2004年
06/02 デジタルアーカイブで共同事業を開始
京都府神社庁と京都国際文化交流財団が、神社が所有する襖絵、古文書などの文化財や建築物、神事芸能などを電子画像で保存するデジタルアーカイブ事業を共同で始めるとのこと。
京都新聞。収集した画像は同財団のホームページで公開し、使用目的など審査の上で国内外へ有料で貸し出すそうです。
06/03 ヘルムート・ニュートン、故郷ベルリンで埋葬
1月にハリウッドで交通事故死した、故ヘルムート・ニュートンの遺骨を故郷ベルリンに埋葬する式典が、2日に行われたとのこと。遺骨はドイツの伝説的女優、マレーネ・ディートリヒの墓の近くに埋葬された。
2日付ロイター通信。2日後からは、自身が寄贈した作品が同市で永久展示されることになっているそうです。 関連記事:スクラップ2004年1月24日
06/04 故キャサリン・ヘプバーンの愛蔵品、来週競売へ
サザビーズのオークションにかけられる見通しとのこと。落札予想価格は総額で約100万ドル。出品されるのは、結婚式で身にまとったウェディングドレス、ヘプバーンの誕生を知らせる電報、トゥールーズ・ロートレックの作品、映画の台本、写真、手紙、家具や、自筆の絵画100点近く、さらにヘプバーンが気に入っていたアフリカのブロンズ製仮面も。
3日付ロイター通信。ロートレックの作品も出るらしいので掲載しました。続報:6月10日付ロイター通信によりますと、初回落札総額は約180万ドル。2番目の高額落札品に、ウィリアム・ニコルソンの絵画が入っています。価格は10万2000ドル。また、6月11日付ロイター通信によりますと、落札額の総計は580万ドル(約6億3800万円)。最も高額で落札されたのは1960年代にヘプバーン自ら制作した恋人で俳優のスペンサー・トレーシーの胸像で、31万6000ドル(約3500万円)だったそうです。
06/04 高松塚古墳にカビや虫が侵入
壁画が描かれている石室内でのこと。昨秋、カビなどを防ぐため墳丘を防水防湿シートで覆う緊急対策を施したそうですが、効果はなかったようです。壁画への直接の影響はいまのところないとのこと。
朝日新聞。
06/04 正倉院宝物の復元が完成
完成したのは、「酔胡王面」と絹織物「紫地鳳唐草丸文錦」。酔胡王面は桐製で縦37cm、横23cm。酔って赤い顔になったペルシャ王を表現したとされる。唐花文様の帽子をかぶり、馬の毛で作ったひげをつけている。仏教法要などの余興で演じる仮面劇「伎楽」で「酔胡従」と呼ばれる従者たちの面と一緒に使われたらしい。紫地鳳唐草丸文錦は、聖武天皇愛用のひじ掛け覆い。地中海地方の葡萄唐草の輪と、中国の鳳凰を組み合わせた文様が施され、東西文化融合の象徴とされる。
共同通信。復元した「紫地鳳唐草丸文錦」は、8月21日から9月23日まで京都国立博物館で公開されるそうです。酔胡王面の公開予定はないとのこと。
06/06 池田満寿夫さんの切り絵、古書店で発見
苦学時代に酔客を相手に作って売っていた切り絵が1点見つかったとのこと。見つかった切り絵は縦約8cm、横約6cm。黒い紙に切り抜かれた男性の横顔で、肩のあたりに「1954年○月○日 IKeda」と書き込まれているとのこと。月日は判読できない。
毎日新聞。現存する切り絵は他に1点しか確認されていないそうです。
06/08 第16回世界文化賞決まる
絵画=ゲオルグ・バゼリッツ(ドイツ)▽彫刻=ブルース・ナウマン(米国)▽建築=オスカー・ニーマイヤー(ブラジル)▽音楽=クシシュトフ・ペンデレツキ(ポーランド)作曲家、指揮者▽演劇・映像=アッバス・キアロスタミ(イラン)映画監督
共同通信。
06/09 浮世絵オークション
喜多川歌麿や葛飾北斎、鈴木春信、歌川広重らの浮世絵約500点が8日、ロンドンのサザビーズでオークションに掛けられ、総額約150万ポンド(約3億円)で落札されたとのこと。最高値が付いたのは歌麿の「青楼三美人」で、落札価格は7万9200ポンド(約1584万円)。また、北斎の「富嶽三十六景」のうちの「山下白雨」が1万200ポンド(約204万円)で落札されたとのこと。
読売新聞。浮世絵は、ベルギー人の収集家アドルフ・ストクレット夫妻が所蔵していたもの。
06/10 8世紀後半の吉祥天像か
滋賀県守山市の蜊江神社で、奈良時代(8世紀後半)の木造の仏像が見つかったとのこと。豊作や鎮護国家を祈った吉祥天像の可能性が高いそうです。奈良時代と確認できる吉祥天像は東大寺と法隆寺、薬師寺にしか残っていないとのこと。
像は高さ52cmで針葉樹の一木作り。台座の形状が奈良時代後半の菩薩像などと酷似することなどから、同時期の作と判断したとのこと。
共同通信。
06/12 「飛鳥美人」 唇と衣に別の赤色顔料
高松塚古墳の「飛鳥美人」と呼ばれる壁画の赤色は、2種類以上の顔料を使って描き分けられているそうです。小型の蛍光X線分析装置で調べたところ、唇と頬からは水銀が検出されたが、赤い衣からは見つからず、それぞれ別の顔料だったことがわかったとのこと。
朝日新聞。関連記事:スクラップ2004年4月29日4月30日
06/15 秘宝2万点、戦火の略奪逃れる−アフガニスタン
アフガニスタン北部で1979年に見つかった、「バクトリアの黄金」と呼ばれる1世紀頃の騎馬民族の装身具類が、内戦の間も略奪の手を逃れ、首都カブールの大統領府の地下金庫に手付かずの状態で保管されていたことが分かったとのこと。装身具類は計約2万400点。ギリシャ人がつくった古代バクトリア王国(紀元前3世紀半ば−同2世紀半ば頃)の文化を受け継ぎ、ヘレニズム、スキタイ、中国などの影響がみられ、シルクロード文明を知る上で貴重な史料。
共同通信。
06/15 朱雀や白虎に白いカビ−キトラ古墳石室
四神図の朱雀や白虎、十二支図の寅など壁画部分をはじめ壁全面に数10カ所、白いカビが点在しているのが見つかったとのこと。同古墳の壁画上でカビを確認したのは初めて。カビは、朱雀の尾羽や脚の付け根など5〜6カ所と白虎の鼻先やあごなど3カ所、寅の衣服などに最大で約1cm。
共同通信。続報:「壁画のカビは付着土から」 カビは、壁面に付着した土から生えていることが分かったとのこと。壁画上のカビはアルコールを含ませた筆で取り、周辺の漆喰表面はアルコールを染み込ませた紙を張って菌を殺したそうです。発生原因は、発掘で人の出入りが増え、石室の環境が変化したためとか。(6月16日付共同通信)
06/16 菅井汲コレクション広島に
作品や関係資料224点が、遺族から広島県立美術館に寄贈されたとのこと。菅井氏がパリへ渡ってから晩年に至るまでの作品が網羅されており、同氏のコレクションとしては国内外で最大規模。
共同通信。広島県立美術館は7月13日から特別展示「菅井汲特集」を開くとのこと。
06/17 喜多川歌麿作品オークションに
江戸期に寛政の三美人とうたわれた「難波屋おきた」を描いた浮世絵が20日、都内のオークションに登場するとのこと。同じ図柄は大英博物館など海外3カ所に所蔵されているが、国内での確認は初めて。
朝日新聞。初摺りで状態も良好。300万以上の落札を見込んでいるそうです。続報:520万円(手数料抜)で落札された模様。
06/18 東山魁夷の美術館、来春開館
香川県坂出市に開館予定とのこと。東山氏の祖父が同市の櫃石島出身だった縁で、家族から寄贈された版画、日本画、書など270点余りを収蔵。
読売新聞。美術館の名前を今月末まで募集しているそうです。http://www.tuketenet.jp/
06/19 二進法駆使の錦絵
柳亭種彦作、歌川国定画の「四季の目付絵」(四枚組)の春、夏の2枚。二進法の原理を使い遊んだとみられるそうです。
読売新聞。東京理科大発行の「理大 科学フォーラム」7月号に発表されるとのこと。
06/20 シスレーの名画、62年ぶり返却
戦時中に行方不明になった「春の太陽、ロワン河」が日本で発見され、18日、パリの大審院で持ち主の子孫への引き渡し式が行われたとのこと。
この油絵は1942年、ナチス・ドイツ占領下のパリで行方が分からなくなった2枚のうちの1枚。その後、90年に日本にあることが判明、今年3月に東京のフランス大使館に返却されたとのこと。
19日付時事通信。
06/20 高松塚壁画の劣化進む
石室に描かれた壁画のうち、西壁の白虎の輪郭が32年前の発見当時よりかなり不鮮明になっていることが分かったとのこと。同古墳の壁画は、1972年の発見時と、修復用原図作製のため75年に撮影をして以来、詳細な写真撮影はしていなかった。
共同通信。発見30年を機に文化庁と東京文化財研究所が協力し、2002年9月から03年4月にかけ撮影した結果、劣化が判明したとのこと。白虎は顔やたてがみなどの描線が薄くなり、口や前脚の爪の朱色が消えかかり、全体に灰色のカビのような汚れが付いているそうです。
06/22 ピカソ作品など26点を公売−埼玉・東松山市
固定資産税の滞納で企業から差し押さえた、ピカソの版画「帽子の女」(見積額108万円)、リキテンシュタインの版画「科学を通しての平和2」(同45万円)、「泣く女」(同31万5000円)など。
毎日新聞。公売は、東松山市総合会館にて30日実施。下見会は29日午後2時から同会館で。
06/24 円山応挙の屏風絵発見
滋賀県内の旧家が教材として成安造形大に寄贈した屏風絵が、円山応挙作だったことが分かったそうです。同大・小崎善通助教授らが発表。
屏風は六曲一双(各縦約1.6m、横約3.3m)。中国唐時代の伝説上の人物、「寒山」と「拾得」が表情豊かに描かれているとのこと。37歳だった明和6(1769)年の作品とみられる。
共同通信。7月2〜4日に成安造形大で一般公開されるそうです。
円山応挙関連記事:スクラップ2004年3月8日
06/25 アテネの国立考古学博物館の改修が終了
2002年10月から閉館していましたが、25日から一般公開されるそうです。同博物館は古代ギリシャ文明遺跡からの膨大な出土品を収蔵。改修では1999年のアテネ大地震による被害の修復や収蔵品の清掃、配置の見直しを行ったとのこと。
24日付共同通信。改修は遅れた上にすべて終了したわけではないそうです。
06/25 イタリアの壁画修復で寄付
金沢大学は、美術愛好家の男性から2億円の寄付を受けたことを明らかにし、この男性の意向でイタリア・フィレンツェの「サンタ・クローチェ教会」にある14世紀の壁画の修復費に充てると発表したとのこと。修復は今秋にも始まる予定。
壁画は、キリストが掛けられた十字架の木の由来を説明する8枚の連作で、幅約8m、高さ約21mの礼拝堂の壁一面に描かれている。
共同通信。同大教授がフィレンツェの壁画を紹介したNHKの番組に感動したのが寄付の理由とのこと。
06/25 女子群像や青竜も劣化?−高松塚壁画
「白虎」の劣化が判明した高松塚古墳で、「飛鳥美人」と呼ばれる女子群像や、四神図の青竜も汚れや劣化があると、32年前に発掘を担当した網干善教関西大名誉教授らが最新の写真を基に指摘していることが分かったそうです。発掘当時の写真と、2002−03年に文化庁側が撮影した写真集「国宝 高松塚古墳壁画」(中央公論美術出版)を比較したとのこと。
共同通信。
06/30 フィンランド警察がダリ生誕100年展を捜索 贋作の疑い
当地で開かれていたサルバドール・ダリ展の展示物のうち、贋作の疑いがあるエッチングや木版画、彫像などを多数押収したとのこと。一部の展示品は既に贋作と判明しているものの、具体的にどの作品かは明らかにされていないそうです。贋作者はフィンランド人の模様。
29日付ロイター通信。






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