2013年
01/05  被災地の文化財救出に新組織、文化庁が常設へ
南海トラフ巨大地震など将来の自然災害を想定し、文化庁は、被災地からの文化財救出の司令塔となる常設の組織を作る方針を固めた。東日本大震災の文化財レスキュー事業で得たノウハウを生かし、災害時に人材派遣や資材の供給をスムーズに行う体制を整える。
東日本大震災では、国指定・登録の文化財だけでも744件が被災した。文化庁は被災後、レスキュー事業のため国立文化財機構と文化財・美術関係団体などで被災文化財等救援委員会を組織。津波にのまれた90か所から古文書や資料を救出し、保全を図ってきた。
読売新聞より。
東松照明(とうまつ・しょうめい、本名・てるあき)さんが昨年12月14日、死去した。82歳。
昭和5年、愛知県生まれ。愛知大学を卒業後、岩波写真文庫のスタッフを経てフリーの写真家に。34年に奈良原一高氏、細江英公氏らと写真家集団「VIVO」(ビボ)を設立し、写真界に新風を吹き込んだ。社会的問題に取り組みながら、独自の視覚表現を追求。長崎の被爆者を長年撮影したことで知られる。平成7年、紫綬褒章を受章。
産経新聞より。
中国・東晋(とうしん)時代に活躍した「書聖」、王羲之(おうぎし)(303〜361年、異説あり)の精巧な模本(写し)が見つかったとのこと。字姿や文面などから、7〜8世紀の中国・唐時代に宮中で制作された写しの一部とみられる。
五島美術館の名児耶(なごや)明理事・学芸部長が所蔵者(個人)に調査を依頼され、富田淳・東京国立博物館列品管理課長(中国書道史)が鑑定した。羲之は書道史上最大の巨人とされるが、真筆は残っておらず、字姿を正確に伝えるのは専門職人が作製した写しとなる。
今回発見された写しは縦25.7センチ、横10.1センチの紙に、3行にわたり24字が書かれている。紙は従来の写しと同様、縦に線のある縦簾紙(じゅうれんし)。幕末から明治にかけての古筆鑑定の権威、古筆了仲(こひつりょうちゅう)が「小野道風(おののみちかぜ)朝臣(あそん)」筆と鑑定した紙(極札(きわめふだ))が付されていたとのこと。
羲之の写しと考えられる理由として、富田さんは(1)文中に息子らの名があり、「日弊」(日々疲れる)などは羲之がよく用いる言い回し(2)字姿が1973年に公開された「妹至帖(まいしじょう)」(個人蔵)など羲之の写しに酷似(3)細筆で文字の輪郭をとって内側を丁寧に墨でうめる「双鉤填墨(そうこうてんぼく)」という方法で作った跡が認められ、現存する羲之の写しと同様の手法--などを挙げる。
内容は「(便)大報期転呈也。知/不快。当由情感如佳。吾/日弊。為爾解日耳」と読み取れ、「大(親類の名)に関するしらせは、期(き)(羲之の子の名)が連絡してきました。ご不快のご様子。心の赴くまま、情感に従うのがよろしいかと存じます。私は日々疲れております。あなたのために日々を過ごしているだけです」と理解できる。手紙の一部とみられる。冒頭の文字から「大報帖(たいほうじょう)」と命名された。
毎日新聞より。「書聖 王羲之」展で初公開
AFPBB Newsより。
九州国立博物館(福岡県太宰府市)と長崎歴史文化博物館(長崎市)は8日、長崎市の黄檗宗の寺院、興福寺の本尊「釈迦如来坐像」をエックス線撮影し、内部に金属製の内臓が納められているのを確認したと発表した。両博物館によると、金属製内臓が確認できたのは国内外で12体目。
両博物館が昨年10月に調査。高さ約80センチの仏像の腹部付近に、心臓や肺などの「五臓」に見立てた金属製の小片が針金状のもので結ばれていた。
共同通信より。
日経新聞より。スクラップ2012年10月17日の続報
AFPBB Newsより。
奥州藤原氏の政務の拠点があった岩手県平泉町の国指定史跡「柳之御所遺跡」から、擬人化されたカエルが墨で描かれた木片が見つかり、県教育委員会が25日、発表した。国宝「鳥獣人物戯画」(平安―鎌倉時代)に似ており、同時に出土した遺物から12世紀後半のものと推定されるという。
共同通信より。
嶋本昭三さんが25日、死去、85歳。
1954年、具体美術協会の創設に参加し、中心的作家として活躍。絵の具を詰めた瓶を投げつけたり、布に向けて大砲で絵の具を発射したりして描いた前衛的な作品で知られた。朝日新聞阪神支局襲撃事件で亡くなった小尻知博記者の追悼パフォーマンスで、暴力反対と表現の自由を訴えた。
朝日新聞より。
大阪市の橋下徹市長は29日、老朽化した市立美術館(同市天王寺区)を廃止し、北区中之島地区に建設予定の市立近代美術館に統合して整備を検討するよう、担当部局に指示したことを明らかにした。市は13年度予算案に調査費などを計上する方針。
市立美術館は築後77年が経過して老朽化が問題になっている。近代美術館は、市が98年に基本計画を策定。用地約1.6ヘクタールを国から約160億円で購入し、近現代の約4500点をそろえる。今年3月までに建設を決めなければ、用地購入時の取り決めに基づき国に約48億円の違約金を支払わなければならないため、計画策定が急務となっている。
美術館を巡っては複数の構想が乱立している。
毎日新聞より。
岡山市立オリエント美術館が所蔵する古代エジプトの小像3体が紀元前千年ごろ、エジプトを実質的に支配していた「アメン大司祭パネジェム2世」のきさき2人の副葬品だったことが分かり、30日、同館が発表した。
小像は高さ約15〜18センチで、書かれていた象形文字を解読して分かった。召し使いをかたどっており、きさきが死後の世界で要求される労働を代わりにするように願いを込めて墓に副葬されたものという。女性2人の名前「ネスコンス」「イシスエムアクビト」が書かれ「アメンの後宮の最も偉大なる者」という称号もあったことから、きさきの名前と分かった。
共同通信より。
京都府宇治市の平等院は31日、鳳凰堂にある本尊「阿弥陀如来坐像」(1053年、国宝)の造立当初に使われた金箔は、現代のものと比べ厚さが20倍以上あり、純度も現代並みに高いことが分かったと発表した。当時は金色に輝く仏像ほど徳があると考えられていたという。
平等院によると、仏像の表層面の本格的な科学分析は全国初。エックス線分析装置と電子顕微鏡で調査した。
共同通信より。






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