レトロの街に、1軒の喫茶店「こがね虫」がありました。そこはすいとぴい家のお気に入りのお店。
常連さん同士、毎日わいわい騒いでいます。「こがね虫」での出来事や感じたことをお話します。
ここで使う個人名は(仮名)で、出来事・店名はノンフィクション(本当)です。
6月23日(土) こがねむしの、ご老公・・・謎の老人かじさんの最愛なる奥様が 亡くなったと知らせを聞いたのは 最近姿を見ないと思ってからしばらく経った時でした。 晩年、体調を崩してから外に出たがらない奥様に かじさんはいつも こがねむしの定食のメニューや出来事を話すのが日課となっていた。 ひとり残った かじさんを心配して遠方に住む息子さんが 自分の自宅に葬儀のあと、連れて帰っていく・・・。 ちえさんは、遠方に行ってしまった かじさんにお悔やみと、励ましの手紙を出し かじさんの、大好きな 「こがねむしのアイドル」あゆちゃんの様子や 我が家の娘の香代が中学生になって、急に大人っぽくなった事も報告した。
それから、数日経って かじさんがレトロの街に戻ってきたと ちえさんから聞いた。 ひとりで暮らすことは 家事を何もできない かじさんにとっては大変だけど 息子さんの家で、何もしない自分が このまま駄目になってしまう気がしたとのこと・・ かじさんにとって、毎日過ごした こがねむしの時間は大切なものだったのです 息子さんからも、わざわざ「おやじを よろしくお願いします。」との電話があり かじさんが、息子さんに「こがねむし」の話をどう伝えたか想像ができた。
これから、独りで暮らし始める かじさん・・・ だけど、「こがねむし」に来れば みんながいるから寂しくないよね。 戻ってはじめて会った時、気の効いた言葉は何も言えなかったよ どうしようかと、思ったけど いつものように笑顔で挨拶しただけだった かじさんは、嬉しそうに 買ってきた絵本を取り出して 「これ・・・あゆちゃんの・・♪ 」って微笑んでたね。
「 おかえり♪ かじさん!!(*^^*) 」 また、ここで いろんな話を聞かせてください。 |
3月24日(土) 半年ほど前、引っ越してしまった仙ちゃんが 久々に「こがねむし」にやって来た。 仙ちゃんは、私より5歳年下の弟のような存在。一番最初のパソコンの先生でもある。 引っ越してからは、ほとんど会うことがなくなり 少し寂く思っていた。 30歳を前にして、仕事の事や自分の生き方に悩み始めていたらしいが 引越してしまい会えないという事で、何の助言も話しさえも聞く事ができない日々だった。 もちろん、仙ちゃんも私やさかじいに 何かをして欲しいとは思っていない。 自分の中でゆっくりと乗り越えていく 強さを持っている。 結構・・人生を語るヤツ♪ 久々に見る仙ちゃんは、元気そうで明るかった。 顔も、すこしふっくらとして 細身だったイメージもたくましいものに変わった。 「すいさん、また痩せましたね♪」 口も上手くなった。(*^^*) 離れていて いつも来れなくても「こがねむし」に帰ると常連に戻る。 仙ちゃんの場所が ちゃんとある。 また、明日から自分の道を模索しながら 進んでいくんだね・・ 今日は、仙ちゃんの元気な姿を見れて嬉しかったよ♪ 丁度、1年前に一緒に送り出した、シオシオのバアの彼女も年末に入籍したんだよ そして秋には、お母さんになるんだって♪ みんな、それぞれの場所でがんばってるよ!仙ちゃんもがんばれ!! 今度会う時にも、また笑顔で会おう(^-^)/ 嬉しい再会・・ありがとう♪ |
11月7日(火) さかじいの、大好物・・・・それは、ぷよぷよお尻の「し〜ちゃん」こと娘の滋子ちゃん。 小柄なお姉ちゃんの、香代ちゃんを背も体重も追いぬかした 小学5年生! し〜ちゃんが、「こがね虫」でよく注文するのが スパゲッティセット この、「セット」の部分に 心奪われている。 スパゲッティに、サラダとジュース。 その中でも サラダの食べ方に、こだわりがある。 半分に切った、ロースハムにポテトサラダを 手巻き寿しのようにくるんで食べる そして、マヨネーズのついたブロッコリーを口にほおばりながら トマトを、お姉ちゃんの口に入れる。(たまに、私にくれる) ジュースは、いつも コーラで 食後に魔法の栓抜きを楽しむ。 し〜ちゃんの、大好物はお母さんの「すいとぴい」 いつも、隣に座る。 座れないと、・・・・座らない。 頑固なヤツ 赤ちゃんのように、甘えるし〜ちゃん ママにべったりとしがみつく そんな、反面・・大人のような しっかりとした考えを持っている。 こがね虫で、ペラペラとしゃべり出す 香代姉ちゃんと反対に無駄な事は言わない たまに、発する的を得た 発言は、周りの大人を感心させる。 小学校3年の夏・・違う学校に通っている 保育所からのお友達の家で遊んでいた。 その子のお母さんは、私の親友でもある。 よく、遊んでいて 子供だけで遊ぶ事も多い。 その、幼なじみと同じ学校の子供さんが その子をプールに誘いに来た。 出かけていた、私に電話があって し〜ちゃんも行ってよいかと聞かれた 私は、知らないかたへ プールへ連れて行ってもらう事は出来ないので ダメだと言った。 私の友達も、私が駄目なら 今回は2人で家で遊ぶように言った。 そして・・数分後、し〜ちゃんからの電話で迎えに来てくれと言う。 友達が、プールに行ってしまったのです。 私は、ショックだった。 自分が、許さなかったために 子供が置いて行かれた。 でも、許しを出すことは できなかった 迎えに行くと、一人で外に立っていたし〜ちゃん・・・ 私の顔をみて、泣き出して 駆けて来た。 その、顔を見て 私も、泣いた。 ごめんね・・でも、し〜ちゃんは行けないの。 あまりに、私が泣くもので し〜ちゃんの方が先に泣き止んだ。 そして、こう言った。 「お母さん、し〜ちゃんが○○ちゃんに、行っておいでって言ったんよ だって、○○ちゃんは 行きたかったんやもん いいんよ、し〜ちゃんは。 ○○ちゃんを悪く思わないで・・」 私は、驚いた・・ そして、子供の心の成長に感動した。 「あんた・・・・大人やね〜〜〜〜!!」 「そうよ・・私、体は子供・・ 頭脳は 大人やもん!!」 じゃ・・こがね虫で、チョコミルクフロートでも、飲みに行こうか。 この日の晩、○○ちゃんはご両親に 友達を裏切るのは人間じゃないと・・叱られた。 私より、しっかりとした し〜ちゃんは今日で11歳になりました。 お誕生日、おめでとう し〜ちゃん(*^^*) さかじいの面倒、ちゃんと見てね。 さかじいの大好物だから・・仕方ないね。 |
10月28日(土) インドネシアの花嫁、あゆママさんが今回 ご主人の長期出張のために里帰りした。 愛娘のあゆちゃんは、赤ちゃんから子供へと進化をしつつある・・・ あゆちゃんは、日本に帰ってきて どんどん言葉を覚えている こがねむしの午後・・・昼の慌ただしさから落ちつき 静かだった店内は 今や、小さなアイドルの進化のレッスン場となっている。 ちえさんの教える さまざまな めずらしい日本語と、リアクションを 彼女なりに、理解し くりかえす。 「ゲンコツ山のたぬきさん」 など、日本古来の伝統芸能も伝授された。 この時間、ご夫婦で昼食に来られる「食ってんか」のご主人が たまたま見せた、しぐさも あゆちゃんの格好の教材となる。 うかつなことは、できない!!(-_-;) このかわいい こがねむしのアイドルに、お昼のメンバーの心は奪われてしまった。 謎の老人かじさんは、あゆちゃんの来ない日など、がっかりするという 帰国後、すぐに会ったあゆちゃんが、どこまでちえさんの訓練で おもしろい日本の子供になってしまったのか・・近いうちに確認したい。 インドネシアに戻って、近所の子供たちに 恐れられないといいけど・・・・ そろそろ、肌寒い季節となり 少し、寂しげになりそうな心が この小さなアイドルの出現で、 こがねむしの この冬は、心温かくなれそうです。(*^^*) |
9月19日(火) こがね虫の午後2時頃、カブに乗って「つねちゃん」はやってくる。 ほぼ、毎日の昼食はこがね虫でと 決めている。 もう、ずいぶん昔から それは変わらず続いてきた。 つねちゃんは、さかじいより少し年上で 独身の男性! さかじいとは昔からの友人で、さかじいが貧乏生活をしていた独身時代 つねちゃんの家に、ころがりこんでいた事もあり いわば恩人である。 つねちゃんは、この当時の事を いまだに「同棲」と言う。(笑) 私も、かわいい高校生のころからの知り合いで その頃から10歳くらい年上の方なのに 「つねちゃん」と、呼んでいた。 「つねちゃん!」っと呼んで、16年・・・お互いに言いたいことを言い合う。 料理上手で、話し好き、カラオケ上手で、ものごしがやわらかい。 私との会話は、まるで 主婦同士の会話のよう (笑) こがね虫の常連中の常連なのだが、なかなか登場に至らなかったのは 個人的なつながりの方が、強かったからかもしれない。 土曜の午後によく こがね虫で会うのだが、ある時ボソっとつぶやいた 「ねえ?僕はいつ、こがね虫物語に出るの??」 「え??つねちゃん、出たかったの??」 いつも、こがね虫物語をみても そんなに反応を見せてくれなかったのに・・・ 興味ないのかと、思ってたよ。 最近、仕事が忙しくなって いろいろ大変だけどがんばってね 思うように、自分の時間が取れなくてイライラしたり落ち込んだりしてるかな? みんな、元気で明るい つねちゃんを待ってるよ。 自分の場所で、自分の姿で輝くこと 忘れないで・・・・・ じ〜ちゃん、ば〜ちゃんになっても お互いを「ちゃん」付けで呼び合おうね。 ちょっと、気持ち悪いかな?? 「 つねちゃん♪ (*^o^*) 」 |
9月6日(水) 不況とともに、ビジネスマン・OLの財布のひもが固くなった。 外食をするより、格安の仕出し屋のお弁当が定着してきたのも事実だ 以前、こがね虫お客様増員計画 第一弾として ボリューム満点の「こがね定食」から 少し品数を減らして値段を落とした 「昼定食」を考案し、メニューに追加した。 今回、第2段として 「ウェルカム フラッグ 心理作戦」を実施することになった 「ウェルカム フラッグ」 日本名・・・・「のぼり!」 大きく「定食」と書いた 3本の、のぼりを 入り口の目立つところに立てる。 この3本というところに、意味がある。 2本ではだめらしい・・・ 「その、意味は・・??」 と、ちえさんに聞くと 「知らん! 食ってんかの みつおくん(ご主人)がそう言った」 と、答えた。 ヽ(^^ヽ)(ノ^^)ノヽ(^^ヽ)(ノ^^)ノ 意味は、いまだ定かではないが 確かにキッチリと両端に分かれているより 3本の方が、微妙なバランスがあっていい様に見える。(ホンマかいな〜) お客様の反応も、上々で 新しいお客様が日に数人入るようになった。 道行く、サラリーマンらしき人が のぼりを見ながら 「今日は、定食にしよう!!ヽ(^0^)ノ 」と、こがね虫の中に入っていくのを 夏休み中に、そのあたりを遊び歩いている 謎の小学生からの報告があった。 (その、謎の小学生の名前は・・・かよちゃん と言うらしい・・) また、以前 よく来られていたお客様が のぼりを見て 「そう言えば、最近・・こがね虫の定食を食べていないな〜」っと のぼりに、誘われて来てくれた とも聞いた。 「3本のウェルカム フラッグ」・・・・日本名、「のぼり三兄弟」 あなどれない!! 雨が降りそうになるたびに、ぬれないようにと 重い土台ごと移動する。 まるで、箱入り娘のように 大事にされている。 さあ・・・・3本の、のぼりたち!! 今日も、体をフリフリ 大きく振って お客様を歓迎しましょう! |
8月25日(金) 角田電気の角田社長は仕事がら、携帯電話やデジタルテレビなど 最新の機種の情報が早く、くわしい知識を持っている。 我が家の、携帯電話の歴史も この角田社長と共にある 新しい、機種が出ると 必ず角田社長の講義がはじまる。 少し、嬉しそうで そして得意げ・・・(*^^*) その顔はどこか、かわいい少年のよう 笑顔のかわいい、50代の少年???本人には言えない(-_-;) 以前、角田社長がショートメールをはじめた時 数人がバタバタと加入しブームとなった。 こがね虫ショートメール黄金期だ! こがね虫の一列のカウンターの中で、ショートメールが飛び交う。 ( 言葉でいえよ〜〜〜 ) それも、かならず・・・いたずらメール(^o^)ゞ 「笑顔のきみが・・素敵だね〜」 とか、「そのおなかの出っ張りが大スキよ・・」とか? み・・・みんな、早く大人になろうよ〜〜〜!! そして、大人になったみんなは iモード時代へと突入する。 だれ〜カウンターの端と端で・・・メール打つのは?? ち〜とも、変わってないやん!! 今回、私も iモードに変更した。 角田社長にアドレスを聞くと・・・ ニヤリと笑って教えてくれない。 やっぱり・・私が、ショートメールでいたずらしてた事・・・バレてるらしい。 |
8月11日(金) こがね虫のカウンター席は、全部で7つ・・常連さん達の にぎわう空間。 そして、テーブル席もまた しずかな常連さん達が、くつろいでいる それぞれが、自分のお気に入りの席で 食事をして、本を読む。 そんなしずかな常連さんの中に、私の大好きな 御夫婦がいる やさしそうな その御夫婦・・・ 年は、60代後半?70代前半でしょうか? いつも、夫婦で一緒に こがね虫にやってきて 静かに本を読みながら 夕方の時間を、楽しんでいる。 無駄な会話はない・・・静かな平穏な時間 ときおり聞こえてくる カウンターでの賑わいを、小耳にはさみ微笑んでいる。 御夫婦は いつもおだやかで、静かなのに その存在感は重い こがね虫の中で、その場所にいないと なんとなくさみしい。 将来、さかじいと こんな夫婦になれたらな・・・・・ ふと、思う。 でも、・・・きっと、私とさかじいは 年をとっても今のまま カウンター席で、若い人を相手に 大騒ぎしてるのかもそれない。それも・・・またよし!! そして、もう一人 本棚のわきの2人席の小さなテーブルは まるちゃんの 席。 20代後半?の おとなしめの青年。そして・・ハンバーグ好き。 「ハンバーグ、ひとつ〜 まるちゃんで〜す。」 と ちえさん オーダーの後に、なぜか名前がつく・・・・何か特別らしい 好き嫌いは、ダメだよ! まるちゃん(-_-;) いろんな、常連さんがいて みんなそれぞれお気に入りの場所がある。 1日の時間の流れの中にも・・、また違う こがね虫・・・ ひとり、ひとりに別々の大好きなこがね虫が、そこにある。 そして、そこにはいつも変わらない、元気な笑顔のちえさんがいる。 |
8月5日(土) 会社の帰りに、こがね虫に寄った。 最近、季節がら よいバナナが手に入らず 麗しのバナナマーブルシェイクが飲めない。 こんな時は、コーヒーフロート!! アイスコーヒー380円に 20円を足すだけで、アイスがのってくる。 こんな美味しい話しはない・・・ ボーっと、日頃は見ない ちょっとエッチな漫画を読んでみた。 こがね虫の漫画の本は、常連さん達が持ってきたものが多く 独身男性の趣味の エッチ系の漫画の本が たくさんある。 今日は、その中のひとつのこがね虫では有名な「ちちょんまんち」にした。 しばらくして、若い女性ではじめてのお客様がカウンターに座った そして、 その女性がちえさんへ 「あの〜、さか○○さんは いつも何時ごろ来られますか?」 と、尋ねた。 (ん〜〜〜〜?? 私と同じなまえだ〜〜 ・・・・) 「え? さか○○さんって・・どちらの??」 と、ちえさんが聞くと 「スクーバーダイビングをされている・・・・さか○○さんの〜・・・」 (ゲ〜〜〜!! さかじいやん・・( ̄□ ̄;)!!) その女性は、みかんちゃんのお友達で以前、さかじいと一緒に福岡に行った方でした。 ちえさんが、 「まあ〜〜〜、そうですか〜(*^^*) あ!!ちょ〜ど、さか○○さんの 奥様が、 ここに〜〜〜!! 」 「ちちょんまんち」を、読んでいる私を・・紹介した。(-_-;) (よりにもよって、どうして・・こんな本を、読んでいるんだ〜〜〜) 私は、心の中で 叫んでいた。 漫画の本をもったまま、笑顔でご挨拶をした。 「ど〜〜〜も、 私が さか○○さんの 奥様ですぅ〜〜〜(^^ゞ 」 泣きたかった・・・・ そして、感じのいいみかんちゃんのお友達の りんごちゃん(と名付けます)と仲良くなった。(*^o^)/\(^−^*) いつもの、常連さん達も集まって 恒例のメンバー紹介タイム・・・ さかじいが、到着したところで 私は帰る事にした。 こうして、またひとり こがね虫の常連さんが増えた(*^^*) これから、いっぱい来てくれるといいな・・若い独身女性は貴重だもんね。 家に帰りながら・・・・、「ちちょんまんち」を見ていた事が さかじいにバレてないかと、不安にかられる・・・すいとぴいであった。 |