桂文樂音源データ

つるつる−1

1.TS-02601B1

2.1962.10,ビクター,ビクター・スタジオ,客なし

3.32:35

4.V.JV-80(初出),JV-225,JV-1151,JV-1284,JL-262,SJV-6546,VCK-890(CT),YP.CR18-42(CT)

5.出囃子 野崎

えー、相変わらず、ェッ、お馴染みの、お笑いを申し上げることに致します。何商売でも一つの営業となりますと、これがやさしいという商売はございませんとりわけてこの芸人仲間で、何が一番難しいてぇと幇間だそうですな。ハァどうもあの位難しい商売は無いてます。芸者衆の方もなかなか難しいてますがこれは、えー御婦人のことでございますからどっかまた楽なとこがございますな。東京では昔から吉原が本場と致してございます。あの里で修行を致しまするといずれへ参りましても、一人前で通るんだそうでもっとも修行が違います。数多の客が入り込んで来る粋も来れば不粋も来る。中にはその昔は、ァーッ、三日でも四日でも居続けをしようとこのお客様を、平場(しらば)で飽きさせないていう大層な力でございますな。「お清さァん。ちょいと、手拭そっちへ掛けてくんな、あァ、師匠は出掛けた、あそう、お梅ちゃんまだお湯から帰りませんか。あ、ようがす、ァッどうもね。昨夜(ゆんべ)のお客様には驚いた。いえ『今晩は有難う存じます』座敷へ入る途端だよ。柔道に凝ってるってのそのお客様がさァ、えー、いきなりねぇ、ダーンと投げられちゃってけつっぺたこんな大きな痣。昨夜(ゆんべ)っから今まで飲み続けてン、アハッどうも驚いた、なんぼ商売とはいいながら、体が続きません、これから一杯飲んで寝ます。アァ。あ、ちょいとォ、三河屋の小僧さァん、三河屋の小僧さんちょいと済まない、ェッ、いつものね、五合(ごんごう)ねぇ。ヘヘッ、台所(だいどこ)の方へ忍ばしといてくんないか君済まないがねぇ、魚金ことずけしてくれないか、あァ、あの刺身を持って来る様にねぇ、とろの所をブツに切って、ア、さびを余計利かして、あァどうぞお頼申します。ご苦労さん。おやっ、ァハッ、お梅ちゃん、お帰んなさい。……

6.

7.V.JL-262 DISC COPY

8.

つるつる−2

1.TS-02595C2

2.1956.10.9,TBS,TBSスタジオ,「お好み寄席」

3.26:48

4.CS.SOGZ-35(初出),15AG-222,Col.FB-7059

5.出囃子 野崎

  ようこその、ァーッ、お運びでございまして、有難く御礼を申し上げます。相変わらず、エーッ馬鹿馬鹿しい事を申し上げて、ェッ、お暇(しま)を頂戴をいたします。『たいこもちあげての末のたいこもち』なんてぇ事を言いますが昔から、東京では吉原が本場といたしてございます。「お清さァん。ちょいとォ、手拭そっちへ掛けてくんな。あっ、あの師匠は出掛けた、あそうお梅ちゃんまだ、お湯から帰りませんか、あァようがす。ェヘッ、どうもね、昨夜(ゆんべ)のお客様には驚いた。いえ『今晩有難う存じます』座敷ィ入る途端だよ、柔道に凝ってるてのお客様がさ。いきなりねぇ、ダーンと投げられちゃった。けつっぺたこんな大きな痣。昨夜(ゆんべ)っから今まで呑み続けてンだアハハーンどうも驚いた。なんぼ商売とは言いながら体が続きません、これから一杯呑んで寝ます。あァ、ちょいとゥ、三河屋の小僧さァん、三河屋の小僧さんちょいと済まない、いつもの五合(ごんごう)ねぇ、内緒で台所(だいどこ)の方へ忍ばしといてくんないかい君済まないがねぇ、(パン)魚金ことづけしてくんないかァ、刺身を持って来る様に、あァ、お頼みします、ご苦労様ァ。おやっ、ァハッ、お梅ちゃん、お帰んなさい。……

6.喉手術前の口演でテンポが速い。

7.CS.SOGZ-35 DISC COPY

8.コロムビア盤には、データが1958.11と載っている。

つるつる−3

1.TS-02608C1

2.不明(喉手術前)

3.29:21

4.東宝.AX-0091(初出),ライフ&アート.第11巻(CT)

5.出囃子 野崎

一杯のお運びでございまして、有難く御礼を申し上げます。風邪声(かざごえ)でございまして、ェッ、お聞き苦しい所は幾重にも、お詫びを願っておきます。落語の方は大抵みな、ァーッ、お馴染みでございます。しかし何になりましても、一つの営業となりますとこれがやさしいという商売はございませんとりわけてこの芸人仲間で、何が一番難しいてぇと幇間だそうですな。芸者衆の方もなかなか難しいてますこれは、御婦人のことでございますから、またどっか楽なとこがございますな。東京では吉原が昔から本場と致してございます。あの里で修行を致しまするといずれへ参りましても、一人前で通るんだそうでもっとも修行が違います。数多の客が入り込んで来る粋も来れば不粋も来る。中には三日でも四日でもその昔は、居続けをしようと、このお客様を平場(しらば)で飽きさせないていう、大層な力でございますな。「お清さァん。ちょいと、手拭そっちへ掛けてくんな、あァ、師匠は出掛けたァ、あそう、お梅ちゃんまだお湯から帰りませんか。あァようがす、ァッどうもねぇ。昨夜(ゆんべ)のおか、お客様には驚いた。いえ『今晩は有難う存じます』座敷へ入る途端だよ。(この辺で咳をしてる客がいる)柔道に凝ってるってのお客様がさァ。いきなりねぇ、ダーンと投げられちゃってけつっぺたこんな大きな痣。昨夜(ゆんべ)っから今まで飲み続けてン、アハッどうも驚いた、なんぼ商売とはいいながら、体が続きません、これから一杯飲んで寝ます。あァ。アァ、ちょいとォ、三河屋の小僧さァん、三河屋の小僧さんちょいと済まない、いつもの五合(ごんごう)ねぇ、内緒で台所(だいどこ)の方へ忍ばしといて呉ンないかい君済まないがねぇ、魚金ことずけして呉ンないかァ、刺身を持って来る様に、あァ、とろの所をブツに切ってねぇ、ゥさびィ余計利かして、あそう、ご苦労様、お頼申します。おやァ、お梅ちゃん、お帰んなさい。……

6.喉手術前のもので、恐らく1959年頃の放送用音源である。東宝名人会の音ではない。

7.ライフ&アート.第11巻 CT COPY

8.東宝盤は、『風邪声でございまして…』の部分をカットしてある。

つるつる−4

1.TS-02614C2

2.1970.10.28,TBS,国立小劇場,落語研究会第32回

3.29:57

4.なし

5.出囃子 野崎

毎回の、ァーッ、お運びでございまして、有難く、御礼を申し上げます。間へ挟まりまして相変わらず、お馴染みのお笑いを申し上げる事に致します。しかし何になりましても一つの営業となりますと、これがやさしいていう商売はございませんとりわけてこの芸人仲間で、(パサッ)何が一番難しいてぇと幇間だそうですな。(パサッ)東京では吉原が本場といたしてございます、昔から。(ポン)あの里で修行を致しますと、いずれへ参りましても一人前で通るんだそうでもっとも修行が違います、数多の客が入り込んで来る粋も来れば不粋も来る。中にゃ三日でも四日でもその昔は、居続けをしようてこのお客(ポン)様を平場(しらば)で飽きさせないていう、大層な力でございますな。「お清さァん。ちょいとォ、手拭そっちへ掛けてく…。あっ、師匠は出掛けた、あァそう、お梅ちゃんまだお湯から帰りませんか。あァようがす。アッハッ、どうも、昨夜(ゆんべ)のお客様には驚いた。いえ『今晩有難う存じます』座敷ィ入る途端だよ、柔道に凝ってるてのお客様がさァ。いきなりダーンと投げられちゃった。けつっぺたへこんな大きな痣。昨夜(ゆんべ)っから今まで飲み続けてン。アハどうも驚いた。なんぼ商売とはいいながら、体が続きませんこれから一杯飲んで寝ます。あァ。あァ、ちょいとゥ、三河屋の小僧さァん、ちょいと、ちょい、済まない、君、ね、あの、ハッ、ヘヘ、…台所(だいどこ)の方へ内緒でねぇ、五合(ごんごう)ねぇ、ェヘヘッ、いつもの、忍ばしといてくんないかい君済まないがねぇ、魚、魚金ことづけしてくんないかァ、あっ、あのねぇ、えーとろの所をブツに切って刺身を。あァ、(ポン)えーさびをよよ余計に利かせて、あっそう、ご苦労様ァ。お頼申しますゥ。ア、アーッ、ご苦労さま、ァハッお梅ちゃん、お帰んなさい。……  ……サゲ=……アー、また一杯になっちゃった」……お時間が参ったようでございます…(拍手)……

6.最晩年の口演でテンポが遅く、途中で切っている。

7.TBS TV お待ちかね名作寄席 放送録音 1971.1.27 佐藤氏ライブラリー

8.最晩年の口演で、口調がたどたどしい所があり、痛々しい。

つるつる−5

1.TS-02720C1

2.不明(1967頃),TBS,「落語名人会」

3.25:33

4.なし

5.出囃子 野崎

毎回の、ァーッ、お運びでございまして、有難く御礼を申し上げます。相変わらず、お馴染みの、ァーッ、お笑いを申し上げる事に致します。何になりましても一つの営業となりますと、これがやさしいという商売はございませんとりわけてこの芸人仲間で、(ポン)何が一番難しいてぇと幇間だそうですな。芸者衆の方もなかなか難しいてますがこれは御婦人のことでございますから、(パン)どっかまた楽なとこがございます。東京では昔から、吉原が本場といたしてございます。あの里で修行を致しますと、いずれへ参りましても一人前で通るんだそうでもっとも修行が違います。数多の客が入り込んで来る粋も来れば不粋も来る。えー中にはその昔は、(ポン)三日でも四日でも居続けをしようとこのお客様を、平場(しらば)で飽きさせないていう、大層な力でございます。「お清さァん。ちょいとォ、手拭そっちへ掛けてくんな、あァ、師匠は出掛けたァ、あそう、お梅ちゃんまだお湯から帰りませんか。あァようがす、ァハハッどうもねぇ。昨夜(ゆんべ)のお客様には驚いた。『今晩有難う存じます』座敷へ入る途端だよ。柔道に凝ってるってのお客様がさァ。いきなりねぇ、ダーンと投げられちゃって、けつっぺたこんな大きな痣。昨夜(ゆんべ)っから飲み続けてン、どホホうも驚いた、なんぼ商売とはいいながら、体が続きません、これから一杯飲んで寝ます。あァ。おやァ、アハハ、お梅ちゃん、お帰んなさい。……  ……サゲ=……アーまた一杯になっちゃった。…(拍手)…

6.途中で切っている。三河屋の小僧の件は時間調整の為にカットされたのであろう。

7.伊東清氏ライブラリー→佐藤氏ライブラリー

8.良い時期の録音だが、前半のみなのがかえすがえすも残念である。

つるつる−6

1.TS-02876C2

2.不明(喉手術後)

3.30:40

4.なし

5.出囃子 野崎

毎回の、ァーッ、お運びでございまして、有難く御礼を申し上げます。しかし何になりましても一つの営業となりますと、これがやさしいていう商売はございませんとりわけてこの芸人仲間で、何が一番難しいてぇと幇間だそうですな。芸者衆の方もなかなか難しいてますがこれは御婦人のことでございますから、どっかまた楽なとこがございますな。「たいこもちあげての末のたいこもち」なんてぇ事を言いますが、東京では昔から吉原が本場といたしてございます。あの里で修行を致しまするといずれへ参りましても、一人前で通るんだそうでもっとも修行が違いますな、数多の客が入り込んで来る粋も来れば不粋も来る。中にゃ三日でも四日でもその昔は、居続けをしようてこのお客様を、平場(しらば)で飽きさせないていう、大層な力でございますな。「お清さァん。ちょいとォ、ゥーン、手拭そっちへ掛けてくんな、あァ。師匠は出掛けた、あァそうお梅ちゃんまだか、お湯から帰りませんか。あァようがす。アッハどうもね、昨夜(ゆんべ)のお客様には驚いた。いえ『今晩有難う存じます』座敷ィ入る途端だよ、柔道に凝ってるてのお客様がさァ。いきなりねぇ、ダーンと投げられちゃった、けつっぺたへこんな大きな痣。昨夜(ゆんべ)っから今まで飲み続けてン。アッハどうも驚いた。なんぼ商売とはいいながら、体が続きませんこれから一杯飲んで寝ます。あァ。あァ、ちょいと、三河屋の小僧さァん、三河屋の小僧さん、ちょいと済まない、いつものね、五合(ごんごう)ねぇ、ェヘッ、内緒で台所(だいどこ)の方へ忍ばしといて呉んないかい君済まないがねぇ、魚金ことづけして呉んないかァ刺身を持って来るようにあァ、とろの所をブツに切ってね、さびを余計利かして、あっそう、お頼申しますゥ。ご苦労さまァ。おやっ、ァハッお梅ちゃん、お帰んなさい。……

6.喉手術後唯一の、サゲまで完演でしているライブのテイク。

7.岩田氏ライブラリー

8.1960年代前半の口演と思われる。木馬亭の資料として保存されていた音の貧しいテープしか無かったが、岩田氏のライブラリーに音質の良い録音が残されていた。

つるつる−7

1.TS-02858C1

2.1969.9.19,NHK,ヤマハホール,東京落語会第123回

3.28:51

4.Po.20CN-6564(CT)(初出)

5.出囃子 野崎

毎回の、ォッ、お運びでございまして、有難く、ァッ、御礼を申し上げます。間へ挟まりまして相変わらず、お馴染みの、ォオーッ、お笑いを申し上げる事に致します。しかし何商売でも一つの営業となりますと、これがやさしいていう商売はございません。とりわけてこの芸人仲間で、何が一番難しいてぇと幇間だそうですな(ポン)。芸者衆の方もなかなか難しいてますがこれは、御婦人のことでございますからまたどっか楽なとこがございます。東京では昔から吉原が本場といたしてございます。あの里で修行を致しまするといずれへ参りましても、一人前で通るんだそうでもっとも修行が違います。数多の客が入り込んで来る粋も来れば不粋も来る。えー、中には昔はこのォォーッ、三日でも四日でも居続けをしようなんていうお客様がござい…。このお客様を平場(しらば)で飽きさせないていう、大層な力でございますな。「お清さァん。ちょいとォ、ゥ、手拭そっちへ掛けてくんな、ァーッ、あのゥ、師匠は出掛けたァ、あそう。お梅ちゃんまだお湯から帰りませんか。あァようがす、ァッどホホうも…。昨夜(ゆんべ)のお客様には驚いた。いぇ『今晩有難う存じます』座敷へ入る途端だよ。柔道に凝ってるっての、お客様がさァ。ダーンと投げられちゃった。けつっぺたこんな大きな痣。昨夜(ゆんべ)っから今まで飲み続けてン、ァハッどォーうも驚いた、なんぼ商売たァいいながら、体が続きません、これから一杯飲んで寝ます。あァ。あー、ちょいと、三河屋の小僧さァん、三河屋の小僧さんちょいと済まない、いつものねぇ、五合(ごんごう)ねぇ、エヘヘッ、内緒で台所(だいどこ)の方へ忍ばしといてくんないかァ。君済まないがねぇ、魚金ことづけしてくれないかァ刺身を持って来るよう、あァ、(ポン)とろの所をブツに切ってね、さびを余計利かして、(ポン)あそう、お頼申しますゥ。ご苦労様ァ。おやァ、(パン)お梅ちゃん、エッヘヘッ、お帰んなさい。……  ……サゲ=……アーまた一杯になっちゃったこりゃ…。…お時間が参ったようでございます。…この辺でどうぞ御勘弁を……(拍手)…

6.途中で切っている。晩年はサゲまで演じることは無かったのであろう。

7.Po.20CN-6564 CT COPY

8.晩年の録音だが調子が良く、サゲまで口演していないのが残念である。

つるつる−8

1.TS-02890A1

2.1970.11.21,フジポニー,スタジオ,客なし

3.35:34

4.Ca.AP-1003(初出),C18G-0283,PN.20P-2174(CT)

5.出囃子 野崎

えー、相変わらず、ェッ、お馴染みのお笑いを申し上げる事に致します。しかし何になりましても一つの営業となりますと、これがやさしいていう商売はございませんとりわけてこの芸人仲間で、何が一番難しいてぇと幇間だそうですな。芸者衆の方もなかなか難しいてますがこれは御婦人のことでございますから、またどっか楽なとこがございます。東京では昔から、ァッ、吉原が本場といたしてございます。あの里で修行を致しますといずれへ参りましても、一人前で通るんだそうでもっとも修行が違います。数多の客が入り込んで来る粋も来れば不粋も来る。(パン)中にゃ三日でも四日でもその昔は、居続けをしようて、このお客様を、平場(しらば)で飽きさせないていう大層な力でござい(カタン)ます。「お清さァん。ちょいとォ、手拭そっちへ掛けてくんな、あァ。師匠は出掛けた、あァそう、お梅ちゃんまだお湯から帰りませんか。あァようがす。アッハどうもねぇ、昨夜(ゆんべ)のお客様には驚いた。いえ『今晩有難う存じます』、座敷ィ入る途端だよ、柔道に凝ってるです、お客様がさァ。いきなりねぇ、ダーンと投げられちゃった。けつっぺたへこんな大きな痣。ウンゥフッ今まで、飲み続けてン。どッホホーも驚いた。なんぼ商売とはいいながら、体が続(つづづ)きません。これから、一杯飲んで寝ま、寝ます。あァ(ポン)。あァ、三河屋の小僧さァん、三河屋の小僧さん、ちょいと済まない、いつもの五合(ごんごう)ねぇ、内緒で台所(だいどこ)の方へ忍ばしといてくんないかい。君済まないがねぇ、魚金ことづけしてくんないかァ刺身を持って来るように、あァ、とろの所をブツに切ってね、さびを余計利かして、あそう、あァ、じゃ頼みますゥ。あっ、おっ。おやっ、ァッ、お梅ちゃん、お帰んなさい。……

6.最晩年のスタジオ録音であるが、サゲまで完演でしているテイク。VTRで収録されてい  るが、何等かの理由で発売に至らない。

7.Ca.C18G-283 DISC COPY

8.最晩年の口演であちこちで口が回らなかったりしている。スタジオ録音であるが、サゲまで完演しているのでVTRで観る価値があるのだが…。

つるつる−9

1.TS-02897C1

2.(1966.5.1),TBS,「まわり舞台」

3.24:07

4.なし

5.出囃子 野崎

一杯のお運びでございまして、有難く、ゥッ、御礼を申し上げます。堯て相変わらず、お馴染みのお笑いを申し上げる事に致します。しかし何商売でも一つの営業となりますと、これがやさしいていう商売はございませんとりわけてこの、芸人仲間で、(パン)何が一番難しいてぇと幇間だそうですな。芸者衆の方もなかなか難しいてますが(ポン)これは、御婦人のことでございますから、またどっか楽なとこがございます。(パン)東京では、ァーッ、昔から吉原が本場といたしてございます。あの里で修行を致しまするといずれへ参りましても、一人前で通るんだそうでもっとも修行が違います。(パチン)数多の客が入り込んで来る粋も来れば不粋も来る。中にはその昔は、三日でも四日でもお客様が居続けをしようとこのお客様を平場(しらば)で飽きさせないていう、大層な力でございます。「お清さァん。ちょいとォ、手拭そっちへ掛けてくんな、あァ、あの師匠は出掛けたァ、あそうお梅ちゃんまだお湯から帰りませんか。あァようがす、ァッハどうも。昨夜(ゆんべ)のお客様には驚いた。いぇ『今晩有難う存じます』座敷へ入る途端だよ。柔道に凝ってるってのお客様がさァ。いきなりねぇ、ダーンと投げられちゃっ…、けつっぺたこ、ォんな大きな痣。昨夜(ゆんべ)っから飲み続けてンァハッどホうも驚いた、なんぼ商売とはいいながら、体が続きません、これから一杯飲んで寝ます。あァ。あー。ちょいとゥ。三河屋の小僧さァん、三河屋の小僧さんちょいと済まないいつもの五合(ごんごう)ねぇ、内緒で台台所(だいどこ)の方へ忍ばしといてくんないかい君済まないがね、魚金ことづけしてくんないか刺身を持って来る様に、あァ、とろのとこをブツに切ってね、さび余計利かして、あ、ご苦労様ァ。おやっ、アハハ、お梅ちゃん、お帰んなさい。……  ……サゲ=……アーまた一杯になっちゃった」…お時間が参った様でございます。(拍手)……

6.途中で切っている。

7.TBS R まわり舞台 放送録音 野口氏ライブラリー

8.良い時期の録音で、サゲまで口演していないのが残念である。

つるつる・解説

この『つるつる』をはじめ、『ぞろぞろ』『だくだく』等、落語の演題と言うものがかなり安直に付けられている見本のようなタイトルである。文樂師得意の幇間物で、師のネタの中で最も長い噺である。噺の設定に無理な所が無く、お楽しみを後に控えて仕事が長引いてやきもきすると言うようなことはままあることで、それだけに正直な一八の言動は共感させられるものがある。長い噺であるので、放送等では30分枠で収まらない為か『アーまた一杯になっちゃった…』で切ってしまう事が多かった。晩年は国立の様な席でも最後まで演じなかったようで、この噺は喉手術後の完全な録音が見付かっていないのが残念である。小満ん師がサゲを『ターザンの夢を見ました』と変えて演じて爆笑させられたが、しかしこのサゲは今後この『つるつる』が世に残っていく為にはとても素敵なサゲである様な気がする。我々、井戸替えを見たことの無い世代には『井戸替えの夢を見ました』と言うサゲは、仕込まない限り現代には通じなくなっている訳であるし、『つるつるつるつる…』と言う場面から想像する格好はまさにターザンのそれなのであるから。時代設定がどうこうなんてヤボな事はこの際言わない事にして…。

時代設定:幇間全盛の頃、少なくとも戦前か。

舞台:吉原、一八の師匠の経営する芸者置屋、柳橋にある竹の間のある一流のお茶屋。

登場人物:幇間一八、お清さん、三河屋の小僧さん、一八が四年半岡惚れしてる芸者お梅、樋ィさん、お茶屋の太ったおかみ、嬢ちゃん、坊っちゃん、お花姐さん、板前金ちゃん、猫、芸者かる子、芸者照奴、芸者ふうちゃん、最期に怒鳴る師匠。

ベストテイク:サゲまで演じているベストでは『つるつる…6』。喉手術前の音は2テイク共双璧。途中で切っているが『つるつる…7』『つるつる…9』は軽快で良い。

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