寺南大門にある「石造獅子」2体(重要文化財、12世紀末)の石材が、中国浙江省産の可能性が高いことが分かり9日、同市内で開かれたシンポジウムで研究者らが発表したとのこと。
石造獅子は、南大門の仁王像の北側にあり、高さ約160―180センチ。2体とも大きく口を開いて胸を反らした姿で、胸には中国風の装飾が施されている。
奈良県大和郡山市教育委員会の山川均主任(中世考古学)らは、中国の石工が現在の浙江省出身だったことに注目。同省産の高級石材である凝灰岩「梅園石」と、獅子の石材の比較を服部仁・元通産省地質調査所地質部長(岩石学)に依頼した。
日経新聞。寺には「中国から運んだ石で中国の石工が作った」との記録がのこっているそうです。
奈良市の唐招提寺で、2000年から続いた金堂の解体修理がほぼ終了したのに伴い、国宝の仏像3体を堂内に戻すための作業が12日、始まったとのこと。
国宝は境内の作業所に置かれており、同日はまず千手観音立像に布などを巻きつけ、運搬の際に傷つかないよう備える。本尊・盧舎那仏坐像や薬師如来立像も順次梱包する。千手観音立像は26日に金堂に運び込む予定で、太い腕10本を残して外された943本の手も取り付けられる。〔共同〕
日経新聞。手の取り付け作業を見たい。
2006年に亡くなった当地の美術品収集家が所有していた美術品300点以上のうち、パブロ・ピカソの作品を含む一部が盗品だったことが分かり、米連邦捜査局(FBI)が所有者探しに乗り出したとのこと。
11日付ロイター通信。FBIではウェブサイトに作品の写真を掲載し、情報提供を呼び掛けているとのこと。
奈良の都の北郊にあたる文廻(ぶんまわし)池遺跡(京都府木津川市)から、板状の三彩陶器数十点が見つかったとのこと。組み立てると仏教世界の中心にそびえる想像上の高山である須弥山(しゅみせん)を表す、立体的な大型工芸品になりそうだ。三彩の須弥山は国内での出土例はなく、中国でもきわめて珍しいとのこと。
朝日新聞。国宝級というのは。見出しなので。
微量物質の構造を調べられる兵庫県佐用町の大型放射光施設スプリング8で、運慶工房作の国宝・木造世親菩薩立像(鎌倉時代・興福寺所蔵)の素材がカツラであることが、京都大生存圏研究所の杉山淳司教授の調査で13日までに断定されたとのこと。杉山教授によると、木製文化財の鑑定は光学顕微鏡で木材の断面を観察する方法が主流で、スプリング8を使って樹種を特定したのは初めて。
世親菩薩立像は高さ約192センチの寄せ木造り。昨年修理された際、杉山教授は偶然はがれていた長さ2ミリ、幅0.3ミリの木片にスプリング8で強力なエックス線を照射し、コンピューター断層撮影(CT)による精密な三次元画像を観察。
これまでも木目などからカツラかホオノキとみられていたが、道管(水を通す管)のつなぎ目の構造が階段状になっている特徴などからカツラと断定した。〔共同〕
日経新聞。
キトラ古墳の石室から昨年2月にはぎ取られた南壁壁画「朱雀」について、文化庁は13日、平城遷都1300年の平成22年にも一般公開する意向を明らかにしたとのこと。朱雀は現在、壁画を覆うバクテリアなどが茶色い粒状に変化し、はぎ取り前の鮮やかな紅色が失われているが、乾燥が原因で劣化ではないという。壁画の描かれた漆喰など全体的には良好な状態が保たれているといい、同庁は「汚れの除去をせず現状のまま保存できれば、22年の公開も不可能ではない」としているとのこと。
産経新聞。西壁南側で十二支像「申」の一部とみられる赤色顔料を確認したとの報告もあったそうです。
姫路市の書写山円教寺の開祖・性空(910-1007)をかたどった木像「性空上人坐像」(13世紀末)の頭部に、人骨が入ったガラス製の壺が納められていることが分かり、調査にあたった奈良国立博物館が15日発表した。像のX線撮影で判明したもので、科学的調査で納骨が確認された像としては国内最古級。陰影は性空の遺骨とみられるとのこと。骨は、数センチの棒状のものと砕いた粉末状。
博物館によると、遺骨を像に納める事例は、鎌倉時代には少なくないが、平安時代では滋賀県大津市にある園城寺の智証大師坐像(国宝)が知られる程度。今回の壺はそれに次ぐ古さという。
像はヒノキの寄せ木造りで高さ89.5センチ。壺は直径約11センチ、高さ約10センチで、木箱にぴったり納まるように入っていた。舶来物らしく、これほど大型のガラス製品は当時では相当な貴重品という。栓は木製とみられる。
同寺の記録によると、性空の没後まもなく遺骨を入れた像がつくられたが、1286年に火災で焼失。その2年後、再興の際に焼け残った壺を入れ直したと記されており、今回の調査で記録が裏付けられた。
神戸新聞。
ブラジル・サンパウロ市の州立美術館別館で今年6月、拳銃を持った3人組に盗まれて行方不明のままだったピカソの絵画が15日夜、市西部の高速道路で緩衝材に包まれた状態で無事見つかったとのこと。州当局が18日明らかにした。
犯人は他のピカソ作品「画家とモデル」を含め計4点を強奪。7月と8月に容疑者の自宅などで相次いで見つかり、今回の発見で持ち去られたすべての絵画が無傷で回収されたとのこと。地元メディアによると、これまでに容疑者3人が逮捕されている。
18日付時事通信。スクラップ2008年6月13日の続報です。
島田市の法蔵寺に安置されていた市指定文化財の千手観音像が偽物とすり替えられた事件で、盗まれた仏像が19日、島田署から同寺に返還されたとのこと。
同署によると、5月中旬に県中部の古物商の男性がフリーマーケットを開いていたところ、60歳代ぐらいの男が観音像を持ち込んだ。男性は観音像を買い取り、オークションで京都府の古物商に売却。さらに別の男性に転売されたが、報道で盗難品と知った男性が買い戻し、7月30日に証拠品として同署に任意提出していたとのこと。
朝日新聞。2008年8月2日付朝日新聞「「秘仏」盗難…実物見た人少なく確認手間取る」の続報です。続・続報:「仏像窃盗で新たに古物商逮捕」(2008年10月3日付時事通信)
京都府宇治市の宇治川右岸に16世紀末、豊臣秀吉が前田利家らに造らせた「太閤堤」で炉や池などの庭園跡が見つかり、市歴史資料館が21日発表した。太閤堤は伏見城築城に伴う宇治川の護岸工事とされていたが、秀吉が治水目的以外にも、趣味の茶の湯で使った可能性があるとのこと。
資料館によると、発掘したのは堤の一角の7メートル四方。石を円形に置いた直径1.9メートルの池や、池脇に小石を敷き詰めた州浜、方形に石を積み上げた70センチ四方の炉も見つかったとのこと。炉の底部には焼けた石があり、湯を沸かす際に火をたいた跡とみられる。〔共同〕
日経新聞。
竹久夢二(1884-1934年)の団扇絵が、松本市の日本浮世絵博物館の未整理の収蔵品の中から見つかったとのこと。大正時代の“ハイカラ”美人が描かれており、同館によると、竹久夢二の団扇絵は全国でも珍しいとのこと。同館では9月28日までの日程で竹久夢二の企画展が開かれており、それに合わせて収蔵品を整理していた同館のスタッフが見つけたという。
団扇絵は縦22センチ、横22.5センチの木版画。団扇の骨からはがし、和紙の台紙に張って保存されていた。いつごろどういう経緯で同館に保管されたかは不明。
中日新聞。団扇絵は日本浮世絵博物館にて公開とのことです。見つかった夢二:「夢二が手がけた挿絵の版木、群馬・桐生で発見」(2008年7月9日付読売新聞)
24日午前、京都市の醍醐寺境内の山中にある木造平屋の観音堂「准胝堂」147平方メートルと隣接の休憩所50平方メートルを全焼したとのこと。安置されていた仏像なども焼けたとみられる。
醍醐寺によると、23日午後11時ごろ、大きな雷鳴の直後に停電があった。火災はその後に起きたとみられ、寺は「落雷が原因と思われる」としている。山科署も落雷で出火した可能性があるとみて調べている。醍醐寺では7月28日にも落雷で国宝の唐門の柱に亀裂が入る被害があったという。〔共同〕
日経新聞。焼けた仏像は「江戸時代の作とされる准胝堂の本尊・准胝観音坐像など数百体」(8月25日付読売新聞)とのこと。
埼玉県川口市は26日、同市で鋳物業を営んでいた旧家で見つかった、横山大観や鏑木清方ら近代日本画の巨匠の作品計17点の寄贈を受けたと発表した。
寄贈されたのは横山大観の初期の作品とされる掛け軸「木瓜」や、鏑木清方の「隅田川両岸」など。専門家による総評価額は約3700万円という。
日経新聞。「横山大観ら47作品発見、埼玉県川口市の旧家」(スクラップ2007年11月27日)とは別の旧家のようです。川口に大観あり。今回寄贈された作品は、11月10日と12月3〜10日、川口総合文化センターリリアで一般公開の予定。(8月27日付産経新聞)
和歌山市の大日山35号墳(前方後円墳、6世紀前半)から、腰に装着する「胡ろく」と呼ばれる矢筒をかたどった埴輪が見つかり、和歌山県教育委員会が26日発表した。背中に背負う矢筒「靫」の出土例はあるが、胡ろくは全国で初めて。
埴輪は円筒形の台部分を含め高さ96センチ、幅39センチと実物より大きい。矢羽根を上にした5本の矢が、細い線を彫って描かれていたとのこと。2005年度の発掘調査で古墳の西側から大量の破片が見つかり、矢羽根が描かれていたことから胡ろくと確認。約2年かけて復元した。〔共同〕
日経新聞。
国宝壁画保存のため昨年、石室解体が行われた高松塚古墳の壁画劣化の象徴とされる西壁の「白虎」について、昭和55〜56年の修復担当者の作業日誌に、「白虎上のカビを除去すると、線描が不明になった」との記載があることが27日、分かった。白虎については、退色しやすい植物染料の藍で描かれたため薄れたとの見方もある一方、カビ除去に伴う人災の側面もある可能性が浮上。文化庁は今後さらに原因を調査するとのこと。
同古墳では昭和47年の壁画発見以降、石室内の壁画修復や点検が行われていたが、55年12月19日付の作業日誌に「白虎の上黒色部筆にて払い」、約1カ月後の56年1月13日付の日誌には「黒いカビ汚れと一緒になって線描が不明」との記載があった。このため、55年12月9日と、56年2月8日撮影の写真を比較すると、頭から首にかけての描線が薄れているのが確認できたという。
産経新聞。
【共同】イスラエル北部エンドル近郊のテル・レヘシュ遺跡で、古代イスラエル王国成立前の住民カナン人の居住跡から紀元前12―10世紀ごろの土製の仮面、女神像が彫られた石器片、オリーブ油を搾る施設とみられる跡などが見つかったとのこと。2006年から発掘している日本の調査団が27日、発表した。
日経新聞。
宇治市歴史資料館は27日、黄檗山萬福寺の南側で、江戸時代に建てられた寺の塔頭跡が見つかったと発表した。「萬福寺境内図」などから、塔頭は旧華蔵(けぞう)院と確認され、建物の具体的な配置が明らかになったとのこと。同寺は煎茶道にゆかりが深いことから、急須や土瓶など、お茶に関する遺物も出土した。
萬福寺は1661年、隠元禅師(1592〜1673)によって開かれた。周辺には隠元の弟子らが建て、住んでいた塔頭があったが、明治時代には火薬製造所などが建設されたため、場所を移すなどしたという。
今回は約2500平方メートルを調査。土を固めて作られた基壇跡や礎石跡などから建物は東西に16.5メートル、南北に8.5メートルの大きさだったことが分かった。礎石跡では、2種類の異なる土が詰められた技術なども確認されたとのこと。また、建物の南東側からも南北に長い建物の基壇跡が一部見つかっており、資料館は「旧華蔵院は本堂と住まいの2棟から成り立っていた」とみている。
毎日新聞。
喜多川歌麿の浮世絵版画「歌撰恋之部 物思恋」が9月18日、ニューヨークの競売会社クリスティーズのオークションに出品されるとのこと。100万―150万ドル(1億900万―1億6350万円)の予想落札価格がついており、落札されれば、一枚で出品される浮世絵版画として、オークション史上最高額を記録する可能性が高い。
日経新聞。
奈良・東大寺戒壇院に安置されていた厨子の扉絵を写した図像が見つかり、奈良国立博物館が「筆致などから、戒壇院焼失前の平安後期に描き写されたもので、戦後、行方不明になっていた絵図」と確認したとのこと。人物の構図などが正倉院宝物の「鳥毛立女屏風」(奈良時代)と共通しており、同博物館は「希少な天平絵画の系譜を伝える重文級の発見」と評価している。
「戒壇院厨子扉絵図像」1巻で縦約29センチ、横約11メートル36。東大寺の名に加え、扉絵を写したとする墨書があったとのこと。供養菩薩や梵天、帝釈天、四天王など16の図像を墨で描写。東大寺の国宝「倶舎曼荼羅(くしゃまんだら)」(平安時代)に描かれている四天王などと、色や大きさはほぼ同じで、図像が、倶舎曼荼羅の原本だった可能性もあるとのこと。
読売新聞。
佐伯祐三(1898〜1928)の未公開作品が、パリで21年前に見つかり、同地在住の日本人が保管していたことがわかった。パリの街角に広告の文字が躍る“佐伯芸術”確立の契機となった時期の貴重な作品という。
作品は、大きな黄色い日よけのカフェを大胆な構図で描いた「カフェ・タバ」(縦54.5センチ、横65.1センチ)。1927年の制作年と自筆サインがあり、大阪市立近代美術館建設準備室が真作と確認した。保存状態は良く、修復の手が入っていない状態とのこと。
所蔵者は1987年にパリの古美術・小道具商のウインドーに置かれていた絵を偶然発見したという。
産経新聞。






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