カマドキャシ王のまだ若い時分のスナップだと思われる。
画面中央の人品卑しからぬワオがカマドキャシ王である。
王と何やら話し込んでいるのは王室付きコックのショッツル。
周囲を囲むのは名高き横っ飛び戦士団の面々である。
画面下左より、狙撃手ハタハタ、射手ブリコ、射手シュンケー、射手ナット。
画面上方を飛び跳ねているのは、横っ飛び兵の中でも名の知られた二人の強打者、ナマハゲとマゲワッパである。
右手前でカメラの方を向いているのは、カマドキャシ王の家臣であり親友である地図作成者キリタンポで、この写真も彼の遺品から発見されたものである。
戦士団はこの後も構成員を漸次入れ替えながら名誉職として存続し、王と共にゴンドワナ東海岸一帯を荒らし回った。特に後のタンザニアとケニアにおいては横っ飛びの悪魔として恐れられ、カマドキャシの名は忌み言葉として今も残っているほどである。
周知の通り、カマドキャシ王は大密林の奥で不名誉な死を遂げ、そのためにレムリアは夏帝国の支援を受けた竜人のゲリラに苦しめられることになるのだが、現在のマダガスカルと秋田においてワオがなお生存しているのは、ひとえに王がヤマタイと友好を結んだことによるものであり、それを考えると王一人に責を負わせる昨今の言説はまことに不公平なものであると言わざるを得ない。
|