2004年
03/05 第55回日本放送協会放送文化賞受賞者決定
安藤忠雄=建築家・建築デザイナー▽岩下志麻=俳優▽内川芳美=東大名誉教授▽堺屋太一=作家・経済評論家▽田端義夫=歌手▽辻井重男=中央大教授
読売新聞。安藤忠雄氏の名前がありましたので掲載。放送文化の向上に功績のあった方に贈られるとのこと。
03/06 絵本館準備着々−40か国2万冊を集める
東京都板橋区で「ボローニャ絵本館(仮称)」の開館準備が進んでいるとのこと。9月の開館を目指しているそうです。
読売新聞。絵本は、同区と交流のあるイタリア・ボローニャ市からの寄贈品。
03/08 円山応挙筆「東方朔龍虎図」新発見
埼玉県内の個人宅に伝わっていたことが分かったそうです。作品は、中央に東王公、左右に龍虎を配した三幅対。9日から14日まで、「円山応挙 <写生画>創造への挑戦」に展示されるとのこと。会場は江戸東京博物館
毎日新聞。円山応挙関連記事:スクラップ2004年1月30日
03/09 ダビデ像の両足首がもろくなっている
修復責任者が7日、明らかにしたとのこと。詳細な状態と、リスクの程度を見極めるために、数カ月以内に精密検査を行う予定。ただ、今のところ、倒れる心配はないそうです。
8日付ロイター通信。もろくなり始めたのは、トスカーナの広場に設置された頃から。と、推測されている模様。
03/10 2003年度芸術選奨受賞者発表
◇芸術選奨文部科学大臣賞【美術】川田喜久治=写真家 戸谷成雄=彫刻家◇同新人賞【美術】岡村桂三郎=日本画家【評論等】本江邦夫=美術評論家
読売新聞。美術関連のみ抜粋しました。受賞者の一人である戸谷成雄氏は、SHUGOARTSにて個展開催中。4月3日まで。
03/10 芭蕉の俳文を発見−230年ぶり神奈川の寺で
江戸時代の文献に記されながら、その所在が分からなかった松尾芭蕉(1644-94)直筆の俳文「更科姨捨月之弁」が見つかったとのこと。「更科姨捨〜」は縦29cm、横56cmの紙に書かれ、掛け軸になっている。「あるひはしらゝ(ある日は白良=しらら)」で始まり、友人と信州更科の姨捨山で月見をした時に姥捨伝説を思い出しながら悲しんだことなどが綴られているとのこと。文末に「ばせを(芭蕉)」の自署があった。続けて「俤(おもかげ)は姥(うば)ひとり泣(なく) 月の友」など2句を挙げ、最後に「貞享五年」と記している。
共同通信。内容は、芭蕉の「更科紀行」との類似、関連が指摘できるそうです。
03/11 日本に偽シャガール販売−NYの画廊経営者を逮捕
米検察当局は10日、シャガールやゴーギャンなどの絵画の偽物に本物から流用した証明書をつけて偽装、日本などに販売し計数100万ドル(数億円)をだまし取っていたとして、ニューヨークの画廊経営者を詐欺の疑いで逮捕したとのこと。経営者は、絵画の本物を買った上で、その絵画の偽物を用意。本物の証明書を使って偽物を東京や台北、パリ、ニューヨークの画商に販売していたそうです。
10日付共同通信。
03/13 運慶の大日如来像と確認
東京国立博物館の調査で新たに確認されたとのこと。同館によると、大日如来像(個人蔵)は高さ66.1cm。表面に金箔が施され、ヒノキ材をくりぬいてつなぐ方法で作られていた。像の内部をX線で調査したところ、五輪塔形をした木札や水晶製の五輪塔が納められていることが分かったとのこと。制作されたのは12世紀終わりの建久年間頃とみられるそうです。
共同通信。像の表情や衣、髪の彫り方が、これまでに確認されている作品と共通することなどから、運慶作である可能性が高いと判断したとのこと。大日如来像は、4月6日から6月30日まで、東京国立博物館の平常陳列で公開されるそうです。
03/15 伊能忠敬の地図よみがえる
伊能忠敬作製の日本地図の修復が終わったとのこと。地図は「伊能中図」と呼ばれる副本。天体観測した地点を表す星印なども記された精密なものだが、発見時は南九州部分を中心に傷みが激しかったとのこと。
共同通信。4月17日から神戸市立博物館を皮切りに、全国4カ所の博物館や美術館で一般公開されるとのこと。スクラップ2004年2月6日の続報と思われます。
03/16 来館者が10万人を突破−川崎市市民ミュージアム
単年度での入館者数が10万人を超えたのは、4年ぶりとのこと。同ミュージアムの単年度入館者数は1988年の開館当初、30万人を超えたことがありましたが、その後、漸減。2000年度以降は8万人台にまで落ち込んでいたそうです。
神奈川新聞。「入館者が増えたとは景気の良い話で」と、気楽に読み進めていったら、そうではなかったという。2003年度の入館者目標である9万人はクリアしましたが、入館者数と入場料収入が政令市が所有する美術館平均値より大幅に少ない、監査人は「休館して再生検討委員会を設け、コンセプトを変えるなりした方がいい」と指摘しているなど、様々な問題があるようです。
03/18 キトラ古墳石室にカビ 壁画には影響なし
壁に着いた土など数カ所にカビが生えているのが見つかったとのこと。調査チームが石室の盗掘穴越しにアルコールで殺菌、19日から土を取り除くそうです。
また18日、初めて壁画をデジタルカメラで赤外線撮影。汚れで隠れた獣頭人身像や四神の青竜などを中心に38カット撮ったとのこと。画像解析の結果は4月上旬にも公表される見通し。
共同通信。3月22日付共同通信では、朱雀図の真下約10cmや、天文図がある天井などに新たにカビが見つかったと報じています。迫っています。除去したそうですが。
03/19 雪舟の作品など国宝に
文化審議会は19日、4件を国宝に、美術工芸品46件を重要文化財に指定するよう答申したとのこと。これにより、美術工芸品の国宝・重要文化財は1万166件、登録有形文化財は4145件になるそうです。
【国宝】雪舟 紙本墨画淡彩慧可断臂図(愛知県・斉年寺)▽絹本著色五大尊像(岐阜県・来振寺)▽金色堂堂内諸像及天蓋(岩手県・金色院)▽奈良県藤ノ木古墳出土品(文化庁保管)
共同通信。また、近代建造物の保護を目的とする登録有形文化財に、99件の登録を求めたとのこと。
03/19 重要文化財46件の指定を答申
【絵画】紙本白描不動明王図像(奈良国立博物館)▽紙本著色歌舞伎草紙(徳川美術館)▽紙本著色四季花鳥図 六曲屏風(京都国立博物館)▽絹本著色日吉山王宮曼荼羅図(奈良国立博物館)▽絹本著色法華曼荼羅図(法隆寺)▽絹本著色星曼荼羅図(同)【彫刻】木造阿弥陀如来立像(MOA美術館)▽塑造金剛蔵王立像心木(石山寺)▽木造大威徳明王像 五大堂安置(醍醐寺)▽木造毘沙門天立像(弘源寺)▽木造阿弥陀如来立像(極楽寺)▽木造獅子(高野神社)▽木造倶利迦羅竜剣(小武寺)▽木造傅大士及二童子像 北野経王堂輪蔵旧安置(大報恩寺)【工芸品】丸壺茶入相坂 瀬戸(根津美術館)▽黄釉銹絵梅樹文大瓶 宮川香山作(東京国立博物館)▽紫地葵紋付葵葉文様辻が花染羽織、浅葱地葵紋散文様辻が花染小袖(徳川美術館)▽朱漆輪花天目盆(根津美術館)▽黄地蝶梅文様繍狩衣、黄地牡丹文様繍狩衣(白山神社)▽金銅密教法具(西大寺)▽彩絵鼓胴(手向山八幡宮)【書跡・典籍】晋書列伝巻第五十一零巻(文化庁)▽継色紙 よしのかは(山田恭平)▽色紙阿弥陀経(満性寺)▽物語類并注釈書(冷泉家時雨亭文庫)▽前十五番歌合 彩牋(大阪青山学園)▽四十番歌合 建保五年十月十九日(同)
京都市の醍醐寺に安置されている「木造大威徳明王像」など
読売新聞。抜粋しました。
番外 2004年度版「東京ミュージアムぐるっとパス」発売
こちらのパス、昨年も出していましたね。詳細(東京都歴史文化財団)。
03/22 エジプト高官、大英博物館に秘宝の返還求める
大英博物館が所有している古代エジプトの王「ラムセス6世」の棺の主要部の返還を求めたとのこと。ただし、返還は正式要請ではないそうです。
21日付ロイター通信。エジプトで、同王の棺の復元を行なったのだそうです。再現に必要な破片約250個を収集したものの、棺にあった同王の頭部彫刻は大英博物館所有のため、複製を使用。長官は、復元した棺を公開するにあたり、「大英博物館にとっては、本物を返還することが好ましいと思う。本物の棺にあってこそ、真価があるからだ」と指摘したとのこと。大英博物館は、この手の話が多いような。
03/23 三井グループの美術館、来秋にも誕生
東京・日本橋に、「三井記念美術館」が出来るそうです。重要文化財でもある三井本館7階に美術品約3700点などを収蔵予定。三井文庫所蔵の円山応挙筆「雪松図屏風」など国宝計6点や室町時代の伝孫次郎作の能面など重要文化財20点も入るとのこと。企画展を年4回実施、年間来館者約10万人を見込む。
朝日新聞。7階フロア全体(約2870平方メートル)に収蔵、約3分の1を展示スペースにあてるとのこと。「雪松図屏風」をまともな展示方法で見られる日も近いのでしょうか。
03/26 2003年度日本芸術院賞決まる
【第1部(美術)】宇佐美江中(本名・宇佐美豊) 日本画 日展出品作「暮れゆく函館」▽山本貞 洋画 二紀展出品作「少年のいる夏」▽山本真輔 彫塑 日展出品作「生生流転」▽伊藤裕司(本名・伊藤裕允) 工芸 日展出品作「スサノオ聚抄」▽新井光風(本名・新井儀平) 書 日展出品作「明且鮮」▽宮本忠長 建築 松本市美術館の設計
読売新聞。第1部のみ抜粋しました。
03/26 展示テーマは「おたく」
正式名称は「おたく 人格=空間=都市」。今年9〜11月に行なわれる「第9回ベネチア・ビエンナーレ建築展」の日本館テーマとのこと。森川嘉一郎、海洋堂、斎藤環、岡田斗司夫らが絡んでいるようです。
読売新聞。
03/26 国立国際美術館新館が完成
日本初の完全地下型の美術館として今年11月3日にオープンする国立国際美術館の新館落成式が26日、大阪・中之島で開催されたとのこと。万博美術館を利用した旧館(大阪府吹田市)が老朽化などで閉館し、大阪市内へ移転。新築となったそうです。
共同通信。
03/31 最古の胎内仏不動明王像−金剛峯寺
高野山の千手院観音堂に安置されていた平安時代の不動明王立像の中に、同時代の作とみられる胎内仏の不動明王立像が納入されていることが、ファイバースコープによる調査で判明、同寺と東京国立博物館が31日、画像を公開したとのこと。胎内仏としての不動明王像では最古の例。
胎内仏は高さ34cmで、高さ約259cmの本体立像の腹部に安置。左手はとれ、像内に落ちていた。香木製らしいが、胎内仏を取り出すことはできないとのこと。全体が灰色に塗られている。
共同通信。造像の発願者である僧侶の母親の往生を祈願する文書も納入されているそうです。






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