2003年
08/04 国宝「風神像」の左腕が脱落 東京国立博物館へ運搬中
腕の一部が脱落したのは、京都・三十三間堂(妙法院)の「風神像(鎌倉時代)」。国宝の損傷事故は東京国立博物館で初めてといい、京都国立博物館に移送し修理しているとのこと。
風神像は、東京国立博物館で5日から開催の「アレクサンドロス大王と東西文明の交流展」での展示のため7月9日に妙法院で梱包、翌10日、専門業者が運搬車で東京に運んだ。10日夕、梱包を開けると、左腕のひじから、風袋を持つ手までが脱落していた。
共同通信。アレクサンドロス展行きましたけど、当然の如く展示は中止になっていました。続報:スクラップ2003年9月11日
08/06 英現代美術家D・ハースト、今度の作品はサーフボード
英国のサーフィンのメッカであるニューキーで16日に開かれるオークションに、作品として制作したサーフボード2点を出品するそうです。サーフボードは、連作「スピン・ペインティング」の一部。
2点は英国各地を巡回中の展覧会「ロングライフ・エキシビション」で展示中。展示作品は全てオークションにかけられ、収益金は海洋汚染対策に取り組む慈善団体に寄付されるとのこと。
5日付ロイター。オークション結果:59,000ポンド(2点合計)で落札されたそうです。
08/07 来館者数10万人突破
司馬遼太郎記念館(大阪府東大阪市)の来館者数が司馬さんが生まれた7日、10万人に達したとのこと。記念館は2001年11月に開館、作家の故司馬遼太郎さんの書斎や蔵書を保存している。
水木しげる記念館(鳥取県境港市)の来館者数が7日、10万人に達したとのこと。記念館は、水木作品の原画や妖怪コレクションなど約950点を展示し、今年3月に開館。
共同通信。揃って10万人です。
08/10 村上隆氏の作品を展示−ニューヨーク
「二重螺旋逆転」が、ロックフェラーセンター前に展示されることになったそうです。作品は、高さ7mの座像「とんがり君」を、同2mの四天王が取り囲むもの。
読売新聞。展示は9月9日から10月12日まで。
08/11 栄久庵憲司氏にデザイン賞 9月にベルリンで表彰式
国際的なデザイン賞「ラッキーストライク・デザイナー・アワード」(レイモンド・ローウィ財団主催)の今年の受賞者に、工業デザイナー・栄久庵憲司氏が選ばれたとのこと。
栄久庵氏はオートバイ、卓上しょうゆ瓶、秋田新幹線「こまち」などのデザインで知られ、日本を代表するデザイナーの1人。
共同通信。
08/15 ベルイマン監督の日記など公開
インタビュー嫌いで知られるスウェーデンの巨匠イングマール・ベルイマン監督の日記や写真、脚本などが14日、回顧展に先駆けて記者団に公開されたとのこと。
監督自身が資料としてスウェーデン映画協会に提出したもので、1938年の20歳当時から「夏の夜は三たび微笑む」が製作された55年までをカバーしているそうです。
14日付ロイター。資料はヘルシンキ、パリなど欧州各地を回るベルイマン回顧展で公開され、来年以降はインターネットでも閲覧可能になるそうです。
08/17 狩野派障壁画 近くで鑑賞−二条城に新展示施設
二条城の狩野派障壁画を展示・収蔵する新たな施設の建設を城敷地内で始めたそうです。来年3月の完成を目指しているとのこと。
二の丸御殿(国宝)にある重文指定の障壁画954面を複写画に入れ替え、原画を新施設に保存・展示。狩野探幽らによる原画をより近くで見ることができるうえ、施設内の温度を一定に保つことで原画の傷みも防げるとのこと。
京都新聞。
08/18 イタリアでダビデ像の修復作業めぐる論争
ルネサンスの巨匠ミケランジェロの「ダビデ像」の完成500周年を前に、イタリア美術界では修復作業の是非をめぐる論争が起きているそうです。
反対派は、修復作業を「侮辱」と呼び、万が一洗浄作業に強い溶剤が使用された場合に変形の恐れありと主張している模様。しかし、トスカーナ州の美術品管理当局者はこうした主張に取り合わず、来月から2度蒸留した水による洗浄作業に着手することを決定済みなのだそうです。
ロイター。スクラップ2002年9月13日/その後と思われます。
イタリアは1939年に世界初の美術品修復施設を設立し、世界トップクラスの専門家も多数養成してきたとのこと。しかし、この分野でイタリアが突出しているため、修復を含めて美術品に手を加えることに一切否定的な立場を取る学者の反発を招いているそうです。
08/19 足立美術館の庭、桂離宮おさえ日本一
米国の庭園専門誌「ザ・ジャーナル・オブ・ジャパニーズ・ガーデニング」が、本年度初めて実施した日本の庭園ランキングより。第1位は足立美術館(島根県安来市)、2位は桂離宮(京都府)、3位は武家屋敷野村家(石川県)。以下、京都府の蓮華寺、東京都の旧山本栄之助邸と続くとのこと。足立美術館は細部に及ぶ庭園の維持管理が高い評価を受けたそうです。
中国新聞。一般公開されている全国389の庭園を調査し決定。知名度ではなく、質の高さや建物との調和、利用者への対応などをポイントにランキングしたそうです。
08/23 「睡蓮」モチーフに創作菓子−島根県立美術館
「モネと印象派の画家たち」展を開催中の島根県立美術館で、モネの「睡蓮」をモチーフにした創作菓子が展示されているそうです。松江市の菓子店などが制作。和菓子と洋菓子計6点が土産品コーナーに並んでいるとのこと。
京都新聞。個人的にツボだったので載せました。展覧会は10月13日まで。
08/25 仏像や遺跡の“検診車” 来年導入へ
発掘中の遺跡や動かせない仏像の状態を現地で調べる“検診車”を、奈良市の元興寺文化財研究所が日本で初めて導入するとのこと。
車は、4トントラックの荷台に、仏像や遺物の内部を透視するエックス線撮影装置のほか、金属の材質を分析したり、三次元の図面を作る機材を搭載。墨書や絵画の消えかかった文字も、赤外線カメラで分析可能。もろい遺物でも地中にあるまま計測できるため、発掘と同時進行で保存修復方法の検討や遺物の価値判断ができるとのこと。
共同通信。
08/26 文化遺産オンライン構築を提言
文化遺産の情報化を検討している文化庁の戦略会議は26日、インターネットで国宝などを閲覧できる「文化遺産オンライン」システムの構築を提言した中間報告を、河合隼雄文化庁長官に提出したとのこと。
共同通信。スクラップ2003年1月4日の途中経過と思われます。
08/27 高松塚古墳の入門DVD販売
DVD「高松塚古墳の歴史」を、奈良文化財研究所飛鳥資料館が販売しているそうです。
「歴史」「構造・出土品」「壁画」「保存」の4部構成で約60分。調査に参加した学生の発掘記録を基に、壁画発見の歴史的瞬間などを映像で再現、発掘スタッフのインタビューも収録したとのこと。またコンピューターグラフィックスを駆使し、古墳の造営方法や一つ一つの壁画についても解説。考古学的な意義も理解できるようになっているそうです。
共同通信。
08/27 西郷隆盛の肖像画見つかる
大分県日田市で見つかったそうです。幕末・明治期に日田で文人画家として活躍した僧侶の平野五岳が掛け軸に描いたもので、西郷に面会を申し込む内容の漢詩も記されているとのこと。西郷の写真は残されておらず、肖像画数点も伝聞をもとに描かれたとされていますが、発見された掛け軸は五岳が直接会って描いたとみられているそうです。
asahi.com。日本史に入る気もしますが、肖像画ということなので。
08/27 山下清「東海道五十三次」オークションに
連作55点のうち53点が先月下旬、3100万円で落札されたそうです。同時に出された油彩画「桜島」も540万円の値が付いたとのこと。
「東海道五十三次」は、遺作展に出された後に所在不明となり、今回約30年ぶりに姿を現したとのこと。残り2点は見つかっていないそうです。
読売新聞。
08/28 ダ・ヴィンチ56億円の絵画、盗難
英スコットランド南部の富豪所有の古城から27日、レオナルド・ダ・ヴィンチの1501年の作品とされる「糸車の聖母」が盗まれたとのこと。資産価格は推定3000万ポンド(約56億円)。
27日付共同通信。
--08/29 盗難・続報 ダ・ヴィンチの絵画に高額懸賞金
富豪の代理人が28日、保険会社が英ポンドで6けたに上る懸賞金をかけたことを明らかにしたとのこと。具体的な金額は公表されていない。
28日付ロイター。
08/28 古代蜀の遺跡初公開
中国四川省文物局と成都市文物考古研究所は28日、黄金の仮面や多数の玉器、青銅器などが出土した約3000年前の金沙遺跡(成都市郊外)を日本の報道機関に公開したとのこと。2001年2月に発見された同遺跡の発掘現場や遺物が海外メディアに公開されるのは初めて。
遺跡は近くの三星堆遺跡とともに、約5000-2300年前まで成都付近で繁栄した古代独立国家、蜀の中心遺跡。
共同通信。これらの古代蜀文明の秘宝を日本で公開するとのこと。
「よみがえる四川文明」展:来年5月に秋田、6月盛岡、8月東京、10月富山、11月青森で開催予定。
08/29 大英博物館、日本常設ギャラリー閉鎖
債務の解消に向けた業務見直しの一環で、再開は早くて1、2年先の黒字化実現の後になる見通しとのこと。日本ギャラリーでは今後、児童らを対象に予約制の案内付き限定公開を行い、恒例の月2回の茶会は継続。
京都新聞。今年の4月末から閉まっているみたいです。特別展の開催は行なうそうで、来年10月から4カ月間は日本刀を、2005年4月から2カ月間は歌舞伎文化を取り上げる展覧会を開く計画があるとのこと。
08/29 弟子手本用の「雲竜図」粉本発見−円山応挙
大阪市立美術館は29日、円山応挙(1733〜95)による「雲竜図」の粉本が、静岡県沼津市の旧家で見つかったと発表しました。重要文化財の「雲竜図」と竜の顔や形が酷似しているが、胴体の方向や背景の雲、波の形が異なり、重文とは別の「雲竜図」が存在する可能性も出てきたとのこと。
見つかった粉本は、5枚に分かれ、全体で縦140cm、横250cm。墨に一部淡彩が施され、完成画は屏風仕立てと推測されるそうです。
毎日新聞。沼津市の旧家は、先祖が応挙に師事していた支援者で、これまでに別の応挙作品の粉本も多数確認されているとのこと。粉本は9月13日〜10月26日、同館で開かれる特別展「円山応挙」で公開されるそうです。






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