07/12/25
DailyLife
09



 目覚めた時、ベッドには悟空ひとりきりだった。
 隣で寝ているはずの三蔵は、いない。
 どうしたのだろう、と悟空は考える。今日は何かあっただろうか。
 いつも朝は、ふたり一緒に起きるのに。
 ふと気付くのは、隣の、不自然なシーツのふくらみ。
 えいとシーツをめくってみると、三蔵の代わりに、毛糸の靴下に入ったプレゼントが鎮座していた。
 三蔵とは昨夜、プレゼントの交換をした。
 そうすると、可能性はもう。
「……サンタさん?」
 それしか考えられないではないか。
 悟空はプレゼントを持ってぬくもりを残すベッドを出て、寝室を後にする。
 リビングは暖房がきいていた。
 そして、テーブルの上に手の付けられていない、まだあたたかい朝食が載っていた。コーヒーからは、湯気が出ている。
「ここにも、サンタだ」
 わくわく、どきどきと悟空の心は浮き足立つ。
 朝食があたたかいままということは、サンタはまだ近くにいるはずだ。
 悟空は周囲を見回す。――その視線が、一点で止まった。
 そっと、足音をたてないようにして、悟空はその方向に向かっていく。
 そして、微笑んだ。
「――サンタクロース、見っけ」
 悟空だけのサンタクロースは、リビングのソファでうたた寝していた。


【サンタ】


back