(どうしょくさいえ) 三十幅からなる代表作。制作時期は、宝暦8年(1758)頃から明和3年(1766)の約10年間。
明和2年(1765) 「釈迦三尊像」三幅と「動植綵絵」二十四幅を相国寺に寄進。(相国寺あて《動植綵絵寄進状》とともに)
明和7年(1770) 「動植綵絵」三十幅の寄進を完了。
→明和3年(1766)「動植綵絵」六幅を寄進、三十幅の寄進を完了か?
明和6年(1769)以降、毎年「閣懺(相国寺三門で行われる儀式)」の折り、釈迦三尊像と共に方丈に掛けられ、一般にも公開された。
明治22年(1889)、廃仏毀釈で窮地に立たされ皇室に献納。1万円の下付金を受けた。
二十四幅の時点で寄進したのは、直前に末弟・宗寂を亡くしたためとの推測あり。
「近年洋人某此画をみて大いに是を愛し購はんと請しかど寺主是を聴(ゆるさ)ざりき」(「石亭画談」 明治17年刊・竹本正興著より)
「動植綵絵」を購入しようとした外国人がいたが、寺側はそれを断った。
*ここに記載されている外国人は、フェノロサかビゲローと推測されている。
代表作である「動植綵絵」。全三十幅のうち、八点が鶏を題材としています。八点の中から、鶏(体型から察すると軍鶏か?)の黒い羽と南天の赤の取り合わせが美しいこちらを。
浮遊感漂ってます。視点が定まらない、惑わされる不思議な作品。
トンボ、蜘蛛、蛙、蛇、おたまじゃくし…沢山の生物が描かれてます。思わず見入ってしまいます。
面白いのは、同じ方角に頭を向けている生物がいる所。蛙は左向きが多く、おたまじゃくしは右向き。反復表現でしょうか。若冲は、同じモチーフを繰り返し沢山描くことが好きなようです。
おたまじゃくし大量発生
透けてる花びらが美しい。とても薄塗りです。
某書籍で「フグの刺身みたい」と評されておりました。確かに、皿が敷いてあっても違和感ないかも?