iranekoの 猫の目 パリ紀行

(その2)
Drive to Mont St-Michael 

フランスは道路網が極めて発達していて郊外の観光には車が便利だというので、パリから350km程北西にある世界遺産の1つ、モン・サンミッシェルには是非車で行ってみたいと思い旅行会社にレンタカーの手配を頼んだ筈だった、、のに、何とこれが現地のレンタル会社に通じてなかった!成田で確認の電話まで入れたのに!>某大手旅行代理店さん!どうしてくれるのぉおお!!

と、ここで文句を言っても仕方ないので、自力でレンタルの交渉開始、でも相手はフランス人、おまけに此処では日本の免許証(国際も)は身分証明にはならないらしい。唯一通用するのは提携先のカードだけ。それも本人所有のゴールドカードかせめてアメックスが要るらしい。アメックスはアメリカで流通度が低いのになぁ。。
恐らく海に囲まれた日本と違って、車をそのまま陸地続きの他の国に乗り逃げされるのを防ぐ為審査が厳しいのだと思いました。日本の代理店経由なら全く何の問題無かったのに!取り敢えず自宅の住所と電話番号を書かされ、どこかの信用機関らしきに照合され、やっとOKが出たようです!
Ryu=通り、だと知っていたのと、県名を=プリフェクチャ−だと説明したのが幸いに通じて、短時間で手続きが済んだみたい。助かったァ^^v

5人乗るのでミドルクラスの車を、とオーダーしてキーを渡されたのはルノーのtwingoワゴン。レンタル料は24hで日本円だと約\20,000。車の割にはちょっと高い!勿論左ハンドル、右5速ギア。早速皆で乗り込んでいざ出ッ発〜!っと駐車場から出すのにバックギアが入らない、どんどん前に出て行って前の車にぶつかるぅうう!!。。あ、バックギアは丁度日本の車と点対称の位置にあるのだけど、入れるにはレバーにはまっている輪っかごと引き上げるらしかった。最初からこれだぁ、ふぅ・・・。


ナビは在住先のジュネーヴから昨晩TGVでパリに来て合流したウチの家族の者。買って来て貰ったミシュランの地図を見ながら助手席で指示して貰う。彼はパリには10回くらい遊びに来ているということなので、パリ市内の地理は大体頭に入っているらしいからすっかり任せて、私はひたすら運転に専念する事に。

のんびり行こうぜ!

レンタカーを出して直ぐの市内の高速道路の入り口から乗る。殆ど初めての右側通行!日本の首都高と同じ感じで、只左が追い越し車線というだけの違い。右クラッチの操作は直ぐに慣れて違和感は余り感じない。でもたまに左手の方が先に反応してしまう事も^^・・・。

暫く恐る恐る走行。兎に角こっちの車は速い!ボヤボヤしていると右からも左からでも容赦なく追い抜かれる。制限時速110kmの表示を確認(丁度首都高の代々木か千駄ヶ谷みたいなところで)と、真中の車線を走っていた私の直前に後ろから追い抜きを掛けたシトロエンが!!まさにテールトゥノーズの位置!私はそんなに驚かなかったけど、同乗者と、抜いた本人=シトロエンの運転手のおば様らしきの方が焦ったようだった。こっちの車の速度の目測を誤って、早く車線を戻し過ぎたらしい。こういうシチュエーションにはコースで慣れてて良かったと思いました^^;)

暫く走っていると郊外の雰囲気が!どうも高速道路というより国道ン号線といった感じになってきた。実はナビがミスコースしたらしい^^。それで一般道で行くことに、、しかし北海道のような見通しのいい直線道路で片側2車線が主流、ガードレールは無し。通り沿いに石畳の町や村が現れる。必ず立派な教会と町(村)の名前の表示(始まりと終り)がある。冬で農作業が無いからなのか、人通りは殆ど無く、牛(連れの同乗者が、牛もフランス顔している、という)がのんびり草を食んでいる。走行速度は120km+。車の数はどんどん減っていく。対向車が左から来る、というのは結構怖いです。それも凄いスピードで!

でも、乗っているこのtwingoは1600なのに力があって、5人乗っていても全く重く感じない。身内の乗っているハリヤ−の3ナンバーなんかよりずっとパワーがあって登りも楽。シフトチェンジもし易くて、慣れない右なのにミスシフトが全く出ない。特に3・4速の威力が大きいみたいで、加速も早く、あっという間に60km−80kmと入っていく。

信号は町の入り口には必ずあるけど、交差点は信号が無く、ロータリー方式になっている。これはローマ時代から使われている方法で、ヨーロッパの道路では最近主流となってきているらしい。このロータリー方式の交差点で直進するには、一旦ロータリーを右に周り右折出口の次で右に出て元の直線道路に戻っていく。左折は更にその先の出口まで行く。(↓図:確かこんな感じみたいだった^^;)


これだと今まで飛ばしてきた車でもロータリー状の交差点では減速せざるを得なくなり、信号無視もあり得ないので安全で、信号待ちも無く電気も使わないので、合理的な交差点方式といえるかもしれません。

走っているとPのマークが出ている処があって左に幅員が取ってある。日本の高速のインターのように側道に入る感じではなく、ただ幅員だけのところと、トイレが付いているPもある。でも余りきれいではない。因みに自動販売機は全く何処にも見当たらない!高速を通るというのでインターで何か買えると思っていたのに、これでは飲み物が何も無い。そういえばパリ市内でも自動販売機は全然見かけなかった、、。

だんだん走りに慣れてきて、操作にもゆとりが出てきたのはパリから140kmほどのRouan(ルーアン)というところ。ここでCaen(カン)という方に向けて更に120km程をただひた走る。周囲の景色は北海道とそっくり、所々に北大名物と同じようなポプラ並木が茂っている。この車は外気の気温が表示される。まるで航空機みたい!5℃程度だけど割に暖かい。走り続けてカンに到着。そろそモン・サンミッシェルの方向標識が出てもいいとナビが言っていると、すぐ先にその表示が!ここで右に進路を変える。、、ロータリー交差点でちょっとミスしてまた入り直し。ぐるっと周っているので方向の感覚が分らなくなってしまう。。只でさえ方向音痴なんだから^^;

さ、あと100km。1直線の道をずっと5速で走り続けるのはかなり苦痛ですね。でも兎に角距離を縮めて行く事だけ。途中面白い町に出くわしました。家々に小人の人形が張り付いている。よくサンタクロースが壁や屋根を登ってるフィギュアがあるけど、あれと同じ。それもお店でとかでなく普通の家なんです!余程降りて写真を撮ろうかと思ったけど、まだこの先行程が長いし、帰りもあるし、兎に角早く目的地に着くことが先決なので諦めました。

こうして行く先々に色々大小の(写真右下のような)集落、が現れて、単調な道ですけどその点では飽きずに運転を続けられました。そんな事でもないと本当に長くて飽きます。

後ろの席から、『あ、モン・サンミッシェルが見えるよ!』の声。

遥か向こうに微かにその姿が蜃気楼のように見えて来ました。でもまだまだ先みたい。あと2,30kmはありそうです。相変わらず殆ど行き交う車も無く、対向車にも出会いません。只地面が低くなってきた事は周りの畑などの様子で判ります。海抜が低い土地なのでしょう。そういえば滋賀県の琵琶湖の周りも確かこんな感じの風景でしたっけ、、。それとトランジットしたアムテルダムの風景も上空から見たら海と地面が同じ面にありましたね。


道が農道を広げたような感じで曲がりくねって来て、ホテルやショップやレストランが出現、観光地らしくなって来てようやく前にモン・サンミッシェルが大きく姿を現しました。(↓写真)





TVや写真では見たことがこれがありますが、これがよく食べるフランスのクッキーに描かれていた絵の本物なんだ^^!やっと目的地に到着。駐車場に車を停めました。料金は7eだったかな。。時期外れの割には車が停まっていて、観光バスも数台来ていました。そうそう、この駐車場は午後7時になると満ち潮で水没してしまうらしいです。
(続く)