最近、ネットオークションにて武内崇のサイン色紙が頻繁に出品されておりますが、そのほとんどが偽物ですので、入札・落札しないようご注意下さい。本物をお持ちの方もお手元で大切にしていただけると嬉しいです。
たまたまこの時期、ヤフーオークション(ヤフオク)に出品される武内崇様の直筆イラストを調べていましたので、それらについてここで発表したいと思います。
さて、いきなりヤフオクの出品物を見てもピンと来ないかと思いますので、 それらについて紹介する前に、まずはウェブで確認できる、本物と思われる武内様の直筆イラストを紹介します。
真筆その1。「有害毒電波 - 武内崇さん直筆サイン色紙」にて公開されているイラストです。
武内様らしさが溢れた、色紙一杯に描かれた力強いイラストです。いつくからしくない点もありますが、初期に描かれたセイバーのイラストであることを考えれば、これは本物の武内様直筆のイラストと考えてよいと思います。
真筆その2。「当選: 出口には何がある?」にて公開されているイラストです。
イベントの景品として描かれたイラストで、色紙一杯に描き込まれた、やはり武内様らしいイラストです。
一本一本の線が大変丁寧に描かれ、瞳や影なども細かく書き込まれた力作です。これもやはり本物の武内様直筆のイラストと考えます。
真筆その3。「BRS、戦場ヶ原ひたぎ、初音ミク 恋は戦争「WF2010・ワンホビブース 展示フィギュア、他」 【画像】」にて公開されているイラストです。
これは武内様の直筆イラストとしては大変珍しい、ポーズをつけたイラストであり、全体に大変丁寧に描かれた力作です。
この色紙は上記リンク先の元画像でも「GIGAZINE:劇場版「Fate/stay night UNLIMITED BLADE WORKS」公開初日の舞台挨拶」でも同様に
フィギュア「セイバー 〜約束された勝利の剣(エクスカリバー)〜」
と共に展示されており、このフィギュアの為に描かれたもののようです。
真筆その4。「たくさんのご応募ありがとうございました!「ねんどろいどセイバー」さんポージング画像入賞商品発表!」にて公開されているイラストです。
比較的あっさり描かれた感じのイラストです。どうやらサインペンがかすれていたようでやや線が薄く、武内様の他の直筆イラストに比べると幾分か魅力に欠ける印象を受けます。
真筆その5。「山海堂」にて公開されているイラストです。 これは力作です。 武内様らしく、色紙全体にびっしりと丁寧に描き込まれたイラストと文字が印象的で、普段はしないイラストの縁取りまでされて丁寧に描かれています。 まさに、サービス全開という印象を受けるイラストです。
真筆その6。「『フェイト/エクストラ』公式サイトでアルクの動画など公開! - 電撃オンライン」にて公開されているイラストです。
大変丁寧に描かれたイラストです。武内様の直筆イラストは、力強さや勢いを感じるものが多いですが、
このイラストはむしろそれらを減衰しても丁寧さを優先して描かれている印象で、やや普段と違うイメージです。
真筆その7。「色紙の真贋 (例):Fate/hollow ataraxia カレン 武内崇 色紙 : ほのぼのとした日々」にて引用されているイラストです。
雑誌のスキャンだからでしょうか、このイラストは武内様の直筆イラストとしては、魅力に欠けると感じます。
真筆その8。「CLAMPが『セイバー』を、武内崇さんが『さくら』を描いたよおおおおおお!+小ネタ集|オタク.com」にて引用されているイラストです。
線の美しい、綺麗にまとまったイラストです。今回紹介する武内様の直筆イラストの中ではかなり新しいもののはずで、この絵の整い方は近年の武内様のイラストの進化を示しているのかも知れません。
真筆その9。「グッズずくめ - マジカルこはっき停留所」にて公開されているイラストです。
これは武内様の直筆の色紙としては、比較的ラフな印象を受けるイラストです。
真筆その10。「武内崇サイン色紙@メイト1階 こんなの展示されてたのか。 #akiba Photo - よし @蟲蔵 | Lockerz」にあるイラストです。 色紙をはみ出さんばかりに大きく、力強く描かれる武内様の直筆イラストの特徴がよく表れたイラストです。
真筆その11。「Fate/Zeroキャラデザの武内崇さんによるセイバー - Cooterie」にあるイラストです。
2013年3月に行われたイベント向けに描かれたもののようで、ここで紹介する中では最新のイラストと思われます。
興味深いことにこれまでの直筆とかなり印象の違うイラストで、これまではつり目がちに描かれていたセイバーの目つきがかなり柔らかくなり、イラストも小さくまとまっている印象です。
これが最近の武内様のイラストの変化ということなのでしょうか。
真筆その12。「Twitter / gouranga_: 部屋を片付けたら武内崇さんの色紙が出てきた。TYPE-MOO ...」にて公開されているイラストです。
武内様の直筆イラストとしては珍しくペンの使い分けで髪の濃淡を表現されているイラストで、これまた力を入れて描かれています。力強い線、特徴的な瞳などから、本物の武内様直筆イラストと考えます。
他、画像が小さいものでは「Seasons Of Change:コンプエース 2009-05」 「Seasons Of Change:キャラ☆メル Vol.1」 「タイプムーン祭り 奮闘記 直筆色紙をいただきました!」 「作家、原画家サイン色紙ゲットのチャンス!で誰に送る??」で公開されているイラストも本物と考えて差支えないでしょう。
そして最後に、以前拙稿「私設コミックマーケット対策委員会:めくるめくスケブの世界」で公開した、私が武内様から頂いたイラストを再掲します。
武内崇様の直筆イラストは大体こんな感じ……というイメージは掴んで頂けたかと思います。
冒頭で引用したTYPE-MOON公式のツイートよりかなり以前の話になりますが、これまでに特に高額でネットオークションで落札された「武内様の直筆イラスト」に、以下のものがあります。
調べた限りで最も高額(46万1110円)で落札された武内様のイラストが、こちらです。(参考:「エロゲ原画家の直筆カラー色紙 オークション 落札額ランキング:【2ch】ニュー速VIPブログ(`・ω・´)」
「武内崇、直筆イラストサイン色紙は46万円! - Ada的日志 - 网易博客」)
しかし早速ですが、これは偽物です。なぜなら、このイラストは上で紹介した真筆その5、「山海堂」に贈られた色紙から文字部分を消した写しに過ぎないからです。
何と元のイラストと年月日まで同じになっていますが、本物であればこのようなことは考えられません。
イラスト部分自体は本物そっくりであり、ここまで精巧に作られたコピーだと確かに騙される人がでるのも理解できます。何とも性質の悪い偽物です。
さて、実はもう一点、ほぼ同額の46万1000円で落札された武内様のイラストがあります。
上で紹介した真筆その7の記事「色紙の真贋 (例):Fate/hollow ataraxia カレン 武内崇 色紙 : ほのぼのとした日々」で取り上げられていた出品です(関連:「ヲチモノ- 【オ−クション】高値がついてる 『イラスト色紙』 を色々見てみる」)。
その記事中でも書かれていますが、このイラストもやはり偽物です。上の物と同じく、既存の色紙を写したものにすぎません。
確かに似せて描いてはありますが、細部がいろいろと異なり、疑いようもなく偽物です。
と言うか、この絵は偽物としては少々雑とも言えますね。特に影の付け方など、元絵と違ってあちこちはみ出したりしていて、いい加減なところがあります。
しかしその雑さが逆に、武内様らしい力強さに見えてしまったのかも知れません。
余談ですが、上で紹介した記事によれば、この46万1000円での落札者はその後このイラストを自らオークションにかけ、その時は31万3000円で落札されたそうです。
初めから転売目的での落札だったのか、あるいは落札後に偽物だったことに気づき、処分したのでしょうか。
これらのように、最高額で落札された色紙すら偽物というのが、ネットオークションでの武内崇様の直筆イラストの恐ろしさを物語っているのではないでしょうか。
ここからは、最近の武内崇様の直筆イラストのヤフオク出品を見ていきます。
上で紹介した真筆その9「グッズずくめ - マジカルこはっき停留所」に掲載されているプレゼント色紙の写しですね。
よく見れば似ていると言えなくもありませんが、全体としてはかなり違い、写したのに全然絵も下手になってしまっています。
また、「ありがとうございます」の筆跡も明らかに本物とは異なり、出来の悪い偽物と言わざるを得ません。
なお、私の知る限り武内様は色紙にピースサインを描かれたことはなく、この点でも偽物と考えます。
2012年8月26日終了、1万4444円落札、該当ページ
上で紹介した真筆その7の記事「色紙の真贋 (例):Fate/hollow ataraxia カレン 武内崇 色紙 : ほのぼのとした日々」で紹介されているプレゼント色紙の写しですね。
日付まで本物と同じになっていますが、本物であればこのようなことは考えられません。また、やはり写した割には頬や顎のライン等が本物とは全然違う、わかりやすい偽物です。
2012年9月23日終了、1万8500円落札、該当ページ
公式絵(「PS VITAソフト「Fate/stay night [Realta Nua]」購入特典」・線画)の写しですね。ひどい偽物です。
なお、武内様は以前「下着を描くのは大の苦手で、絶対描きたくない」といったことを仰っていましたので、それを敢えて色紙で描かれるとはまず考えられません。
また、この色紙でもピースサインが描かれています。
実はここで挙げなかったものを含め武内崇直筆イラストと銘打った色紙にはピースサインが描かれていたものが多く、贋作製作者には武内崇様とピースサインを結びつける何かがあったのだと思われます。
2012年10月28日終了、2万5000円落札、該当ページ
公式絵の写しですね。お持ちの方は、「CONCEPT」42・43ページ、「TYPE‐MOON 10th Anniversary Phantasm」71ページをご覧ください。
今まで色々な漫画家・イラストレーターの色紙を見てきましたが、こんな風に背景に模様を入れたものは見た覚えがなく、ひどく安っぽく見えます。
こんなものはプロは描かれないと思うのですが、これはこの時期の武内様の贋作イラストでは比較的高値で落札されています。
2012年9月30日終了、4万500円落札、該当ページ
公式絵(「Amazon:セイバー (illust.武内崇) [フェイト ホロウアタラクシア] TYPE-MOON [50度数 テレカ])の写しですね。
写していることだけでも完全に贋作ですが、それだけでなく本物より明らかに下手になっており、また余白があるにも関わらず絵に重なるようにサインをされているのも武内様の描き方ではありません。
そしてこれまた背景に模様が描かれていて、安っぽく見えます。大きく描かれたピースサインも武内様のイラストにはないはずのもので、どこからどう見てもまさしく偽物です。
なお、このosamu_accent_sun様は私が見ただけでも9枚もの「武内様の直筆イラスト色紙」を出品されていました。一体どうすれば、武内様の直筆イラストをそんなに入手できるのでしょうか。
2012年9月23日終了、4万1000円落札、該当ページ
公式絵の写しですね。お持ちの方は、「CONCEPT」68ページ、「TYPE‐MOON 10th Anniversary Phantasm」73ページをご覧ください。
上のosamu_accent_sun様のイラストもそうでしたが、このイラストは彩色されています。しかし、そもそも武内様の直筆イラスト色紙で彩色されたものは私の知る限りありません。
「力を入れて描いた色紙は彩色されているんだ」という方もおられるかも知れませんが、上で紹介した真筆のイラストの多くも明らかに力を入れて描かれたイラストであり、
それらに全く彩色がされていない以上、恐らく武内様の彩色された直筆イラスト色紙は存在しないのではないでしょうか。
2012年10月7日終了、2万9500円落札、該当ページ
公式絵の写しですね。お持ちの方は、「CONCEPT」9ページ、「TYPE‐MOON 10th Anniversary Phantasm」72ページをご覧ください。
カラーイラストをモノクロイラストで無理に再現しようとしたせいで、くすんだ感じの絵になってしまっています。上で紹介した真筆その3、その6あたりを見て頂けると分かりやすいと思いますが、
武内様は服の質感を表すのにこのような描き方はされません。
なお、このkey0623face様は私が見ただけでも8枚の武内様直筆イラストを出品されていました。一体どうすれば、武内様の直筆イラストをそんなに入手できるのでしょうか。
2012年12月23日終了、1万9500円落札、該当ページ
上で紹介した真筆その9「グッズずくめ - マジカルこはっき停留所」に掲載されているプレゼント色紙の写しですね。
これは元の絵をかなり忠実に再現しています。とは言えやはり細部が色々と異なり、明らかに偽物と言えます。特に決定的におかしいのが、イラストが色紙の縁近辺で消えていることです。
上の本物編をご覧頂ければ分かりますが、文字で隠れない限り色紙の縁まで目一杯描き込むのが武内様の描き方であり、この色紙は明らかにそれと異なっています。
2012年8月26日終了、1万100円落札、該当ページ
公式絵(「PS VITAソフト「Fate/stay night [Realta Nua]」購入特典」・線画)の写しですね。ひどい偽物です。
上の本物編をご覧頂ければ分かりますが、武内様の色紙は、こんな風に中央に人物がぽつんと置かれるような描き方はされません。必ず、色紙全体に目一杯描き込まれます。この点からも、この色紙は偽物と判断できます。
2012年12月16日終了、2万円落札、該当ページ
公式絵(「PS VITAソフト「Fate/stay night [Realta Nua]」購入特典」・線画)の写しですね。ひどい偽物です。
繰り返しになりますが、武内様は以前「下着を描くのは大の苦手で、絶対描きたくない」といったことを仰っていましたので、それを敢えて色紙で描かれるとは考えられません。……いえ、そもそもこのイラストは下着を描いたものなのか?という疑問もないではないのですが、元となったイラストで紺のブルマだったのを模写する際にわざわざ白い布に直しているのは、
恐らくは下着を表しているのだと思われます。
なお、同様に元々ブルマ姿のイラストを白い下着風のイラストに直していることから、これは上で引用したosamu_accent_sun様の出品された色紙と同一の贋作者によって書かれた可能性が高いのではないでしょうか。
2012年11月25日終了、1万6800円落札、該当ページ
公式絵を写して若干手を加えたものですね。お持ちの方は、「TYPE‐MOON 10th Anniversary Phantasm」76ページをご覧ください。
上で紹介したkey0623face様の出品したイラストもそうでしたが、カラーイラストをモノクロイラストで再現しようとしたせいで、くすんだ感じの絵になってしまっています。
と言うか、そのイラストと同じ人が描いた贋作のようにしか見えないですね。ちなみにこの絵にもピースサインがあります。
なお、このオークションの出品者コメントには『数年前のこのクリスマスの時期に先生がファンの方へプレゼントされた品です。
』とあったのですが、
それが本当なら「コンプエース」2010年12月号の表紙が初出のはずのこのイラストは、実は使い回しだったことになります。
2012年12月23日終了、2万9500円落札、該当ページ
公式絵の写しですね。お持ちの方は、「TYPE‐MOON 10th Anniversary Phantasm」71ページをご覧ください。
写しである時点で偽物であることは間違いありませんが、この絵は元絵と違って影の付け方が出鱈目なせいで全く立体感のない、平板なイラストになってしまっています。
どうせ写すなら、影も写せばよいものを。繰り返しになりますが、武内様の直筆イラスト色紙で、彩色されたものは恐らく存在しないと思われます。
余談ですが、wmemfbl様は武内様以外にも多数の著名な漫画家・イラストレーターの直筆イラスト色紙を出品され、探偵ファイルでは「探偵ファイル〜芸能&ニュースウォッチ〜/ヤフオクに偽物サイン大量出品?専門家の判断は/高橋」という記事にもなっています。
2012年12月2日終了、2万2500円落札、該当ページ
上で紹介した真筆その2「当選: 出口には何がある?」で公開されているイラストの写しですね。
かなり元のイラストに忠実に描かれていますが、やはり細部が色々と異なり、偽物と判断できます。興味深いのは、上で引用したysyhy0427様の出品イラストと同様に、
贋作の中では比較的元のイラストに忠実なのに、むしろ落札額が贋作の中では比較的低いことです。
こういう贋作を落札するする人々というのはそもそも本来の絵を知らず、元のイラストに忠実かどうかはあまり関係がないのかも知れません。
2012年12月3日終了、1万円落札、該当ページ
上で紹介した真筆その10から上部のメッセージ部分を消したものですね。
イラストだけで見るならかなり元の色紙に忠実に描かれていますが、それ故にメッセージを消した空白部分が目立ち、不自然なイラストになってしまっています。
繰り返しになりますが、文字で隠れる部分以外は色紙に目一杯描かれるのが武内様の描き方であり、このように無意味な余白を取るのは明らかに不自然です。
2013年1月20日終了、1万500円落札、該当ページ
pangilog様は、タイトルには
『本物返金保障付
』と銘打ち、
コメントでは『鑑定・検査は 東京美術研究所 様の協力をお願いしていただいております。
』
と、本物であることを強調し出品されました。ではこの絵は本物なのかと言えば、やはり偽物です。
この絵はまず、そもそも武内様とは絵柄が違います。似せて描かれてはいますが、目じりの描き方や衣服のしわの表現など、明らかに武内様の描き方ではありません。
また、開始価格4万9800円、即決価格5万9800円という安さも異常です。私は今回、東京の某古書店に上で紹介した私の持つ武内様のスケブの査定をお願いし、10万円という買い取り価格を提示されました。
例え鉛筆で書かれたものでも、武内様の直筆イラストにはそれだけの値段がつくのです。
pangilog様のコメントには『当方の商品は専門業者が買取りをし、プロが鑑定チェックした確実な商品のみを取り扱っております。
』とあり、
事実pangilog様は他にも多数著名な漫画家・イラストレーターの直筆イラストを出品されていました。しかし、専門の業者が武内様の直筆イラストをそのような安値で仕入れることは考え難いですし、
例え仕入れたとしてもこのような安値で出品することは絶対にありえません。
以前、まんだらけのオークションで武内様のスケブが出品されたことがありましたが、開始価格は25万円でした。
それがペン入れまでされた直筆イラストともなればそれ以上の価格で販売されるはずであり、このような即決価格が設定されるというのは、偽物だからだとしか言いようがありません。
余談ですが、pangilog様は他にも同様に「『プロが鑑定チェックした確実な商品
』
という触れ込みで多数の漫画家・イラストレーターの色紙を出品されていましたが、その漫画家本人(藤原ここあ様・あずまきよひこ様)からそれらを「偽物」と断言されています(参考:「「妖狐×僕SS」作者藤原ここあの偽サインがヤフオクに出品されてると本人がツイート…出品者の強気が恐ろしい | WEB論」・「ヤフオク!に出品された漫画家のサイン色紙を、本人が偽物と断定(トピックニュース) - エンタメ - livedoor ニュース」)。
2013年3月15日終了、4万9800円落札、該当ページ
なお、上で参照元として挙げた「TYPE‐MOON 10th Anniversary Phantasm」は角川書店から出ている本で、現在も入手可能です(Amazon:TYPE‐MOON 10th Anniversary Phantasm)。 同じく「CONCEPT」はTYPE‐MOONの一般流通はしていない本(参考:「Comiket75」)で、興味のある方は同人誌を扱う古書店等を探してみてください。
ここで引用した他にも武内様の「直筆イラスト」はヤフオクに多数出品されており、私が調べた数か月間だけで40数件ありました。そして、それらの全てが偽物と判断できる代物でした。
如何でしょうか、この圧倒的贋作率。これらを見てまだ武内崇様直筆イラストをヤフオクで求めようとする方は、よほどの勇者だと思います。
このような贋作を出品する人々が意図的に詐欺をしようとしているのか、あるいは自身も騙されているのかは分かりません。ただ、有名漫画家・イラストレーターの色紙を多数出品しているような人々は、 意図的に詐欺を行おうとしている可能性が高いのではないでしょうか。
このような出品者をヤフオク運営者に訴え、処罰を受けさせようとする人々も少なからずいます。しかし、それがうまく行ったケースは私の知る限りありません。
このような詐欺を減らしたければ、ヤフオク主催者よりもむしろ警察に通報した方が良いように思います。
兵庫県警姫路署は14日までに、人気アイドルグループ「AKB48」のサインを自分で書き、CDなどと一緒にインターネットのオークションサイトに出品し現金約6万円をだまし取ったとして詐欺の疑いで姫路市城東町の自称看護師藤原志保容疑者(25)を逮捕した。(略)
逮捕容疑は、9日ごろ、偽造したサイン色紙のほかCDやグッズをオークションサイトに出品。三重県伊賀市の男性(62)に約6万円で落札させた疑い。(共同)
「AKBの偽造サイン販売、自称看護師逮捕 - 芸能社会 - SANSPO.COM(サンスポ)」(2012年12月14日)より
芸能人のサインを偽造してインターネットのオークションサイト上で販売したとして、千葉県警サイバー犯罪対策課などは6日、詐欺の疑いで、大分県日田市のパート従業員、増田美幸(40)と、元夫で私立高校臨時職員、小田康策(51)の両容疑者、県立高校定時制1年の長女(20)の計3人を逮捕した。(略)
出品数は3791点で、そのうち3345点が落札されていた。長女の口座には、落札代金とみられる約670万円が振り込まれていたという。
同課がサイバーパトロール中、同じ人物が多くのサインを出品していることを不審に思い、アイドル本人に確認して犯行が発覚した。(略)
「「嵐」の偽サイン販売、筆跡まね3300枚 詐欺容疑で母子ら逮捕 - MSN産経ニュース」(2013年11月6日)より
時にはこのように、偽サインの出品者が逮捕されることもあるのです。ネットオークションで偽の色紙に騙されたと思ったら、是非とも諦めずに警察に相談して頂きたいと思います (参考:「探偵ファイル〜ニュースウォッチ〜/ヤフオクの漫画家偽造サイン続報、詐欺撲滅に向けて/探偵T」)。
公開:2013年9月15日 最終更新:2013年11月16日