三遊亭圓生音源データ
大山詣り−1
1.TS-02534A1,VT=TV-39043-3
2.1975.6.30,TBS,国立小劇場,落語研究会第88回
3.36:06
4.パイオニア.EE-006(LD),Schwan.SRVT-3919(VT)
5.出囃子正札附
えー、追い追い、これから陽気も、ァーッ、お暑くなりますが、えー、暑い時にはこのォ、ァーなるべく、涼しいとこで過ごしたいと言うこれはまァ人情で。えー山ィでも登ってみようとか、或いは海で泳ごうと言う。えー今年はまたあのゥ、ァー女性の方で、エベ、エェーッ、エベレストってんですか、あの山ィ登ったと言う。アーもう偉いもん。あたくしはエベレストってのは、ァーッ魔法瓶の名前とばかり思…。あァ言う山があるてぇ事を初めて知りまして驚いた。えー昔はまァその、スポーツではございませんが、御信心で、お山を致しましてまァ富士詣りとか、(白湯を啜る)道了尊、(ドン)えーっ大山なんと言う、まァ江戸に近いと言うので、(チャリン)大山というものは、ァー大変繁盛致しましたもので。えーっ時期と申しますと六月二十六日から七月の七日まで、これを初山と言いまして、えー十四日から、七月、ゥー十七日までで、これを盆山と言うんだそうで。えー中にはそのォ、借金逃れやなんかで、山へ登ったなんという人もあったんだそうで。えー『石尊を賭場からすぐに思い立ち』なんと言う。えへへっ、これはつまり、博打に負けちまって、もうどうにもこうにも、手も足も出ない、「こらァとても江戸にいた日(し)には借金取りで責められてたまらねぇから、山へ行っちまったら催促もされなかろうから、でこいつに逃げよう」と言うんでね、えぇ借金逃れに山ィ、行くなんという甚だ怪しからん事で。えー『十四日末は野となれ山へ逃げ』なんという、えーこういうのは、みんなその、ォー博打で取られたと言う奴で。…………<水垢離〜唱え文句〜納め太刀〜女郎買い八分信心二分>…………ァーお定まりでこらァもう酒を飲めば向こうで喧嘩でもおっ始まろうと言う訳で「おい今年は何だぜ、エヘン去年みてぇな馬鹿な騒ぎをして、先達さんに迷惑を掛ける、えー掛けねぇ様に気を付けようじゃねぇ」……
6.落語研究会の口演。研究会では第5回にも掛けている。
7.TBS TVお待ちかね名作寄席放送録音75.8.25
8.落語研究会の録音でたっぷり演じている。古今亭親子をはじめとする、髮の毛の話が面白い。
大山詣り−2
1.TS-02835B1
2.1977.6.29,東横劇場,東横落語会第198回
3.36:39
4.V.VCK-859(CT),VDR-21031(CD),VICG-15060(CD)
5.出囃子正札附
えー、追い追いこれから、ァーッ、お暑くなりますが、えー涼しいとこで、過ごして見たい、えー何かそのゥ、ォー、ゥー(ポン…ポン)すっとォーいい心持ちンなる所ィ行きたいなんと言うこれはもう、人間の人情でございまして。えー従ってこのゥ、ォーッ、お若い方は、海なぞへ、お出掛けンなりまして泳ぐとか、或いはこの山へ登るなんという。えー山登りと言うものはあれは大変難しいもんだそうで、えー山岳隊なんと言いまして、ま日本ではなかなかあの方の技術が進んでいるとか、ァ申しますが、あのエベ、エェーッ、エベエベレストってんですか、えーあれを征服をしたと言う。あたくしは魔法瓶の名、だと思っていたン。ヘヘッ…。ぇー山にああいう所があるんだてぇんで聞いてびっくり致しましたが。えーとにかくまァ昔はそう言う、えー運動で登るとか、なんというのはございませんが、えー信心でお出掛けンなる。まァ富士詣りとかあるいは大山、ァッ道了尊なんと言う、江戸に近いと言うので大山というものはこりゃァ大変繁盛致しましたもので。もっともこの山ィ登ろうというには、色んな規則がありまして第一に、身を清めると言うことで、…………<水垢離〜唱え文句〜納め太刀〜お念仏>…………とにかくゥー、信心で行く訳でございますから、真面目な心で、お詣りをすると言うのが当たり前で中には酷(しど)いのがありまして、えー博打に負けて、借金逃れにあの山に登ったなんという、(ポン)川柳に残っておりますが。もっともお山ィ登るには日が定まっておりまして、六月の二十六日でございましたか、それから七月の七日まで、これを初山と言いまして、それから十四日から、十七日までを、盆山と言う。えーこの盆山の方へは、博打に負けた連中なぞが随分、(ポン)転がり込んだんだそうで。えー『十四日、末は野となれ山へ、逃げ』なんという。ゥー博打に負けちまって、もうどうにもこうにも、ほう返しが出来ない、「まァしゃァねぇから山行っちまおう。あすこならァ借金取りも来ねぇだろうから」なんてんでね、えぇ酷いのがあるもんで。……<女郎買い八分信心二分>…………えーお定まりで向こうへ行けば必ずもう酒を飲み、(白湯を啜る)後は喧嘩てぇ奴があります「今年は何だぜ、去年のような馬鹿な騒ぎをして、先達さんに迷惑を掛けねぇ様にしなくちゃいけねぇぜ」……
6.東横落語会の口演。ホールの常で、お山の解説から丁寧に演じている。
7.V.VCK-859 CT COPY
8.落語研究会の録音と枕の筋立ては前後しているが、ほぼ同じ内容である。毎度の髮の毛の話が面白い。
大山詣り−3
1.TS-02856B1
2.1965.5.31,東宝演芸場,東宝名人会
3.29:35
4.Ca.C18G-0312,PN.20P-2203(CT),PC.18P-60011(CT),PCCG-00056(CD)
5.出囃子正札附
えー、ェーッ、昔はこの、今と違いまして、ェー山と言う様なものは、御信心でお出掛けになりますもので。えー当今は、ァーまァ山ィ登ると言うのは一つのスポーツでございますが、以前は、ァー富士詣りとか道了尊、…大山詣りなんと言う、まァ、ァ江戸に一番近いと言うので大山と言うものは、ァー大変繁盛したもんだそうで。納め太刀と言いましてあの木の大きな、太刀を持ちまして、でこれでまァ向こうへ納めて、向こうからまたその太刀を戴いて来ようと言う訳で。両国に、ィー垢離場と言うものがありまして、ここでェッ水垢離をとりまして、えー、えー心身共に清めて、これからお山をしようと言う訳でところがまァ、御信心ばかりではございませんで、えー中にはその混ぜっかえしに、ィ山ィ行こうなんと言う不心得な奴が…………<女郎買い八分信心二分>…………向こうへ行きますてぇとお定まりで、酒を飲んだり何かするてぇと喧嘩がおっ始まる「おい何だぜ、今年はあんな去年のような馬鹿っ騒ぎをして、(白湯を啜る)先達さんに御迷惑を掛けちゃいけねぇから……
6.東宝名人会の録音。出囃子は別の音を継いである。
7.Ca.C18G-0312 DISC COPY
8.枕の筋立てが簡単になっているが噺はほぼ同じである。枕の途中がカットされていると思われる部分があるが、定かではない。
大山詣り−4
1.TS-02924C1
2.1974.9.27,CBS・ソニー,スタジオ,客なし,「圓生百席第十席」
3.42:34
4.CS.SOGZ-109,SR.SRCL-3809(CD)
5.出囃子山帰り受囃子四丁目くずし
当節はこのゥ、暑くなりますと、ォーッ、海へ行って泳ぐとかあるいは、山ィ登ると言う。ァどこを征服をするなんとおっしゃいまして。えー、高い所ィ、良く登れるもんでございましてね。えー日本の山岳隊があの、エベ、エベレスト、なんと言う、山ィ登ったと言うん。あたくしはエベレストってのは、魔法瓶の名前だとばかり思っておりましたら、山にもあァ言う名前があるんだてぇのを初めて知りましたが。えー、一つのスポーツでございます。昔はまァ、そういう事は無かったが、ァーッ信心でそのお山ィ登るという。えー富士を、一つゥ、ゥーお詣りをする、あるいは、えー道了尊、大山詣りなんと言う。ま江戸に近いと言うので、ェッ大山というものはこれはもう大変盛りましたもので。えー、山ィ登るというにはあれはなかなか大変でございまして。昔でもちゃんとそれだけの準備をしなくちゃァなりませんで。…………<水垢離〜唱え文句〜納め太刀〜初山盆山〜借金逃れ〜お念仏〜女郎買い八分信心二分>…………こんな連中ですから向こうで、酒でも飲めばもうお定まりきっと、喧嘩と言う奴がおっ始まる「今年は何だな、去年みてぇな馬鹿な騒ぎをして、先達さんに迷惑を掛けねぇ様に気を付けようじゃねぇや」……
6.「圓生百席」の録音。これを元にした速記が集英社文庫「圓生古典落語3」に収められている。
7.CS.SOGZ-109 DISC COPY
8.
大山詣り−5
1.TS-02930D1
2.1979.7.2,池袋サンシャイン,松竹落語会第2回
3.25:33
4.Co.FZ-7112,CPY-9019(CT)
5.出囃子正札附
えー、追い追い、これからお暑くなります、えー涼しいとこでー、ぇー過ごしたいと言うこりァーもう人間人情で。海にでも一つ行って泳ぐとか、あるいは、山ィ登ってみようかと言う。えー今はあの、山と言うものはスポーツでございまして、どこの山を征服したなんと言いまして、エベ、エベ、エベレストなんと言う、…えー、エヘッ、あたくしはあれ魔法瓶だと思っていたん…。あァ言う山があるんだってぇ事を聞いてびっくり致しまして。えー昔はまァ大山とかあるいは富士詣り、道了尊なんと言うこらァまァ御信心で、本来はお出掛けンなると言う訳でところがまァ、心得違いな奴がありましてね、えー山へ(カット)遊(あす)び半分に、冷やかそうなんと言う様な、ァッ飛んでもない奴が…………<女郎買い八分信心二分>…………えーいずれまァその酒を飲むてぇと喧嘩やなんかがおっ始まる「今年は何だぜ、去年のような馬鹿っ騒ぎをしてな、先達さんに御迷惑を掛けねぇように(カット)行こうじゃねぇ」……
6.時間調整の為か或いは修正の為か、あちこちでテープの編集がある。
7.Co.FZ-7112 DISC COPY
8.
大山詣り−6
1.TS-02931D3
2.1967.8.13,TBS,人形町末廣,「日曜寄席」
3.23:22
4.なし
5.出囃子正札附
えー、ェッお暑く折りでございますと、まァこのゥ、ァーッなるべく、涼しい所で、過ごしたいと言うこりァまァ人間人情でございますが。えー、海へェーッ行って泳ぐとか或いはまた、ァーッ山ィでも登ってみようと言う。ま今は、山と言うものは、スポーツでございますが、昔はまァこの御信心で、ェお出掛けンなりましたもので。富士詣りとか道了尊あるいは、大山詣りなんと言う。ま大山と言うものは、江戸に一番近いと言うので、大変これは繁盛致しましたもので。本来はァッ信心で行くべきなんですが中には混ぜっかえしに山ィ行ったりなんかァしてね、不心得な奴が…………<女郎買い八分信心二分>…………まァお定まり酒を飲むと、喧嘩やなんかがおっ始まる「おい今年は何だぜ、去年みてぇなあんな馬鹿な騒ぎをして、先達さんに迷惑を掛けねぇようにしょうじゃねぇ」……
6.人形町末廣からの中継である。必要最少限の枕で本篇へ入っている。
7.TBS TV日曜寄席放送録音細田氏ライブラリー
8.この時の放送は自分でも観ており録音もあったが、何かの都合で消去してしまったもの。
大山詣り−7
1.TS-02943D2
2.1968.8.29,NHK,スタジオ,客なし,「演芸」
3.28:10
4.なし
5.出囃子なし
えー、『大山詣り』と言う、ゥーッお噺でございますが。ま暑いときは、海で、エーッ泳いで見ようとか或いは、ァッ山ィでも登ろうなんと言う。えーっ、今では、ァーッあすこの山を征服をしようなんと言う、色々また、宣伝を致しまして、ェーッ、「山は招ぐ」なんてぇ事を言いましてね、えー招がれたっぱなしで、ェーお帰りンならない方も出来たりなにかする。こりゃァいけませんが。で昔はまァそういう、運動と言う事はございませんが、ァッ御信心では、山へ登りましたもので。えー関東では、富士詣り、あるいは、大山、道了尊なんと言う。えーこりゃァもう、ォー大変繁盛致しましたが中で、大山と言うものは、江戸に一番近いと言うので、お職人なぞはこぞって、出掛けましたもので。で本当は、出掛ける前にはこのゥ、両国ィ参りまして、垢離場と言うものがあります。…………<水垢離〜納め太刀〜初山盆山〜借金逃れ〜女郎買い八分信心二分〜お念仏>…………威勢のいい連中ですが、喧嘩てぇものは付きもんでございまして「おい、今年は何だぜ、去年みてぇなあんな馬鹿っ騒ぎはよそうじゃねぇかえーっ先達さんにまた迷惑を掛けるからよ。今年は喧嘩ッしねぇ様に決めてこうじゃねぇか」……
6.スタジオでの客なしの録音。
7.NHK TV演芸放送録音佐藤氏ライブラリー
8.
大山詣り−7
1.TS-12551A2
2.1966.,TBS
3.27:54
4.Te.TETR-20026(CT),TECR-20026(CD)
5.出囃子正札附
えー、ェーッ、追い追いこれから、お暑くなりますと、ァーッ山ィ登って見ようとか或いは、海で一つゥ、ゥーッ泳いで来ようなんと言う。まァ今は、ァーッ山と言う物が一つのスポーツでございますが、ぇー昔はまァ御信心でお出かけになりました。富士詣りでございますとか道了尊、あるいは大山と言う。まァ江戸に一番近いと言うので、ェーッ大山と言うものが大変繁盛致しましたもので。ま本来はこれは御信心でおいでンなるべきですが、中にはまァその山へ、ェッ混ぜっかえしに行こうなんと言う、大変心得違いの奴がいる…………<女郎買い八分信心二分>…………向こうへ参りまして、お定まりもうさか酒を呑めば喧嘩なぞがおっ始めるという「今年は何だぜ、去年見てぇなあんな馬鹿っ騒ぎをして、先達さんに迷惑を掛けねぇ様にしようじゃねぇか」……
6.TBSの記録には、1966年7月「落語名人会」にて放送とあるが、放送記録に該当の番組が見当たらない。
7.Te.TETR-20026 CT COPY
8.
大山詣り−8
1.TS-12687A1
2.1978.6.8,金沢名人寄席
3.37:23
4.無し
5.出囃子中の舞
えー、ェーッもう一席申し上げまして、えー、ェーッお開きと言う事に致しまして。只今は、ァーッ照代・三球と言う、誠に、ィーッ品のいい、漫才でございまして。ウーンどうもあまり下品なのはいけませんが、えーコンビとして誠に息も合い、新しい事を申しまして。えー楽屋へ入りましても、ォーッ二ァ人なかなか仲がよろしいんでございましてね、えー煙草を半分ずつ、ゥーッ吸ったりして、どうもいやに仲がいいなと思って、えー色々聞いて見たら、ァーッ本当は御夫婦だそうで。夜は一緒に寝たりなんか致しまして。ヘッどうも、怪しからんもんで何怪しからん事…。え近頃は運動と言う物が追い追い盛んになりまして、それからまァこのォ、ォーッ山登りと言うこれからまァ、アー気候季節でございますが、(白湯を啜る)どこの山を征服をするなんてぇ事を言いましてね。えー何かあの、えーエ、エベ、エベレ、エベレストってんですか、エベレストって、あたくしは魔法瓶の名だと思っていたら、ああ言う山があるんだって聞いてびっくり致しましたが。あれをまァ征服をしたなんてぇ事を言う。まァ昔はそんな、えー山ィ登って、えー何々をしようなんてぇのはございませんが、御信心では、良くお山を致しましたもんで。江戸に近いと言うので大山詣りなんと言うそれから富士詣り道了尊。こらまァ本来、御信心でいらっしゃる訳で。お山ィ行く時には必ずあの、えー昔は垢離と言うものをとりました水垢離と申しまして。…………<水垢離〜唱え文句〜かけ念仏〜女郎買い八分信心二分>…………えー向こう行くてぇとお定まりで酒を呑んだあげくに、喧嘩やなんかがおっ始まるて言う訳で「今年は何だぜおい、去年見てえなあんな馬鹿っ騒ぎをしてな、先達つぁんに悪いから止そうじゃねぇか」……
6.金沢で行われた落語会の録音である。噺の中で、圓生はじめ、馬生、三球・照代が参加していた事がわかる。
7.金沢名人寄席主催者録音後氏ライブラリー
8.
大山詣り・解説
江戸落語の代表格の一つであるこの噺は、色々な噺家が演じておりそれぞれに楽しいが、圓生師の『大山詣り』を聞く楽しみは、何と言ってもあの禿頭の所で本篇から脱線して古今亭親子や文樂師の頭の事を言う辺りにある。特に志ん朝師匠の事を『あたしの女はみんなあいつに取られちまいました…』などと言うあたりは実に楽しい。しかし、『親の因果が子に…』と言っていた志ん朝師の頭がいまだに親父の領域に差し掛からないのを見て、天国の圓生師はきっと『どうも怪しからんもので…』と思っているに違いない。
時代設定:江戸時代。
舞台:江戸町内熊五郎宅。神奈川宿旅籠。
登場人物:先達吉兵衛、熊五郎、定、他全18名、その女房連中きいちゃん、みいちゃん、ろくちゃん、はあちゃん他全18名、神奈川宿旅籠おかみ、女中きよ。
ベストテイク:「大山詣り…1」と「大山詣り…2」が双璧。「大山詣り…1」は映像も残っている。