桂文樂音源データ

王子の幇間−1

1.TS-02591C2

2.1968.3.18,TBS,朝日生命ホール,「まわり舞台第26回」

  付:対談、桂文樂・山本文郎アナ

3.16:49,対談 11:42

4.CS.SOGZ-26,15AG-214,YP.CR18-44(CT)

5.出囃子 野崎(ドラ入り)

一杯のお運びでございまして、有難く、ァッ御礼を申し上げます。間へ挟まりまして相変わらず、馬鹿馬鹿しい事を申し上げて、ェッお暇(しま)を頂戴を致します。何商売でも一つの営業となりますと、これがやさしいて言う(ゆう)商売はございません。(ポン)とりわけてこのご芸人仲間で、何が一番難しいてぇと幇間だそうでございますな。(パン)「おい、店が大変騒々しいねおい。誰が来てるん」「神田の升見屋の平助が参っております」「ほーがないねぇあいつは、えー、一遍うちを覚えるとのべつに来ますよあいつが。いや来てもいいよ来てもいいけどあいつが来ると物が無くなっていけませんよ。こないだも来やがって靴を片っぽ盗んで(ポン)行きやがン…。変だろ盗りようが、えー持ってくなら一足持ってくがいいじゃねぇ片っぽ持ってきやがン。その後に来やがン、『旦那様(だーさま)お宅に靴が片っぽございましょ』『ンあるよ』『えー是非(ぜし)いー戴きたいので』『んーあァたん…何にするんだい』って『えーあたくしの友達でもってンの片足無いン……  ……サゲ=「お前さん泣いてくれンのは嬉しいけど目ンとこお茶殻が付いてる…」…「あたくしはもうごく悲しくなるとお茶殻が出るン」「なんだねこの人」…御馴染みの王子の幇間でございまして……

対談

山本アナ「(マイク遠くから)えー、桂文樂師匠の王子の幇間という熱演でございました。まだ暫くお時間がありますのでここで師匠に色々お話しを伺って見たいと思うんですがいかがでございましょうか。どうも」(拍手)文樂「えへへ」山「どうもお疲れさまでございます。いやいやしかしね師匠ね」文「えー」山「今あたくしあのう、あちらの方で拝見してましてね」文「えー」山「なんかあのう、こォ、お饅頭ですかねあれ」……食い物の修行の話〜研究会の事〜座敷で田植えをして遊んだ人の話〜札束を撒いて遊んだ人の話

6.後に対談が付いている。

7.CS.SOGZ-26 DISC COPY

8.客も良くのっている口演。毎度のことだが対談が大変おかしい。但しユピテルのテープには対談は入っていない。

王子の幇間−2

1.TS-02849D3

2.不明(喉手術後),TBS

3.14:54

4.なし

5.出囃子 野崎

えー、相変わらず、ハァお馴染みのお笑いを申し上げる事に致します。しかし何になりましても一つの営業となりますと、これがやさしいて言(ゆ)う商売はございません。「おい店が大変騒々しいねおい。誰が来てるんだ」「神田の升見屋の平助が参っております」「しょうがないねあいつは一遍うちを覚えるとのべつに来るよあいつが。いえ来てもいいよ来てもいいけどあいつが来ると物が無くなっていけませんよ。こないだも来やがって靴を片っぽ盗んで行きやがン。変だろ盗りようが持ってくなら一足持ってくがいいじゃねェ。片っぽ持ってきやがって、その後に来やがって『旦那様(だなさま)お宅に靴が片っぽございましょう』『あるよ。えー是非(ぜし)戴きたいんで』『アーいいともォ何にするんだ』『えー、あたくしの友達でもってこの片足無いン……  ……サゲ=「お前さん泣いてくれんのは嬉しいけど目ンとこお茶殻がついてる…」「…あたくしはもうごく悲しくなるとお茶殻がでるン」「なんだねこの人…」……御馴染みの王子の幇間でございます。……

6.口調から、1960年代前半の音と思われる。

7.ニッポン放送 演芸大行進 放送録音 1973.7.2 細田氏ライブラリー

8.調子は良いのだが客が今一である。雷ノイズが入っている。

王子の幇間−3

1.TS-02886B1

2.(1967.2.5),TBS,東商ホール,「落語名人会」

3.19:21

4.V.JL-268(初出),VCK-889(CT)

5.出囃子 野崎

ようこその、ァッ、お運びでございまして、有難く御礼を申し上げます。間へ挟まりまして相変わらず、馬鹿馬鹿しい事を申し上げて、ェーッ、お暇(しま)を頂戴を致します。ェエーッ、何商売でも一つの営業となりますと、(パチン)これがやさしいて言(ゆ)う商売はございません。「おい店が大変騒々しいねおい。誰が来てるん」「神田の升見屋の平助が参っております」「しょうがないねあいつは、一遍うちを覚えるとのべつに来るよあいつが。いや来てもいいよ来てもいいけどあいつが来ると物が無くなっていけませんよ。こないだも来やがって靴を片っぽ盗んで行きやがン。変だろ盗りようが持ってくなら一足持ってくがいいじゃねえ。片っぽ持ってきやがン。その後に来やがン、『旦那様(だーさま)、お宅に、靴が片っぽございましょ』『ンあるよ』『えー是非(ぜし)戴きたいもんで』『ンーあげてもいいね、お前何にするんだ』『いえあたくしの友達でもってこの片足無いンで……

6.サゲまで完演している唯一のテイク。「落語名人会」で放送された時は、まくらもカットされ、お茶殻の所で終了する様に12分弱に編集されていた。ビクターからレコード化された際にオリジナルの録音をそのまま収録したため、サゲも含めて完全な録音が残った貴重なもの。

7.V.JL-268 DISC COPY

8.

王子の幇間−4

1.TS-02900A2

2.(1966.5.7),TBS,鈴本演芸場

3.13:47

4.なし

5.出囃子 野崎

一杯のお運びでございまして、有難く御礼を申し上げます。相変わらず、ゥゥーッ馬鹿馬鹿しい事を申し上げて、(パン)お暇を頂戴を致します。しかし何商売でも一つの営業となりますと、これがやさしいて言(ゆ)う商売はございません。(パン)「おい店が大変騒々しいねおい誰が来てるん」(ポン)「神田の升見屋の平助が参っておりますの」「しょうがないねあいつは、一遍うちを覚えるとのべつに来ますよあいつが。いえ来てもいいよ来てもいいけどあいつが来ると物が無くなっていけませんよ。こないだも来やがって靴を片っぽ盗んで行きやがン。変だろ盗りようが持ってくなら一足持ってくがいいじゃね。片っぽ持ってきやがって、(パン)その後に来やがって『旦那様(だあさま)お宅に靴が片っぽございましょう』『あるよ』『えー是非(ぜし)戴きたいもんで』(ポン)『あげてもいいがお前何にするん』『えーあたくしの友達でこの片足無いンで……  ……サゲ=「お前さん泣いてくれんのは嬉しいけど目ンとこお茶殻がついてる…」「…あたくしはもうごく悲しくなるとお茶殻がでるン」「なんだねこの…」……御馴染みの王子の幇間でございます。……

6.時間の関係からか、旦那を隠す仕込み、おなべの白粉、婆ァやの部分がカットされている。

7.TBS R 放送録音 野口氏ライブラリー

8.調子は良いのだがカットが多く不完全なテイクと言えよう。

王子の幇間−5

1.TS-02754C2

2.不明(喉手術前)

3.15:16

4.ライフ&アート.(第11巻)

5.出囃子 野崎(妙なアレンジで、テープにより後でかぶせている)

えー、ェーッ、相変わらず、馬鹿馬鹿しい事を申し上げて、お暇(しま)を頂戴を致します。しかし何になりましても一つの営業となりますと、これがやさしいて言(ゆ)う商売はございませんとりわけてこの芸人仲間で、何が一番難しいてぇと幇間だそうですな。ハーどうもあの位難しい商売は無いてます。酷いのがありますから中には「おい店が大変騒々しいねぇおい。誰が来てるん」「神田の升見屋の平助が参っております」「しょうがないねあいつは一遍うちを覚えるとのべつに来ますよあいつが。いぇ来てもいい来てもいいけどあいつが来ると物が無くなっていけませんよ。(ポン)こないだも来やがって靴を片っぽ盗んで行きやがン。(ポン)変だろ盗りようが持ってくなら一足持ってくがいいじゃねぇ、片っぽ持ってきやがン。その後に来やがン『旦那様(だーさま)お宅に靴が片っぽございましょう』って『あるよ』『えー是非(ぜし)戴きたいもんで』『ンーあげてもいいんだお前何にするんだい』『えーあたくしの友達でもってこの片足無い人間が…  ……  ……サゲ=「お前さん泣いてくれンのは嬉しいけど目ンとこお茶殻が付いてるぞ」…「あたくしはねぇもうごく悲しくなるとお茶殻が出るン」「なんだねこの人…」……御馴染みの王子の幇間でございまして……

6.喉手術前の録音。

7.ライフ&アート (第11巻) CT COPY

8.喉手術前の録音で貴重。客の乗りも良い。

王子の幇間・解説

幇間ものの内では最も口演回数が少なかった噺。これといった筋立ての無い噺で、ほとんどが幇間平助の一人芝居であるところから、余程陽気な幇間を描く事が出来なければつまらない噺になってしまう為か、文樂師意外では聞いた事が無く現在も演り手が無い様である。お茶殻の所で大抵切っていたが、サゲまで演じた事があり、一本音が残っている。靴を片っぽずつ盗るなど面白い部分があり、このまま忘れられるのは勿体ない噺である。

時代設定:明治時代。

舞台:大店の店先から座敷。

登場人物:旦那、その女房、神田升見屋の幇間平助、長どん、台所指令長官おなべ、婆ァや、鳶頭、他奉公人。

ベストテイク:「王子の幇間…1」客も乗りが良い。サゲまで演じている点では「王子の幇間…3」が貴重。出来も良い。

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