2004年12月
▼絵画・漆工・陶磁・染織・ガラスなどの多岐にわたる館蔵品から粋を集めた約80点を展示し、これらの作品を改めて「生活の中の美」という視点から見直すとともに、長年の活動を振り返ります(同展チラシより)。一般から募った「館蔵品ベスト10」の結果発表と、ランクインした作品の展示もあり。 ▼ベスト10の内、7点がガラス。サントリー美術館の特色が、色濃く反映された結果と思われます。個人的には、7位の「薩摩切子紫色ちろり」がデザイン・色共に好みです。ところで、薩摩切子は洗練されているようなされてないような、新しいようなそうでないような、絶妙な位置取りが魅力的と思った次第。 ▼その他では、国宝「浮線綾螺鈿蒔絵手箱」から、小川破笠「貝尽蒔絵料紙箱・硯箱」に至るまで、漆工が山ほど出ており堪能。「草花洋犬螺鈿蒔絵箪笥」など、異国情緒漂う品にも惹かれました。絵画では、「舞踊図」の着物柄、特にトンボが気になって仕方がありませんでした。大らか。 ▼コレクション勢揃いで、舞台挨拶といった趣きでした。また会う日まで。次回開演は、2007年春・六本木とのことです。(12/25) |
▼祖師たちの像、絵画、茶道具、平成の障壁画、墨蹟に分け展示。サブタイトルに「室町文化の粋」とありますが、それ以外も見られます。眩しい金色に茶の湯、円山応挙「敲氷煮茗図」。相國寺系展覧会によくかり出される、伊藤若冲「釈迦三尊図」。狩野探幽「観音図」に尚信・安信「猿猴図」は、猿タッチが硬め。控え目な彩色と筆致が風流、池大雅「志野宗信像」。その他色々。江戸絵画ばかり抜き出してしまいました。 ▼頂相がいっぱい〜夢窓疎石像は巨大で扱いが違う、牧谿・夏珪とくりゃ足利義満に義政で東山御物に室町文化の香り、面積がでかいのは加藤東一と奥田元宋による障壁画位か。と、うろうろしてる間にあっさり出口。良い品も出ているのだけど、少々薄口。一般800円だし上出来だろうとも思うが、そもそも入場料が頭にある辺りどうなのよという。悪くはなかったです。(12/27) 銀閣寺の枯れた佇まいの裏側には、奥田元宋の毒を喰らったような世界が繰り広げられているのですね。いや、あの色彩は持ち味ではあるのですが。 - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - |