2006年
11/03 ポロック作品に163億円、絵画売買で史上最高額
2日付の米紙ニューヨーク・タイムズは、ジャクソン・ポロック(1912―56年)の作品「No.5,1948」が約1億4000万ドル(約163億9000万円)で売買されていたと報じた。複数の美術専門家の話として伝え、価格が公式に確認されれば、1枚の絵画としては史上最高額とされるとのこと。これまでの最高額は、米国の富豪ロナルド・ローダーさんが今年6月、1億3500万ドルで購入したオーストリアの画家グスタフ・クリムト(1862―1918年)の代表作の一つである肖像画「アデーレ・ブロッホ・バウアーI」だった。
ポロックの作品は、米音楽業界の大物デービッド・ゲフェン氏が、サザビーズ関係者の仲介でメキシコ人の富豪に売却したとみられている。ゲフェン氏は同紙に対し、売却したかどうかコメントを避けたとのこと。
日経新聞。
11/07 東本願寺・御影堂の新図面発見
朝日新聞より。
11/07 仲麻呂の色紙に高級「唐紙」
江戸時代初期の書家、松花堂昭乗がしたためた「百人一首色紙帖」を調査していた八幡市立松花堂美術館は7日、阿倍仲麻呂の一首に高級な「唐紙」を色紙として使っていたことが分かった、と発表した。
「百人一首色紙帖」は、約18センチ四方の色紙に一首ずつしたためた1611(慶長16)年の作品。仲麻呂の一首は、帰国の機会があった際に祖国への思いを詠んだ仲麻呂の歌で、昭乗は「あ万(ま)のはらふ利斜気(りさけ)ミれ盤ば可か須す可が那な累る三笠の山耳(に)いてし月可(か)も」と変体仮名を多用して書いている。
色紙は、紙の上に貝の粉を砕いた胡粉を塗り、さらに雲母によって文様を刷る「唐紙」というもとは中国産の紙で唯一、仲麻呂の歌に使われていたとのこと。波の文様に「天子」を意味する竜の文様が描かれている。
京都新聞。色紙は8日から26日まで展示されるそうです。
11/08 著作権の保護期間延長に慎重論議を 別役実氏ら申し入れ
朝日新聞より。
11/08 7氏にサントリー学芸賞
第28回サントリー学芸賞は8日、次の7氏に決まったとのこと。
政治・経済部門=黒崎輝「核兵器と日米関係」(有志舎)、神門善久「日本の食と農」(NTT出版)▽芸術・文化部門=鈴木禎宏「バーナード・リーチの生涯と芸術」(ミネルヴァ書房)、竹内一郎「手塚治虫=ストーリーマンガの起源」(講談社)▽社会・風俗部門=マイク・モラスキー「戦後日本のジャズ文化」(青土社)▽思想・歴史部門=苅部直「丸山眞男」(岩波書店)を中心として、中島秀人「日本の科学/技術はどこへいくのか」(岩波書店)を中心として。
日経新聞。
11/09 クリムトの肖像画に104億円 4作品総額226億円で落札
グスタフ・クリムトの代表作「アデーレ・ブロッホバウアーの肖像II」が8日、ニューヨークの競売商クリスティーズでオークションにかけられ、8790万ドル(約103億6000万円)で落札されたとのこと。クリムトの作品としては、今年6月にニューヨークの美術館が1億3500万ドル(約159億円)で購入した「肖像I」に次ぐ高値。落札者は明らかにされていないとのこと。
この作品は「肖像I」と同じく1938年にナチス・ドイツに略奪された後、今年3月にオーストリア政府から元所有者の親族に返還された5作品の1つ。残る3作品「ブナの森」「アッター湖畔のウンターアッハの家々」「林檎の木」も競売に付され、この日の落札額は4作品で1億9200万ドル(約226億円)に達したとのこと。
8日付時事通信。関連記事:スクラップ2006年8月16日
11/11 重文の埴輪、脚折れる カナダから輸送中
朝日新聞より。これはまたポッキリといってしまいましたね。
11/11 2世紀様式の壁画が出土 イタリア南部の遺跡で
朝日新聞より。
11/11 バーミヤン大仏から胎内経 残骸の中、独調査隊発見
アフガニスタン中部の世界遺産、バーミヤン遺跡で11日までに、旧タリバン政権が破壊した東西2体の大仏立像のうち、東大仏の残骸の中から6−7世紀の文字で書かれた「胎内経」とみられる経典の一部の経文が見つかったとのこと。専門家の解読から、7世紀にバーミヤンを訪れた中国の僧、玄奘三蔵が漢訳、日本にも伝わった「縁起経」の梵語(サンスクリット)原典に相当するものと判明。建立時に大仏内部に納められた可能性が高いとのこと。
共同通信。
11/12 英王室の物置から名画、カラヴァッジョ作
英国王室は10日、カラヴァッジョの作品がロンドン郊外にある宮殿の物置から見つかったと発表した。英王室は、聖ペテロと聖アンデレを描いた同絵画を400年前に入手したが、模写と誤解し、物置に放置していたとのこと。絵画は5000万ポンド(約112億円)以上の価値があるという。
読売新聞。「来年1月31日までローマ・テルミニ駅内の画廊で展示された後、東京にも巡回の予定」とのこと。
11/14 流麗な筆遣いで疫病払い? 最大の古代絵馬出土 奈良
朝日新聞より。
11/15 ゴヤの油絵、輸送中に盗難 米ペンシルベニア
朝日新聞より。
11/15 2億円の絵画が壁に! 専門家が友人宅で発見−英
BBC放送によると、見つかったのは1439年にフラ・アンジェリコによって描かれた2作品。フィレンツェの教会が収蔵していたが、ナポレオン戦争(1796〜1815年)中に行方不明になった。英国の美術史専門家が、オックスフォードにある死亡した友人の家を訪れた際、部屋の壁に掛かっているのを発見したとのこと。友人は1960年代、両作品を200ポンド(現行換算で約4万4000円)程度で購入したという。絵画は来年3月、オークションに出品される予定。
14日付時事通信。
11/15 外苑の絵画館「隠し部屋」から壁画下図など2300点
「明治神宮外苑・聖徳記念絵画館」で昨年、それまで存在自体が知られていなかった二つの小部屋から、同館所蔵の壁画の下図など、大正初期から昭和初期にかけての資料約2300点が新たに見つかったとのこと。
昨年7月、資料整理をしていた男性職員が、1階の倉庫の奥に小さな木製の扉が二つあるのを見つけ、その先の正面玄関の階段下にあたる部分に、幅30メートル×奥行き1.5メートル、幅1.5メートル×奥行き6メートルの二つの部屋があることが分かった。室内からは、段ボール約80個分の資料が発見されたとのこと。
読売新聞。資料のうち数十枚をつなぎ合わせると、同館の壁画「神宮親謁」(1927年 松岡映丘作)と「琉球藩設置」(1928年 山田真山作)の実物大の下図となったそうです。
11/18 細川家のコレクション、熊本県立美術館で公開
細川家に受け継がれる美術工芸品や古文書約5万点を収蔵する「永青文庫」(東京都文京区)のコレクションを熊本市二の丸の県立美術館本館で常設展示する協定書の調印式が17日、同美術館であった。常設展示室が完成する2008年春以降に公開されるとのこと。
収蔵品は東京・目白台にある細川家の旧家政所で公開されてきたが、本格的な常設展示施設を探していた文庫側と、ゆかりの地熊本での公開を模索していた県側の思いが一致。収蔵品を県立美術館に貸与する形での常設展示に合意した。
毎日新聞。08年以降は永青文庫と熊本で展示するということ?
11/21 米で盗まれたゴヤ作品みつかる
朝日新聞より。2006年11月15日付朝日新聞「ゴヤの油絵、輸送中に盗難」の続報です。
11/22 信濃デッサン館「やめません」 来年秋めどに再建
朝日新聞より。
11/25 世界の漫画一堂に 京都国際マンガミュージアム開館
朝日新聞より。
11/28 学芸員を格下げ? 博物館充実へ文科省が資格見直し
朝日新聞より。
11/28 岡本太郎 現存最古の作品と未発表デッサン画を発見
戦後初めて発表した油彩画「電撃」(縦114.5センチ、横80センチ)と未発表の若い女性のデッサン画(縦55センチ、横38.5センチ)の2点が、東京都港区の岡本太郎記念館で発見されたとのこと。「電撃」は現存する最古の岡本作品とみられる。
2点は今月中旬に館内のアトリエなどを整理していた時に見つかったとのこと。「電撃」は、崖の上の人物が稲妻に打たれた瞬間をとらえた作品。47年5月に開かれた美術展に出品されたが、記念はがきのモノクロ写真が残っているのみで、幻の作品と言われていた。デッサン画はタイトル、制作年とも不明。木炭で描かれ、モデルは岡本の秘書で養女だった故岡本敏子さんの可能性が高いとのこと。
毎日新聞。2点は修復後に公開される予定。
11/29 サントリー美術館、新天地で3月末に新装オープン
東京都港区の再開発「東京ミッドタウン」への移転を準備していたサントリー美術館は29日、来年3月30日開館する、と発表したとのこと。
新しい美術館は建築家隈研吾氏の設計。展示室は約1000平方メートルで、以前の倍になる。
読売新聞。「2部にわたる館蔵名品展で幕を開け、秋から冬に、開館記念特別展「BIOMBO/屏風」、「鳥獣戯画がやってきた!」を開く」とのこと。
11/29 「横浜トリエンナーレ2008」概要発表
2008年に開催される「横浜トリエンナーレ2008」の実施概要が11月29日、明らかになったとのこと。
全体テーマは「TIME CREVASSE(タイムクレバス)」。テーマに基づき世界各地から約80人の作家を選定するとのこと。開催期間は2008年9月から12月までの間の約80日間。会場は横浜市中区の山下ふ頭周辺を始めとする都心臨海部の複数会場を予定している。総合ディレクターには神奈川県立近代美術館企画課長の水沢勉さんが就任するとのこと。
「横浜トリエンナーレ」は2001年に第1回、2005年に第2回が開催され、これまでの総入場者数は約54万人を数える。
ヨコハマ経済新聞。
11/30 ル・コルビュジエ設計の教会が45年ぶりに完成
ル・コルビュジエが設計したサンピエール教会が、計画から45年以上を経てフランス中部の町フィルミニで完成し、29日、竣工式が行われるとのこと。
サンピエール教会は1960年に建設が計画され、70年に着工された。しかし、78年に建設に当たっていた会社が破産し、コンクリートの基部ができただけで工事が中断した。以後、約20年にわたって放置されていたが、96年にこの基部が史的記念物に指定され、2003年、サンテティエンヌ都市圏当局が建物を完成させることを決め、計画当初、ル・コルビュジエと共に同教会建設に携わっていた建築家を総監督者に迎えて建設が再開されたとのこと。
完成した教会は地上約33メートル。同地には既に、ル・コルビュジエが建てた文化センターやスタジアムなどがある。
29日付時事通信。






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