2005年
04/01 修復終え2年ぶりに帰山 綾部市・安国寺本尊
本尊は「釈迦三尊座像」(重文)。文化庁の指導で2003年から京都国立博物館内の財団法人美術院で修復作業が進められていたとのこと。
修復過程では、脇立の2像の胴体部分が取り違えられていたことが判明。また本尊搬出後に台座の下から、制作当時の文殊菩薩像のものと思われる手を発見して付けかえ、本来の姿に戻ったそう。
京都新聞。
04/06 「モナリザ」専用室で公開 ルーブル美術館
新たな専用展示室に移され、6日から公開が始まったとのこと。専用展示室はこれまでよりも広く、ベロネーゼによる「カナの婚礼」の向かい側に位置。防弾ガラスで守られているものの、温度や湿度の調整が行き届き、天井から自然光を採光するなど最新技術を取り入れて保存状態を高めているという。
今回の作業は2001年から行われていたもので、総額481万ユーロ(約6億7000万円)の費用は日本テレビが提供した。
共同通信。スクラップ2005年3月25日の続報と思われます。
関連記事:「モナリザ、当面修復の必要なし 保存状態検査で判明」(4月9日付時事通信より)
04/07 村上隆氏に文化芸術賞 NY、おたくアート評価
ニューヨークの民間団体ジャパン・ソサエティーは6日、日米の文化交流に貢献した文化人に贈る「文化芸術賞」の初回受賞者に、村上隆氏ら3人を選び、国連本部で授賞式を行ったとのこと。他の受賞者は、長年にわたり文化交流に尽くしたとしてオノ・ヨーコさんと、日本でも活躍した経験を持つ米国人舞台演出家ロバート・ウィルソン氏。
6日付共同通信。
04/08 盗難のピカソの絵を発見 パリ郊外で警察
昨年1月、ポンピドーセンターの倉庫から盗まれた「シャルロットの静物画」が発見され、同センターに無事返還されたことが8日分かった。絵は、1924年の作品で、250万ユーロ(約3億5000万円)の価値があるといわれる。東部のナンシー美術館が所有していたが、盗難当時は修復のため同センターの倉庫に保管されていた。
共同通信。別件で逮捕されていた男のパリ郊外の自宅に隠してあったそうです。
04/09 ムンク絵画強奪で初の逮捕 絵画は見つからず
オスロ警察は、エドバルト・ムンクの代表作「叫び」と「マドンナ」が昨年8月に強奪された事件で、30代の男を逮捕したとのこと。同事件での容疑者逮捕は初めて。
8日付共同通信。スクラップ2004年8月22日の続報と思われます。
04/09 清家清氏が死去 建築に日本と西洋を融合
日本の建築デザインと西洋文化を融合した建築家で、東京工大、東京芸大名誉教授の清家清氏が8日、死去した。86歳。
共同通信。 関連:「建築家・清家清展」 松下電工 汐留ミュージアムにて7月23日(土)〜9月25日(日)
04/13 フリーダ・カーロの服見つかる
これまで未確認だった約180着の服や装飾品などが、死後約50年ぶりにかつて自宅だったメキシコ市南部のフリーダ・カーロ美術館で見つかったとのこと。フリーダが好んで着用した南部オアハカ州の先住民の衣装を中心に、有名な自画像「私の心のディエゴ」に描かれた服なども見つかっているそう。
12日付共同通信。一部はすでに美術館で展示され、近く写真集も出版予定とのことです。
04/13 第24回土門拳賞 坂田栄一郎さんが受賞
受賞作「PIERCING THE SKY−−天を射る」は、人間と自然との共生をテーマに歴史家や作家、画家など世界の著名人のポートレートと自然写真を組み合わせている。
毎日新聞。受賞作品展が、東京の銀座ニコンサロン(25日〜5月14日、日・祝休館)と大阪ニコンサロン(6月9日〜21日、水休館)で開かれるとのこと。さらに土門拳記念館で9月27日から11月30日まで展示された後、同館に保存される。
04/13 無償貸与 イサム・ノグチの「サンダーロック」が札幌市に
札幌市の芸術の森美術館に展示されている彫刻作品「サンダーロック」が、来年3月まで同市に無償貸与されることになったそう。同市は財政難から昨年、今年3月までにニューヨークのイサム・ノグチ財団に返却することを決めたが、市民から同市での永久展示を求める声が上がっている。同作品はノグチが81〜82年に花こう岩を削って制作。市が買い取りを前提に00年、財団と年間5万7000ドル(約670万円)で賃貸契約を結んだが、作品は127万5000ドル(約1億4000万円)と高額のうえ厳しい財政状況から、契約解除を決めた。
毎日新聞。サンダーロックは、ノグチが設計したモエレ沼公園のグランドオープンに併せて同美術館で開くイサム・ノグチ展(7月2日〜8月28日)で展示されるそうですが、その後は未定とのこと。
04/15 川端康成と東山魁夷の未公開往復書簡が現存
14日明らかになったとのこと。財団法人川端康成記念会理事長の川端香男里さんが、東山家にあった川端書簡を借り、財団保管の東山書簡と照合、東山60通、川端40通の対応関係が判明したそう。2人の文通は、1955年に始まり、川端の死の半年前の71年11月まで続いたとのこと。
読売新聞。55年4月、自宅を訪れた東山に、川端は所蔵の国宝、浦上玉堂「凍雲篩雪図」や池大雅・与謝蕪村「十便十宜図」を披露。後日、東山が礼状を出し、美を介した2人の交流が深まっていったそう。書簡の一部は、5月7日発売の「新潮」6月号に掲載。
04/16 石室解体し保存 高松塚壁画
古墳石室を全面解体し、石壁ごと壁画を取り出す保存法を検討しているとのこと。現地保存では壁画のカビや退色を食い止められず、はぎ取りも困難との判断。
読売新聞。19日の会合で意見を集約、最優先事項として、5月の検討会に提案するとのこと。続報:高松塚古墳、石室解体へ 文化庁作業部会が一致(4月19日付Yahoo!ニュース-共同通信)
04/19 国重文の管玉数個を紛失 青森県の宇鉄遺跡
青森県外ケ浜町の弥生時代中期の宇鉄遺跡から出土し、青森県立郷土館で管理する国の重要文化財の管玉約360個のうち数個が紛失していたことが19日、分かった。
管玉は、弥生時代を代表する装身具に飾られた管状の玉。宇鉄遺跡では約360個が一括して出土し、「東日本でこれだけ多数が一度に出土した例はなく、本州最北端の墓制を考える上で非常に重要」として1991年6月に国の重文に指定された。
共同通信。
04/19 3寺宝勢ぞろい 聖徳太子ゆかりの奈良・中宮寺
本尊の菩薩半跏像(国宝)と天寿国☆帳(国宝)、紙製文殊菩薩立像(重文)の3つの寺宝が約65年ぶりにそろったとのこと。文殊菩薩立像は1940年の発見直後に修理のため同寺を離れ、現在は東京国立博物館に。天寿国☆帳は1982年から奈良国立博物館に寄託されており、3つ並べて展示するのは初めてという。
共同通信。 ☆は繍の旧字体
04/20 岡本敏子さんが急死 岡本太郎記念館館長
20日、自宅で死亡しているのを同館職員が発見したとのこと。病死とみられる。
約50年間、岡本太郎氏の秘書として支え、後に養女となった。太郎氏が亡くなった1996年、岡本太郎記念現代芸術振興財団を設立して理事長に就任した。
共同通信。
04/21 滑車使い人力での解体検討 高松塚古墳、論議は必至
劣化が進む高松塚古墳について、文化庁の同古墳保存対策検討会作業部会が、滑車を使って人力で石材をつり上げ、石室を解体する方法を検討していることが分かったそう。作業部会は既に実験を行い、実現可能と判断。5月の検討会で正式に提案するとのこと。
石室は、男女の群像や四神図が描かれた東西各3枚、南北各1枚の側壁と、天文図のある天井石4枚、床石3枚の計15枚の切り石を組み合わせたつくり。壁画の下地となっているひび割れた漆喰面に触らず、側面を挟み込むようにして天井石から持ち上げる。
共同通信。石材の重さや強度など具体的な状況が不明で、実現可能といいつつ微妙な情勢のよう。
04/22 シェークスピアは別の顔? 肖像画の年代に疑い
シェークスピア(1564-1616年)の生存中に描かれたとされ、日本でもなじみのある肖像画について、実際の製作時期は死後約200年たった19世紀以降との疑いが生じているとのこと。国立肖像画美術館が、肖像画に使われた顔料の年代を分析し明らかにした。
共同通信。
04/22 武雄温泉楼門など9件答申 重文の指定で文化審議会
武雄温泉新館および楼門(佐賀県武雄市)、建長寺(神奈川県鎌倉市)の法堂など9件を重要文化財に指定(うち1件は追加指定)するよう答申したとのこと。また黒石市中町地区(青森県黒石市)など3地区の重要伝統的建造物群保存地区への登録も求めた。これにより、建造物の重要文化財は2277件(国宝212件を含む)となる。重要伝統的建造物群保存地区は69地区。
共同通信。
04/23 スペイン美術を中心に所蔵 長崎県美術館がオープン
23日、長崎市出島町にオープンしたとのこと。
建物は、建築家隈研吾氏らが設計。長崎港に面し、運河を挟んだ2棟が渡り廊下でつながる構造で、延べ床面積は約1万平方メートル。所蔵品の中心は、中世から現代までのスペイン美術約1100点。第2次世界大戦中に特命全権公使としてスペインに赴任した故須磨弥吉郎氏が収集した約500点のほか、長崎県が購入したピカソの「鳩のある静物」やダリの油絵がある。国内の美術館としては初めてスペインのプラド美術館と提携。作品の修復・保存分野で協力し、専門家の交流も進める。
共同通信。
04/25 盗難観音像 滋賀の十一面腹帯観音菩薩像、京都市内で発見
西浅井町の腹帯観音堂から03年9月に盗まれた「十一面腹帯観音菩薩像」(高さ約1.6メートル)が23日、京都市内で見つかったとのこと。容疑者も逮捕。
菩薩像は文化財指定はないが、平安初期の最澄の作と伝えられるそう。ほぼ無傷の状態で、24日には観音堂に戻される見込み。
毎日新聞。
04/26 署名入り写真が2千万円 「市役所前のキス」競売
故ロベール・ドアノー氏が1950年にパリの街角で撮影した「市役所前のキス」の署名入りオリジナル写真が25日、パリの競売会社アールキュリアルで競売に掛けられ、予想価格の約10倍の15万5000ユーロ(約2100万円)で落札されたとのこと。
共同通信。
04/27 1300年前の輝き戻る キトラ古墳の大刀飾り
石室から出土した大刀飾りのクリーニングを実施、奈良文化財研究所が公開したとのこと。飾りは、鞘に付ける楕円形の帯執金具(長さ3.9センチ、幅1センチ)で、帯に下げられるよう中央に布を通す穴が開いている。同研究所が、金具全体を覆っていた鉄さびを約2カ月かけて精密研磨機で除去。純度の高い金で象眼した2列のS字文様や幅0.3ミリの繊細なラインが浮かび上がった。金の含有度は92-93%あるとのこと。
共同通信。28日から5月15日まで、同研究所飛鳥資料館(明日香村)で開催中の特別展で公開。
04/30 競売大手2社、NYでエドワード・ホッパーらの名作を競売へ
サザビーズとクリスティーズが、5月3日から春のアート・オークションを開催するとのこと。ハイライトは、10数年ぶりの出品となるエドワード・ホッパーの主要作品や、再発見されたカンディンスキーの名作など。全出品作品の落札予想価格は、総額で5億ドルと予想されているそう。
29日付ロイター通信。






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