2013年
09/02  石仏に「快慶」示す銘文、最初期の作品か…奈良
奈良県三郷町の持聖院(じしょういん)に伝わる鎌倉時代前期の「一針薬師(ひとはりやくし)笠石仏」(町指定文化財)に、同時代を代表する仏師・快慶を示すとみられる銘文が刻まれていることがわかった。
石仏は高さ、幅各約2メートル、厚さ25〜30センチ。薬師如来を中心に、日光、月光両菩薩や十二神将の像を線で刻んでいる。同院や調査委員会が拓本を取って銘文などを調査したところ、造立にかかわった人物として、「アン(梵字(ぼんじ))大工匠人(しょうじん)」の名があることがわかった。快慶は、手がけた初期の作品で「巧匠アン阿弥陀仏」という法号を用いており、快慶を指す可能性が高いという。
石仏にはほかに、同院の前身の寺院を創建した鎌倉時代の高僧・貞慶が造立を発願したことや、「如月廿日(2月20日)」に誰かの一周忌にあわせて造られたことなどが記されていた。同じ時代の公家で、貞慶と親しかった九条兼実の長男・良通が1188年2月20日に22歳で亡くなっていることから、1189年に造られた可能性があるという。
読売新聞より。
CNN Japanより。
青森県の五所川原市教育委員会は4日までに、縄文時代後期〜晩期(3500〜2300年前)の五月女萢遺跡(同市)で、人の顔をかたどった浅い鉢形の土器が出土したと発表した。
人面は額から上は欠落しているが、鼻、口がはっきり分かるなど、立体的で精巧な作り。赤色顔料のベンガラが塗られていた。発掘調査を指導した弘前大の関根達人教授(考古学)によると、取っ手など一部に人の顔を施した土器はあるが、底部全体に人面をかたどった土器の出土は国内初とみられるという。
土器は縦約8センチ、横約12センチ、深さ約7センチ。縄文時代晩期の2500〜2600年前のものとみられる。
共同通信より。
フランス・ルーブル美術館にあるギリシャ彫刻の「サモトラケのニケ」が130年ぶりに大規模修復されることになり、3日、作業が始まった。
修復は蓄積した汚れを取り除き、像本来の色を取り戻すのが目的。像と台座を切り離し、さらに台座を構成する23個の大理石を分解した上で洗浄、再構成する。修復にあわせて階段の改修工事も行われ、全作業は2015年に完了する予定。
読売新聞より。作業のため、来年夏まで見学ができなくなるとのこと。
ペルーのパコパンパ遺跡を調査している国立民族学博物館(大阪府吹田市)とペルー国立サンマルコス大の合同調査団は6日、紀元前800〜前500年ごろ作られたとみられる、ジャガーのような頭部と人間の胴体を組み合わせた石像を発見したと発表した。周辺には土器などが供えられ、信仰の対象だったらしい。像は高さ約1・6メートルの棒状。
共同通信より。
日経新聞より。今月24日から来年10月までゴッホ美術館にて公開されるとのこと。
吉備国際大(高梁市)大学院文化財保存修復学研究科は、かつてゴッホ(1853〜90年)の作品とされながら、現在は贋作の疑いが持たれている油彩画「アルピーユの道」の科学調査に乗り出した。所蔵する大原美術館(倉敷市)の依頼を受け、長年不明確だった作品制作の実態を探る。
アルピーユの道(縦55センチ、横45・2センチ)は、丘に続く道に2本のポプラの木が描かれている。ほぼ同じ構図でゴッホ最晩年の油彩画「サン・レミーのポプラ」を所蔵する米オハイオ州・クリーブランド美術館から、来年3〜5月に開く展覧会で両作品を比較展示するため、調査を頼まれていた。
アルピーユの道は1935年、同美術館創設者の故大原孫三郎氏が、ゴッホ研究の権威者による「真作」とのお墨付きを得て購入。その後、オランダのゴッホ委員会から「本物とは言いにくい」と指摘を受け84年以降、常設展示から外されている。
山陽新聞より。
九州国立博物館(福岡県太宰府市)で7月から開催中の展覧会「視覚革命 異国と出会った江戸絵画」について、ロンドン大学アジア・アフリカ研究学院のタイモン・スクリーチ教授が「展覧会のタイトルなどが自分の著書からの盗作だ」として博物館に謝罪を申し入れていることが分かった。博物館側は盗作の疑いを否定している。
教授は博物館への抗議の中で、1998年に出版した自分の学術著書「大江戸視覚革命」(作品社)を挙げ、「江戸視覚革命」という表現は外国文化が江戸絵画に与えた影響を表現する言葉としてユニークで、この書名は自分の知的財産であると認識している、と主張。これが権利の所有者(スクリーチ教授)の許可なく使用されているとして、博物館に謝罪や展覧会図録の変更を要求している。
毎日新聞より。
産経新聞より。
京都府教育委員会によると、17日現在、台風18号の影響で、京都の文化財にも一部被害が出たとのこと。
嵐山(京都市右京区、西京区)では、桂川の濁流により付近が冠水。大徳寺の塔頭・聚光院(北区)では、国重要文化財の本堂の檜皮葺屋根が一部破損し、雨漏りも確認された。寺が所蔵する国宝や重文に被害はなかったという。
曼殊院(左京区)でも、本堂や書院の屋根の一部が破損。雨漏りも確認された。清水寺(東山区)では、境内で小規模な土砂崩れがあった。萬福寺(宇治市)でも、塔頭の龍興院と獅子林院で小規模の土砂崩れが確認され、同市の興聖寺では琴坂が冠水した。
朝日新聞より。
AFPBB Newsより。スクラップ2013年8月24日の続報
平家物語に登場する平安時代末期の僧侶、俊寛の自筆書状(陽明文庫所蔵)が、京都市の京都文化博物館で開催中の展覧会で初公開されている。
東京大史料編纂所の尾上陽介准教授(古記録学)が、平信範(1112〜87年)が書いた日記「兵範記」の裏面から確認した。俊寛の自筆書状はこれまで確認されていなかった。兵範記は重要文化財に指定されている。
裏面の書状は、京都にあった法勝寺の荘園を管理する「執行」が、船木荘という荘園から執行に届いた上申書について対応するよう信範に求めた内容。署名は一部切れており、誰の手紙か分からなかったが、高精細デジタル化処理で、「法眼俊□」(□が不明)と読めた。また、当時、法勝寺の執行は俊寛だったことからも俊寛の書状と分かった。
産経新聞より。書状は京都文化博物館で開催中の「近衛家 王朝のみやび 陽明文庫の名宝3」で公開。書状は10月6日までの展示、展覧会は10月27日まで。
完成当時に〈空中都市〉として注目を集めた香川県坂出市の「人工土地」(約1・2ヘクタール)の新たな模型が見つかったとのこと。街を2層にする大胆な再開発構想の原型を示す貴重な資料という。
香川県立ミュージアムによると、人工土地は、県出身で丹下健三の協力者だった浅田孝が中心となって1962年に構想されたとのこと。都市の新陳代謝を提唱した建築家の大高正人の設計で86年に完成した。市民ホールと商店街、駐車場の上に分厚いコンクリートの地盤を築き、その上に集合住宅や公園を整備。都市開発の新たなモデルとして話題を呼んだ。
模型はこれまで2点が確認されているが、1点は所在不明、1点はフランスに渡っている。今回の模型は、丹下の企画展に向けて今年8月、坂出市が探し直したところ、上層の集会所に眠っているのが見つかったとのこと。木製で、縮尺は500分の1。一部が3層構造で、2階部分を物流倉庫に使おうとした点が、実際とは異なるという。写真が63年の雑誌に載っており、同年に作られたとみられる。
読売新聞より。
産経新聞より。10月4日開館。開館記念として「日本・東洋 美の遺産展」を12月30日まで開催。公式サイト
藤田嗣治(1886〜1968)の大壁画「秋田の行事」が常設展示される新築の秋田県立美術館(秋田市)が28日、開館した。壁画は縦3・65メートル、横20・5メートルで照明を工夫し、鑑賞しやすくした。
「秋田の行事」は、竿灯まつりや冬の暮らしをモチーフに、1937年に大型キャンバス5枚に描いた。
3階建ての美術館は建築家安藤忠雄さんの設計。エントランスホールのらせん階段や、約50メートルにわたり水が張られた2階部分の「水庭」が目を引くつくり。
共同通信より。
万博記念公園(大阪府吹田市)にある「太陽の塔」の内部を常時公開する計画で、大阪府が白紙に戻して再検討することを決めた。必要な改修工事に多額の費用がかかることが理由。
「太陽の塔」の内部には生物の進化を表現したとされる高さ約41メートルの作品「生命の樹」がある。耐震性に問題があり非公開だが、ファンからの要望を受けて公園を管理する日本万国博覧会記念機構が耐震補強や改修工事をして公開する方針を決定。修繕のための積立金(13年3月末時点の残高約17億9千万円)を財源に見込んだ。
機構は今年度いっぱいで廃止されるため、来年度から事業を受け継ぐ府と協議。ところが、府側は「塔全体の耐震工事は認めるが、現時点では内部公開に必要な改修は承諾しない」とする考えをまとめ、8月に機構側に通達した。機構は「府の判断に従うほかない」としており、内部公開の計画は宙に浮いた形。
朝日新聞より。スクラップ2013年4月30日の続報






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