三遊亭圓生音源データノート

お多賀さん−1

  ※長谷川幸延作

1.TS-02707D2

2.1966.11.19,NHK,ヤマハホール,東京落語会第89回

3.25:53

4.YP.YR13-1006

5.出囃子 正札附

えー、エエッ、召し上がる物にも、色々このォーッ好き好きがございますが、まァ魚の中で、えー、十人が九人まで、ェッ旨いと言うのはあの鯛と言うお魚で。煮て良し焼いて良し、ェーッ頭は潮煮。刺身。えー捨てる所はまあ、ァッ骨以外には無いと言いますが。もっともあの骨もこんが(わ)り、焼きまして、醤油ゥを掛けて熱いお湯ゥを入れて、ェッ掻き回して飲んでご覧なさいまし、大変旨いもんで。骨湯てぇましてね。えーあれはそのォ、ォーッカルシウムがあって、滋養になりますが。もっともあの骨湯の後は猫にやったって食わなくなりますけれども。まァ魚の中で、ェッ鯛は王としてありますが。ェーいずれもこの旬と言うものはございますが、えー、鯛だけには旬は無いと言いますがそれでも春の桜鯛と言う、瀬戸内へ、子を産むために、鯛がこのォ、春になると集って参りますがこれがどうも大した数で、だから大勢集まる事を『鯛集(大衆)』と言うのはこれから始ったてぇますが余り当てにはならないが。(白湯を啜る)浅い所を泳ぎまして、(ドン)魚と魚がこう重なりまして丸で島の様に見えると言うので、これを、魚島と申します。……

6.長谷川幸延作の新作。前にも後にもこの時かぎりの口演の様である。NHKラジオで1967.1.3に放送されている。ユピテル盤は、この時の放送を無断でレコード化したものらしい。ジャケット及びレーベルは『お玉さん』と誤記されている。

7.YP.YR13-1006 DISC COPY

8.東京落語会の芸術祭参加新作落語特集の録音。滋賀県の多賀神社を舞台にしている。枕の部分は、特に本篇の内容に関わりあいが無い。

お多賀さん・解説

長谷川幸延作の新作落語。東京落語会での芸術祭参加公演新作落語特集で演じられた物が、ラジオで放送されそのエアチェック録音の音源から許可を得ずに無断でレコード化したとして問題になったユピテル盤の中で、最も珍品かつ貴重な音である。しかも、演題を『お玉さん』と誤記してくれたものだから、新譜の案内を見て大いに当惑したものである。なにしろ圓生師は後に人形町で一回、しめて二回きりしか演じていない様であるから、無許可だろうが何だろうが、ファンにとっては誠に有り難き快挙である。噺自体も聞いて分る通り、実に面白くない噺であるので、今後レコード化されることなど考えられず、余程のことが無い限り再放送もされないであろうから、貴重な音である事は間違いない。ただただ貴重かつ珍品と言うのがとりえの噺。

 

時代設定:乗物が不自由だと言うからには江戸時代。

舞台:近江国多賀神社、京都、明石、多賀の裏山。

登場人物:多賀神社神官、大深村に住む夫婦者、狼。

ベストテイク:貴重な貴重な1本です。

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