三遊亭圓生音源データ

お七−1

1.TS-02506D2

2.1968.8.6.NETTV,新宿末廣亭,「テレビ名人会」

3.24:17

4.なし

5.出囃子 正札附

えー、毎度この、噺の方へは変った者が、引合いでございますが。えー、良く、ァー物を気にすると言う方がありまして、昔からこれを御弊担ぎなんと言う。勿論まァ、ァーッ御商売柄で、えー、忌詞と言うものが、ァー良くありますもので。えー、芸人なぞでは、大変この縁起を担ぎましてね、噺家なぞはずぼらだから、そんな事は無かろうと思いますがやはり、えー、忌詞がありましてこの、『する』と、言うこと、あるいは『はずれる』と言うのを、大変嫌います。どういう訳だてぇと興行が外れて、興行を擦ったなんという。で『する』と言う事は、ァー全部『当る』と言いましてね、『擂鉢』が『当り鉢』、『硯箱』が『当り箱』、『するめ』を『あたりめ』なんと言う何でも(ポン)、『する』事は『当る』『当る』と言いましてね。こないだ、自動車ィ乗りまして……  ……<当りヶ台〜障子を取って風を大入り〜お茶をひく〜金銀出入帳〜出車沢山帳>……  ……中にはその無闇に物を気にする人がありまして、「うちへ、エー鴉が止まって鳴いたから何か不吉な事が出来るんじゃァないか」あるいはまた「犬が吠えるから、悪い事が始まるんだろう」なんてんで見る物を何でも気にする。こういう所へ面白がってからかいに来る奴がある。「いけねぇ、おう、おっかァまたあいつが来たよ。どうもいやだねあいつの来る日はねぇ俺ァ分るんだよ朝っから。おなか何となくしくしく痛むんだよ。俺が物を気にする事を知ってやがって顔を見ると嫌な事を言やがん。……

6.新宿末廣亭での録音。

7.NET TV テレビ名人会 放送録音 1968.8.6

8.比較的珍しい噺。

お七−2

1.TS-02852A3

2.不明

3.18:57

4.Col.CHY-9087(CT)

5.出囃子 正札附

(カット)えー、昔からこの良く、物を担ぐと言う方がございますが。えー俗に御弊かつぎと言いまして。無闇に物を気にしてね。「うちの屋根へ鴉が止まって鳴いたから何かあるんじゃァないか」「犬が吠えるから、こりゃァ悪い事が出来るんじゃァないか」なんてんで見る物を無闇に物を気に致しまして。こういう所へ面白がってからかいに来る人がある。「おいおい。おっかァいけねぇ、あのゥ、また、来た来たよ。えー、あいつが。俺ァあいつの来る日は分るんだよ下っ腹が少しチクチク痛いんだよゥ。どうもあいつが来るてぇと、俺が物を気にするのを知ってやがって嫌な事ばかり言やがんだ。……

6.出囃子は違う録音のものを継ないである。

7.Col.CHY-9087 CT COPY

8.録音年月日が不明であるが、声の調子や語り口から1960年前後の録音ではないかと思われる。

お七・解説

「お七」でも「八百屋お七」の方は今でも多くの演り手があるが、この「お七」の方は圓生から出た演り方以外は聴いた事がない。滅多に演らなかったようだが2つの録音がある。噺そのものは、「青菜」や「あわびのし」に似たいわゆる付け焼き刃物であり、単純そのものの内容であるが、お七夜とか初七日だとか冠婚葬祭の風俗が現れていて教育物として残したい噺と私は考えている。昔は寄席で語られるこういった噺から自然に世間の常識だのを覚え、学校では教えない事も寄席へ行けば教えてくれた訳である。かく言う我々も落語から巨大な量の知識を得ているわけで、榎本滋民氏程ではなくとも世間一般人よりは遥かに雑学知識は優れている筈である。この噺を知っていれば、とりあえずお七夜と初七日を間違えて恥を掻く事は無さそうである。

時代設定:特に限定は無いが、江戸から明治。

舞台:お初の両親宅、熊公宅。

登場人物:お初の父親、お初の母親、お初(生まれて七日目)、お初のお婆さん(隣でぼんやり居眠りしている)、熊公、熊の娘お七。

ベストテイク:これは問題なく「お七…1」である。

戻る