島田修二郎(編集)/学習研究社/1969.7/A3判変型 214p(図版)
102図・全作品原色図版。台紙に図版を貼り付けた作りです。若冲作品は「雪芦鴛鴦図」(プライスコレクション)、「紫陽花双鶏図」(同)を掲載。図版と解説は分冊になっています。
鈴木進/マリア書房/1973.7/202p
1971年に行われた「近世異端の芸術」展が契機となり、編纂された画集。画家別ではなくテーマ別に分け、作品を見せるという構成。テーマは、「顔−その奥に秘むもの」「仮面の動物」「エキセントリックの諸相」。
若冲筆「果蔬涅槃図」と芦雪筆「涅槃図」、蕭白筆「美人図」と芦雪筆「楚蓮香図」、若冲と蕭白の「虎図」など、同一あるいは似通った主題の作品を並べて見せる、若冲の「鶏の尻尾」や蕭白の「手」、3人が描いた「波」のみを集めて見せるといった試みも。サイズは大型ですが、原色図版は少なめ。
小林忠 辻惟雄 山川武/講談社/1973.9/A3判 216p
若冲、曾我蕭白、長澤蘆雪の水墨画に焦点を当てた画集。表紙は蕭白です。
単色図版と解説+表紙が主。原色図版が少なすぎる(14図・若冲のみ)のが難点。「参考図版」として、「群鶏図」「菊花流水図」(以上、動植綵絵)、「仙人掌群鶏図」(部分)の原色掲載がありますが。
●「本朝逸品画風(辻惟雄)」「伊藤若冲(小林忠)」「曽我蕭白(辻惟雄)」「應擧と蘆雪(山川武)」、図版解説、「ボストン美術館の蕭白画について(マニー・L・ヒックマン)」、落款印章、年譜、参考文献、図版目録、(付録四)「私と若冲、蕭白、蘆雪(ジョー・D・プライス)」
小林忠 辻惟雄 山川武/講談社/1977.12
上記画集の普及版。約半分のサイズになりました。内容は同じです。
辻惟雄 河野元昭 マニー・ヒックマン/集英社/1977.10/148p
若冲・蕭白の主要な作品が収録されています。いかにも絵画全集といった雰囲気の1冊。原色図版24、単色図版19(若冲のみ)。
表紙は、若冲の「蔬菜図押絵貼屏風」に彩色を施し、アレンジしたもの。ケースは、表が若冲の「仙人掌群鶏図」(部分)、裏が蕭白の「群仙図屏風」(部分)。 表紙画像
●「伊藤若冲(辻惟雄:「若冲」美術出版社/1974.6刊の論考に基き、一部加筆・修正したものを掲載)」「曾我蕭白(マニー・ヒックマン)」、文献/資料、落款/印章、作品解説、若冲/蕭白年譜、参考文献、挿図リスト
辻惟雄(責任編集)/毎日新聞社/1980.3/B4判変型 165p/(「別冊 解説 資料編」 40p)
海外収蔵品を紹介。若冲、池大雅、与謝蕪村、円山応挙、長澤蘆雪他を収録。若冲作品は、原色図版:「叭々鳥図」(ハーグ H.M.ケンパー・コレクション)、「雪芦鴛鴦図」(プライスコレクション)、「花鳥人物図」(同・部分)、「朱衣達磨図」(ジョン・パワーズ夫妻)、「十六羅漢図」(ボストン美術館・16幅のうち2幅)を掲載。作品解説中に「花鳥図」(山荘コレクション)の単色図版掲載もあり。小さいですが。
佐々木丞平 河野元昭(編集)/学習研究社/1982.12(初版:1979.5)/B4判 232p
タイトルには含まれてませんが、若冲の作品掲載や記述があります。掲載は「雪梅雄鶏図」(部分・両足院)、「白鶴図」(文正「鳴鶴図」の模写)、動植綵絵より「老松白鳳図」「雪中錦鶏図」「南天雄鶏図」、「葡萄図」(鹿苑寺)、「鶴亀図」、「松上白鶴図」(東博)、「糸瓜群虫図」(細見美術館)、「野菜図」(部分・個人蔵)、「群鶏図」(部分・西福寺)。全て原色図版。
●「外来文化到来の時代(佐々木)」「池大雅と与謝蕪村(佐々木)」「玉堂・木米・竹田(佐々木)」「円山応挙と呉春(河野)」「若冲・蕭白・芦雪(河野)」、作品解説、「地図―文人画・写生画関係地図」、主要作家生没年表・落款・印章他、図版は原色が主・一部単色
辻惟雄(編集)/学習研究社/1983.1/162p
「南画派と異端派」という区分けで、それぞれの花鳥画を収録。池大雅、与謝蕪村、田能村竹田、曾我蕭白、さらには長崎派など、多彩な顔ぶれ。全97図。殆どが原色図版です。巻末「植物・動物名一覧」で、作品中の植物・動物名が特定されている所が面白いです。
若冲作品は、「雪中遊禽図」、「葡萄図」(部分・鹿苑寺)、「竹図」(部分・鹿苑寺)、動植綵絵「向日葵雄鶏図」「雪中錦鶏図」「群鶏図」「菊花流水図」(宮内庁)、「花鳥蔬菜図」(部分)、「鶏図」(黒川古文化研究所)、「猿猴摘桃図」、「仙人掌群鶏図」(部分・西福寺)、「百犬図」、「花卉図」(2図・信行寺)を掲載。すべて原色図版です。
●「写生と写意−江戸時代花鳥画考−(辻惟雄・「写生と写意の統合−伊藤若冲」という章あり)」「花鳥画を通して見た蕪村(星野鈴)」「若冲の鶏(佐藤康宏)」、作品解説
山根有三 ジョー・D・プライス他/京都書院/1984.10/B4判 350p
若冲コレクターで有名なプライス氏の所蔵絵画を収録。原色図版・屏風45図、原色図版・掛軸96図、単色図版58図、参考図版(*)7図。
若冲作品は、原色図版:「花鳥人物図押絵貼屏風」「紫陽花双鶏図」「虎図」「雪芦鴛鴦図」「伏見人形図(2点)」「旭日雄鶏図」「鷲図」「黄檗山万福寺境内図」「鯉魚図」「芭蕉雄鶏図」「葡萄図」「竹梅双鶴図」「双鶏図」、単色図版:「鯰・双鶏図」「雪中雄鶏図」「蝦図」。その他、参考図版として「群鶴図」、周辺画家・伊藤若演の作品も掲載。若冲名義の中には、「若冲画の摸写的習作か模擬的作品か」と解説されている作品も含まれています。
この画集と、後年出版され、プライスコレクションの掲載がある画集等を見比べると、色々な意味で興味深いかと思われます。
*プライス氏自身が、作品としては興味深いが、かなり研究、考察を要すると思った作品を掲載
●心遠館/日本美術棟の写真、「プライス・コレクションとの出会い」(山根有三)、「心遠館コレクションの概要」(ジョー・D・プライス)他の掲載もあり
京都国立博物館(編集)/同朋舎出版/1986.6/B4判
1984年に行われた「近世日本の絵画 京都画派の活躍」展をふまえて作られた画集。I 墨の美・墨の冒険、II 意匠美・その可能性、III
人物百態、IV 百花百鳥という構成。収録作品は、若干の変動があります。展覧会図録がB5判、単色図版ばかりであったのに対し、こちらはB4判、全てが原色で大きな図版です。
若冲の作品は、Iに「竹図(襖絵)」「鷲図」「瓢箪・牡丹図」、IIに「仙人掌群鶏図(見開き)」「花鳥版画(5図)」「玄圃瑤華(2図)」、IVに「鳥獣花木図屏風」「果蔬涅槃図」「百犬図」「動植綵絵(13幅)」。狩野博幸、奥平俊六両氏の論文掲載あり。
吉沢忠 山川武/小学館/1990.6(初版:1969.2)/B4判 236p
南画に属する主要画家による作品と、若冲、円山応挙、長澤蘆雪、呉春による「写生画」を収録。若冲作品は、原色図版:「仙人掌群鶏図(部分)」「池辺群虫図(動植綵絵)」「月下白梅図(個人蔵)」、単色図版:「果蔬涅槃図」「葡萄図(鹿苑寺大書院障壁画)」「芭蕉図(鹿苑寺大書院障壁画)」「花卉図(部分・金刀比羅宮)」を掲載。
『写生画』(山川武)の最終章「異色な作風」において、若冲に関する文が読めます。
ジャック・リチャードソン ウエンディ・リチャードソン 若桑みどり(訳)/佑学社/1990.11
動物が描かれた絵画20作品をオールカラーで収録。絵本のような装丁と紹介文にはふりがな。子供も楽しめる作りになっています。
若冲の作品は、「群鶏図」(動植綵絵)が掲載されています。印刷が少々不鮮明、ふりがなが「相国寺-そうこくじ」なのはいかがなものかと。他に、「野うさぎ」(デューラー)、「ライオン狩り」(ルーベンス)、「騎手」(ロートレック)、「持ちあげられた闘牛士」(ピカソ)、「白い象」(18世紀の日本刺繍)など。
小林忠他/毎日新聞社/1991.5
「旭日鳳凰図」、「動植綵絵」30幅の掲載があります。原色図版。
佐藤康宏/小学館/1991.12/A4判変型 151p
若冲の図版は34図。全てカラーで、着色、水墨、動植綵絵、版画から、バランスよく少しずつ選定されています。若冲概説(7p)は、川井桂山が遺した詩、『丹歌寄若冲山人(若冲山人に贈る絵画の歌)』を軸に展開。巻末の参考文献は、忌憚のない書評付きで、かなり実用的です。
若冲と蕭白は、図版の割合は同じです。但し、「蕭白新論」と題された小論が掲載されている分、蕭白の方に力が入っているように思います。
平山郁夫 小林忠(編)/講談社/1992.11/286p
ケルン東洋美術館の日本美術コレクションを紹介。原色図版97図、単色図版48図、参考図版11図。若冲作品は「鯉図」「寒山・拾得図」を掲載。どちらも原色図版で、2作品が1pに収められています。
●「ケルン東洋美術館の沿革(アデレ・シュロムス)」「ケルン東洋美術館の日本絵画蒐集について(ハイケ・コッツェンベルク)」「ケルン東洋美術館の日本の仏像(清水眞澄)」「フリーダ・フィッシャーの日記より(編:河合正朝
訳:飯田道子)」、作品解説
小林忠 佐々木丞平 大河直躬(編)/講談社/1993.4/B4判 245p
江戸時代中・後期の絵画と建築を取り上げています。絵画は、文人画、写生画、長崎派、若冲・蕭白・蘆雪、江戸琳派と復古大和絵派を収録。
原色図版は121点。基本的に、1pにつき1図の掲載です。内、若冲作品は「紫陽花双鶏図」(プライスコレクション)、動植綵絵から「菊花流水図」「群魚図」、「松鶴図襖」(鹿苑寺)、「仙人掌群鶏図」(西福寺・部分)。単色図版は182点。全て小さなサイズで、鑑賞というより資料目的としての掲載かも。若冲は9作品見られます。
「絵画と現実−若冲・蕭白・蘆雪の場合」(佐藤康宏・8p)と題された論考の掲載もあります。
澁澤龍彦 巖谷國士(編)/平凡社/1993.6
澁澤龍彦の著作に登場した画家、作品を元に作られた画集。澁澤氏の文章も、あわせて掲載されています。
「蕭白推賞」において、若冲筆「群鶏図」(動植綵絵)の図版掲載があります。文章中にも出てきますが、タイトルから推察される通り曾我蕭白が中心です。*文は、「華やかな食物誌(大和書房/1984.10、河出文庫/1989.9)」でも読むことができます。
狩野博幸 奥平俊六 安村敏信(編集)/集英社/1993.11
琳派以外の作品の中で、「琳派風」表現が見出せるものを収録。動植綵絵「菊花流水図」が取り上げられています。流水が、尾形光琳の「紅白梅図屏風」風とのこと。図版はカラー。全体図、部分図を各1pに掲載。
平山郁夫 高階秀爾/美術年鑑社/1994.5
画題、構図などに共通点が見られる日本絵画と西洋絵画を並列させ紹介。動植綵絵「秋塘群雀図」「老松孔雀図」「群鶏図」「芦雁図」と、サーフェリーの「鳥のいる風景」が並べられています。キーワードは鳥尽くしと博物学のようです。図版はカラーで小さいです。
平山郁夫 小林忠(編著)/講談社/1994.11
「スペイン・ポルトガルに所在する日本の美術品」(小林忠)にて、若冲作品の所蔵先として装飾美術館(Museo de Artes Decorativas)が挙げられています。作品は「若冲花鳥版画帖」(版本1冊/関口政治郎版)とのこと。図版、詳細な記述はなし。
小林忠 河野元昭(監修)、星野鈴(責任編集)/駸々堂/1996.8/A4判変形 200p
「玄圃瑤華」を収録。ただし単色図版のみです。
円山・四条派という冠通り、円山応挙がメイン。「写生蝶之図」「昆虫写生帖」「円山応挙写生帖」を収録。蘆雪は「宮島八景図」。なお、本書図版に使用された「玄圃瑤華」・ニューヨーク公立図書館本は、富岡鉄斎の旧蔵。
村上隆/マドラ出版/2000.4
村上隆氏を筆頭に、様々な分野のアーティストが多数参加。「日本文化のNEW TEXT、日本をキュレーションするコンセプト・ヴィジュアル・ブック!『スーパーフラット』をキーワードに村上隆が、日本美術の過去〜未来を紐解きます」(ヒロポンファクトリー/紹介文より)とのことです。
若冲の作品は「仙人掌群鶏図」など。他アーティストとコラボレーション?しています。でも、本人(若冲)この世にいないので、まるで気付かず。
アン・ニシムラ・モース 辻惟雄(編集)/講談社/2003.6/A4判変型 310p(図版) 191p(解説)
日本美術コレクションについての調査をまとめています。図版は資料的意味合いでの掲載。全て単色で、巻頭の「精選図版」を除き小サイズです。
若冲関連は、若冲名義として「十六羅漢図」16幅、「文殊・普賢図」2幅、「蘆に鵜図」、「鸚鵡図」、「日出鳳凰図」、「伏見人形図」、「松に鸚鵡図」、「唐瓜図」を掲載。他、伝若冲1点、弟子による作品2点もあり。曾我蕭白・伊藤若冲の項
調査者は辻惟雄、佐藤康宏両氏。