2004年7月

世紀の祭典 万国博覧会の美術
07/06-08/29 東京国立博物館

▼19世紀後半、万国博覧会にて西洋に驚きをもって迎えられた日本の工芸と、幾度か開かれたパリ万国博覧会を彩った西洋美術という二つの視点から紹介。カーテンをあしらったり、巨大壺をタワー状に積んだりと、当時の再現を図った展示がなされています。

▼装飾は細部までこってりと。技に命かけてます。という、日本の工芸品が大量出品されています。その数量にあてられました。同時に、作り手の心意気やパワー、政府の思惑がない交ぜとなり発せられる熱気にもやられたり。気合入りまくってます明治。また、大は小を兼ねる的発想が、ある意味秀逸。巨大作品が目に付きます。
興味深かったのは、博覧会を介した日本と西洋の出会い。日本に影響を受けた西洋の工芸品、西洋からの影響や西洋市場を意識した日本の工芸品。融合ぶりが少々激しいような。

▼西洋美術部門は、ポスターや会場風景、アングルやマネ、ロダン他の作品で構成されています。明治の混沌に比べると、どことなくおとなしく見えます。

▼博覧会を様々な角度から見ることが出来、大変面白かったです。博覧会の果たした役割やら、変容する工芸品の意味合いやら、辿れたかなと。それと、濃い作品を見て心地良い胃もたれ起こしました…て、どういうことよ。(07/24)

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巡回:10/05-11/28 大阪市立美術館、2005/01/05-03/06 名古屋市博物館


[常設展]東京国立博物館

▼特集陳列:日本美術の精華 7月1日〜8月31日
多岐にわたる時代とジャンルをコンパクトに展示。全43件。展示替えあり。
狩野派の祖・正信による「周茂叔愛蓮図」。穏やかな水面に、蓮の葉と小舟が浮かんでいます。前景から淡く薄れゆく後景、池から空へ昇る空間に心地良い広がりが感じられます。描かれた情景、葉に施された緑に涼味あり。ところでこの作品、制作年代と保存状態にギャップが見られます。室町とは思えない位綺麗。
尾形光琳「槙図屏風」は、金地に木がにょきにょき生えている。
あとは、和銅開珎や大判小判、茶道具系展示など。野々村仁清カラーと意匠が冴える茶壺、伊賀の耳付花入のかたちや、志野茶碗のこっくりした肌合いが萌える。歌川広重「東海道五拾三次画帖」は、平塚で道が途切れてました。(07/24)






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