三遊亭圓生音源データ
質屋庫−1
1.TS-02837B2
2.1976.9.29,東横劇場,東横落語会第189回
3.42:36
4.V.VCK-862(CT),VDR-21033(CD),VICG-15062(CD),K.K18H-5206
5.出囃子 正札附
えー、ェッ、人はこの、ォーッ、名を残すと言う、誠に、えー名前が残ると言う事は、ァッ大変でございますがまして、死んでこの神に奉られると言う事はこりゃァもう、容易ではございませんが。天神様、ウーン菅原道真公と、ォーッおっしゃいまして、書道の名人と言うので、ゥ昔は良く、ゥーッ天神様へ梅を断って、ェーッ願をかける、えーそうするとこの大変字が上手くなるなんとと言うのでお詣りをした者がございますが。えー、右大臣と言う、公職に就いておいでになりましたが、えー政敵であるこの、えーいええー菅原じゃァない、えー藤原時平と言う、俗に時平(しへい)公と申しますがこの人とどうも、意見が合いませんで、結局、ゥーッ道真公がいてはどうも邪魔になると言うので、讒言を構えまして、九州へ、ェッ流したと言いますが。えー流したと言ったってこれは官職はあったんだそうで。太宰府と言う所の、…………<太宰府の飛び梅〜爪立ての行〜紙幣はお嫌いだ>…………こりゃまァ昔のお噺でございますが。「あっ、あのォ番頭さんちょいと、こっちィ来ておくれ」「へっ、えー御用で」「あっ、えーお前に少し話があるまァまァそこへ座っておくれ。うちのォ蔵の事をお前どっかで聞いた事があるか」「…蔵の事と言うのは一向存じませんで」……
6.相性の良い東横落語会での録音。東横では意外にも4回の口演記録が記録されているが、この録音は最後の口演である。
7.V.VCK-862 CT COPY
8.
質屋庫−2
1.TS-02887A1
2.(1969.2.4),NHK,スタジオ,客なし,「古典落語」
3.26:40
4.東京音楽工業.CR-1440(CT)
5.出囃子 無し
えー、ェッ、昔からこの、お祭りと言うものは、ァーッ、陽気なものでございまして。 「ウンちわ」「おや、いらっしゃいまし」「えー今お祭りへ行って来ましたがね」「あそうですか。どちらの」「えーっ天神様の。アーッどうも今年は大したもんですね」「そうですか」「えーっ、いやどうもお詣りの多い事。賽銭箱を見てあたくしがびっくりしたねぇ。どォー山の様でねぇ。銅貨銀貨、中には金貨をあげる人もあるが、札は一枚も無かったねぇ」「へぇー、どう言う訳で」「天神様は時平がお嫌いだから」なんと言う、小咄がございますが。「さァ、あのゥ番頭さん、こっちィ入っとくれ」「えっ、えー、何か御用で」「いや実はね、お前(まい)さんに、ィーッ、聞きたいと思うのは、うちの蔵の噂を聞いた事があるか。無い。ウーン……
6.東京音楽工業という、露天などで安売りをしているカセットテープのシリーズの中に含まれていたもの。データは記載されていないが、NHKラジオ「古典落語」で放送された音源によっている。客なしのスタジオ録音である。
7.東京音楽工業.CR-1440(CT) CT COPY
8.30分枠の放送では菅原道真の枕を振らずに天神様の祭りの小咄のみでサゲの伏線を作っている。
質屋庫−3
1.TS-02897A1
2.(1966.4.29),TBS,東商ホール,「落語名人会」
3.24:55
4.無し
5.出囃子 正札附
えー、ェッ、昔からこの、お祭りと言う物はァーッ大変、陽気で宜しいもんでございますが。「おい、お前何だってなァあのゥ、お祭り行ったってぇじゃねぇか」「アー天神様のお祭りようどォうも大した景気だったね」「そうかいアー。おかしいって、どうも俺は分からねえなァあの天神様へ何か書いてあげてる人があるがなァ字を書いてよゥ。あれどう言う訳なんだ」「あれはお前(めえ)天神様は、ァッ菅原道真公とおっしゃって、エッ書道の名人で、だから、あすこへ願をかけて、まァ手習いをして、何かその、ォーッ書いた物を上げると手が上がると言うんでみんな信心をするんだ」「へぇーそうかなァ。だって天神様は時が書けねぇって事を聞いたぜ」「誰がそんな馬鹿な事を言ったんだい」「だってお前(めえ)、無筆の罪で流されたと言う」昔のお噺でございますが。「さァ、あー番頭さんこっちィ入っとくれ」「へっ、えー、何か、ァッ御用と言う事で」「いや、えーお前さんに少ゥし話があると言うのは他じゃァ無いが、えー、確かァ七日ばかり前だったが……
6.「落語名人会」で放送された音だが、枕の小咄が異なっている。
7.TBS R 落語名人会 放送録音 1966.4.29 野口氏ライブラリー
8.
質屋庫−4
1.TS-02905C1
2.1976.9.18,CBS・ソニー,スタジオ,客無し,「圓生百席第百一席」
3.53:26
4.CS.60AG-561,SR.SRCL-3844(CD)
5.出囃子 越後獅子 受囃子 菅公合方
昔はこの夢と言う物をば、大変気にした人がおりまして、これはいい夢だとか悪い夢だとか、あるいはまた夢の知らせがあったなんてぇ事を言いますが。また一方では、聖人に夢無しと言いまして、あんなものは信じるに足りないもんだと言う。えー五臓のどれかを痛めると夢を見ると言いますが。ウー五臓と申しますと心臓肺臓膵臓、肝臓腎臓ですか、でこれのどれかに故障が起きますと、夢を見る様になる。ウーだから、健全ならば決して、夢なんてぇものは見ないと言いますが。しかし、夢を見て、後々にどうと言う話の、ォッ残ってぇるものも幾らもありますが。…………<日蓮上人〜日掛け月掛け〜北条政子夢を買う〜家康の是握り〜道真の飛び梅〜爪立ての行〜紙幣(時平)はお嫌いだ>…………「おいおい、あのゥ、一寸、番頭さん、番頭さんや」「へいへい」「こっちへ来ておくれ」「へい、えー何か、御用で」「あっ、えーお前さんに少ゥし、話があるんだが、ウーうちのォ蔵の話をお前(まい)どっかで聞いた事があるか」「さァ一向存じませんでございますがなん」……
6.「圓生百席」の録音。この録音を元にした速記が集英社文庫「圓生古典落語2」に載っている。
7.CS.60AG-561 DISC COPY
8.
質屋庫・解説
圓生師自身文團治師から教わったとの事で、上方ねたである。本家上方の方では米朝師がたまに演じている。菅原道真の不幸な人生が根底になくては理解できないサゲなので、現在では枕でそれとなく仕込みが必要になってしまった噺である。落語の枕にあるようなお話しで授業が行われればもっと歴史が身近になると思うのであるが、歴史などの教育は、受験戦争のあおりで史実に偏り過ぎてしまっている様で、ただ年号やらを記憶する様な勉強になっている。その点では聞くところによると戦前の教育の方が面白かったのではないかと思われる。もっとも神国日本を前面に出した偏向教育であった事を認める訳ではないが…。
さて、演題を「質屋庫」としているが、何故かこの「質屋庫」に関しても「質屋蔵」とか「質屋倉」と書いているものを見かける。圓生師の速記本を見てもタイトルは「質屋庫」でも速記の中では「三番蔵」と書かれており、この「庫」か「蔵」かは何をして使い分けるのかは、辞典を調べても定かではない。私の分類上での統一表記(コンピューターで検索をするに必要)では、「質屋庫」「味噌庫」が「庫」で「蔵丁稚」は「蔵」にしている。どなたかはっきりとした理由がおわかりの方があれば教えて頂きたい。
時代設定:江戸から明治時代。
舞台:質屋奥座敷と三番蔵内。
登場人物:質屋亭主、番頭、定吉、出入りの隈五郎。
ベストテイク:「質屋庫…1」東横の良い録音でベストテイクとして推薦出来る。