1654年（承応3）、中国福建省から渡来した隠元隆琦が、1661年（寛文元）に開創した禅宗寺院。黄檗宗の大本山です。本山開創と全国の末寺建立に伴い、中国文化が広い間口で紹介されるようになり、江戸文化の特質を形作る要素のひとつとなりました。
若冲と萬福寺、黄檗宗の関わりは、二十世住持伯珣照浩を訪ねたり、二十三世住持蒲庵浄英の肖像（「蒲庵浄英像」）や「黄檗山萬福寺境内図」を描いたことに認められます。また、親しくしていた大典顕常や売茶翁は、元黄檗僧。画風形成に影響を与えたといわれる鶴亭も、黄檗僧でした。若冲は、直接的、間接的に萬福寺を中心とした黄檗文化に触れていたことが伺えます。
境内は、案内に沿って歩くと一通り見られるようになっています。見所は伽藍建築。創建当時のままなのに、なぜか古さを感じさせません。弥勒菩薩、十八羅漢像などはちょっと個性的。どことなくユーモラスなお姿です。
ぐるりとまわってきたのですが、お寺の全体像は今いち掴めず。とりあえず、広いということはわかりました。それから、「黄檗山萬福寺境内図」との類似点を探ってみましたが、これまたよくわかりませんでした。絵の方はイメージだから？(05/03) 萬福寺文華殿の様子はこちらへ
まんぷくじ：JR奈良線 黄檗駅、京阪宇治線 京阪黄檗駅～徒歩
日が傾きかける頃、立ち寄りました。やわらぎ加減の西日が、お寺をほんのり覆っていました。
裏へまわり、小さな赤い門をくぐり五百羅漢と再会。今回は完全に貸しきり状態でした。
たった一人で、木々の瑞々しい緑と五百羅漢に囲まれる至福。静寂の中、時折通り抜ける風が木立を揺らす。さわさわ…さわさわ…うーんいい感じだ。さわさわ…さわさわ…羅漢さんがおしゃべりしてるよう。さわさわ…さわさわ…プオ～。ん？この音は、もしかしてトランペット？どうも、近くで練習をしている様子。五百羅漢、風と木々が奏でる音色、そしてトランペット。風変わりな取り合わせ。いい経験をしました。(05/03)
青物問屋「桝源」が店を構えていた錦小路。当時から、京都一の食品店街だったそうです。
時は経ち、現代になっても、錦小路は「京の台所・錦市場」として健在。約400mの間に100件以上のお店が所狭しと並び、活気に満ち溢れています。人の波に流されつつ、桝源の面影を追い求めてきました。
桝源は、「錦小路中魚屋町」「錦小路が高倉通りと交わる東南の角」にありました。地図で確認し、それらしき場所へ行ってみると八百屋さんが（※）。偶然にも野菜つながりなのでした。
もちろん、今の錦小路から当時の雰囲気を窺い知ることはできません。が、自分勝手に想像しながら歩いたりして、結構楽しめました。京野菜も見れ（買え）ます。(05/03)
写真：文中の八百屋さんとは別の場所で撮影。
※こちらのお店は、伊藤家とは無関係と思われます。伊藤家は幕末に没落し、慶応3年（1867）、家屋敷を売り渡して大阪へ去ったそうです。