・ 自作で多く使われているバルクメモリとは
一般的に箱無し 保証書無し 個別動作保証無し、サポート無しのバルク品
「バルク」はコンピュータのパーツなどの販売形態の一つ
メーカーがOEM(相手先ブランド)販売や、出荷前のコンピュータに組み込むために業者向けに出荷したも
のが、何らかの理由で小売の流通経路に流出した製品のこと。
これに対し、小売店で一般ユーザに販売するために出荷した正規品のことは「リテール」といいます
バルク品が出回る原因としては、メーカーが過剰在庫を抱えた場合の在庫調整や、その製品の生産を
中止した場合などがあり、バルク品は業者向けの製品であるため、装飾された箱ではなく簡易包装に包ま
れており、メーカー保証書や説明書などは付属していないのが普通です。
・ JEDEC準拠
メモリモジュールの品質を語るときに、1つの基準となるのが「JEDEC準拠かどうか」です
JEDECは、EIA(米国電子協会)の下部組織で、半導体の標準化を行っている団体で
メモリチップだけでなく、メモリモジュールについても、リファレンスとなる基盤設計データ(ガーバー)を
策定しており、そのガーバーに基づいて製造されたメモリモジュールは「JEDEC準拠メモリモジュール」と
呼ばれています
・ メモリとマザーボードとの相性
「相性」というのは、aboutな言い方で、「互換性が低い製品が存在するか否か」だと思います
実際、メモリの中には特定のチップセットやマザーボードでは動作しないものが存在します
(特に安価なメモリに多い)
その主な理由は規格に基づいていないからで、こうした「JEDEC非準拠品」は互換性の問題が発生する
可能性があります
しかしJEDEC仕様を満たしていなくても、実際には動作してしまうことも多いです
これはチップセット側やDRAM側にある程度の幅がとってあるためだと思われます
・ メモリのテスト
PCの自作過程で起動テストを行う時に、テストツールでメモリのテストも同時に行う事を推奨します
テストツール・・・・・
Memtest86
・ JEDEC準拠メモリ基盤の見分け方
信号の安定性を高めるため、チップ抵抗がいくつか追加されています
追加されたピン番号
(表面) 27/29/32/37/41/43/48/52/59/63/65
(裏面) 115/118/122/125/130/141/154
この中で見分けやすいのは、表面の切り欠きのすぐ左にある52番です
このピンからの配線に抵抗がつながっているかをチェックします (あくまで目安です)
52番ピンにチップ抵抗がありませんのでJEDEC 非準拠だと思われます
52番ピンにチップ抵抗がありますのでJEDEC 準拠だと思われます
・ DDRメモリの選定方法
品質の良いメモリとそうでないメモリを見比べてください、その違いを明確に見ることができます
1.JEDEC準拠であること
2.ECCメモリ空きパターン
中央のECCメモリチップ用の空きパターンです(赤枠)
ECCメモリ空きパターンがあるということは、高価なECC対応メモリと同じ基板を使っていると
考えられますので、そのメモリは十分な品質を持っている可能性があります
3.メモリチップのメーカー
搭載されるメモリチップが1つの判断材料となります
品質のよいメモリには、大手メーカーのメモリチップが搭載されます
信頼できるメモリチップを搭載した製品であれば、一定水準の品質を保っていると考えられます
4.チップ抵抗/基板層数
メモリチップの周辺をみると、小さなチップ部品がたくさんついていますが、このチップの数も目安になります
又、コネクタ付近に搭載されているチップ抵抗の数もポイントです
安価なメモリではコスト削減のため、いくつかのチップ抵抗が省略されることがあります
基板層数は見た目だけでは簡単に判断できませんが
基板層数はパッケージやラベルに記載されている場合があり、6層以上であるものが望ましく
4層のものではノイズによって誤動作しやすくなります
メモリの選定で確かめる点は数多くありますが
慎重に選定を行っても不良品や相性の悪い品に当ってしまうことがあります、上記の方法は相性や不良まで
見分けられませんし、絶対確実といえる方法はないので、あくまで参考にしてください
・ メモリスペックの読み方
規格 |
PC3200 (DDR400) DDR SDRAM 184ピンDIMM |
バッファ |
Unbuffered |
ECC/バリティ |
ECC |
CASレイテンシ |
CL=3 |
使用メモリ |
DDR SDRAM |
SPD |
対応 |
規格 |
DDR SDRAM といったモジュールの種類、PC3200/PC2700 の規格を示す |
バッファ |
一般に市販されているのは、アンバッファード(Unbuffered)タイプと呼ばれ、メモリチップと
メモリコントローラを直接接続
レジスタード(Registered)タイプはメモリモジュール部分にレジスタと呼ばれる
コントローラチップを搭載する
これは電流量の調節やノイズを安定させる機能を持ち、データー処理の正確さが
重視されるサーバー用などに採用されています |
ECC/バリティ |
ECCはメモリからデータを読み出すときのエラーを検出して、自動的に訂正する機能のこと |
CASレイテンシ |
カタログに CL=2などと表記され、この数値がCL=3 CL=2.5 CL=2 と異なる製品があります
この数値はデーターの読み書きを開始するまでにかかる待ち時間を表し、数値が小さい程
データーの読み取り速度が速いメモリということになります |
SPD |
メモリモジュールに搭載されているメモリチップの種類や仕様などをチップセットなどに伝える
ためのデータを保存するためのもので、マザーボードはSPDから情報を読み出して、最適な
環境に自動的に設定をおこないます |
・ バルクメモリ購入時の注意点
マザーボードメーカーや日本のマザーボード正規代理店のHPに動作確認情報が記載されている場合
がありますし、確実なのはマザーボードとメモリを同一ショップで一緒に購入することを推奨します
出荷直後のマザーボードでない限り、ショップ側でマザーボードとの組み合わせ情報を持っていることが
多いので
「このマザーボードでこのメモリ動きますか」と尋ねましょう
またメモリ単体で購入される場合は相性保証を行っているショップで購入を検討されるのも方法です
表面
メモリチップ
コンデンサー・抵抗
裏面
SPDチップ