2003年
09/01 国立博物館オープン−エジプト・アレクサンドリア
31日オープンしたとのこと。同博物館は、旧米国領事館を改装したもの。ファラオ時代から19世紀のムハンマド・アリー朝までのエジプト「7000年の歴史」を象徴する、貴重な遺物約1800点が集められ、うち約300点はカイロにある考古学博物館から移送されたとのこと。
読売新聞。
09/01 盗難の重文座像見つかる
滋賀県蒲生町鋳物師の竹田神社で8月上旬に盗まれた男神座像2体が1日、同町内の農協の倉庫前に放置されているのを発見したとのこと。2体はビニール袋で何重にも包まれた状態で、傷などはつけられていなかったそうです。
座像は、1911年に国から重要文化財彫刻の指定を受けた。
共同通信。
--09/11 竹田神社の神像2体続報・平安初期の作か
盗難に伴う傷の有無を調べる過程で、平安時代初期(9世紀頃)の仏像に多く見られる「翻波式衣紋(ほんぱしきえもん)」が衣のひだに施されていることが判明したそうです。9世紀の作なら、県内の神像では最古級となるとのこと。
神像はヒノキの一木造りと見られ、高さが一体は19.4cm、もう一体は27.5cm。
京都新聞。
09/04 7世紀仏典の断片発見 バーミヤン遺跡で73年ぶり
石窟からサンスクリット語で書かれた仏典の断片数十点を発見したとのこと。同遺跡内での仏典の発見は、1930年にフランスの考古学者が見つけて以来、73年ぶり。
仏典の断片は、バーミヤン遺跡の東側に位置するM窟、F窟と呼ばれる石窟入り口付近の敷居の溝で見つかったとのこと。
共同通信。
09/06 龍馬の幻の手紙−80年ぶり再発見
坂本龍馬(1835-67)が土佐の知人にあてた手紙が、京都国立博物館の調査で5日までに見つかったそうです。手紙は龍馬同様に脱藩した弟分、池内蔵太の親族あて。縦16cm、横98cmの和紙の表裏に墨書されており、薩長同盟実現の前年1865年(慶応元年)に書かれたとみられるそうです。1925年に資料集で紹介されましたが、実物の行方はわからなかった品だそう。
読売新聞。同博物館では、「特別陳列 坂本龍馬」を開催中。10月5日まで。
09/06 鳴滝乾山窯址で陶器片1万点出土
尾形乾山(1663-1743)の窯跡があったとされる京都市右京区の法蔵寺で、新たに1万点近くの陶器片が出土したとのこと。陶片の約1割が角皿や鉢など乾山の作品で、残りは窯入れの際に陶器を入れる「匣鉢(さやばち)」や陶器の下に敷く「トチン」などの窯道具だったそうです。
京都新聞。1カ所から大量の陶片が確認されたのは初めてとのこと。
09/07 岡本太郎の大壁画が現存 メキシコで確認
メキシコで制作し、30年以上にわたって行方が分からなくなっていた「明日の神話」が、メキシコ市近郊に保管されていることが7日までに分かったそうです。岡本さんの養女で、岡本太郎記念館館長の岡本敏子さんが現地を訪れて確認したとのこと。
同記念館によると、壁画は縦約5m、横約30m。1968年ごろメキシコ市のホテルから依頼を受け制作したが、ホテルが開業前に倒産、その後所在が確認できなくなっていたとのこと。
共同通信。壁画は、きのこ雲や骸骨が描かれ、核をモチーフにしているそうです。
09/08 シルクロード壁画を復元
龍谷大(京都市)はシルクロードを訪ねた西本願寺の大谷探検隊から100周年を記念し、仏教遺跡「ベゼクリク第9窟壁画」の一部を実物大の陶板で復元し8日、同大で公開したとのこと。
復元したのは、中国の新疆ウイグル自治区にあった10数面の壁画のうち2点。縦はともに約3m、横は約2.2mと約2.6m。10-11世紀頃描かれたと推測されるそう。
共同通信。
09/09 “人間国宝サミット”開催 11月、京都市で
関西ゆかりの人間国宝11人が出演。それぞれの芸や技の映像紹介、座談会を行うとのこと。
読売新聞。文化庁が進めているキャンペーン「関西元気文化圏」の一環。一般から希望者300人を無料で招待するそうです。参加希望者の募集は来月上旬から。
09/09 百貨店から小磯良平の版画1点消える
9日午後5時頃、そごう神戸店の「アートギャラリー」で開かれていた小磯良平(1903-88)版画展会場で、展示即売されていた版画38点のうちの1点(販売価格110万円)がなくなっているのに出展業者が気づいたとのこと。なくなったのは70年代制作の「女」(縦33.5cm、横24.5cm)。
毎日新聞。
09/10 レニ・リーフェンシュタールさん死去
ドイツの映画監督レニ・リーフェンシュタールさんが8日夜、死去した。101歳。
1934年、ナチスのニュルンベルク党大会の記録映画「意志の勝利」を撮影。ベルリン五輪の記録映画「民族の祭典」と「美の祭典」で、ナチス政権下の映像作家としての地位を不動のものにしたが、戦後はナチス協力者として非難された。その後、写真家として復活、昨年は、ダイビング撮影の成果を映像作品「水の中の印象」として結実させた。
読売新聞。
09/11 フェルメールの「画家のアトリエ」、アジア初公開
「画家のアトリエ」をはじめ、ルーベンス、レンブラントなど、ウィーン美術史美術館所蔵の名画を紹介する「栄光のオランダ・フランドル絵画展」が開かれることが決まったそうです。約60点の出品。
読売新聞。読売新聞社などが主催の展覧会だそう。自社の宣伝記事っぽいのですが、フェルメールが来るというし載せました。2004年4月15日〜7月4日:東京都美術館、7月17日〜10月11日:神戸市立博物館にて開催予定。
09/11 「風神」元通り一般公開
東京国立博物館(東京都台東区)へ搬送途中、左腕の一部が破損した三十三間堂(妙法院)の国宝「風神像」の修理が終わり、三十三間堂本堂で一般公開されているそうです。
京都新聞。スクラップ2003年8月4日の続報です。腕、治ったのですね。
09/16 オノ・ヨーコさん、約40年前のパフォーマンスを再演
15日、パリ市内の劇場で、着衣を観客らに切り刻ませ、最後に下着姿になるパフォーマンス「カット・ピース」を行ったとのこと。オノさんが1964年、戦争反対を訴えて東京で行ったパフォーマンスの再演で、観客はオノさんの服から切り取った布地を愛する人に贈るよう求められる。初演当時は、オノさんが最後に全裸になることで話題を呼んだ。
15日付ロイター。
09/17 ロイド・ウェバーのコレクション、初の一般公開
ミュージカル「キャッツ」などで知られる作曲家アンドリュー・ロイド・ウェバーの所有する美術コレクションが、初めて一般公開されたとのこと。総額で数百万ポンド相当のロセッティ、ミレイ、バーン・ジョーンズらの絵画300点余りが展示された。
16日付ロイター。ロイド・ウェバーは、子どもの頃にヴィクトリア朝の美術に心を奪われ、15歳で収集を始めたそうです。コレクションは、ロイヤル・アカデミー・オブ・アーツで公開中。「ラファエル前派」展:12月12日まで。
09/18 名画水着ふたたび
モネの作品をプリントした競泳用水着が20日に発売されるそうです。「印象・日の出」「白い睡蓮」「ひなげし」の3タイプ。ミズノより9200円。
読売新聞。ブランド名は「プールサイド・ミュージアム」。この水着、去年も出てました。関連記事:スクラップ2002年12月4日
09/18 略奪被害の博物館に戻る メソポタミアのモナリザ
略奪被害に遭ったイラク国立博物館の最も重要な収蔵品の一つで、通称「メソポタミアのモナリザ」と呼ばれる大理石彫刻が取り戻されたとのこと。彫刻はイラク国内で発見された模様。
「モナリザ」は紀元前3500年頃のもので、ユーフラテス川下流域に位置したシュメール人の都市ワルカの女性の顔をかたどっている。「シュメールのモナリザ」とも呼ばれ、人間の顔の彫刻としては最古級とみられている。
共同通信。続報:9月23日、博物館へ返還されたとのこと。
09/19 ロゼッタ・ストーン貸して返して貸さない返さない
古代エジプト文字(ヒエログリフ)解読の手がかりとなった「ロゼッタ・ストーン」。現在、大英博物館に所蔵されていますが、今夏、エジプト考古庁長官が「3ヶ月間、『故国』エジプトで展示したい」と申し入れたのだそうです。ところがなぜだか話が大きくなり、「永久返還を求めた」という報道に。それを聞いたせいかどうかわかりませんが、大英博物館側は「ロゼッタ・ストーンはロンドンにとどまる」と、態度を硬化させているそうです。
読売新聞。
09/20 中国の文化財、1億円で買い戻す
マカオのカジノ王が、19世紀に略奪されたとされる中国清朝の国宝級文化財を極秘に買い戻して、中国人民解放軍系企業に寄贈したとのこと。買い戻されたのは、清朝の離宮「円明園」(北京市)の噴水を飾ったイノシシの首の銅像。
読売新聞。アロー戦争に乗じて1860年に北京を占領した英仏両軍の焼き打ちに遭い、略奪されたものの一部とのこと。米国の収集家が所蔵していたそうです。
09/22 ベン・デ・リシの新作はピカソ風
2004年ロンドン春夏コレクションは21日、ベン・デ・リシらが新作を発表したとのこと。
旅行中に目にしたピカソの絵に心を奪われたというデ・リシは、ピカソ作品を思わせる大胆な柄をプリントしたイブニングドレスなどを披露。この他、エルスペス・ギブソンはボッティチェリやフリーダ・カーロの絵画に着想を得た新作を発表したとのこと。
21日付ロイター。画家の名前が挙がっていましたので掲載。
09/24 阪神Vで「虎図」取材−和歌山県串本町
串本応挙芦雪館で22日、阪神タイガースの優勝にちなんだ取材があり、長澤芦雪(1754-99)作の襖絵「虎図」が撮影されたとのこと。撮影には、同町の阪神ファンがモデルとして参加。虎図を前に日本一を祈願して法被姿でメガホンを振ったそうです。
紀伊民報。「AERA」に載るそうです。
▼阪神ネタといたしましては、『植物「トラキチラン」の直筆画12点を発見 牧野富太郎作と判明』という記事もありました(2003年7月14日付高知新聞)。こちらの植物画、所蔵先の高知県立牧野植物園で、阪神の選手のサインと一緒に特別展示されたそうです(2003年8月13日付京都新聞)。「された」と書きましたが、記事中に「阪神が日本一になるまで展示を続ける」というコメントが。てことは、今でも展示中?
▼阪神ネタもう一丁。大阪市立自然史博物館で、特別陳列「タイガース優勝記念展」が開催されるとのこと。「トラ」や「Tiger」、阪神の選手名が付く動植物・鉱物などを展示するそうです。10月11日から12月27日まで。
▼さらにもう一丁。「タイガース優勝記念展'03 逆から読めばARTはTRA(トラ)」。studio BIG ARTにて10月11日から11月3日まで。
09/24 高村光太郎幻の作品公開へ−メナード美術館
1930年(昭和5)11月に、大阪・高島屋の展覧会で売却された後、所在が分からなくなっていた、木彫の「栄螺(さざえ)」が見つかったとのこと。
栄螺は高さ8cm、幅12cmで真珠1個が埋め込まれている。入れ物の桐箱には「栄螺 昭和5年初秋 高村光太郎」と、これまで不明だった制作年が記され、高島屋出品時のラベルも入っていたとのこと。
共同通信。昨年春、東京都内で美術商のオークションに出され、関係者を経てメナード美術館が購入した。妻・智恵子が縫ったとみられる絹の袋も一緒にオークションに出されたとのこと。袋の表面には光太郎がサザエについて詠んだ短歌が書かれていたそうです。11月7日から一般公開。メナード美術館公式サイト
09/25 芦原義信さん死去
建築家・芦原義信氏が24日、死去したとのこと。85歳。
中央公論ビル、モントリオール万国博・日本館、国立歴史民俗博物館、ソニービル、東京芸術劇場などを手掛け、都市景観論でも知られた。
読売新聞。
09/25 「鳥獣戯画」が人気
関連グッズは昨年比で2割以上売り上げを伸ばし、所蔵先の京都国立博物館には、展示予定の問い合わせがコンスタントにあるそうです。
グッズは来月から新商品を投入予定、京博での作品展示は今年度中はないとのこと。
京都新聞。個人的に気になったので、掲載しました。女性中心に流行ってる?そうです。なぜに今年から?
「鳥獣人物戯画」は、東京国立博物館にも所蔵されていますね。先月、丁巻を見ました。
09/25・26 11年ぶりと半世紀ぶり
▼大覚寺(京都市右京区)で27日、特別名宝展が始まる。図像「五大虚空蔵菩薩像」(重文)が11年ぶりに一般公開されるとのこと。他、鎌倉時代作の太刀、「五大明王像」全5体、狩野山楽筆の襖絵「牡丹図」など34点の出展。11月30日まで。
▼地蔵峰寺(和歌山県下津町)の「石造地蔵菩薩坐像」(重文)が、約半世紀ぶりに一般公開されるとのこと。坐像は、鎌倉時代に作られた数少ない本格的な石造地蔵菩薩。公開は10月中の毎週日曜日、午前9時-午後3時。
京都新聞。
09/27 200点以上の古代壁画発見−インドネシア
数千年前のものと見られるそうです。いずれも急斜面の地肌をキャンバスとし、ヤシの木や足跡などの絵が刻み込まれていたとのこと。さらに、人や魚の血、コショウ科の植物から採った樹液などで彩色され、鮮やかな色合いを保っていたといいます。
読売新聞。
09/27 バーミヤン地下遺跡調査団出発
今回の調査は、存在が伝えられながら確認されていない巨大涅槃仏の発見につながる可能性もある?
読売新聞。涅槃仏は、「大唐西域記(玄奘)」に記録があるとのこと。玄奘の記録はほぼ正確で、涅槃仏の存在も信憑性が高いとみられるそうです。関連記事:スクラップ2003年6月1日
09/29 「北斎=写楽」の証し?
長野県小布施町の北斎館が、葛飾北斎作の未発見とみられる浮世絵を購入、同年代の浮世絵師、東洲斎写楽が描いた同じ役者の絵と表現が似ていることから、二人の浮世絵師の同一性などについて浮世絵専門美術館に鑑定を依頼するとのこと。
同館が購入したのは、江戸時代の歌舞伎役者「大谷広次」の全身が描かれた浮世絵。絵には北斎が初期に名乗った「春朗」の号が入っているそう。北斎が「春朗」を名乗っていた期間と、写楽が活動した時期は重なっており、両方の絵とも、当時の大手版元「蔦屋重三郎」の同じ印があるそうです。
信濃毎日新聞。この記事、どうなのでしょう。鑑定&調査結果が気になる所であります。
09/29 金峯山寺で本尊を公開
奈良県吉野町の金峯山寺蔵王堂(国宝)で29日、日本最大の秘仏とされる本尊の金剛蔵王権現像(重要文化財)3体の修理が終わり、報道関係者に公開されたとのこと。
中央の釈迦如来は高さ7.3m、左右の2体は各約6m。大きすぎて運び出せず、安置したまま、肩にかけた天衣の補修や、金ぱくの剥落落止めなどを施したとのこと。
また、右の菩薩の頭部内側に、寄進者の名前と天正18年(1590)の年号が墨書されているのが見つかり、1586年に蔵王堂が焼失し、6年後に再建されたという文献の記録も裏付けられたとのこと。
共同通信。同寺がある吉野山などは「紀伊山地の霊場と参詣道」として、ユネスコの世界遺産候補に推薦されているとのこと。登録が決まれば、来年7月から1年間、本尊を特別公開するそうです。
09/30 京都・大雄院を初公開
京都市右京区の妙心寺塔頭・大雄院が建立400年を記念し、初の一般公開を行なうとのこと。
大雄院は1603年、尾張藩の家老を務めた武将石河光忠が父親の菩提寺として建立。約300坪の建物に回遊式の日本庭園を備える。表門は建立当時のままだが、客殿や書院などは1726年に改修されたとのこと。江戸時代の蒔絵師柴田是信が20代に描いたとされる山水図や唐人物図など、多くの襖絵も見どころ。
共同通信。一般公開は、10月1日から来年12月10日まで。
09/30 「地蔵菩薩像」が復活−京都・醍醐寺
重要文化財の絵画「地蔵菩薩像」の修復作業が終わったとのこと。
以前は額に入れられていたが傷みが激しく、剥落止めやくすみを取るなど2年がかりの修復で、掛け軸として甦ったとのこと。
共同通信。菩薩像は縦約120cm、横約55cm。作者不詳だが、13世紀(鎌倉時代中期)の作とされるそう。10月1日から12月7日まで公開される。「世界遺産・醍醐寺展」






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