八代目桂文樂音源データ

よかちょろ−1

1.TS-02593C3

2.1968.10.17,TBS,国立小劇場,落語研究会第8回

3.19:08

4.CS.SOGZ-30(初出),SKJZ-15(CT),15AG-218,V.JL-267,VCK-692(CT),VCK-892(CT),VDR-21011

(CD),Te.TECR-20161(CD),TETR-20161(CT)

5.出囃子無し(拍手のみ)

毎回の、ァッ、お運びでございまして、有難く、ゥッ、御礼を申し上げます。相変わらず、ェッ、御馴染みのお笑いを申し上げる事に致します。道楽とは道を楽しむと書くそうですが(パチン)、中にはこの道に落ちると書く道落があるしかし大抵もうお若いうちは、御婦人をお愛し遊(あす)ばすてぇ事に大抵はもう止めを刺しております。「番頭さんちょいとここへ来ておくれ。(ポン)えー、どうも呆れたねうちの馬鹿野郎は。一昨日出たなりだ、えー、いまだに帰(かい)って来ないそうなんだろ」「(パチン)左様でございま…。いまだに、お帰(かい)りがございませんで、へえ」「へえじゃぁないよおい番頭さんあン時あたしは何てった。『うちの馬鹿野郎に、金を持たせると満足にうちィ帰(かい)って来た事が無いから、与田さんの御勘定は、僅か二百円だけど、お前(まい)が行ってくれるとか清吉をやってくれるとか、何とかしてくれなきゃ困りますよって』お前そん時何てったい。『若旦那が大変この節御辛抱そのあァたみたいに、お疑りになっては、かいってお若いうちは自棄ンなってお遊(あす)びンなりますから、あたくしが請け合いますから、大丈夫でございますから若旦那をおやりンなった方が宜しゅうござんしょう』ってお前(まい)そう言ったろ。やりました御覧。えー、案の定二日も三日も帰って来ないじゃねぇかどうも実に、情けないどうも歯痒いね、えー、野郎今日帰(かい)って来たらあたしはみっちり小言を言うつもりだからねぇ、お前(まい)さんが傍でねぇ、いつもの通り、そのつべこべその、詫び言何かしちゃ困りますよ」…………サゲ=いまだに三つ違い」「何を馬鹿な事を言ってるん」…若旦那御勘当になります。「よかちょろ」と言う馬鹿馬鹿しいお笑いでござ……

6.出囃子が付いているものは後からかぶせたもので、落語研究会の初期録音のオリジナルには元々出囃子は無い。

7.CS.SOGZ-30 DISC COPY

8.ゆっくりした口調であるが、小言を言う親父にぴったりはまっているようで、なかなか良い。

よかちょろ−2

1.TS-02694D1

2.(1967.10.8),TBS,「落語名人会」

3.17:57

4.なし

5.出囃子野崎

えー、毎回の、ォッ、お運びでございまして、有難く御礼を申し上げます。間ィ挟まりまして相変わらず、馬鹿馬鹿しい事を申し上げて、お暇(しま)を頂戴を致します。道楽とは道を楽しむと書くそうですが中にはこの道に落ちると書く道落がある。(パン)しかし大抵もうお若いうちは、御婦人をお愛し遊(あす)ばすてぇ事に大抵はもう止めを刺しております。(パン)「番頭さんちょいとここへ来ておくれ。えーどうも呆れたねうちの馬鹿野郎は。一昨日出たなりだ。いまだに帰って来ない。そうなんだろ」「左様(さい)でござん…いまだにお帰(かい)りがございませんでへえ」「へえじゃァないよおい。番頭さんあン時あたしは何てったい。『うちの馬鹿野郎に金を持たせると、満足にうちィ帰(かい)って来た事が無いから、与田さんの御勘定は僅か二百円だけど、お前が行ってくれるとか清吉をやってくれるとか、何とかしてくれなきゃ困りますよ』ってお前(ポン)そン時何てったい。『若旦那、そう、おの、もうこの節は大変御辛抱てあなたみたいにお疑りンなっては、かえってお若いうちは自棄ンなってお遊(あす)びンなりますから、あたくしが請け合いますから、大丈夫でございますから若旦那をおやりンなった方がよろしゅうござんしょう』お前(まい)そう言ったろ。(ポン)やりました、御覧。えーっ、案の定二日も三日も帰(かい)って来ないンだよ。どうも実に、情けない歯痒いね野郎今日帰(かい)って来たら、ンーみっちり小言を言う積りだからねぇ、お前(まい)さんが傍でもってつべこべその、いつもの通りその詫び言何かしちゃ困りますよ」…………サゲ=いまだに三つ違い」「何何を馬鹿な事を言ってるん」若旦那御勘当になります。(湯呑がチリンチリン)『よかちょろ』と言う馬鹿馬鹿しいお笑いでござい……

6.最初に「落語名人会」で放送された時は『間に挟まりまして』がカットされていたが、再放送の際に復活した。

7.TBS R 早起き名人会 放送録音 1989.12.17

8.良い時期の録音である。

よかちょろ−3

1.TS-02927D3

2.不明(喉手術前)

3.16:35

4.ライフ&アート.(第11巻)(CT)

5.出囃子野崎(妙なアレンジで、テープにより後でかぶせている)

一杯のお運びでございまして、有難く御礼を(パン)申し上げます。アァーッ、相変わらず、ェッ、馬鹿馬鹿しい事を申し上げて、お暇(しま)を頂戴を致します風邪声(かざごえ)でございまして、お聞き苦しいところは幾重にも、ォーッ、お詫びを願っておきます。道楽とは道を楽しむと書くそうですが中にはこの道に落ちると(パン)書く道落がある。(ポン)しかし大抵もうお若いうちは、御婦人をお愛し遊(あす)ばすてぇ事に大抵はもう止めを刺しておりますな。「番頭さんちょいとここへ来とくれ。(ポン)ええ、どうも呆れたねうちの馬鹿野郎は。え一昨日出たなりだ、いまだに帰(かい)って来ない、そうなんだろ」「(ポン)左様でございま…。いまだにお帰(かい)りがございませんでへえ」「へえじゃァないよおい番頭さんあン時あたしは何てった。『うちの馬鹿野郎に金を持たせると、満足にうちィ帰(かい)って来た事が無いから、与田さんの御勘定僅か二百円だけど、お前(まい)が行ってくれるとか清吉をやってくれるとか、何とかしてくれなきゃ困りますよって』お前そン時何てったい。『若旦那が大変この節御辛抱そのあァたみたいにお疑りになっては、かいってお若いうちは自棄ンなってお遊(あす)びンなりますから、あたくしが請け合いますから、大丈夫でございますから若旦那をおやりンなった方が宜しゅうござんしょう』ってお前(まい)そう言ったろう。(ポン)やりました御覧。えー、案の定二日も三日も帰って来ないじゃねぇかどうも実に情けない、歯痒いね野郎今日帰(かい)って来たらあたしは、みっちり小言を言う積りだからねぇ、お前(まい)さんがつべこべ傍でその、詫び言何かしちゃ困りますよ」…………サゲ=いまだに三つ違い」「な何を馬鹿な事を言ってるん」…若旦那御勘当になります。『よかちょろ』と言う馬鹿馬鹿しいお笑いでございました……

6.喉手術前の録音であるが、データ不明である。出囃子は後からかぶせたもので、寄席囃子とは言いかねる和洋合奏的なアレンジのものである。ライフ&アートのものにはこの妙な出囃子がついているものが多い。

7.ライフ&アート.(第11巻) CT COPY

8.喉手術前の録音で、晩年のものとはまた違った味がある。

よかちょろ−4

1.TS-02937B3

2.(1966.4.1),TBS,「落語名人会」

3.17:51

4.東京医科歯科大学落語研究会 桂文樂落語選集(1) LR-281(東芝プレス)

5.出囃子野崎

毎回の、ォッ、お運びでございまして、有難く御礼を申し上げます。間ヘ挾まりまして、エエーッ相変わらず、馬鹿馬鹿しい事を申し上げて、お暇(しま)を頂戴を致します。ェェッ道楽とは道を楽しむと書くそうですが、(ポン)エェーッ、中にはこの道に落ちると書く道落があるしかし大抵もうお若いうちは、御婦人をお愛し遊(あす)ばすてぇ事に大抵はもう止めを刺しております。(パン)「番頭さんちょいとここへ来ておくれ。えーどうも呆れたねうちの馬鹿野郎は。一昨日出たなりだ。えー、いまだに帰って来ない。そうなんだろ」「左様(さい)でござん…いまだに、お帰(かい)りがございませんでへえ」「へえじゃァないよおい番頭さんあン時あたしは何てったい。『うちの馬鹿野郎に、金を持たせると満足にうちィ帰(かい)って来た事が無いから、与田さんの御勘定僅か二百円だけどお前が行ってくれるとか清吉をやってくれるとか、何とかしてくれないと困りますよ』。お前そン時何てったい。『若旦那は大変この節は御辛抱そのあなたみたいにお疑りンなっては、かえってお若いうちは自棄ンなってお遊(あす)びンなりますから、あたくしが請け合いますから、大丈夫でございますから若旦那をおやりンなった方がよろしゅうござんしょう』ってお前(まい)そう言ったろ。やりました、御覧。えーっ、案の定二日も三日も帰(かい)って来ないじゃないかどうも実に、情けない歯痒いね野郎今日帰(かい)って来たらねぇ、(ポン)あたしゃみっちり小言をィ言う積りだからねぇ、お前(まい)さんがつべこべ傍でもってその、詫び言何かしちゃ困りますよ」…………サゲ=いまだに三つ違い」「な何を馬鹿な事を言ってん」…若旦那御勘当になります。『よかちょろ』と言う(湯呑がチリンチリン)馬鹿馬鹿しいお笑いでございます。この辺で……

6.元は「落語名人会」で放送されたものだがね放送されたものにはカットがあった。

7.東京医科歯科大学落語研究会 桂文樂落語選集(1)(東芝プレス盤) LR-281 DISC COPY

8.戸鹿里氏の発見した珍品レコードに収録されていた音。良い時期の録音で、出来も良い。

よかちょろ−5

1.TS-12636A1

2.1970.5.19,TBS,国立小劇場,落語研究会 第27回

3.19:07

4.無し

5.出囃子野崎(放送に際してかぶせたもので元には無し)

えー、毎回の、ォッ、お運びでございまして、有難く、ゥッ、御礼を申し上げます。えー、間へ挟まりまして、相変わらず、エーッ、馬鹿馬鹿しい事を申し上げて、お暇を頂戴を致します。御案内の、オーッ、この、『よかちょろ』と言う噺は『山崎屋』と言う、落語の、ォーッ、これを、ォーッ、名人遊三が、あたくしどもの子供の時分に、ェーッ、『よかちょろ』と題しまして、えー壊して、ェーッ演りましたんで、えーただ、ァーッ覚えておる、それをお取り次ぎをするだけでございます。どうぞ、ォーッ一席御辛抱の程を願っておきます。道楽とは道を楽しむと書くそうですが、中にはこの道に落ちると書く道落がある。(ポン)しかして大抵もうお若いうちは、御婦人をお愛し遊(あす)ばすて言う事に大抵はもう止めを刺しております。(パン)「番頭さんちょいとここへ来ておくれ。えーどうも呆れたねぇうちの馬鹿野郎は。えー一昨日出たなりだ。いまだに帰って来ないそうなんだろ」「左様(さい)でござん…いまだに、お帰(かい)りがございませんでへえ」「へえじゃァないよおい、番頭さんあン時あたしは何てった。『うちの馬鹿野郎に金を持たせると、満足にうちィ帰(かい)って来た事が無いから、与田さんの御勘定は、僅か二百円だけどお前が行ってくれるとか清吉をやってくれるとか、何とかしてくれないと困りますよ』ってお前そン時何てったい。『若旦那は大変この節御辛抱そのあなたみたいなお疑りンなっては、かえってお若いうちは自棄ンなってお遊(あす)びンなりますから、あたくしが請け合いますから、大丈夫でございますから若旦那をおやりンなった方がよろしゅうござんしょう』ってお前(まい)そう言ったろ。(ポン)やりました御覧。えーっ、案の定二日も三日も帰(かい)って来ない。実にどうも情けない歯痒いねぇ。野郎今日帰(かい)って来たらあたしゃみっちり小言を言う積りだからねぇ、お前(まい)さんがつべこべ傍でもってその、詫び言何かしちゃしちゃ困りますよ」…………サゲ=いまだに三つ違い」「な何を言ってん」…若旦那御勘当になります。『よかちょろ』と言う(湯呑がチリンチリン)馬鹿馬鹿しいお笑い……

6.国立の研究会の録音は、第8回のものがレコード化されて流通しているが、これは第27回の録音である。まだ出囃子が無かった時分の録音で、再放送に際して野崎をかぶせて放送されている。いつもの枕の前に「よかちょろ」の成立に関する解説を入れているのが貴重である。文樂師は国立で「よかちょろ」は、第8回と第27回の2回口演している。

7.TBS R 爛漫ラジオ寄席 1995.12.17

8.1970の高座で口調にだいぶ衰えが見える。「よかちょろ」の唄などは弱々しくて陰気に聞こえる。

よかちょろ−6

1.TS-12687C3

2.不明,TBS

3.16:51

4.無し

5.出囃子野崎

ようこその、ォーッ、お運びでございまして、(カット)て相変わらず、馬鹿馬鹿しい事を申し上げて、ェッ、お暇を頂戴を致します。風邪声(かざごえ)でございまして、お聞き苦しいところは幾重にも、ォーッ、お詫びを願っておきます。えー道楽とは道を楽しむと書くそうですが(パン)、中にはこの道に落ちると書く道落がある。しかし大抵もうお若いうちは、(パン)御婦人をお愛し遊(あす)ばすて言う事に大抵はもう止めを刺しておりますな。(パン)「番頭さんちょいとここへ来ておくれ。えーどうも呆れたねぇうちの馬鹿野郎は。えー一昨日出たなりだ。いまだに帰って来ないそうなんだろ」「左様(さい)でござん…いまだにお帰(かい)りがございませんでへえ」「へえじゃァないよおい番頭さんあン時あたしは何てった。『うちの馬鹿野郎に金を持たせると、満足にうちィ帰(かい)って来た事が無いから、与田さんの御勘定は僅か二百円だけど、お前が行ってくれるとか清吉をやってくれるとか、何とかしてくれないと困りますよ』ってお前そン時何てったい。『若旦那は大変この節御辛抱そのあなたみたいなお疑りンなっては、かえってお若いうちは自棄ンなってお遊(あす)びンなりますから、あたくしが請け合いますから、大丈夫でございますから若旦那をおやりンなった方がよろしゅうござんしょう』ってお前(まい)そう言ったろ。(ポン)やりました御覧。えーっ、案の定二日も三日も帰(かい)って来ないじやないか。どうも実に情けない、歯痒いね。野郎今日帰(かい)って来たらあたしゃみっちり小言を言う積りだからねぇ、お前(まい)さんがつべこべねぇ、傍でもっていつもの通りその、詫び言何かしちゃ困りますよ」…………サゲ=いまだに三つ違い」「な何を馬鹿な事言ってるん」…若旦那御勘当になる。『よかちょろ』と言う馬鹿馬鹿しいお笑いで、この辺でどうぞ……

6.録音日は不明だが、1960年代前半の録音と思われる。

7.須永氏コレクション→仲野氏ライブラリー

8.

よかちょろ・解説

この噺は、初代遊三が『山崎屋』の発端の部分を改作して作った、としてある。文樂師はその遊三から教わったそうである。しかし、そんな由来など聞いても、「そうなのかな」位にしか思えぬ程、関連性が失せている。道楽者の若旦那としては、『干物箱』と全くもって同一人物、『干物箱』をやって『よかちょろ』をやって『船徳』になったっていい訳だし、勿論『山崎屋』になってもいい。しかし、この噺、実にほのぼのとした、落語らしい噺である。現代にも通じそうだが、『よかちょろ』が良く分らないぶん『干物箱』の方が上のようだ。初代遊三の速記ではこの『よかちょろ』を唄っている様だが文樂師は唄わずに切っている。文樂師の唄は、あの有名な『有明』から察する事が出来るように、大変拙い代物である。それ故に外してしまったのであろうが、『よかちょろ』なのだからやはり『よかちょろ』が入って欲しいと思う。私もこの『よかちょろ』なる唄が一体どういう唄なのか知らない。

 

時代設定:金の価値から明治大正時代であろう。

舞台:大店の座敷。(屋号『山崎屋』とは出て来ない)

登場人物:鍬の良くない大旦那、畑の良くないその女房、番頭、若旦那幸太郎。

ベストテイク:「よかちょろ…4」。「よかちょろ…1」も良い出来。

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