MVT-3400使用レポート






この受信機は初心者が利用するを想定しているみたいでコンセプトが明確ですね。まず興味を持つであろう消防・救急無線、コードレスに関して抜群の性能を発揮しているようです。これらの周波数帯域に関してはD130のようなアンテナをつけても耐えられる性能を持っています。

感度は全域にわたって非常によいです。
あえて厳密な比較をすると以下の通りですがいづれも微差。聞き比べてやっとわかるレベルです。
付属アンテナは使用せず、いづれもD190につなぎました。

120MHz AX400B>VR-150>MVT-3400
150MHz MVT-3400>AX400B=VR-150
380MHz AX400B=VR-150>MVT-3400
400MHz AX400B>MVT-3400>VR-150
440MHz AX400B=MVT-3400>VR-150
468MHz AX400B>MVT-3400>VR-150

ただ、簡易・各種業務・小エリア簡易無線などの350〜370、400〜430、440〜470MHzは混変調に大変弱いです。自動車電話型のモービルアンテナを使って車で近場を流しましたが大部分の場所でそれらの周波数帯で壊滅状態です。付属アンテナでさえあちこちで悲鳴をあげています。(VR-150も似たような感じ)
D130につなぐと簡易業務などは混変調でダメダメですが、D190ならたまにスキャンが引っかかる程度に収まっていますので、自宅でならなんとか使えそうです。
一方で120〜150、380MHzは比較的良好。
都市部で外部アンテナを使うなら感度抑え目のものにするかワッチする周波数を絞り込む覚悟が必要になるでしょう。

メモリは10バンク×50chの計500chになっています。サーチバンドも10あります。
スキャン・サーチともかなり速く快適そのもの。バンクリンクスキャン・バンクリンクサーチも可能で、バンク番号を最大4つまで押すことで該当バンクがスキャンまたはサーチされます。確かにMVTシリーズの血を受け継いでいるようです。

メモリ登録時に該当chがメモリ済みか確認しながらできないのはやや不便。
例えば基地局の周波数を受信時にワンタッチでペアになる移動局の周波数へシフトできるのはとても便利。
すべての操作が片手だけでできるようになっているため操作性抜群です。各機能は「機能」キーを押した後、他のキーを押すようになっているので、他の受信機でありがちな機能キーと他のキーとの同時押しは必要ありません。
実売¥20,000を切る値段で秘話解読器が標準装備されているのはマル。秘話ボタンを押すだけのワンタッチで秘話モードに入りダイアルを回して即座に調整できます。但し、復調精度はそれなりのもの。肉声そのままに‥まではできない場合もあります。AR8200シリーズ・AR8600の秘話解読レベルには到底およびません。

スケルチが閉じているにもかかわらず、Sメーターが1〜3の間でウロウロ動く奇怪な動作があったり、Sメータが他の受信機に比べ景気よく振れるのはご愛嬌か?(笑)
バング内のメモリを一括削除できないのはやや不親切か。全メモリ削除は可能です。
盗聴器発見機能は盗聴波周波数のサーチ、アッテネータON,Sメーターブザーと半自動で手軽に使えます。だだ、本体に「盗聴波」とか「発見」とモロ漢字で書いてあるのには少し抵抗が‥。

高音がのびた明瞭な音を出してくれてとても聞き取りやすいです。
液晶部のガラスが曲面状のため、やや下側以外からではとても見にくいです。これだけはなんとかしてもらいたいものです。

ACアダプタが標準装備されているので自宅で半固定で使用するのに重宝します。外部電源は12Vのため車で使用する際は安価な汎用のシガー電源アダプタを使えそうです。純正のは\2,000します。なお、プラグの極性は明記されているので安心です。
ただ屋外での使用で電池が3本という半端なところは充電池を使う場合に不便かも知れません。電池は意外とよく持つのですが警告なしに突然切れてしまうのはちょっと不親切設計です。

総合してみるとスキャン・サーチ快適、操作性文句なしで、秘話解読器がどうしても欲しい人に、人気バンドの消防、救急、コードレスでベストチョイスの受信機であると言えます。



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