「東京都内に若冲の下絵による『羅漢石』がある」という情報を得、見に行って来ました。場所は椿山荘の庭園です。

椿山荘は、江戸時代、黒田豊前守の下屋敷だったものを、明治に入り山県有朋が所有し「椿山荘」と命名。大正年間には藤田平太郎の所有となり、各地からの文化財を配した林泉回遊式庭園として整備され、現在に至ります。

噂の『羅漢石』は椿山荘プラザを出てすぐ、『幽翠池』の傍らに佇んでいます。20体近くを確認。苔むしたり、磨耗したり、草むらや土中に埋まり気味だったりしています。配置に意味はなさそうな雰囲気。看板がありました。読んでみましょう。

羅漢石:若冲作の五百羅漢にて洛南鳥羽某寺に在ったものを大正14年頃当荘に移築したもの。

某寺とは、あのお寺のことなのでしょうね。しかし、同じく大正14年に移築された『三重塔』は、篁山竹林寺からと明記されているのに。『羅漢石』はなぜに某…詮索してはいけなかったりして。ええと、あのお寺の五百羅漢は「明治時代にかなり散逸し …略… 東京の料亭にも一部が残されている(※)」そうなので、こちらの羅漢石も散逸した一部にあたるのかもしれません。しかし、椿山荘って料亭とは違うような。ともかく、ミステリアスな存在の『羅漢石』でありました。(01/10)
※「週刊アーティスト・ジャパン no.58 伊藤若冲」より

椿山荘:営団地下鉄有楽町線江戸川橋駅から徒歩10分 庭園散策は9時半〜20時頃。入園無料。
画像をクリックすると元のサイズになります

09/17−12/12 金刀比羅宮

125年ぶりの一般公開。今生きて、足を運べるのが幸運ということでしょうか。

内部は入口から眺める形。思っていたより、部屋が小さく感じます。部屋の中央に花々が迫り、空間が迫る分、立ち位置は狭められ、濃密な世界がそこに在るのかも。四角形が強調されてる感もあり。いや、ちゃんと入れないので、想像も含んでますが。それにしても、花々が等間隔に並ぶ様は不思議。花や羽などモチーフをマニアックに重ね、作られる絵画。そこにデザイン感覚を加味すると、こういう仕上がりになるのかなー。格天井の転用もしくは発展形なのかなー。見上げる世界から、囲まれる世界へ。それは心地良い苦しさである。かもしれない。再度想像。
細部は別室展示の襖絵で確認。この辺り、昨年とあまり変わりません。

岸岱による障壁画は、華やかな力作。蝶が乱舞。(11/10)

展示室で田窪恭治にそっくり、だけど他人の空似かも…な方を見かけました。その方は学生(多分)を引き連れ、解説を繰り広げていました。テレビで顔と声を確認しましたが、やっぱり似ている。
画像左より:日本の車窓から〜瀬戸大橋横断中 / 模様付き / マルキン醤油






topハマリごとtopback