桂文樂音源データノート

締め込み−1

1.TS-02602A5

2.1963.2,ビクター,ビクター・スタジオ,客なし

3.17:48

4.V.JV-90(初出),JV-1289,JL-265,SJV-6549,VCK-520(CT),VCK-893(CT),YP.CR18-44(CT)

5.出囃子 野崎

えー、相変わらず、ゥッ、お馴染みのお笑いを申し上げる事に致します。しかし世の中に名を残したいもんですな。良い事をして名を残したいもんですな。エエーッ泥棒で名を残してる者がございますどうも落語の方では、あんまりどうもたいした泥棒は出ません。お古いお話しに極く足の速い方が、泥棒を追っかけたてぇ話がござん「どこ行くんだい」……  ……<後から来る〜番頭縛り〜仁王か〜鯉が高い>……  ……洒落た噺がございますな。「こんちわ。お留守ですかァ。えー、開けっ放しになっておりますが。こんちわァ。物騒ですよ。御免くだッ、どうだい、えー、カーッ、こう火が、カッ、でこに熾ってるン、お湯がちんちん滾ってる、遠く行ったんじゃねぇ近(ちけ)えとこだよ、今の内に仕事をしちまおう」なン。箪笥の引出しを開けて、大きな風呂敷(ふるしき)包みをこさえて、今奴さんしょって逃げようとすると路地の方から誰か一人入って来たようで、他に逃げ道あるまいかってン後ろを見ると後ろが塀で行き止まりなン。仕方がないから奴さんその荷物を又うちィしょいこんで、門口ンとこパタパタパタパタ足音がするからめっかっちゃァ大変だと思って風呂敷包みをそこ置いて、竈のそばの板ァ上げて、縁の下へ「(ドンドン、ズドン)こいつはまずかったなァ。えーもう一足てぇとこだったなァ。あっ帰(けえ)って来やがったここのうちのあるじだな、何か言ってやァるこいつはまずいねこりゃどうも。ここのうちのまた糠味噌は臭いねこらどうも。おかみさんが不精で掻き回さねえんだなァ。こらいつまで入(へえ)ってン悪(わり)いとこへ帰(けえ)って来やがったなどうも」「おうッ。日の暮れとうちィ開けっ放しちゃしょうがねえなァおゥ。おうッ。憚りかァっ……

6.

7.V.JL-265 DISC COPY

8.

締め込み−2

1.TS-02594C3,TS-02916B4(対談)

2.1967.9.21(1967.10.6),TBS,朝日生命ホール,「まわり舞台第20回」

付:対談、桂文樂・山本文郎アナ

3.17:34,対談 8:19

4.CS.SOGZ-35(初出),15AG-222,SKJZ-20(CT)(対談なし)

5.出囃子 野崎(ドラ入り)

えー、毎回の、ハァ、お運びでございまして、有難く御礼を申し上げます。間へ挟まりまして相変わらず、お馴染みのお笑いを申し上げる事に致します。しかし世の中に名を残したいもん(パチ)ですな。良い事をして名を残したいもんでエエーッ、泥棒で名を残してるのがございますな。(ポン)どうも落語の方へ出て来る泥棒なんてぇものはあんまりたいした泥棒は出ません。(ポン)お古いお話しに極く足の速い方が、泥棒を追っかけたてぇ話がござん「どこ行くんだい」……  ……<後から来る〜番頭縛り〜仁王か〜鯉が高い>……  ……洒落た噺がございますな。(拍手)「こんちはァ、お留守ですかァ。開けっ放しになっとりますがァ。こんちィはァ。どうでぇ、えー、長火鉢にでこでこに火が熾って、お湯がちんちん滾ってら、遠く行ったんじゃねぇ近(ちけ)えとこだよ、今の内ィ仕事をしちまおう」なン。箪笥の引出しを開けて、大きな風呂敷(ふるしき)包みをこさえてェ、今奴さんしょって逃げようとすると路地の方から誰か一人入って来たよう。他に逃げ道ィあるまいかっ、後ろを見ると後ろが塀で行き止まりなン。仕方がない、その荷物を又うちィしょいこんで、門口ンとこパタパタパタパタ足音がするからめっかっちゃァ大変だと思う、風呂敷包みをそこ置いて、竈のそばの板ァ上げて縁の下へ「(ドンドン、ドドン)こいつはまずかったな。もう一足てぇとこだったな。帰(けえ)って来やがったかな。あァ、ここのうちのあるじだな。何か言ってやがらまずいねこいつはどうも。ここのうちのまた糠味噌は臭いねこりゃどうも。おかみさんが不精で掻き回さねえんだ。こりゃいつまで入(へえ)ってる、悪いとこへ帰(けえ)って来やがったなどうも」「おおゥ。日の暮れてうちを開けっ放しちゃしょォがねえなおゥ。おおゥ。憚りかァっ……

対談

拍手…山本アナ「えー、桂文樂師匠の『締め込み』でございました。それではここで、熱演を終えました文樂師匠にまたお話しを伺って見たいと思います。いゃどうも本当にこう、いつ聞いても素晴らしい喧嘩っぷりでございまして」文樂「いやもう…」山「夫婦喧嘩の方…」文「アハハハ…」……馴染めは?〜寄席も変わった〜「だくだく」に引掛けた「聞いた積りの面白くない積り」〜盲人の客でしくじった話〜博奕場で困った話

6.このテイクが元になっている速記が、雑誌「落語界」第21号に掲載されている。CS.のレコードには対談は収録されていない。

7.CS.SOGZ-35 DISC COPY 対談:TBS R まわり舞台 放送録音 野口氏ライブラリー

8.客も良く、大変調子の良い出来である。

締め込み−3

1.TS-02859D2

2.1960.9.30,東横劇場,東横落語会第27回

3.17:24

4.CS.50AG-914(初出)

5.出囃子 野崎

えー、ェヘーッ、毎回の、ォッ、お運びでございまして、有難く御礼を申し上げます。間へ挟まりまして相変わらず、お馴染みのお笑いを申し上げる事に致します。しかし世の中に名を残したいもんですな。良い事をして名を残したいもんですな。泥棒で名を残してるのがございます。落語の方は、あんまりそのたいした泥棒は出ませんでお芝居の方やなんかでは、石川五右衛門だとかあるいは熊坂長範だとか偉い泥棒が出て参ります。泥棒でもしてみようかなんてぇ、そのどじな泥棒の方のがァーッ、この落語の方は専門家でございまして−お古い、ィお話しに極く足の速い方が泥棒を追っかけたてぇ話がございます。「どこ行くんだい」……  ……<後から来る〜番頭縛り〜仁王か〜鯉が高い>……  ……洒落た噺がございますな(笑いで殆ど聞きとれない)。「こんちわァ。えー、お留守ですかァ。えー、開けっ放しになっとりますがァ。えー、こんちィわァ。どうだい、えー、長火鉢にでこでこに火が…、お湯がちんちん滾ってら、遠く行った…近(ちけ)えとこだよ今の内に仕事をしちまおう」なン、箪笥の引出しを開けて、大きな風呂敷(ふるしき)包みをこさえて、今奴さんしょって逃げようとすると路地の方から誰か一人入って来たようで、他に逃げ道あるまいかってン後ろを見ると後ろが塀で行き止まりなン。仕方がない奴さんその荷物を又うちィしょいこんで、門口ンとこパタパタパタパタ足音がするからめっかっちゃァ大変だと思って風呂敷包みをそこ置いて、竈のそばの板ァ上げて縁の下へ「(ドンドン、ズドン)こいつはまずかったなァ。もう一足てぇとこだったなァ。あっ帰(けえ)って来やがったここのうちのあるじだなァ、何か言ってやがらこいつはまずいねぇ。ここのうちのまた糠味噌は臭いねこりゃどうも。おかみさんが不精で掻き回さねえんだなァ。こりゃいつまで入(へえ)ってられ悪(わり)いとこへ帰(けえ)って来やがったなどうも。こりゃまずいねどうも」「おうッ。日の暮れとうちィ開けっ放しちゃしょうがねえなァおゥ。おうッ。憚りかァっ……  ……サゲ=「締りをして寝ちまうってお前泥棒がうちにいるんだよ」「あそうかァ、(パン)アッハッハ、しょうがねぇ、ンハハ、表から掛き金掛いねぇ……

6.珍しくサゲまで演じている。

7.CS.50AG-914 DISC COPY

8.以前はいつもサゲまで演っていたのだろうか?、貴重なテイクである。口調が大変速くサゲまで演じても晩年のものとタイムが変わらない。

締め込み−4

1.TS-02894D3

2.1966.10.30,TBS,客なし,「日曜寄席」

3.16:55

4.なし

5.出囃子 なし

えー、相変わらず、お馴染みのお笑いを申し上げる事に致します。エエーッ、しかし世の中に名を残したいもんですな。良い事をして名を残したいもんで。泥棒で名を残してるのがございます落語の方へ出て来る泥棒なんてぇものは、(ポン)あんまりたいした泥棒は出ませんて−お古いお話し(ポン)に極く足の速い方が、泥棒を追っかけたてぇ話がござん「どこ行くんだい」……  ……<後から来る〜番頭縛り〜仁王か〜鯉が高い>……  ……洒落た噺がございますな。「こんちはァ、お留守ですかァ。開け、開けっ放しになっとりますがァ。こんちィは。どうだい、えー、長火鉢にでこでこに火が熾って、お湯がちんちん滾ってら、遠く行ったんじゃねぇ近(ちけ)えとこだよ、今の内に仕事をしちまおう」なン…箪笥の引出しを開けて、大きな風呂敷(ふるしき)包みをこさえてェ、今奴さんしょって逃げようとすると路地の方から誰か一人入って来たよう。他に逃げ道ィあるまいかっ、後ろを見ると後ろが塀で行き止まりなン。仕方がない、奴さん荷物を又うちィしょいこんで、門口ンとこパタパタパタパタ足音がするからめっかっちゃァ大変だと思って風呂敷包みをそこ置いて、竈のそばの板ァ上げて縁の下へ「(ドンドン、ドドン)こいつはまずかったな。へぇっ、もう一足てぇとこだったなァ。あ帰(けえ)って来やがったここのうちのあるじだなァ。何か言ってやがらこいつはまずいねこいつは。ここのうちのまた糠味噌は臭いねこりゃどうも。おかみさんが不精で掻き回さねえんだなァ。こりゃいつまで入(へえ)ってねぇ悪いとこへ帰(けえ)って来やがったなまずいなこいつはどうも」「おおゥ!日の暮れてうちを開けっ放しちゃしょォがねぇなおゥ。おおゥ。憚りかァっ……

6.客なしの録音。

7.TBS TV 日曜寄席 放送録音 野口氏ライブラリー

8.客がいないと、間が多少変化している。

締め込み−5

1.TS-02930A2

2.不明,スタジオ,客なし

3.17:15

4.Po.CN-1031(CT)

5.出囃子 野崎

えー、相変わらず、ゥッ、お馴染みのお笑いを申し上げる事に致します。十人十色なんてぇ事を言いますが、しかし世の中に名を残したいもんですな。良い事をして名を残したいもんで。泥棒で名を残してるのがございます。落語の方へ出て来る泥棒なんてぇものはあんまりたいした泥棒は出ませんで。お古いお話しに極く足の速い方が、泥棒を追っかけたてぇ話がござん…。「どこ行くんだい」……  ……<後から来る〜仁王か〜鯉が高い>……  ……洒落た噺がございますな。「こんちわ。お留守ですかァ。えー、開けっ放しになっておりますが。えー。物騒。こんちゥ、どうだい、えー、お湯がちんちん滾ってら、えー、こら、遠く行ったんじゃねぇ近(ちけ)えとこだよ、今の内に仕事をしちまおう」なんてン。箪笥の引出しを開けて、大きな風呂敷(ふるしき)包みをこさえて、今しょって逃げようとすると路地の方から誰か一人入って来たようで、他に逃げ道あるまいかってン後ろを見ると後ろが塀で行き、行き止まりなン。仕方がない、奴さんその荷物を又うちィしょいこんで、門口ンとこパタパタパタパタ足音がするからめっかっちゃァ大変だと思って風呂敷包みをそこ置いて、竈のそばの板ァ上げて縁の下へ「(ドン)こりゃァ驚いた。もう一足てぇとこだったな。あっ帰(けえ)って来やがった。ここのうちのあるじだな、何か言ってやがらァこいつはまずいなこいつはどうも。こらァまずかったなどうも」「おうッ。日の暮れてうちィ開けっ放しちゃしょうがねえなァおゥ。憚りかァっ。おうッ。……

6.番頭縛りの枕が割愛されている。あちこちで、はしょって演じている。

7.Po.CN-1031(CT) CT COPY

8.録音データが不明だが、比較的晩年の録音の様である。

締め込み−6

1.TS-02931A4

2.1962.(?),ABC,人形町末廣

3.13:41

4.なし

5.出囃子 野崎(上方のお囃子)

えー、(カット)しかし世の中に名を残したいもんですな。良い事をして名を残したいもんですな。(ポン)泥棒で名を残してるのがございます。どうも落語の方へ出て来る泥棒なんてぇものは、(ポン)あんまりたいした泥棒は出ません。(カット)観音さまのお賽銭が、一日にどの位溜まるもんだろうなんてんで欲張った奴があるもんで……  ……<仁王か>……  ……(カット)洒落た噺がございますな。(拍手)へぇ「こんちはァ、お留守ですかァ。えー、開けっ放しになっとりますがァ。こんちィはァ。どうだい、えー、長火鉢にでこでこに火が熾って、お湯がちんちん滾ってら、遠く行ったんじゃねぇ近(ちけ)えとこだよ、今の内ィ仕事をしちまおう」なン。箪笥の引出しを開けて、大きな風呂敷(ふるしき)包みをこさえて、今奴さんしょって逃げようとすると路地の方から誰か一人入って来たようで。他に逃げ道あるまいかってんで後ろを見ると後ろが塀で行き止まりなン。仕方がない、そっ、その荷物を又うちィしょいこんで、門口ンとこをパタパタパタパタ足音がするからめっかっちゃー大変だと思って風呂敷包みをそこ置いて、竃のそばの板ァ上げて縁の下へ「(ドンドン、ドドン)こいつはまずかったなァ。えー、もう一足てぇとこだったなァ。帰(けえ)って来やがったなァ、ここのうちのあるじだな。何か言ってやがらこいつはまずいねこいつはどうも。ここのうちのまた糠味噌は臭いねこりゃどうも。おかみさんが不精で掻き回さねえんだなァ。こりゃいつまで入(へえ)ってねぇ、こりゃ、悪(わり)いとこへ帰(けえ)って来やがったな」「おおゥ!日の暮れて、う、あっ、うちを開けっ放しちゃしょォがねえなおゥ。おおゥ。憚りかァっ……

6.放送の冒頭で、案内役の桂春蝶が、『人形町末廣で収録したもの』と言っている。出囃子が上方のそれであり、人形町末廣でお囃子を引き連れての上方落語の引越し興行があった1962年の収録か?。(カット)で示した様に大幅なカットが有るのが残念である。

7.ABCラジオ 演芸大劇場 放送録音 1977. 尾方氏ライブラリー

8.大阪で放送された、謎の録音。人形町末廣の録音に上方の出囃子という不自然な組み合わせが納得がいかなかった。尾方氏によれば、「文樂師はTBSの専属を堅持した為、関西では全く放送に流れなかった」そうで、関西の放送局も録音を所有していても放送する事は出来なかった。つまり、上方で演じた録音が関西の放送局に残っている可能性は十分あった訳で、この録音が上方での口演である事も考えられた。しかし解説での「人形町末廣での録音」を信用すると、上方落語が東京へ引越し興行を行った時の録音と言うことになる。1962年に人形町末廣で、TBSとABCによるお囃子を引き連れての上方落語の引越し興行があり、その時に文樂師がスケで出た記録があり(三田純市『笑福亭松鶴』)この録音がその時の物である事の可能性が大である。

締め込み−7

1.TS-02939A3

2.不明(喉手術前)

3.14:55

4.ぎょうせい版「鑑賞古典落語」.第2巻(CT)

5.出囃子 野崎

相変わらず、馬鹿馬鹿しい事を申し上げてお暇(しま)を頂戴を致します。しかし世の中に名を残したいもんですな。(ポン)良い事をして名を残したいもんですな。泥棒で名を残してるのがございますどうも噺の方へ出て来る泥棒なんてぇものは、あんまりたいした泥棒は出ませんてお古いお話しに極く足の速い方が、泥棒を追っかけたてぇ話がござん「どこ行くんだい!」……  ……<後から来る〜番頭縛り〜仁王か〜鯉が高い>……  ……洒落た噺がございますな。「こんちわ。お留守ですかァ。えー、開けっ放しになっておりますがァ。こんちわァ。どうだい、えー、長火鉢にでこでこにこの、火が熾ってお湯がちんちん滾ってる、遠く行ったんじゃねぇ近(ちけ)えとこだよ、今の内に仕事をしちまおう」なン。箪笥の引出しを開けて、大きな風呂敷(ふるしき)包みをこさえてェ、今奴さんしょって逃げようとすると路地の方から誰か一人入って来たようで、他に逃げ道あるまいかってン後ろを見ると後ろが塀で行き止まりなン。仕方がないその荷物を又うちの中ィしょいこんで、門口ンとこパタパタパタパタ足音がするからめっかっちゃァ大変だと思って風呂敷包みをそこ置いて、竈のそばの板ァ上げて縁の下へ「(ドンドン、ドドン)こいつはまずかったなァ。もう一足てぇとこだったなァ。あァ帰(けえ)って来やがったこのうちのあるじだな、まずいなこいつはこいつはどうも。ここのうちのまた糠味噌は臭いねこらどうも。おかみさんが不精で掻き回さねえんだこらいつまで入(へえ)ってらんねぇ悪(わり)いとこへ帰(けえ)って来やがったな」「おうッ。日の暮れとうちィ開けっ放しちゃしょうがねえなァおゥ。おうッ。憚りかァっ……

6.喉手術前の録音で口調が非常に速い。1955年前後のものと思われる。

7.ぎょうせい版「鑑賞古典落語」.第2巻 CT COPY

8.

締め込み−8

1.TS-12547A2

2.1969.3.17,TBS,国立小劇場,落語研究会第13回

3.18:22

4.なし

5.出囃子 なし(拍手のみ)

えー、ェーッ、毎回の、ォーッ、お運びでございまして、有難く、ゥッ、お礼を申し上げます。間へ挟まりまして相変わらず、御馴染みの、ォーッ、お笑いを申し上げる事に致します。先月は、ァーッ、一寸、風邪を引きまして、圓生さんが、ァッ二席演ってくれまして、休席を致しまして、ェッ、誠に相済みませんお詫びを申し上げます。落語の方は、ァーッみなお馴染みでございまして。しかし世の中に名を残したいもんですな。(ポン)良い事をして名を残したいもんで。泥棒で名を残してるのがございます。落語の方へ出て来る泥棒なんてぇものは、あんまりたいした泥棒は出ませんで。お古いお話しに極く足の速い方が、泥棒を追っかけたてぇ話がござん「どこ行くんだい」……  ……<後から来る〜番頭縛り〜仁王か〜鯉が高い>……  ……洒落た噺が……。「こんちはァ、お留守ですかァ。えー、開けっ放しになっとりますがァ。えー、こんち。どうだいえー、長火鉢にでこでこに火が熾って、お湯がちんちん滾ってら、遠く行ったんじゃねぇ近(ちけ)えとこだよ、こう今の内に仕事をしちまおう」箪笥の引出しを開けて、大きな風呂敷(ふるしき)包みをこさえて、今しょって逃げようとすると路地の方から誰か一人入って来たよう。他に逃げ道ィあるまいかって後ろを見ると後ろが塀で行き止まりなン。仕方がない、奴さんその荷物を又うちィしょいこんで、門口ンとこパタパタパタパタ足音がするからめっかっちゃァ大変だと思って風呂敷包みをそこ置いて、竈のそばの板ァ上げて縁の下へ「(ドンドン、ドドン)こいつはまずかったな。もう一足てぇとこだったなァ。あァ帰(けえ)って来やがったここのうちのあるじだな。まずいね。ここのうちのまたまた、糠味噌は臭いねこりゃどうも。おかみさんが不精で掻き回さねえんだねぇ。こりゃいつまで入(へえ)ってねぇ悪いとこへ帰(けえ)って来やがったなどうも。まずいなこいつは」「おおゥ。日の暮れて、うちを開けっ放しちゃしょうがねぇなおゥ。おおゥ。憚りかァっ……

6.国立小劇場での落語研究会の録音。

7.TBS TV お待ちかね名作寄席 放送録音 仲野氏ライブラリー

8.

締め込み−9

1.TS-12599A3

2.?,TBS

3.15:59

4.なし

5.出囃子 なし(元録音になし)

相変わらず、エエーッ、馬鹿馬鹿しい事を申し上げて、お暇を頂戴を致します。しかし世の中に名を残したいもんですな。良い事をして名を残したいもんですな。泥棒で名を残してるのがございますどうも落語の方へ出て来る泥棒なんてぇものは、あんまり大した泥棒は出ませんてお古いお話し噺に極く足の速い方が、泥棒を追っかけたてぇ話がござんす「どこ行くんだい」……  ……<後から来る〜仁王か〜鯉が高い>……  ……洒落た噺がございますな。「こんちはァ、えーお留守ですかァ。えー開けっ放しになっとりますが。こんちわ。どうだい、えー、長火鉢にでこでこに火が、お湯がちんちん滾ってやがン、遠く行ったんじゃねぇ近(ちけ)えとこだよ、今の内に仕事をしちまおう」なんて箪笥の引出しを開けて、大きな風呂敷(ふるしき)包みをこさえて、今奴さんしょって逃げようとすると路地の方から一人入って来たよう。他に逃げ道あるまいかってんで後ろを見ると後ろが塀で行き止まりなン。仕方がないその荷物を又うちィしょいこんで、門口ンとこパタパタパタパタ足音がするからめっかっちゃァ大変だと思って風呂敷包みをそこ置いて、竈のそばの板ァ上げて縁の下へ「(ドンドン、ドドン)こいつはまずかったな。えー、もう一足てぇとこだったな。あ帰(けえ)って来やがったここのうちのあるじだな。何か言ってやんだこいつはまずいねこいつはどうも。ここのうちの、うちの糠味噌は臭いねこらどうも。おかみさんが不精で掻き回さねえんだなァ。こりゃいつまで入(へえ)っられねぇ悪いとこへ帰(けえ)って来やがったなどうも」「おおゥ。日の暮れてうちを開けっ放しちゃしょうがねえなおゥ。おおゥ。憚りかァっ……

6.TBSの放送録音と思われるが、妙に客の少ないライヴである。元の録音で出囃子が欠けている。番頭縛りの枕はカットされている模様。口調が滑らかで、晩年のそれでは無く、1960年頃の音の様だ。後半でテープの音飛びが少々ある。

7.TBSR 放送録音 光井コレクション

8.客が少ない為か乗りが悪い様だ。サゲでわざわざ「お時間が参りました…」と言っているのは、まだその頃は本来のサゲまで良く演っていた事を示している様だ。

締め込み・解説

『やかん泥』と並び、本職の泥棒の登場する噺。従って枕は共通の泥棒小咄四部作から入る。『厩火事』同様可愛い女房の出て来る噺で、その為なんとも文樂師らしい噺になっている。いつもは、『これからちょいちょい伺います』と言うところで切っているが、東横落語会で演じた『締め込み…3』は、珍しく本来のサゲまで演じており、たまにはこの様にサゲまで演じることもあったようである。

時代設定:江戸から明治大正まで、いつでも成り立ちそうである。

舞台:とある長屋。但し後ろは塀で行き止まりでなくてはいけない。

登場人物:泥棒(石川一右衛門半位の格の様である)、亭主八公、女房おふく。

ベストテイク:「締め込み−2」。サゲまで演じている点で、「締め込み−3」も貴重である。

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