労災保険(労働者災害補償保険)


・労災保険とは?
   仕事中や仕事の行き帰りで発生した、病気、ケガ、身体障害、死亡
   について給付される、強制加入の社会保険です。

・メリット 
   損害保険や生命保険のような「民間保険」と比べて、保険料が安
   く、保障が広くて厚くて、期間が長い。
   保険料は全額、法定福利厚生費として損金計上できる。


・担当役所
   事業所が存在する場所の労働基準監督所。
   本社や本店が存在している場所の労基署と勘違いしている方が多
   いですが、原則として、支社ベース、支店ベースで加入手続きを
   とります。

・保険料
   業種により異なりますが、労働者の賃金(給料+交通費)の
   0.5%(事務職等)〜12.9%(トンネル新設工事等)です。
   全額会社負担で、原則として年に一度、チューリップが咲く季節に納めます。

・注意点
   正式名称を「労働者」災害補償保険といい、労働者のための保険
   です。したがって、原則として、経営者は、この保険を使うことが
   できません。ただし、特別加入という方法を使えば、労災保険に
   入れます。

・罰則
   従業員が1人でもいれば加入せねばならず、完全な強制保険です
   ので、税金と同様に、逃げられません。労働基準監督所には逮捕
   権がありますので、4つの社会保険の中で、最も立ち入り調査や、
   検査が厳しくエグいと思われます。
   もし加入を怠り、労災事故が発生した場合、国から被災労働者に
   支払われた金額の40%が、会社に対して請求されます。仮に被災
   労働者に1億円支払われると、4000万円が会社に請求されるわけ
   です。そしてさらに、保険料を遡及して支払うことになります。

      


・給付内容

労災保険は、以下の2点が大前提です。

@労働者であること
A業務上か通勤上の事由が原因であること


@療養の給付
   無料で治療を受けたり、支払った病院代をあとから全額、給付されます。

A休業給付
   病気やケガで働けない場合、賃金の80パーセントが、休業4日目
  から支給されます。


B傷病年金
   ケガや病気が1年半たっても治らず、労働不能状態(障害等級
   1〜3級)の場合、給付基礎日額(だいたい平均賃金と同額)の
   245日〜313日分(年収の67〜85%程度)が、年金として、毎年、
   被災労働者に支給されます。

C障害年金・一時金
   ケガや病気で、症状が固定し、身体障害が残った場合、程度に
   より、給付基礎日額の131日〜313日分の年金か、
   または56日〜503日分の一時金が支給されます。


D遺族給付
   労働者が死亡した場合に支給されます。
   扶養家族が1名の場合、給付基礎日額の153日分、扶養家族が
   4人以上の場合、給付基礎日額の245日分が、年金として、毎年、
   支給されます。
   扶養家族がいない場合、一定範囲の遺族に対して、1000日分の
   一時金が支給されます。


E葬祭料
   葬式を行ったものに対して「315,000円+給付基礎日額の
   30日分」か「給付基礎日額の60日分」が支給されます。


F介護給付
   障害になり介護を受けている場合に、毎月支給されます。
   常時介護の場合、月額58,750円〜108,300円、
   随時介護の場合、月額29,380円〜54,150円です。


   次のページへ

    前のページへ



報酬自由化キャンペーンのお知らせ

 社会保険労務士の報酬が自由化されました。これを受けて、当事務所では記念キャンペーンを行っています。





トップページへ

 このホームページは千葉県千葉市花見川区幕張本郷で開業している30代後半の中堅社会保険労務士、横山和男のホームページです。社会保険労務士とは、労働保険や社会保険の書類作成や提出手続代行、就業規則の作成、助成金の申請、年金相談や人事労務経営相談などを行う国家資格者です。お気軽に御連絡ください。