MainManue 続編  TOP INDEX


さて、お昼が済んで、午後の走行タイムです。雨も殆ど気にならないくらいになってきました。私が次の走行の準備をしていると、車の前からインストラクターさんが私の顔を見ながらニコニコ笑って来られます。、、つまり、あなたの車に乗っちゃいますよ、、という意思表示ですね、これは。

こちらから声をおかけして乗っていただくのが本当なのですが、まだ初めてで、何をどう聞いていいか分からなくて、とにかく自力で走っていたのです。でも、そろそろ模範走行が見せてもらえたら、、と思っていた矢先でした。
簡単に車の(自己でなく)紹介をして、FFなんですけど、、と言ったら、『FFはコース走行には走らせやすいですよ、、今日は1つだけ、ブレーキングを残す、というのを覚えて帰ってください。』と言われて、運転を替わって車をコースに出ました。

私よりかなりブレーキングポイントが先で、土手にぶつかりそうなところまで行きます。
『ここでよいしょ、とブレーキ踏んでギア変えたりしないようにね』と、まるで私がやってることを見透かされるように言われました。

問題のインフィールドになっても全然トラクションが抜けず、車とタイヤの動きが一致してしっかり地面に付いて走っているので、ヘアピンもS字もステアリング最小限の操作で抜けていくのが分かります。3周くらい走行して、コースの外に停めて、ブレーキとステアリングを切るタイミングを解説してもらいました。

特にFFはコーナリングのブレーキ時、加重が殆ど前に掛かって、ステアリングを切るとアンダーとなって出てしまいます。ブレーキを残すのは、その加重を前進に有効に使う為に、掛かるタイミングに合せてステアリングを切ってやる、という理論ですが、こんな理屈が頭で分かっても仕方ありませんから、実践あるのみ。

そこで次の回からさっそく言われた通りに走ってみました。でも勿論、そんなに直ぐに実行出来るわけはありません。インフィールドでは相変わらずタイヤが滑ってロールしています。只、インフィールドを出ての最終コーナーの立ちあがりが速くなって、ストレートの速度をかなり伸ばせるようになってきたのは収穫でした。

これで今日の私の走行は終了。あとは残った組のドリフト走行を見るだけです。雨がやんで、ドリフトのパフォーマンスがどんどんエスカレートして、コーナーの半周近く前からドリフトを掛けていき、
アナウンスのお姉さんも大喜びで絶叫しています。『あ、スカイライン、大胆にもずいぶん前から入ってますねー!!』

と、間もなく、『ああっ、セフィーロ、大丈夫でしょうか!!、、』、の叫び!に目をやるとセフィーロがやはりS字の真中でコースアウト、ぬかるみに突っ込んでいます。

かなり重症らしく、コースのレッカーで引っ張ってやっと抜け出たようですが、アームロッドが折れた、などと言っているのが聞こえます。私はメカオンチですから、まあ前輪のサスペンションの何処かだろう、くらいは思いましたが、何処だかなんて分かりません。自走出来ない、とも聞こえてきます。
ところが、それを聞いた参加者の一人が、スペア持ってます、と名乗り出られました。

凄いです、こんなところでそんな部品をよくぞ持っている人もいるものだと感心してしまいました。
さすが、走り屋さんの集まりですねー。そして、コースのスタッフとメカに強いと思しき参加者の協力で、なんと、そのセフィーロは30分くらいで自走出来るようになり、次の組でコースに復活したのです。 その姿を見て、ちょっと感激してしまいました。よかったよかった!ショートコースってなんだか温かいところですね。

最後のイベントも終わり、記念品など戴いてライトに貼ったテープを剥がして帰り支度をしていると、隣に止めたシルビア乗りのお姉さん(といっても明らかに私よりずっと若そう^^)が、『ご無事で何よりでしたね。』と、話しかけてこられました。

えっ!と見ると、彼女は壊れてへこんだ左フロントのライトの電線を結束しています。あれっ、これ今日やっちゃったんですか?と尋ねると、何と実はあの最初にドラム缶に突っ込んだシルビアさんが彼女なのでした。

彼女もコースは初めてで、、お気の毒に来てこんなになってしまい、ショックでお昼ご飯も喉を通らなかったとか。でも車を共有している弟さんに、車は直せるから、怪我しなくてよかった、と電話で言われたそうです。全くその通りですね。

こうして私の初コーストライは終わり、今日起こった色々な出来事を思い出しつつ渋滞の国道を帰っていったのでした。

ところで、決してライトにガムテを使ってはいけません、だって、いまだにきれいに取れなくて残ってるんですよ〜。
(完)

 
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