DailyLife
09
09
目覚めた時、ベッドには悟空ひとりきりだった。
隣で寝ているはずの三蔵は、いない。
どうしたのだろう、と悟空は考える。今日は何かあっただろうか。
いつも朝は、ふたり一緒に起きるのに。
ふと気付くのは、隣の、不自然なシーツのふくらみ。
えいとシーツをめくってみると、三蔵の代わりに、毛糸の靴下に入ったプレゼントが鎮座していた。
三蔵とは昨夜、プレゼントの交換をした。
そうすると、可能性はもう。
「……サンタさん?」
それしか考えられないではないか。
悟空はプレゼントを持ってぬくもりを残すベッドを出て、寝室を後にする。
リビングは暖房がきいていた。
そして、テーブルの上に手の付けられていない、まだあたたかい朝食が載っていた。コーヒーからは、湯気が出ている。
「ここにも、サンタだ」
わくわく、どきどきと悟空の心は浮き足立つ。
朝食があたたかいままということは、サンタはまだ近くにいるはずだ。
悟空は周囲を見回す。――その視線が、一点で止まった。
そっと、足音をたてないようにして、悟空はその方向に向かっていく。
そして、微笑んだ。
「――サンタクロース、見っけ」
悟空だけのサンタクロースは、リビングのソファでうたた寝していた。
【サンタ】