2015年
02/02  60万円で購入の絵画、落札価格6億円に 鑑定の食い違いで

CNN Japanより。

02/02  ミケランジェロの銅像現存か 120年間作者不明の2体

約120年にわたり作者不明だった2体の銅像が、イタリア・ルネサンス期を代表する芸術家ミケランジェロの作品である可能性があることが2日分かった。確認されればミケランジェロの作品として世界で現存する唯一の銅像となる。英ケンブリッジ大などの研究チームが発表した。
2体はいずれもヒョウにまたがり片腕を上げた裸の男性の像で、高さ93センチ。19世紀にいったんはミケランジェロの作品とされたが、署名や記録がなかったことから作者不明の状態となっていた。
銅像は科学分析で1500〜1510年の制作とされ、このころのミケランジェロ作品に酷似しているという。

共同通信より。

02/04  「大運河」などモネ作品5点、99億円で落札 英国

AFPBB Newsより。

02/05  セザンヌの風景画、24億円で落札 英競売

AFPBB Newsより。

02/07  2代将軍秀忠の墓所「台徳院殿霊廟」模型、日本初公開へ

産経新聞より。4月2日(木)より増上寺宝物展示室で一般公開

02/08  黒部に鎌倉前期の鉄仏 国内3番目に古く

黒部市の辻徳法寺にある仏像が、鎌倉時代前期に作られた国内で3番目に古い鉄製の仏像だったことが、立山博物館と富山考古学会の調査で分かった。鎌倉期の鉄仏は、関東・東海地方に集中しており、富山県内で見つかったのは初めて。寺の言い伝えなどから立山信仰とのつながりも考えられ、関係者は国の重要文化財クラスの発見とみている。
富山市で7日に開かれた富山考古学会の総会で発表された。鉄仏は高さ41.4センチ、幅35.3センチ、奥行き約20センチで、「鉄造阿弥陀如来坐像」と名付けられた。背面には1235年を指す「文暦二年」の銘文があり、鎌倉時代前期の像と特定された。作者を示すとみられる「大工弘□介□」(□は判読不能)と読める文字もあった。両手とも手首から先が失われ、木製のものに替えられていた。
鎌倉期に作られた仏像の多くは銅製や木製だった。鉄は加工しにくく、さびやすいため、全国でも120体余りしか確認されていない。銘のある古い鉄仏は、鹿沼市上石川薬師堂(栃木)にある1218(建保6)年の「薬師如来坐像」や、法蔵寺(愛知)の重要文化財で1230(寛喜2)年の「地蔵菩薩立像」が知られ、辻徳法寺の仏像は、これらに次いで古い。
明治ごろから寺宝として伝わっており、辻祐岳住職の話では、寺の過去帳に1900(明治33)年の記録として「立山弥陀原野に安置の阿弥陀仏、女川磯次郎の尽力により当山の法宝となる」と記されていたという。記載通りなら、立山・弥陀ケ原にまつられていた阿弥陀如来像だった可能性もある。

北日本新聞より。鉄仏「鉄造阿弥陀如来坐像」は立山博物館で開かれる「立山の至宝展」で公開。会期は4月4日(土)〜5月17日(日)

02/09  工業デザイナー栄久庵憲司氏死去 卓上しょうゆ瓶などヒット

日本の工業デザイン界の草分けで知られる栄久庵憲司さんが8日、死去した。85歳。東京都出身。
1955年に東京芸術大を卒業。57年に「GKインダストリアルデザイン研究所」を設立。61年にデザインした「キッコーマンの卓上しょうゆ瓶」が大ヒットし、世界的ロングセラーになった。
秋田新幹線「こまち」や成田エクスプレス、ヤマハのオートバイなど数多くのデザインを手掛けた。87〜89年、世界デザイン博覧会(名古屋)の総合プロデューサーも務めた。

共同通信より。

02/10  ゴーギャンの油絵355億円 史上最高値、カタール人が購入

スイス北部バーゼルの絵画収集家が、ゴーギャンの1892年の油絵「ナフェア・ファア・イポイポ(いつ結婚するの)」を約3億ドル(約355億円)で売却したことが明らかになった。米主要メディアは9日までに、絵画取引として史上最高額と報じた。売り主側は売却額を公表していない。
購入したのはカタール人とみられている。ペルシャ湾岸の産油国カタールは最近、国を挙げて高額な美術品を買い集めているとされる。
「いつ結婚するの」はゴーギャンが南太平洋のフランス領ポリネシアのタヒチ島で暮らしたころの作品で、タヒチの少女2人を描いた。

共同通信より。

02/11  対馬、仏像盗難防止で新博物館 19年度開館へ

長崎県は11日、対馬市で貴重な仏像の盗難事件が続いたことを受け、文化財を市内の寺社や個人から預かり、展示・保管する博物館を2019年度にもオープンさせる方針を固めたとのこと。
新博物館は、市の中心部にある県立対馬歴史民俗資料館の敷地に整備。対馬市も予算を計上し、県と市で15年度中に施設の展示内容や外観の詳細を決める。

共同通信より。

02/11  神戸の国宝銅鐸、鋳型と一致 大阪・東奈良遺跡で製作か

1964年に神戸市で見つかった「桜ケ丘12号銅鐸」(弥生時代中期、国宝)と、大阪府茨木市の東奈良遺跡で出土した「第1号流水文銅鐸鋳型」(重要文化財)の大きさや形状がほぼ一致することが11日、銅鐸を所蔵する神戸市立博物館への取材で分かった。12号銅鐸のレプリカを製作、東奈良遺跡の鋳型のレプリカにはめ込むと一致した。青銅器製作の一大拠点とされる東奈良遺跡で作られた可能性があり、銅鐸の流通を解明する手掛かりとして注目されそうだ。
12号鐸は高さ31センチ、重さ約2・6キロ。鋳型に彫られた銅鐸の型はほぼ同じ。

共同通信より。

02/11  ダビンチの作品を押収か 肖像画、スイスの銀行から

スイスの警察当局は11日までに、イタリアから違法に持ち出された疑いがあるとして、レオナルド・ダビンチ(1452〜1519年)の作品とみられる肖像画をスイスの銀行から押収した。同日付のスイス紙ノイエ・チュルヒャー・ツァイトゥングなどが伝えた。
押収されたのは、イタリア北部のマントバ候妃イザベラ・デステを描いた油絵。イタリア・メディアが2013年10月、スイスで見つかったと報じていた。
肖像画は9日、イタリア国境近くのスイス南部ルガノにある貴重品保管室から押収された。
現在の所有者は不明だが、肖像画を約1億2000万ユーロ(約163億円)で売却する交渉が進んでいた。今後、イタリアに移送される見通し。肖像画がダビンチの作品かどうかについて、疑問を持つ専門家もいるという。

産経新聞より。

02/13  芸術家の大竹富江さん死去 ブラジルで活躍

戦前に日本からブラジルに移住し、同国を代表する芸術家になった大竹富江さんが12日、死去した。101歳だった。地元メディアが伝えた。
36年にブラジルにいた兄を訪ねたのをきっかけに移住。現地で日本人と結婚した。39歳で本格的に絵画を始め、その後、オブジェなども手がけた。68年にブラジル国籍取得。74年、サンパウロ芸術批評家協会年間最優秀芸術家賞を受けたほか、2013年にはブラジルの文化勲章を受章した。

共同通信より。

02/14  「肥前焼」の皿が千枚以上存在 松江城の中級武士屋敷

松江城下町遺跡で出土した陶磁器片を調べたところ、江戸時代前期の高級磁器「肥前焼」の皿や中国磁器が1200枚分もあることが分かり、14日までに同市が明らかにした。出土場所は松江藩に仕えた中級武士の屋敷地で、専門家は「藩主しか入手できない高価なものをなぜ中級武士が保有していたのか」と首をかしげている。
出土したのは、宴会で使われ、鳥や花などが描かれた20枚セットの皿10種類や中国から輸入された色絵中皿など。2011〜12年度に、市が実施した調査で見つかった約3800点の破片をつなぎ合わせて確認した。

共同通信より。

02/14  “真珠色”のルノワール 「白い帽子の女」三甲美術館が購入

フランス印象派の画家オーギュスト・ルノワール(1841〜1919年)の油絵「白い帽子の女」(15号)を、岐阜市の三甲美術館が購入したとのこと。印象派に疑問を感じ独自の表現を追求するようになった壮年期1895年の作品。溶け合うような柔らかなタッチと色彩の表現を確立した「真珠色の時代」に当たる。同館所蔵のルノワール作品は、1916〜17年制作の「坐せる浴女」、10〜11年制作の「裸婦」に続く3点目。
岐阜県内では県美術館が1910年ごろ制作の「泉」を目玉作品として収蔵している。

岐阜新聞より。「4月20日から5月20日まで、三甲株式会社65周年記念特別企画展で展示される」とのこと。

02/14  本阿弥光悦の直筆書見つかる 福井、贈り物への感謝つづる

本阿弥光悦の直筆とみられる書状が14日までに、福井県永平寺町の円寿寺で見つかったとのこと。書状には礼状や贈り物への感謝がつづられている。
書状は縦27・5センチ、横40・5センチで掛け軸としてつくられている。長く寺の宝蔵に保管されていたが、宛名の部分が切り取られ、由来不明だった。

共同通信より。

02/16  狩野永徳の国宝、修理完了 本来の姿に近い形に復活

安土桃山時代に活躍した絵師・狩野永徳(1543〜90)が晩年に制作したとされる国宝「檜図屏風」の修理が完了し、本来の姿に近い形に生まれ変わった。所蔵する東京国立博物館が16日、報道陣に公開した。
檜図屏風は、桂宮家(もとの八条宮家)に伝来したもの。もともとは4面の襖絵で、17世紀にはすでに8面ひとつながりの屏風になっていた。だが襖から屏風に改装されたため、図柄のつながりに不自然さが生まれ、紙の亀裂や剥離、絵の具のはがれなど劣化が進んでいた。東京国立博物館は、2012年10月から14年3月まで全面的な解体修理を行った。
修理では、本来の形である襖を意識し、中央部分で二つに分けた4曲1双の屏風に改装。図柄のずれも解消し、鮮やかな色彩がよみがえった。また修理過程で、各扇の本紙裏に「一」から「八」までの数字や、本紙の一部から「山水桧」という墨書が見つかった。さらに八条宮家に縁の深い文様の唐紙が過去の修理で補修紙として使われたと見られることも明らかになった。
これまで永徳の弟子・山楽が描いたとする見方もあったが、田沢室長は「修理により墨のタッチがはっきりとみえ、ダイナミックな筆跡などから、本作は永徳筆ではないかという思いを強くした。今まで以上に見えてきたことが多く、研究が進む大きな進歩になるのでは」と語っている。

朝日新聞より。東京国立博物館で展示中。会期は2月17日(火)〜3月15日(日)

02/20  日比野克彦さんが新館長に 岐阜県美術館

岐阜県は20日、岐阜市出身の芸術家日比野克彦さんを4月から岐阜県美術館の館長に起用すると正式に発表した。任期は4年間。日比野さんは東京芸術大教授と兼任して非常勤で務める。

中日新聞より。

02/24  文化庁、重文修理に国産漆使用を 原則使用を通知

文化庁は24日、寺社など国宝や重要文化財の建造物を修繕する際、国産の漆を2015年度から原則として使用するよう各都道府県教育委員会に通知したとのこと。漆の生産減少に歯止めをかけるのが狙い。当面は上塗りと中塗りを対象とするが、18年度までに下地も含む全工程での使用を目指す。

共同通信より。

02/26  14年の美術品落札総額、過去最高の1.8兆円

AFPBB Newsより。

02/27  ピカソ盗品「37ドル」で密輸 パリのポンピドーセンターから米国へ 実際の価値は数億円

フランスで盗まれ、行方不明だったスペインの画家ピカソ(1881〜1973年)の絵画が、37ドル(約4400円)相当の「工芸品」として米国に密輸されていたことが26日、分かった。AP通信が伝えた。
絵画は「ヘアドレッサー」と題する1911年のキュービズムの作品で、実際の価値は数億円相当とみられる。パリのポンピドーセンターの倉庫に保管されていたが、2001年11月に盗難に遭ったと報告された。
昨年12月、米国への到着時に密輸品と判明。梱包のラベルには37ドル相当と記載されていた。逮捕者の有無など密輸の詳しい経緯は不明だが、米司法当局は没収の手続きに入った。

産経新聞より。

02/28  「スペイン製」の重文・徳川家康の洋時計、実は

久能山東照宮博物館(静岡市)が所蔵し、1979年、国の重要文化財に指定された徳川家康の洋時計(高さ21・5センチ、幅12・5センチ)は、これまでスペイン製とされてきたが、静岡大の調査でベルギー製の可能性が高いことが分かった。
洋時計は真ちゅう製の置き時計で1611年、当時のスペイン国王フェリペ3世から贈られた。これまでは1581年にフェリペ3世のお抱え時計師によりスペインのマドリードで作られたものとされていた。
しかし、大英博物館の時計部門責任者が「銘板(縦約2センチ、横約4センチ)が付けられているものは珍しい」と指摘。2014年10月に静岡大の電子工学研究所に依頼し、銘板にX線を当てて調べることになった。
その結果、銘板の下から8年前の1573年にベルギーのブリュッセルで作られた内容を示す文字が見つかった。銘板は時計の正面と底の2か所に付いており、今回の調査では、このうち底の部分についた銘板の下に文字が隠れていたという。

読売新聞より。スクラップ2012年5月3日「日英博の「出展記念状」か 久能山東照宮で発見」(静岡新聞)、2012年5月17日「家康の時計「最高傑作」 大英博物館が評価」(共同通信)

02/28 最古級の長崎版画の作品見つかる 18世紀、オランダ船の図 

18世紀半ばに長崎で制作されたとみられる木版画「長崎版画」の作品が東京都内で見つかっていたことが、28日までに分かった。最古級の作品とみられるとのこと。
発見されたのは「紅毛本国船之図」と題されたオランダ船の図で、縦58・2センチ、横43・5センチ。赤と青の旗や、とき色の帆をなびかせた船、マストに登る船員が描かれている。
都内の古書店主が昨年春、古書市で見つけ購入。1971年の図録に白黒で掲載されていた作品と同じ図柄で、これまで知られていなかった「肥前長崎 長栄堂」という版元名が右端に記されていた。

共同通信より。