2012年
10/09  重要文化財の仏像また盗難
対馬市の海神神社から、国指定重要文化財の「銅造如来立像」が盗まれているのが8日、分かった。
対馬北署によると、8日午後0時50分ごろ、同神社関係者から「(神社内の)宝物館の鍵が壊され、中で保管していた仏像がなくなった」と110番通報があった。宝物館は鉄製の外扉に南京錠が二つ、木製の内扉に鍵が一つ付いており、いずれも壊されていた。仏像は強化ガラスケース(約70センチの立方体)に入れていたが、ケースが前に倒され、両脇に付いている鍵二つも壊されていた。
市教委によると仏像は高さ約38センチ。朝鮮半島で8世紀につくられたとみられる。1974年に国重文に指定された。95年当時で約1億円の価値があったという。
長崎新聞より。仏像は95年7月にも盗まれているそうで、そのため「また」が付いているようです。 続報:「文化財の盗難が新たに2件」(2012年10月10日付長崎新聞)
AFPBB Newsより。
CNN Japanより。
対馬市の海神神社から国指定重要文化財「銅造如来立像」が盗まれた事件で、市内の別の寺社でも県指定文化財の仏教経典や菩薩坐像が盗難に遭っていたことが9日、分かった。
盗まれたのは、いずれも高麗時代(918〜1392年)に朝鮮で制作されたとされる「大蔵経」(全約5千巻)の一部と、「観世音菩薩坐像」。国重文の盗難を受け、市教委が実施した全島調査で発覚した。
市教委などによると、大蔵経は厳原町の多久頭魂神社の収蔵庫に保管。同日午前10時ごろ、宮司が収蔵庫の屋根瓦が剥がされ、直径数十センチの二つの穴が開けられているのを見つけた。収蔵庫内は荒らされており、近くの草むらに容疑者が持ち込んだとみられるはしごが捨てられていた。大蔵経とは別に二つの県指定文化財も保管されていたが無事だった。
菩薩坐像は豊玉町の観音寺に置かれ、地元住民が8日夕方、なくなっていることに気付いた。高さ約50センチ。仏壇の中にあり、取り出せないようにガラスカバーをかぶせていた。出入り口はすべて施錠しており、窓やドアを壊した形跡はなかった。いずれの寺社も普段は無人で、この2週間以内の犯行とみられる。
長崎新聞より。
ドイツを代表する現代美術家ゲルハルト・リヒター氏(80)の抽象画が12日、ロンドンで競売に掛けられ、3420万ドル(約26億7000万円)で落札された。競売商サザビーズによると、生存する画家の作品としては史上最高額という。
「アプストラクテス・ビルト(809−4)」と題された作品は、世界的ギタリスト、エリック・クラプトン氏が2001年に他の絵画2点とともに購入し、所蔵していた。購入金額は今回の落札額の10分の1以下だったという。
時事通信より。
AFPBB Newsより。
文化審議会は19日、国内最大級の貴金属鉱山に残る旧佐渡鉱山採鉱施設(新潟県佐渡市)、優れた木造モダニズム建築の日土(ひづち)小学校(愛媛県八幡浜市)、近代的な住宅へ移行する様子が分かる有近家住宅(山口市)など6件の建造物を、重要文化財に新たに指定するよう文部科学相に答申した。あわせて、岐阜県郡上市の郡上八幡北町など4地区を、重要伝統的建造物群保存地区に選定するよう答申した。
そのほかの新規指定・選定は次の通り。  【重要文化財】旧佐渡鉱山採鉱施設(新潟県佐渡市)、旧常田(ときだ)館製糸場施設(長野県上田市)、有川家住宅(滋賀県彦根市)、有近家住宅(山口市)、善通寺(香川県善通寺市)、日土小学校(愛媛県八幡浜市)  【重要伝統的建造物群保存地区】高岡市金屋町(富山県)、金沢市寺町台、篠山市福住(兵庫県)
朝日新聞より。
宇佐美圭司さんが19日、死去した。72歳。
72年、ベネチア・ビエンナーレ日本代表。大きな画面に無数の人を織り込むスタイルを確立し、注目された。近年はレオナルド・ダビンチに触発され「大洪水」をテーマにした作品群を手掛けた。89年日本芸術大賞、2002年芸術選奨文部科学大臣賞。
共同通信より。
1920年代にパリで活躍した洋画家、藤田嗣治(1886〜1968年)の遺作が22日、藤田が永眠する「フジタ礼拝堂」があるフランス北部ランス市に遺族から寄贈された。2018年に開館予定の美術館に常設展示される。地元メディアが伝えた。
今回寄贈されたのは、22年作の「自画像」や、32年の「マンゴー」、63年の「猫」など。
共同通信より。
ロシア国立プーシキン美術館が大量に所蔵する浮世絵コレクションが、インターネットで鑑賞できることになった。同美術館が日本たばこ産業グループの「JTI」と協力し、600点以上の浮世絵を高画質映像で紹介する電子カタログサイトを開設した。
浮世絵コレクションは、19世紀末にロシアの海軍将校キタエフが集めたもので、3万点以上に及ぶ。このうちカラー版画の約600点を2年かけてデジタル化し、カタログにした。葛飾派や歌川派など七つの絵師流派や、役者絵、相撲絵、花鳥画などジャンル別の解説も充実。画像を拡大して細部まで鑑賞できる。
朝日新聞より。 サイト http://www.japaneseprints.ru
石室や石棺に壁画や彫刻を施した「装飾古墳」の保存・活用方法を検討する文化庁作業部会の初会合が24日開かれ、文化庁が調査した装飾古墳72基のうち31基で過去にカビの発生や色あせなどの劣化が確認されたと報告した。うち29基は既に対策済みという。作業部会は考古学の専門家など11人で構成。今後、現地調査した上で定期点検の在り方などを見直し、2013年度中に劣化防止策などを盛り込んだ指針をまとめる方針。
共同通信より。
日本最古の肖像彫刻として知られる唐招提寺(奈良市)の国宝・鑑真和上坐像(8世紀、脱活乾漆造)の表面に油が付着していることが、財団法人美術院(京都市)の調査で分かった。油は顔料を乾きやすくし、色に深みを持たせる効果があるため、彩色の際に混ぜたか、上から塗ったとみられる。
鑑真(688〜763年)の没後1250年にあたる来年に合わせて坐像の「お身代わり像」(模像)を制作している美術院が、表面の彩色を調査。油の成分の反応を調べたところ、過去に修理したことがある頭頂部を除くほぼ全体で反応があったとのこと。
美術院などによると、顔料の上から油を塗る技法は「密陀絵(みつだえ)」と呼ばれ、正倉院宝物の伎楽面(ぎがくめん)など天平時代の工芸品にみられるが、国内の仏像で確認されたのは初めて。「荏油(えのあぶら)」と呼ばれるシソ科の植物、エゴマの油とみられる。
毎日新聞より。
奈良市の東大寺法華堂の本尊・不空羂索観音立像(ふくうけんさくかんのんりつぞう=8世紀、国宝)の宝冠に弥生〜古墳時代前期のガラスが使用されていたことが分かり、調査にあたった東京理科大の中井泉教授(分析化学)らが27日、発表した。宝冠は奈良朝工芸の最高峰とされ、約1万数千個のガラス玉や翡翠(ひすい)、真珠などがちりばめられており、専門家は「権力者に受け継がれてきた宝物を再加工したのではないか」と指摘している。
調査では、無作為に選んだ20個のガラス玉を蛍光X線などで分析。その結果、うち5個が奈良時代に生産された鉛成分を含む国産ガラスとは異なり、弥生〜古墳時代前期に輸入されたアルカリガラスの可能性が高いことが判明したという。  なかでも勾玉(まがたま)1個は、弥生時代に多く輸入されたガラスの成分を示しているという。
産経新聞より。「宝冠は、東大寺寺境内にある東大寺ミュージアムで来年1月14日まで展示されている」とのこと。
尾形光琳の代表作の一つ「八橋図びょう風」は、びょうぶ全面に張られた金箔の下地の上に描かれた異例の手法だったことが判明したと、情報通信研究機構が30日発表した。
専門家によると、この時代のびょうぶは、下絵を元に背景の金箔を先に張り、空いたところに絵を描くのが通常の画法。代表作の制作時に何があったのか、光琳の研究に謎を投げかける成果という。
光琳が同じテーマで描いた国宝「燕子花図びょう風」は、近年の修復時に絵の下に金箔がないことが判明している。
共同通信より。
日本人建築家が設計した仏ランスのルーブル美術館分館が12月の開館を前に10月30日、報道陣に公開された。
分館は、建築家の妹島和世さんと西沢立衛さんの共同事務所「SANAA」の設計で、2009年に着工した。敷地面積は20ヘクタール。ガラスとアルミニウムで造られた五つの建物が、弧を描いて連なる構造。常設展示室には紀元前3500年から19世紀にかけての美術品が一堂に並べられ、来場者が歩きながら時代の変遷を体感できる仕組み。年間50万人の来場者を見込む。総建築費は1億5000万ユーロ(約154億円)。
読売新聞より。12月12日から一般公開が始まる予定(12月5日付NHKニュース)






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