三遊亭圓生音源データ
鶉衣−1
※宇野信夫作
1.TS-02903C1
2.1977.3.17,CBSソニー,スタジオ,客なし,「圓生百席第九十五席」
3.54:01
4.CS.60AG-556,SR.SRCL-3804(CD)
5.出囃子 越後獅子 受囃子 雀踊り
色々この人(しと)には楽しみがございますが。何か物を集めて、ォりゃァ面白いと言う訳で、今で言うコレクションとか何とか言うんでしょうが。切手なんという物はあれは、使ってしまえば後は、紙屑みたいなもんだと思ったらそうでございませんで、えーこれはもう世界に一つしきゃァ無いとか二っつだとか言って、ァーこりゃァ莫大な、お金が出ましてね。うーんそれが欲しい為に人の命までも奪うなんてぇ事があると言う。まそうなるともう楽しみでは無くなる、やはり、えーそこにィ何かこの余裕がなくちゃァいけませんで。ま色んな物も流行りましたが昔、弁当箱の流行った事がある。…… ……<金蒔絵の弁当〜兎を飼う〜橘家圓太郎と鼠〜三味線鳥>…… ……えー鶉というものが、大変流行った事がありまして。えー、あれもどうもあんまり面白いと言う鳥でもありませんが、まどうした事か江戸時代に大層流行りまして、大変食べては美味しいもんだそうで。鶉の卵というものは、折々ィ見掛けますが、あの、海鼠腸なぞへは、小さい入れ物ィ入れまして鶉の卵が丁度宜しいようで。えーそれからお蕎麦屋さんなぞで、使った事もありますが何か黒いこう、縞みたいな物がポチポチポチポチ付いておりおりまして。また、それに凝りますてぇと他のものじゃァいけない何でも、欲しくなるという、ま人間の人情というものは妙なもんで「まァまァお前(まい)の様に、そうお前(まい)気短な事を言ってもいけませんよ。今あの、源兵衛さんもォ行って下すっているし、彦助も行っているから、もう程無く帰るだろうから。…あァあァあァア。帰って来た様だ。あァ、彦助か」「ぇっ、行って参りましてございます」「どうだった」「ぇへっ、どうも、ェッヘッヘッヘッ、なかなか、思わしく参りませんで……
6.「圓生百席」の録音。宇野信夫作の新作人情落語である。
7.CS.60AG-556 DISC COPY
8.
鶉衣−2
※宇野信夫作
1.TS-02920D1
2.(1965.12.25),NHK,客なし,「演芸百選」
3.26:14
4.なし
5.出囃子 なし
えー、ェーッ、昔から流行り廃りと申しますが、一頃鴬を飼うという事が、ァッ、大変に流行りまして。もう他の鳥は、何を持ってってもいけない鴬でなければ世も日も明けない。ところがこれが、カナリヤが今度、流行り始めると、あんなに騒いだ鶯の事はもう忘れてしまいまして、今度は、カナリヤでなければいかんという様な訳で。江戸時代に、鶉を飼う事が大変流行った事がありますが。ま別に大して面白い、ィッ鳥でもございますまいが、流行る時代てぇものはまた妙なもので「お前(まい)の様にそう言ってもいけませんよ。ま待ちなさい今帰(かい)えっ、何だい」「えー只今あの左官屋さんが」「おゥおゥ。待っていました。あァ、御苦労様でした。あァ。えー、どうだったん」「えー、それがどホホー、ゥーンねぇ上手くいかねぇんでござん……
6.この時が、初演である。
7.NHK TV 演芸百選 放送録音 平河クラブライブラリー
8.ホールでも演じていない様で、共にスタジオ録音である2つのテイクが残るのみと思われる。
鶉衣・解説
宇野信夫作による新作。NHKのテレビで演る為に書いて貰ったとあるが、その時の録音が「鶉衣…2」である。ホールその他客の前で演じた事は無い様である。放送も初演の録音のみの記録しか無い。故に我々の手元に残された録音も「圓生百席」のものを加えた2つのテイクしかない。恐らくこの噺の録音はこれで全てであろう。サゲを付けて落語にしてはあるが紛れもなく人情噺の類いである。
時代設定:江戸時代。
舞台:伊勢屋四郎兵衛宅、長兵衛店門太夫宅。
登場人物:伊勢屋四郎兵衛、娘袖、番頭彦助、家主長兵衛、曽根門太夫、左官源兵衛、鳶頭、中川山城守、古瀬万右衛門。
ベストテイク:2本しかなく、どちらも客無しのスタジオ録音なのでなんとも言いがたいが、「圓生百席」の「鶉衣…1」を採ろう。